【1000人に聞いた!】フリーランスエンジニアのリアルな意識調査 ~技術力が高いだけが、プロフェッショナルなフリーランスではない?~
2025年3月5日
この度、Relanceではフリーランスエンジニア約1,000名の方を対象にアンケート調査を実施いたしました。
「年収別に見る案件1件あたりの平均契約期間は?」
「即レスに対する時間感覚は?」
「報連相の対象としている内容は?」
「現役フリーランスエンジニアが考える『プロフェッショナルなフリーランス』とは?」 など
これからフリーランスになる方や現在フリーランスとして活動されている方、フリーランス活用をされたい企業の方も気になる内容ではないでしょうか?
ぜひ、今回の調査結果と考察をご覧いただき、今後の活動に活かしていただければ幸いです。
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■調査概要
・調査期間:2024年10月3日(木)~10月10日(木)
・調査対象者:フリーランスエンジニア(20代~50代)
・調査人数:1,014人
・調査手法:インターネット調査
・調査元:株式会社ゼネラルリサーチ
■調査データの引用・転載に関して
本調査データを外部メディアなどに引用・転載される場合は下記の利用条件を守ってご利用ください。
≪利用条件≫
1.情報の出典元として、Relance(もしくはリランス)の名称を明記してください。
2.ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、本記事へのリンクを設置してください。
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目次 [非表示]
- 1 調査サマリー
- 2 回答者属性
- 3 フリーランスエンジニアのリアルな意識調査
- 3.1 フリーランス歴は何年ですか?
- 3.2 フリーランスに転身した理由は何ですか?(複数選択可)
- 3.3 現在の年収はいくらですか?(副業フリーランスの方は、副業のみの年収をお答えください)
- 3.4 案件1件あたりの平均契約期間はどのくらいですか?
- 3.5 年収別に見る案件1件あたりの平均契約期間(専業フリーランスのみ回答)
- 3.6 案件の獲得方法を教えてください(複数選択可)
- 3.7 フリーランスとして大事にしていることは何ですか?(複数選択可)
- 3.8 「技術力」と回答した方にお聞きします。技術力向上のために取り組んでいることは何ですか?(複数選択可)
- 3.9 「報連相」と回答した方にお聞きします。基本的なスタンスとして報連相はどのくらいの頻度で行っていますか?
- 3.10 「報連相」と回答した方にお聞きします。あなたにとって報連相の対象としている内容は何ですか?(複数選択可)
- 3.11 「即レス」と回答した方にお聞きします。あなたにとっての「即レス」とは、どのくらいの時間感覚ですか?
- 3.12 今まで参画した案件で、あなたの中で上手くいかなかった、想定と異なったと感じた経験はありますか?
- 3.13 「ある」と回答した方にお聞きします。具体的にどのようなことがありましたか?(複数選択可)
- 3.14 あなたが考えるプロフェッショナルなフリーランスとは何ですか?(複数選択可)
- 3.15 今後、より求められる人材となるために、プロジェクトマネジメントスキルで必要だと思う能力や知識を教えてください(複数選択可)
- 3.16 今後学びたい技術は何ですか?(複数選択可)
- 4 さいごに
調査サマリー
- 年収1,000万円以上の50%以上が契約期間1年以上、長期継続が収入に影響
- 「即レス」に対する時間感覚、66.6%が「分単位」と回答
- 現役フリーランスエンジニアが考える「プロフェッショナルなフリーランス」、技術力よりも「報連相」「レスポンスの速さ」が回答数を上回る
- 技術力があることだけが、プロフェッショナルなフリーランスとは言えない?
- 案件の中で「上手くいかなかった、想定と異なったと感じた経験」約80%が「はい」と回答
- 今後学びたい技術、トップは「生成AI」。「IaC」「Kubernetes」といったインフラやSREに関連する技術にも注目集まる
回答者属性
現在のフリーランスとしての働き方について、専業か副業か当てはまるものを選んでください
本調査は、フリーランスエンジニアとして活動されている方を対象に行いました。上記設問に対しては「専業フリーランス」74.2%、「副業フリーランス」25.8%という結果になりました。

あなたのポジションについて、最も近いものを1つ選んでください
※兼務している業務がある方は、業務割合が多いものを選んでください
「フロントエンドエンジニア」25.4%、「バックエンドエンジニア」21.5%と、全体の約半数を占める結果となりました。フロントエンドエンジニアの割合が多い理由は、Webサイト・LP制作からWebアプリケーション開発と案件の幅が広いことや、ChatGPTやAIツールの支援でコーディングの効率が向上したことで、デザイナーもフロントエンド開発を扱えるようになってきたことなども、理由として考えられるのではないでしょうか。
また近年はクラウドやIaCの活用が進み、インフラ領域の需要が高まっていることから、「DevOpsエンジニア」や「インフラエンジニア」の割合も比較的多いことがわかりました。。

フリーランスエンジニアのリアルな意識調査
フリーランス歴は何年ですか?
最も多い回答が「2年~5年未満」31.4%、次いで「1年~2年未満」23.2%という結果になりました。一方で、8年以上の割合は15.5%と少数でした。推測できる理由としては、2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」上で副業・兼業に関する規定を新設したことをきっかけにフリーランスになる人口が増え始めたことや、フリーランスという働き方自体があくまでも最近の傾向であることが考えられるのではないでしょうか。時代背景以外では、長く継続するためには何かしらの課題があるのかもしれません。

フリーランスに転身した理由は何ですか?(複数選択可)
「働く場所や時間の自由度が欲しい」41.9%、「年収を上げたい」40.3%と、それぞれが半数近い回答となりました。昨今、正社員では出社頻度の増加傾向、フルリモートを廃止する企業なども出てきているので、今後はより自由度の高い働き方を求めて、フリーランスエンジニアに転身する方が増えるかもしれません。

現在の年収はいくらですか?(副業フリーランスの方は、副業のみの年収をお答えください)
600万以上の割合に注目すると、専業フリーランスは57.9%、副業フリーランスは46.1%という結果でした。その差は意外にも11.8%と、副業フリーランスの中には専業フリーランスと変わらない収入を得ている層がいることがわかりました。

案件1件あたりの平均契約期間はどのくらいですか?
最も多い回答が「6カ月~1年未満」37.5%、次いで「1年~2年未満」29.3%という結果になりました。全体で見ると58.8%が1年未満の契約になっていることがわかります。次の設問では、年収別で平均契約期間を見ていきます。

年収別に見る案件1件あたりの平均契約期間(専業フリーランスのみ回答)
一つ前の設問に対する回答では、全体の58.8%が平均契約期間「1年未満」と短期間が多い一方で、年収1,000万円以上のフリーランスは50%以上が1年以上の契約となっており、長期契約が安定した高収入に繋がる傾向が見られます。収入を向上させるためには、求められるアウトプットをし続け、参画先との信頼関係を構築することが重要なのではないでしょうか。

案件の獲得方法を教えてください(複数選択可)
最も多い回答は「前職や取引先からの紹介」45.1%、次いで「知人からの紹介」33.5%と、リファラルでの案件獲得が多いことがわかりました。また「SNSの活用」も29.7%と、何かしらの繋がりを通した案件獲得が多い傾向にあるため、SNSはもちろん参画先での関係構築やコミュニティへの参加による人脈作りなどが安定した案件獲得には大事なのかもしれません。

フリーランスとして大事にしていることは何ですか?(複数選択可)
最も多い回答が「技術力」42.5%、次いで「即レス」39.7%という結果になりましたが、どの回答も万遍なく回答が入りました。エンジニアという職業柄、技術力はもちろんですが、即レスや報連相といった日々のコミュニケーションも重要視していることがわかりました。次の設問では、上位3つの回答についてさらに深堀りをしていきます。

「技術力」と回答した方にお聞きします。技術力向上のために取り組んでいることは何ですか?(複数選択可)
「技術ブログを読む」「書籍を読む」といった、インプット活動が半数近くを占める結果となりました。アウトプット活動では、「サンプルコードから写経する、サンプルアプリケーションを作る」24.8%、「技術ブログを書く」16.0%という結果でした。インプットとアウトプットから技術力を向上し続けることが、フリーランスとしてキャリアを開拓することに繋がるのではないでしょうか。

「報連相」と回答した方にお聞きします。基本的なスタンスとして報連相はどのくらいの頻度で行っていますか?
「日次で報連相する」49.2%、「逐次で報連相する」34.5%と、全体の80%以上が1日1回以上は能動的に報連相を行っていることがわかりました。報連相の頻度に正解・不正解はありませんが、まめに報連相をすることで認識相違もなくなり、双方の信頼にも繋がっていくでしょう。次の設問では、報連相の対象とする内容について見ていきます。

「報連相」と回答した方にお聞きします。あなたにとって報連相の対象としている内容は何ですか?(複数選択可)
何を報連相の対象としたらいいのか迷う方もいるのではないでしょうか。本設問で最も多かった回答は「作業範囲や責任範囲、ゴールが不明確なとき」「何かしらの成果やアウトプットが出たとき(作業進捗)」がそれぞれ54.5%という結果でした。どちらも相手の要求や期待値とのズレなどがないかを確認していることがわかります。報連相を行うことで、作業の手戻りやトラブルの悪化などを防ぐことに繋がるでしょう。

「即レス」と回答した方にお聞きします。あなたにとっての「即レス」とは、どのくらいの時間感覚ですか?
66.0%が「即レス」の時間感覚を「分単位」と考えていることがわかりました。クライアントやチームとの円滑な連携を重視し、迅速な対応が信頼構築や案件継続に繋がると考えられます。自分でボールを持つ時間や数が増えるとそれが認知負荷になったり、チームの作業進捗に影響を及ぼす可能性もあるため、速いレスポンスを心掛けているのではないでしょうか。

今まで参画した案件で、あなたの中で上手くいかなかった、想定と異なったと感じた経験はありますか?
「はい」79.5%、「ない」20.5%と、約8割が「上手くいかなかった、想定と異なった」と感じた経験がありました。次の設問で、具体的にどのようなことが起きたのかを見ていきます。

「ある」と回答した方にお聞きします。具体的にどのようなことがありましたか?(複数選択可)
最も多い回答が「アウトプットに対する期待値にズレが生じた」43.8%、次いで「参画前に説明された業務説明と異なっていた」37.2%という結果になりました。いずれも認識齟齬によるものと考えられるため、参画前や作業依頼時の認識合わせが重要になってくるでしょう。また心理的安全性が低い環境では、発言のしづらさからコミュニケーション不全による認識齟齬が起こりやすくなる可能性もあるため、受け入れ側の環境づくりも重要でしょう。

あなたが考えるプロフェッショナルなフリーランスとは何ですか?(複数選択可)
注目すべきは「技術力が高い」よりも、「報連相ができる、レスポンスが速い」38.1%、「質問ができる、質問の質が高い」38.0%の二つが多い回答結果となりました。「新しい取り組みや改善提案ができる」「期限を守る」も近しい回答割合であることから、一ビジネスマンとしてどうあるべきかを大事にしている方が多いのではないでしょうか。技術力が高いことだけがプロフェッショナルなフリーランスとは言えないのかもしれません。

今後、より求められる人材となるために、プロジェクトマネジメントスキルで必要だと思う能力や知識を教えてください(複数選択可)
2.6%が「プロジェクトマネジメントスキルは必要だと思わない」と回答しましたが、全体の97.4%が「プロジェクトマネジメントスキルは必要」と考えていることがわかりました。昨今は、多くの企業がマネジメントレイヤーの採用に苦戦を強いられていることや、生成AIによってエンジニアの在り方も変化しているため、フリーランスも技術力だけでなく「プロジェクトマネジメントスキル」の有無が市場価値を左右していくのではないでしょうか。

今後学びたい技術は何ですか?(複数選択可)
最も多い回答は、近年のトレンドである「生成AI」20.7%、次いでクラウドサービスを代表する「Google Cloud」16.4%、「AWS」15.4%という結果になりました。回答者属性の設問では、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアが全体の約5割を占めていましたが、「IaC」「Kubernetes」「CI/CD」といったインフラ、SREに関連する技術についても注目度が高いことがわかりました。

さいごに
今回の調査では、フリーランスエンジニアの年収や意識について見てきました。
フリーランスとして活動する上で、案件の獲得方法や契約期間は収入に直結する重要な要素です。特に、リファラル(紹介)経由で案件を獲得している割合が高く、人脈や信頼関係の構築が安定した案件獲得に繋がることがわかりました。また、年収1,000万円以上のフリーランスは契約期間が1年以上の割合が高く、長期的な契約の確保が収入向上の鍵となる可能性があります。
さらに、フリーランスとして求められる要素として「技術力」だけでなく、「報連相」や「レスポンスの速さ」も重視されていることが明らかになりました。加えて、97.4%がプロジェクトマネジメントスキルの必要性を感じており、技術力だけでなく、円滑なコミュニケーションやマネジメント能力も今後の市場価値を左右する重要な要素といえるでしょう。
今回の調査結果を元に、案件獲得やスキルアップの参考にしていただき、フリーランスエンジニアとしてのキャリアをより良いものにしていただければ幸いです。
フリーランスエンジニアに「いい案件」を!
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