フリーランスになる上で抱えるであろう不安の対処法 

はじめに

こんにちは。フリーランス ITエンジニアの菊田と申します。
エンジニアとしてフリーランスになるということは、数多くのメリットをもたらしますが、それに伴う不安や悩みも少なくありません。本記事ではフリーランスになる際に多くの方が感じる不安と、その対処法について自分自身の経験や多くのフリーランスの声を基に、解説させていただきます。

執筆者:フリーランスエンジニア 菊田嶺央

高校を卒業後、一度は正規社員として就業するも経営者である父親の影響をうけフリーランスエンジニアに。Go・Pythonの経験が豊富でIotデバイスでマイクロサービスの開発に携わる。現在は、バックエンドとして大手企業のアプリ開発案件に参画しながら、2024年4月に株式会社ExKYOを設立。

税金や保険周りに対する不安の対処法

まず、フリーランスとしての税金に関する不安の多くは、いつどのように税金を支払うのかを理解していないことからきます。ここでは、フリーランスが支払う主な税金とその支払いスケジュールについて説明します 。

主な税金と支払いスケジュール

フリーランスが支払う主な税金は「所得税」「住民税」「消費税」「個人事業税」の4つです。支払い日程は以下の通りです。

税金 支払い日
所得税 通常:3月15日 
* 延納届や振替納税を利用すると支払い日を伸ばすことが可能
* フリーランス2年目以降は予定納税が発生する可能性あり
住民税 通常: 年4回(6月, 8月, 10月,翌年1月)
* 希望する場合6月に一括払いも可能
消費税 原則3月31日
*条件によっては中間申請が可能で1~11回に分けて支払いが可能
個人事業税 原則8月末と11月末

ただし、消費税や個人事業税は一定の要件を満たした場合にのみ支払い義務が生じますので、自分が該当するかどうかを確認することが重要です。 

これらの税金について理解し、支払いスケジュールを把握することで、一定の支出を見込むことができ、漠然とした不安を解消することができます。
また、確定申告を税理士に依頼する場合でも、会計ソフトを利用することで1年間の収支を明確に把握できます。これにより、税理士への説明もスムーズになり、不安の解消に繋がります。

まとめ

フリーランスになる上での税金や保険に関する不安は、適切な情報を得て対処することで大幅に軽減されます。税金の支払いスケジュールを把握し、会計ソフトや税理士を活用することで、確定申告もスムーズに行えます。これらの対策を実践することで、フリーランスとしての第一歩を安心して踏み出すことができるでしょう。

参考:初めての確定申告!不安な方に基本から徹底解説します|FinFin
参考:個人事業税の納付期限日は原則8月末日と11月末日|Tabisland
参考:No.6609 中間申告の方法|国税庁
参考:【不安解消】フリーランスが身につけておくべきスキル|エンベーダー
参考:【税金】フリーランスはいつ払う?支払う税金の種類や、節税方法も徹底解説!|ペイッター

継続的学習をしないといけない不安に対する対処法

フリーランスとして活躍する上で、多くの方が感じる不安の一つに「継続的な学習の必要性」があります。フリーランスとして成功するためには、常に新しい知識やスキルを身につけることが求められます。しかし、継続的な学習はフリーランスだけでなく、どんな仕事においても大切なことです。ここでは自分の気分や感情に左右されずに、継続的に学習する方法を2つ紹介します。

コミュニティに参加する

同じ分野や専門性を持った方々と繋がることで、日常的に他のメンバーから新しい情報やトピックが共有されます。このような環境では、自分一人では見逃してしまうような最新のトレンドや重要な情報を自然とインプットできます。これにより、常に新しい知識を得ることができ、学習のモチベーションが維持されます。 

さらに、コミュニティ内には多様なバックグラウンドを持つ人々が集まります。それぞれの視点から情報が共有されるため、自分が普段関心を持たない分野や新しいアプローチについて知る機会が増えます。こうした情報に触れることで、自分の好奇心が刺激され、新しい分野に挑戦してみたいという意欲が湧いてきます。 

コミュニティに関しては、専門性の高いコミュニティと横断的なコミュニティの両方に属することをお勧めします。 

専門性の高いコミュニティでは、その分野の最新情報や技術、トレンドを深く理解することができます。例えば、プログラミング言語やデザインに特化したコミュニティでは、実践的なアドバイスや具体的な事例が共有されるため、即戦力となる知識を得ることができます。 

一方で横断的なコミュニティでは、異なる分野の情報に触れることで、新しいアイデアやインスピレーションを得ることができます。専門分野の枠を超えた創造的な発想が生まれやすくなります。 例えば、技術系のコミュニティだけでなく、マーケティングやビジネスに関するコミュニティにも参加することで、より広い視野を持つことができます。 

実際にConpassやTechPlayといったイベントサービスを活用することで、勉強会やLT会、IT交流会など、幅広いイベントにアクセスすることができます。これらのサービスを通じて、多様なイベン トに参加し、学習とコミュニティの機会を最大限に活用しましょう。

メンターを見つける

メンターをつけると、専門的な知識や実践的なアドバイスを受けられるのはもちろんですが、何よりも客観的なフィードバックをもらえることが一番のメリットになります。メンターからの客観的なフィードバックは、自分では見落としがちな課題を指摘してもらえるため、より効果的にスキルアッ プを図ることができます。ポジティブなフィードバックは、学習意欲を高めてくれます。逆に建設的な批判を受け入れることで、自己改善の意識が芽生え、こちらもまた学習への意欲が一層強まります。 

客観的なフィードバックは、フリーランスとしての成長を加速させるための重要な要素です。メンターからの具体的な指摘を受けることで、見落としている課題を発見し、効果的に改善することができます。 

フィードバックを基にした自己評価力の向上やモチベーションの維持、自信の向上など、多くのメリットがあります。メンターとの定期的なセッションを通じて、継続的な学習に役立ちます。

参考:フリーランスにはどんなスキルが必要?独立後に成功する人、失敗する人|Relance

安定的な仕事の獲得ができるか

フリーランスとして抱える最大の悩みの一つが、安定的な仕事の確保である方も多いと思います。このような不安とどう向き合い、対処していくかが、フリーランスとして成功するための鍵となります。以下に、安定的な仕事を獲得するための具体的な方法とアプローチを紹介します。 

フリーランスになる上で、どのようなスタンスで独立するのかは非常に重要です。決してフリーランスになることがゴールではありません。元も子もない話ですが、本当に「安定的な仕事の獲得」 とは大きな不安になり得る物でしょうか? 

もし、幅広い経験を積みたくてフリーランスになったり、さまざまなことに挑戦したくて独立したのであれば、「仕事」の捉え方次第によって、その不安は無くなるかもしれません。 たとえば現時点では経済的な報酬に直結しないことも、数ヶ月後には報酬につながる可能性もあり、 これも立派な仕事の一部だと私は考えています。そしてそのような将来的に芽が出ることにトライすることは、雇用されている時に比べて遥かに障壁が少ないでしょう。例えば、自分が欲しいと感じたサービスを開発してみる、前章で話をしたコミュニティの中で気が合う人が困っているときに手助けをする。こういったことが回り回って報酬に繋がります。 

そして「仕事」を頑張っていると自然に不安は消えていきます。 

また、将来のことを考えてみるのも1つの手だと思います。一生フリーランスで居続けるのか、数年後には再び誰かに雇用されて仕事をするのか、はたまた自ら人を雇いビジネスを大きくしていくのか。そのようなことを考えると本当に「安定的な仕事の獲得」がそこまで重要でないようにも思えます。一生フリーランスとして働くのであれば、確かに”結果的”には安定的に働く必要がありますが、先ほど述べたように多種多様なところで活躍されていれば問題はなくなります。 数年後に再度雇用されて仕事をしていくのであれば、一つひとつは短期的だけれども様々な業界に足を踏み入れ経験していく方が成長できるチャンスも多いかもしれません。現状の日本では転職は主流になってきたものの、数ヶ月ごとに仕事を離れる人は煙たがられる傾向が強いです。しかしフリーランスであれば大きく問題視されません。転職活動する際のアピールポイントにもなり得ます。 

人を雇いビジネスを大きくしていくのであれば安定的な仕事を獲得するより、仕事を生み出す方に従事すべきでしょう。

独立すると一生このままフリーランスとして生きていくような感情に駆られるかもしれません。そして、それによってどうしても安定的な仕事を選びがちです。しかしそうではなく、フリーランスとして 一生過ごすとしても先を見据え、例えば5年後にはこういう仕事をしていたいというビジョンを持つことで、目先の安定的な仕事に対する不安は和らぎます。

まとめ

今回は、フリーランスになる上で抱えるであろう3つの不安に対する対策を説明させていただきました。フリーランスとしての第一歩を踏み出す際には、これらの対策を実践することで、不安を最小限に抑え、自信を持って活動を始めることができます。
フリーランスの道は確かに挑戦的ですが、それと同時に大きな自由と可能性を秘めています。自身の努力と工夫次第で、その道を成功へと導くことができるでしょう。フリーランスとしてのキャリアを考えている方や、すでにその道を歩み始めた方々にとって、この情報が有益であり、安心して活動を続けるための一助となれば幸いです。

※過去のインタビュー記事もご覧ください!

hhtps://relance.jp/blog/engineer-interview03/

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