会社員からフリーランスになるために必要なことを知りたい!準備や手続きを解説!
以前は会社で働くことが当たり前とされていましたが、近年では働き方改革の影響もあり、フリーランスなどの新しい働き方を選択する人が増えてきています。
しかし、実際に会社員からフリーランスになろうとしている人の中にはフリーランスになるために何をしなければならないのかをあまり把握できておらず、不安に感じている人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、会社員からフリーランスになるために必要な準備や手続きを解説しつつ、会社員からフリーランスになる人によくある質問にも回答していきます。
目次
会社員からフリーランスになるために必要な準備
会社員からフリーランスになるためには、いくつか必要な準備があります。
- 実務経験5年以上
- クレジットカードの作成
- 賃貸契約を済ませておく
- 必要があるならローンを組んでおく
- 仕事用メールアドレスの作成
それぞれ見ていきましょう。
実務経験5年以上
フリーランスで活動していくなら、仕事や案件を自分で取る必要があります。
条件の良い案件ほど募集人数を上回る数の応募が来ることは容易に想像でき、高い競争率から案件を勝ち取るにはクライアントに自身をアピールしなくてはなりません。
その際の説得力のあるアピールポイントとして実務経験が挙げられます。
実務経験は大きなアピールポイントとなるため、フリーランスとして活動していきたいなら5年以上の実務経験を積んでおくことをおすすめします。
クレジットカードの作成
クレジットカードはもちろんフリーランスになってからでも作成することはできますが、会社員とフリーランスでは会社員のほうが信用度が高く、審査に通りやすい傾向にあります。
そのため、なるべく会社員であるうちにクレジットカードを作成しておきましょう。
賃貸契約を済ませておく
クレジットカードと同様、賃貸契約も会社員とフリーランスでは審査の通りやすさに差があるため、会社員のうちに賃貸契約を済ませておきましょう。
賃貸契約の審査では「収入の安定性」が重要視されるため、収入が不安定な傾向にあるフリーランスは審査に通りづらいのです。
必要があるならローンを組んでおく
各種ローンもやはり会社員とフリーランスでは審査の通りやすさに差があります。
フリーランスでもローンが組めないということはありませんが、「社会的信用」の面で会社員より不利になってしまうのが現状です。
必要があるなら会社員のうちにローンを組んでおくとよいでしょう。
仕事用メールアドレスの作成
フリーランスとして活動を続けていると、クライアントとメールでやり取りする機会も訪れることでしょう。
個人用のメールアドレスをそのまま使っても問題はないのですが、プライベートなメールと仕事のメールが混同してしまうため、重要なメールを見落としてしまう可能性が少なからずあります。
クライアントからの信用にもつながる要素のため、仕事用のメールアドレスを作成することをおすすめします。
確定申告に関する知識と会計ソフトの契約
会社員は会社が年末調整をしてくれますが、フリーランスになると自分で確定申告をする必要があります。
確定申告は専門的な知識が必要というわけではありませんが、記入の仕方にはルールがあり、知識が皆無の状態で作成できるものではないため、確定申告に関する知識は必須です。
また、確定申告では1年間の収入を正確に申告しなくてはならないため、収入を記録するための会計ソフトも契約しておきましょう。
会社員からフリーランスになるための手続き
会社員からフリーランスになるためには以下のような手続きが必要です。
- 国民年金への切り替え
- 開業届出書の提出
- 青色申告承認申請書の提出
それぞれ見ていきましょう。
国民年金への切り替え
会社員は基本的に厚生年金に加入することになりますが、フリーランスになると厚生年金に加入できなくなるため、国民年金に切り替える必要があります。
厚生年金は会社を退職した際に脱退することになるので特別な手続きは必要ありませんが、国民年金への加入は自分で手続きしなくてはなりません。
住所地の市区役所で手続きでき、期限は退職の翌日から14日以内です。
「基礎年金番号通知書または年金手帳等の基礎年金番号を明らかにすることができる書類」が必要となり、「加入していた厚生年金等の資格喪失日を証明できるもの(離職票など)」が必要になる場合もあります。
引用:日本年金機構 国民年金に加入するための手続き https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140710-04.html
開業届出書の提出
開業届も提出しておきましょう。
開業届の提出先は税務署です。直接税務署に赴くほか、郵送でも提出できます。
事業の開始等の事実があった日から1ヶ月以内に提出してください。
提出書類は「個人事業の開業・廃棄等届出書」で、「本人確認書類の提示または写しの添付」も必要です。
本人確認書類は「マイナンバーを確認できる書類(通知カードや住民票の写しなど)」と身分確認書類(運転免許証やパスポートなど)が必要になります。
マイナンバーカードがある場合はマイナンバーカードのみ提示すれば大丈夫です。
引用:国税庁 個人事業の開業届出・廃業届出等手続 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
青色申告承認申請書の提出
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2つがあります。
青色申告は白色申告と比較して、青色申告特別所得控除や純損失の繰り越しなど多数のメリットがあるため、フリーランスとして本格的に活動していくなら青色申告がおすすめです。
青色申告証明申請書の提出先は国税庁で、提出期限は青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までになります。
会社員からフリーランスになる前にエージェントに相談を!
会社員からフリーランスになる前にエージェントに相談するとよいでしょう。
エージェントというと一般的には「転職エージェント」が馴染みあるものとなりますが、エージェントにはフリーランス向けの「フリーランスエージェント」もあります。
フリーランスを目指す人におすすめのサービスとなっているため、ぜひ活用していきたいところです。
エージェントに相談するメリットは以下の通りです。
- 実際に案件を確認できる
- 今のスキルで独立できるのかを教えてくれる
それぞれ見ていきましょう。
実際に案件を確認できる
フリーランスエージェントは実際に案件を確認することができ、スキルに合った最適な案件を紹介してくれます。
フリーランスは基本的に自分で案件を探す必要があり、自分で営業をして案件を獲得する必要があるのですが、フリーランスエージェントを活用すれば自分で営業することなく最適な案件が見つかるのです。
また、案件が途切れることがないようサポートしてくれるため、収入の安定にもつながります。
今のスキルで独立できるのかを教えてくれる
大抵のフリーランスエージェントは無料の個別相談会を実施しており、今のスキルで独立できるのかどうかも相談することが可能です。
フリーランス業界の現状や案件の傾向なども相談することができるため、フリーランスとして活動するうえで不安に感じたことは何でも相談しておきましょう。
相談する際には、特定のフリーランスエージェントだけでなく複数のフリーランスエージェントに相談することをおすすめします。
相談に対する回答はエージェントごとに異なる部分もあるため、複数のエージェントからさまざまな意見を取り入れることで各エージェントの特徴が把握でき、自分と相性の良いエージェントも判断できます。
会社員からフリーランスになる人によくある質問
会社員からフリーランスになろうと考えている人の中には、以下のような疑問を感じている人が少なくありません。
- 失業保険は使えるの?
- 開業届は必ず必要なの?
- 会社員になる前にフリーランス活動はできる?
それぞれの質問について、詳しく回答していきます。
失業保険は使えるの?
失業保険は、失業した人に対して支給されるものですが、実は失業保険は雇用保険の仕組みの一つという扱いをされています。
雇用保険は「雇用される人を対象とした保険」のため、自分で事業を進めていく個人事業主やフリーランスは厳密には雇用保険の対象者ではないといえるのです。
そのため、失業保険が使えるのかどうか疑問に思うのも当然といえます。
結論としては、フリーランスでも失業保険を使うことは可能です。しかし、そのためには条件があります。
必要な条件とは、「再就職の意思」、つまり求職活動をすることです。
実際は再就職の意思はなく、フリーランスとして活動していく場合であっても、開業届を提出しない限りは「求職中」とみなされるため、失業保険の受注条件を満たしているのです。
開業届を提出すると失業保険はもらえなくなってしまうため、開業届の提出タイミングは重要ですが、失業保険を満額受け取りたいなら受給期間満了後に開業届を提出するのがベストです。
しかし、これでは失業保険は満額受け取れるものの、フリーランスとしての事業開始がその分遅れてしまいます。
既に案件獲得のめどがあり、できるだけはやくフリーランスとして働きたい場合は「再就職手当」という制度を活用してみましょう。
再就職手当はハローワークが定めた制度で、離職後の早期再就職を促す目的があります。
再就職手当を受給するには、以下の条件をすべて満たさなくてはなりません。
- 受給手続き後、7日間の待機期間満了後に就職、または事業を開始したこと
- 就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上であること
- 離職した前の事業所に再び就職したものでないこと。また、離職した前の事業所と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業所に就職したこと
- 受給資格に係る離職理由により給付制限がある方は、求職申込をしてから、待機期間満了後1ヶ月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること
- 1年を超えて勤務することが確実であること
- 原則として、雇用保険の被保険者になっていること
- 過去3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと
- 受給資格決定前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
- 再就職手当の支給決定の日までに離職していないこと
条件が多く複雑ですが、注目すべきは「就職、または事業を開始したこと」が条件となっている点です。
就職だけでなく事業の開始も条件に含まれているため、フリーランスになる場合でも再就職手当を受け取ることができるのです。
引用:ハローワーク 再就職手当のご案内
https://www.lcgjapan.com/pdf/lb05414.pdf
開業届は必ず必要なの?
フリーランスに開業届の提出は必須ではありません。
しかし、開業届を提出することで青色申告や屋号付きの銀行口座が開設できるようになるため、提出することをおすすめします。
青色申告は青色申告特別所得控除や純損失の繰り越しなど、節税の面で白色申告よりも大きく優遇されているため、青色申告できるメリットを得られるのは大きな意味を持ちます。
また、「小規模企業共済」にも加入することができます。会社員でいうところの退職金に近い制度のため、ぜひ加入しておきましょう。
会社を辞める前にフリーランス活動はできる?
会社員として働きながらフリーランス活動ができるのかどうかは非常に気になるところですが、結論から言うと会社員とフリーランスを掛け持ちすることは可能です。
フリーランスは副業扱いとなるため、勤務先が副業を禁止していなければ問題なく掛け持ちできます。
会社員とフリーランスを両立しつつ、フリーランスとして独立できるほどの実績を積んでから会社を辞めることも一つの選択肢といえるでしょう。
先述したようにフリーランスは開業届の提出や確定申告といったものがありますが、これらは掛け持ちであっても例外ではありません。
一定以上の収入が見込めるなら開業届を提出しておきましょう。
確定申告については、フリーランスとしての収入が20万円以下であれば不要です。
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