バックエンドエンジニアに向いている人・向いていない人の特徴|なるためにするべきことも合わせて解説!
2024年9月24日
Webサービス・アプリにおいて、ユーザーからは見えないサーバーサイドなど裏側の業務を担うバックエンドエンジニアは、いわば縁の下の力持ち的存在です。
システムの設計・開発から運用・管理まで全般をカバーする職種であるため、業務の幅も広く、高度なスキルが求められますが、それ故に向き・不向きがはっきりとしている仕事でもあります。
それでは、実際にどのような人が向いているのでしょうか?
本記事では、バックエンドエンジニアに向いている人の特徴・向いていない人の特徴に加え、バックエンドエンジニアになるためにすべきことについても解説していきます。
ぜひ最後までご一読ください。
目次
バックエンドエンジニアに向いている人の特徴7つ
ユーザー側の目につかない業務を担当するバックエンドエンジニアに向いているのは、一言で表すと「コツコツと作業できる人」です。
具体的には、以下のような特徴が挙げられます。
- IT・Web技術に興味がある
- 几帳面な性格で細かな部分にまで気を配れる
- 保守・管理業務を苦に感じない
- 1つのことに根気強く取り組める
- 裏方の仕事が好き
- 学習意欲が高い
- 論理的思考力がある
1つずつ詳細を見ていきましょう。
1.IT・Web技術に興味がある
最新のIT・Web技術に対して、深く興味・関心を持てる人は、バックエンドエンジニアに向いています。
バックエンドエンジニアは、自身の領域のみに留まらず、ITやWebの技術に関して幅広い知識を持つことが大切です。
そもそも、バックエンドエンジニアが関わる分野は、サーバーやデータベース構築、フロントエンド、セキュリティなど非常に多岐にわたります。
また、IT業界は技術の進化スピードが速く、次々に新しい言語・技術が生まれているため、需要やトレンドに合わせて自身のスキルや知識をアップデートしていかなければ、価値の高いエンジニアにはなれません。
そのため、常にITやWebの技術に大きな興味を抱き、新たに登場した言語・技術に対しても探求心を持ち積極的に理解・習得しようとする姿勢の人が、バックエンドエンジニアに向いているといえるでしょう。
2.几帳面な性格で細かな部分にまで気を配れる
几帳面な性格であり、細部にまでしっかりと気を配れる人も、バックエンドエンジニアに向いているといえるでしょう。
プロジェクトでは、ちょっとした1つのミスやバグが全体の大きな支障につながり、ユーザーにも大きな影響を及ぼします。
そのため、システムの細かな部分にまで十分に注意を払わなければなりません。
いかなる状況下であってもコードやプログラムの品質を一定に保つことはもちろん、データベース管理やシステム運用において高度な精度を保つことも求められます。
その点、几帳面で、他者がなかなか気づけないような細部にまで十分な気配りができる人は、バックエンドエンジニアとしても質の高い仕事ができる人といえるのです。
3.保守・管理業務を苦に感じない
バックエンドエンジニアは、システム設計や構築、プログラム開発のほか、システムの保守・管理業務も主要な仕事の1つです。
システムの保守・管理業務では、たとえば以下のような業務が挙げられます。
- サーバーやデータベースの管理・運用
- システムのパフォーマンス維持・メンテナンス
- トラブル対応・復旧
- セキュリティ対策 など
とくに、経験の浅いバックエンドエンジニアは保守や管理業務を任される可能性が高く、経験を積むために、地道で緻密な作業でも実施していけるかが重要です。このような業務を苦に感じない、耐性がある、といった人がバックエンドエンジニアに向いているでしょう。
4.1つのことに根気強く取り組める
長時間の作業にも向き合える集中力がある人もまた、バックエンドエンジニアに向いています。
バックエンドエンジニアは、サーバーやデータベース、システムの構築が主たる仕事であるため、長時間パソコンに向かうことが多いです。
加えて、長時間集中しておこなうコーディング・デバッグといった作業も頻発します。
そのため、長時間根気強く作業に取り組む姿勢は必要不可欠です。
プログラム実装とテストを繰り返す地道な作業においても高い集中力を維持できる人こそ、バックエンドエンジニアに向いています。
そのような人物は、バックエンドエンジニアに限らず、エンジニアとして長く活躍できる人といえるでしょう。
5.裏方の仕事が好き
バックエンドエンジニアの仕事は、その名の表すとおり、ユーザーの目には直接触れないバックエンド側のシステム開発・設計をおこなう裏方の仕事です。
サービスを利用するユーザーからは、その仕事内容は見えにくく、また直接評価もされません。
前述したように、地道な作業も多いです。
そのため、表立って目立つ仕事ではなくとも、裏側からしっかりと支える「縁の下の力持ち」のような裏方仕事が好きという人は、バックエンドエンジニアに向いています。
逆に、ユーザーからの目に見える評価が欲しい、という人は、フロントエンドエンジニアのほうが適しているといえるでしょう。
6.学習意欲が高い
バックエンドエンジニアに向いている人の特徴として、学習意欲が高いことも挙げられます。
前述したとおり、IT業界は技術の進歩が著しいです。バックエンドエンジニアとしては、常に情報をアップデートしていく姿勢が求められます。
バックエンドエンジニアの担当する領域は非常に幅広く、業務も多岐にわたるため、習得すべき知識・スキルも非常に多いです。
自ら積極的に学んでいく姿勢がなければ、時代についていけません。
加えて昨今は、クラウドサービスやAIの普及に伴い、それらに関する知識もどんどん取り入れていく必要性も出てきました。
自ら進んで学び、新しい情報をキャッチアップし、それらをより優れたシステム開発・構築へと活かせるような学習意欲の高い人は、バックエンドエンジニアに大いに向いています。
7.論理的思考力がある
バックエンドエンジニアには、論理的思考力も必要です。
先にも述べたように、バックエンドエンジニアの業務は多岐にわたるため、計画的かつ効率的に仕事を進めていく力が求められます。
その点、物事を順序立てて考察し、論理的に結論を導き出せる人物は、システム開発や設計においても、効率的に進められるでしょう。
論理的思考力が活かされるのは、技術的な作業に限ったことではありません。
筋道を立て論述できる論理的思考力があれば、プロジェクトチームのメンバーとも円滑なコミュニケーションを図れ、またクライアントに対してもわかりやすく納得度の高い説明ができます。
バックエンドエンジニアに向いていない人の特徴4つ
ここまで、バックエンドエンジニアに向いている人の特徴を見てきました。
それでは逆に、バックエンドエンジニアに「向いていない人」とはどのような人なのでしょうか。
- 最新のIT技術に興味がない・キャッチアップできない
- 柔軟な対応ができない
- 自発性・好奇心がない
- 課題解決意識が低い
上記4つの特徴について、それぞれ詳しく解説していきます。
1.最新のIT技術に興味がない・キャッチアップできない
IT業界およびバックエンドエンジニアの業務においては、常に新しい技術が生まれています。
そのため、そもそも最新のIT技術やテクノロジーに興味を持てない、キャッチアップしていくことが難しい、という人は、バックエンドエンジニアには向いていません。
IT技術やテクノロジーに興味がなければ、次から次へと登場する技術を意欲的に習得し、アップデートしていくことはできないでしょう。
時代の変化に伴い移っていく需要・流行にも対応できないため、必要とされるスキルや技術が身についていないがゆえに、バックエンドエンジニアとして求められる機会が減ってしまう可能性は高いです。
そうなれば、エンジニアとしての価値を失ってしまい、仕事自体が苦痛となってしまう可能性も考えられます。
2.柔軟な対応ができない
柔軟な対応や臨機応変が苦手な人も、バックエンドエンジニアに不向きです。
システムの開発・構築、また運用においては、予期せぬトラブルが発生することもあります。
そのような場面で創造的な改善策を提案できない、柔軟に対応できないと、バックエンドエンジニアとして致命的です。
また、バックエンドエンジニアは、システムの品質向上や最適化も常に意識し、おこなっていかなければならない職種でもあります。
知識やスキルをただ持っていても、それらを状況に応じて柔軟に活かす力のない人物や、革新的な提案をできないような創造力の欠けた人物は、バックエンドエンジニアとして活躍することはできません。
業務範囲も広範に及ぶため、効率化を意識できない人も、バックエンドエンジニアには向いていないといえるでしょう。
3.自発性・好奇心がない
自発性や好奇心の欠如も、バックエンドエンジニアにとって命取りです。
前述した柔軟な対応力や業務効率化にも通じることですが、バックエンドエンジニアには、「どうしたらシステムをもっと良くできるのか」「より優れたシステムにするのに必要な機能は何か」といった視点が欠かせません。
自ら積極果敢に新たな知識・スキルを習得したり、情報をキャッチアップしたりする姿勢が求められます。
その点において自発性・好奇心のない人物は、新たな情報・知識・スキルのキャッチアップ、ブラッシュアップが難しく、バックエンドエンジニアには適していないといえるのです。
4.課題解決意識が低い
バックエンドエンジニアには、システムの問題点・不具合をいち早く見つけ、最適な解決策・改善策を提案することも求められます。
そのため、積極的に課題を解決していく意識の低い人には、バックエンドエンジニアは向いていません。
課題解決意識が薄ければ、システムの問題点やバグを速やかに見つけ出すことは難しいでしょう。
改善の機会を逸してしまうことも十分に考えられます。
バックエンドエンジニアとして活躍するにはビジネススキルも大事!
エンジニアというと専門知識やスキルの高さが重要だと考えられがちですが、ビジネススキルも非常に重要です。
プログラミングや専門知識が備わっているのは前提条件であり、より長く高いパフォーマンスを残し続けるためには、ビジネススキルも養っていく必要があります。
たとえば、問題解決能力やコミュニケーションスキル、管理能力などは、必須で身につけておきたいスキルです。
トラブルや不具合が発生した際など、創造的かつ効率的な解決策を提案できる問題解決能力は、バックエンドエンジニアとして欠かせません。とくに、クライアントが気づいていない問題に対して適切な解決策を提案できるエンジニアは、非常に価値が高いといえます。
また、プロジェクトチームのメンバーと円滑に仕事を進めていくコミュニケーションスキルも不可欠です。とくに、上流工程に携わるバックエンドエンジニアの場合、クライアントやチームメンバーなどの関係者と適切にコミュニケーションを取り、プロジェクトを推進していく必要があります。
そのため、コミュニケーションが円滑にとれる能力も重要です。
これらのスキルに加えて、納期を守るためのスケジュール管理やタスク管理などプロジェクト推進を管理する能力も求められます。エンジニアとしてではなくビジネスパーソンとして、汎用的なスキルを磨いていくことも大切といえるでしょう。
バックエンドエンジニアになるためにすべきこと
適した特徴を持っているからといって、それだけでバックエンドエンジニアになれるわけではありません。
ここからは、バックエンドエンジニアになるためにするべきこととして、代表的な3つをご紹介します。
- バックエンドエンジニアとして必要なスキルを身につける
- 資格を取得する
- ポートフォリオを作成する
それぞれの詳細を確認していきましょう。
1.バックエンドエンジニアとして必要なスキルを身につける
バックエンドエンジニアとして必要な知識・技術、関連するスキルを身につけることは、何より大事です。
プログラミングスキル・言語や、フレームワークの知識は、最低限身につけておきましょう。
バックエンドエンジニアとして、とくに身につけておくべき言語は、以下のとおりです。
- Java…汎用的なプログラミング言語です。ブラウザ上でも動作しますが、バックエンドの開発にも欠かせません。比較的、習得が難しいです。
- Ruby…オープンソースのインタプリタ型スクリプト言語です。シンプルで利用しやすいという特徴があります。構文が英語と似ているため、習得しやすいでしょう。
- PHP…サーバーサイドのプログラミング言語として、80%近くのWebサイトで利用されています。高速かつ強力であるため、バックエンドの開発において広く利用されている言語です。
- Python…バックエンドエンジニアなら必須のプログラミング言語です。近年とくに需要・人気が高まっており、InstagramやDropBoxにも使われています。シンプルで学習しやすく、また複数のプログラミングスタイルに対応可能です。
バックエンドエンジニアが身につけておくべきフレームワークの一例もご紹介します。
- Ruby on Rails…Rubyで書かれた、オープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。ほかのフレームワークと比較し、少ないコードで容易に開発できるよう設計されています。
- Django…Pythonで実装された、Webアプリケーションフレームワークです。複雑なデータベース主体のWebサイト構築を容易にすることを目的に開発されました。
- Spring Framework…Javaプラットフォーム向けの、オープンソースのアプリケーションフレームワークです。GroovyやKotlinにも対応しています。複数のモジュールと組み合わせた柔軟なカスタマイズや、複雑なアプリケーションへの対応が可能です。
フレームワークは、アプリ開発における基礎的な部分でもあり、重要なポイントです。
また、バックエンドエンジニアといえども、フロントエンドに関する知識も欠かせません。
なぜなら、バックエンドの開発においては、フロントエンドとの連携が必須であるためです。
上記に挙げたプログラミング言語やフレームワークに加えて、JavaScriptの知識やWebデザインに関する知見・トレンドも理解・把握しておくとよいでしょう。
フロントエンドエンジニアに欠かせない「ユーザー目線」も、バックエンド開発において大いに役立ちます。
2.資格を取得する
バックエンドエンジニアの持つITスキルを客観的に証明するためには、資格の取得も有益です。
資格を有することで、技術的な充実度に加え、仕事に対する積極性や学習意欲もアピールできます。
バックエンドエンジニアとして取得しておきたい資格の一例は、以下のとおりです。
- Oracle Certified Java Programmer…Javaに関するスキルを証明できる資格です。「Bronze」「Silver」「Gold」の3つのレベルがあります。Javaの開発元であるOracle社公式のベンダー資格であり、業界認知度も非常に高いです。取得することで、海外での活躍にも期待できるでしょう。
- 基本情報技術者試験…ITに関する知識全般を問う資格試験です。ITSSにおけるレベル2に相当します。サーバー、ネットワーク、セキュリティに関する基礎知識に加えて、マネジメントスキルも証明できる国家資格です。
- 応用情報技術者試験…ITに関する応用的知識を全般的に問う資格試験です。ITSSにおけるレベル3に相当します。ITを活用した戦略の立案、またシステムの企画・要件定義など、IT開発・運用に関する高度な応用的知識・技能を証明する、基本情報技術者試験の上位資格です。
Javaを使って仕事を進めていくことの多いバックエンドエンジニアにとっては、とくにOracle Certified Java Programmerの取得が有利に働くでしょう。国際資格である「Silver」「Gold」の取得がおすすめです。
資格を取得することで、実務経験を補ってくれます。
参考:Oracle University Japan Java SE 8 認定資格|Oracle University
参考:Oracle University Japan Java SE 11 認定資格|Oracle University
参考:基本情報技術者試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参考:応用情報技術者試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
3.ポートフォリオを作成する
バックエンドエンジニアのスキルを証明したり、バックエンドエンジニアとして企業に属したり案件を獲得していくためには、ポートフォリオの作成が自身のスキル証明として重要な役割を果たします。
バックエンドエンジニアとしてのスキルを一定以上持っているのであれば、アピールする手段の1つとして、ポートフォリオを充実させましょう。
バックエンドエンジニアがとくに求められる要素、またポートフォリオに記載すべき要素は、以下のとおりです。
- API実装
- データベース関連
- セキュリティ対策関連
これらの要素は、バックエンドエンジニアとして働く際に重要視されます。
バックエンドエンジニアとして必要なスキルを有していることや、これまでの実績を、一目でわかりやすくポートフォリオにまとめられれば、企業やクライアントからの好感触を得やすいでしょう。
魅力的なポートフォリオは、クライアントやユーザーの目線で仕事ができるのか、の判断材料にもなります。
まとめ
バックエンドエンジニアは、担当業務が多岐にわたり、地道な作業も多いからこそ、向いている人もある程度限られてしまう職種です。
その点、ITやWebの最新技術に深い関心を持つ人、学習意欲を持てる人は、バックエンドエンジニアに適しているといえるでしょう。
保守・管理業務や裏方の仕事が好きな人、細部にまで気を配れる人、論理的思考を持つ人、もまた然りです。
しかし、適した特徴を持つだけでは十分ではなく、バックエンドエンジニアになるためにすべきことは多々あります。
技術的知識・スキルを磨くのに加え、ヒューマンスキルもしっかりと身につけましょう。
それらのスキルを証明するためには、資格の取得やポートフォリオの作成も大いに役立つはずです。
本記事を参考に、自身がバックエンドエンジニアに向いているのか、また、バックエンドエンジニアになるための努力ができるのか、今一度考えてみてください。
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