フリーランスエンジニア1000人に聞いた!確定申告やお金に関する調査
2025年1月6日
「会社員時代と独立後それぞれの年収は?」
「将来のお金に対する不安は?」
「初めて確定申告したときに失敗した経験は?」など、
これからフリーランスになる方、現在副業フリーランスで専業フリーランスになることを予定されている方なども気になる情報ではないでしょうか?
この度、Relanceではフリーランスエンジニア約1000名の方を対象にアンケート調査を実施いたしました。
ぜひ、今回の調査結果と考察をご覧いただき、フリーランスエンジニアとしての活動に活かしていただければ幸いです。
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■調査概要
・調査期間:2024年10月31日(木)~11月6日(木)
・調査対象者:フリーランスエンジニア(20代~50代)
・調査人数:1005人
・調査手法:インターネット調査
・調査元:株式会社ゼネラルリサーチ
■調査データの引用・転載に関して
本調査データを外部メディアなどに引用・転載される場合は下記の利用条件を守ってご利用ください。
≪利用条件≫
1.情報の出典元として、Relance(もしくはリランス)の名称を明記してください。
2.ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、本記事へのリンクを設置してください。
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目次
- 1 調査サマリー
- 2 回答者属性
- 3 確定申告とお金周りの調査
- 3.1 週の平均業務日数を教えてください ※副業フリーランスエンジニアの方は副業での業務日数を教えてください
- 3.2 会社員時代と独立後それぞれの年収を教えてください ※専業フリーランスのみ回答
- 3.3 独立したときの貯金額を教えてください ※専業フリーランスのみ回答
- 3.4 初めて確定申告したときに失敗した経験があれば教えてください(複数選択可)
- 3.5 確定申告を税理士・税理士事務所に依頼して、実際にかかった費用を教えてください
- 3.6 これからフリーランスを目指す方へ確定申告のアドバイスを教えてください(自由記載)
- 3.7 将来のお金に対する不安はありますか?
- 3.8 お金の不安をなくすために、将来のお金を増やすために取り組んでいることはありますか?(複数選択可)
- 3.9 どのような節税対策をしていますか?(複数選択可)
- 3.10 法人化をしていますか?
- 3.11 法人化をした理由は何ですか?(複数選択可)
- 3.12 適格事業者になりましたか?
- 3.13 適格事業者にならなかった理由は何ですか?(複数選択可)
- 4 まとめ
調査サマリー
- 年収600万円以上の割合は、会社員時代が約45%に対し、独立後は約60%と高い水準に
- 独立時の貯金額、全体の半数近くが「300万円以上」と回答
- 初めての確定申告の失敗経験、「副収入、一時所得の申告漏れ」、「医療控除の計算誤り」が上位に
- 将来のお金に対する不安、80%以上が「ある」と回答
- 全体の約45%が「法人化した」と回答
- 適格事業者にならなかった理由、「インボイス制度への理解不足」が14.3%と、インボイス制度の複雑さやわかりづらさが今後も課題か
回答者属性
現在、フリーランスエンジニアとして活動されている方を対象に
「現在のフリーランスとしての働き方について、専業か副業か当てはまるものを選んでください」という設問に対して、「専業フリーランス」約74.2%、「副業フリーランス」25.8%という結果になりました。
確定申告とお金周りの調査
週の平均業務日数を教えてください ※副業フリーランスエンジニアの方は副業での業務日数を教えてください
ここからは、フリーランスエンジニアの方々の確定申告やお金周りに関するリアルな声をまとめています。
「週の平均業務日数を教えてください」という設問に対して、専業フリーランスは「週5日」37.8%、副業フリーランスは「週3日」33.2%が最も多い回答でした。(副業フリーランスは本業が「正社員」と定義しています)
会社員時代と独立後それぞれの年収を教えてください ※専業フリーランスのみ回答
600万以上の割合に注目すると、会社員時代が約45%に対し、独立後は約60%という結果でした。この結果から、独立後は全体を通して年収水準が上がっていることがわかりました。
独立したときの貯金額を教えてください ※専業フリーランスのみ回答
収入が不安定になる可能性もあるフリーランス。貯金額は、「200万~300万未満」25.5%が最も多い結果となりました。300万以上貯金のある方の割合は全体の約45%と、皆さんしっかり貯金をした上で独立していることがわかります。独立後の収入にもよりますが、月額単価を70~80万と過程した場合、2~3カ月分の貯金をしておくと安心でしょう。
初めて確定申告したときに失敗した経験があれば教えてください(複数選択可)
「副収入、一時所得の申告漏れ」29.9%と最も多い結果となりました。一時所得は50万円を超えると課税されるため、申告が必要です。基礎控除は合計所得2,500万円以下の方が適用できる所得控除です。このように控除には様々な種類があるので、収入を増やすためにも確実に申告を行うことが重要です。
確定申告を税理士・税理士事務所に依頼して、実際にかかった費用を教えてください
確定申告の依頼費用について、最も多い回答は「5万~8万未満」26.8%。8万円以下で依頼されている方の合計が約58%と全体の半分以上を占める結果となりました。初めて確定申告を依頼される方は、最大8万円を目安にするといいでしょう。一方で、「自身で対応した」という方が24.8%と、ご自身で対応されている方が多いこともわかりました。
これからフリーランスを目指す方へ確定申告のアドバイスを教えてください(自由記載)
本調査結果では、類似回答が多かったものを抜粋してまとめました。いざ確定申告をする際にミスがないように、普段から領収書の整理や帳簿管理など、こまめな対応が重要だとわかりました。簿記の知識もあるとよりいいでしょう。
将来のお金に対する不安はありますか?
「ある」83.0%、「ない」17.0%と、多くの方が将来のお金に対して不安に感じていることがわかりました。さらなる物価の上昇、年金受給額の減少、フリーランスは固定給でないといった様々な要素が起因していると推測します。
では、お金の不安に対してどのような取り組みをしているかを見ていきます。
お金の不安をなくすために、将来のお金を増やすために取り組んでいることはありますか?(複数選択可)
回答の上位は、「iDeCo(確定拠出年金)・NISA」39.8%、次いで「株式投資」36.3%という結果でした。初めて資産運用をする方は、税制優遇のある「iDeCo(確定拠出年金)・NISA」がおすすめでしょう。また一般的に投資で得た利益には税金がかかり、確定申告が必要なケースがあるので注意が必要です。
どのような節税対策をしていますか?(複数選択可)
将来のお金に対する不安をなくすためにできることは、「お金を増やす」ことだけではありません。いかに節税するかも大きなポイントです。回答の上位は、「所得控除を受ける」が40.4%、次いで「青色申告制度を活用する」が38.1%という結果でした。「経費計上を最大限活用する」も35.4%と高い割合の回答でした。普段から領収書を整理しておくといいでしょう。
法人化をしていますか?
「どのような節税対策をしていますか?」という設問でも回答があった「法人化する」が、「はい」44.7%と約半数近くが法人化をしている結果となりました。
では、どのような理由で法人化をしたのかを次の設問で見ていきます。
法人化をした理由は何ですか?(複数選択可)
「売上高が1,000万円を超えた」52.8%が半数以上を占める結果となりました。次いで、「課税所得が900万円を超えた」32.7%と高い割合の回答でした。前者は、法人化することで最大2年間消費税の納税が免除される場合があります。後者は、課税所得が900万円を超えると所得税率(33%)が法人税率(23.20%)を超えるため、法人化するのがおすすめと言えるでしょう。
適格事業者になりましたか?
「はい」59.7%と半数を占める結果ではありますが、「いいえ」も40.3%と高い割合の回答結果となりました。
では、適格事業者にならなかった方はどのような理由があったのかを次の設問で見ていきます。
適格事業者にならなかった理由は何ですか?(複数選択可)
上記設問に対して、以下のような回答が出ました。「手続きや事務作業が面倒」が25.9%、「インボイス制度への理解不足」が14.3%と、インボイス制度が複雑でわかりづらいことはこれまでも課題として謳われていましたが、現在も課題であることがわかりました。
まとめ
今回の調査では、フリーランスのお金周りの実情や確定申告などの実態について見てきました。
フリーランスとして活動する場合、確定申告は必須となります。会社員時代と異なり、独立後はすべて自分で管理しなければならず、確定申告は予想以上に手間がかかる作業です。特に、様々な控除を活用することで税負担を軽減できるため、漏れなく申告することが非常に重要です。例えば、経費として計上できる項目や、医療費控除、扶養控除などがあり、これらを正しく申告しないと本来受けられるメリットを逃す可能性があります。
そして、独立後の年収水準は会社員時代と比較して高くなる傾向があり、努力次第で大きな収入を得るチャンスも広がります。しかし、そのためには確定申告をしっかりとこなすことが必要不可欠です。フリーランスエンジニアとして、控除漏れなどで本来得られるはずの控除や節税のメリットを逃さないように、税務管理をきちんと行い、経済的な損失を防ぐことが重要です。
今回の調査結果を元に、フリーランスへの転身や税負担を軽減するためのポイントを参考にしていただければ幸いです。
フリーランスエンジニアに「いい案件」を!
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