企業担当者1000人に聞いたフリーランス活用のリアルな声!フリーランスエンジニア活用調査
2024年11月13日
「フリーランスエンジニアを活用して良かったこと・困ったこと」
「フリーランスエンジニアの早期離職経験は?」
「フリーランスエンジニアを活用する中でのトラブル再発防止対策は?」 など、
これからフリーランスエンジニアの活用を検討されている方にとっても、また現在フリーランスエンジニアを活用している方も気になる情報ではないでしょうか?
この度、Relanceではフリーランスエンジニアを活用した企業担当者約1000名の方を対象にアンケート調査を実施いたしました。
ぜひ、今回の調査、そして考察をご覧いただき、フリーランスエンジニア活用に関してのよくある疑問を解消いただければ幸い です。
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■調査概要
・調査期間:2024年9月5日(木)~9月9日(月)
・調査対象者:フリーランスエンジニア活用経験者
・調査人数:1031人
・調査手法:インターネット調査
・調査元:株式会社ゼネラルリサーチ
■調査データの引用・転載に関して
本調査データを外部メディアなどに引用・転載される場合は下記の利用条件を守ってご利用ください。
≪利用条件≫
1.情報の出典元として、Relance(もしくはリランス)の名称を明記してください。
2.ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、本記事へのリンクを設置してください。
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目次
調査サマリー
- フリーランスエンジニア活用のきっかけの約48.5%が特定のスキルを持ったエンジニアがいないという理由
- フリーランスエンジニアを活用して良かった点
- 必要に応じてリソースを調整できる
- ハイスキルなエンジニアに出会える
- フリーランスエンジニアを活用して業務推進する中で困った点
- 稼働が不安定で、チームの進捗に影響が出た
- 社内にノウハウが貯まらない
- フリーランスエンジニアの早期離職(3カ月以内)の経験は、約65.3%「ある」、約34.7%「ない」
- フリーランスから自社の正社員登用に至ったことがあるのは約55.4%
回答者属性
フリーランスエンジニアを活用している、もしくは過去に活用したことがある方を対象に「あなたの会社の設立年数、担当のポジションで最も近いものを選んでください」という設問に対して、回答数が多いのは「設立10年以上」約50.7%、「採用担当/購買・調達担当者」約30.3%となっています。
本調査では、設立して間もない会社はまだフリーランスエンジニア活用が少ないということがわかります。
フリーランスエンジニア活用のリアルな声
フリーランスエンジニアを活用しようと思ったきっかけは?
では、ここからはフリーランスエンジニアを活用した方々のリアルな声についてまとめていきます。
「フリーランスエンジニアを活用しようと思ったきっかけは?(複数選択可)」という設問に対して、最も多い回答は「特定のスキルを持ったエンジニアがいない」約48.5%です。
技術が進化していく中で、企業が求める専門知識やスキルセットは多様化しており、社内だけで全てを補うことが難しくなってきており、即戦力として特定の技術を有するフリーランスエンジニアを活用するきっかけになっているのではないでしょうか。
次いで、「一時的にリソースが足りない」約41.8%、「正社員採用が上手くいっていない」約37.5%も大きな要因として挙げられました。
特に採用競争が激化している昨今、優秀なエンジニアの確保が困難であることから、短期間で業務に貢献できるフリーランスエンジニアへのニーズが少しずつ高まっていると考えられます。
フリーランスエンジニアを活用して良かったこと・困ったことは?
実際にフリーランスエンジニアを活用して良かったこと・困ったことを、それぞれ「フリーランスエンジニアを活用して良かったことを教えてください(複数選択可)」「フリーランスエンジニアを活用して業務推進する中で困ったことを教えてください(複数選択可)」という設問で調査しました。
良かったことの回答の上位は「必要に応じてリソースを調整できる」約52.5%、「ハイスキルなエンジニアに出会える」約38.9%、「業務委託期間で双方見極めた上で、正社員化できる」約37.3%という回答結果でした。
フリーランスエンジニアの活用は、企業にとってリソースの柔軟な調整や高度な技術の確保に加え、採用の見極めプロセスにおいても大きな利点があることがわかりました。
逆に、困ったことの回答の上位は「稼働が不安定で、チームの進捗に影響が出た」「社内にノウハウが貯まらない」約37.3%、「コストがかかった」約33.5%という回答結果でした。フリーランスエンジニアの活用には、柔軟性や専門性の確保といったメリットがある一方で、稼働の安定性やノウハウの継承、コスト面において課題が見られます。
企業はこれらの課題を認識し、プロジェクトの内容に応じてフリーランスエンジニアの効果的な活用法を検討することが求められるでしょう。
フリーランスエンジニアの活用満足度は?
「フリーランスエンジニアの活用満足度は?」という設問に対して、「やや満足」約57.7%、「とても満足」約15.6%と全体の7割以上が一定の満足感を持っていることがわかります。
フリーランスエンジニアの専門性や柔軟性に対する期待が満たされていることが、これらの満足度に反映されていると考えられます。一方で、「やや不満」約20.6%、「とても不満」約2.4%と全体の約2割が一定の不満を持っていることもわかります。
不満と回答する理由の中には、1つ前の設問「業務推進する中で困ったこと」の回答にもあったように、フリーランスの稼働の安定性や、社内にノウハウが貯まらないといったことを感じている可能性が考えられます。
フリーランスエンジニアの活用は企業にとって概ねポジティブな評価を得ているものの、一部では改善の余地があることもわかります。企業は活用目的と課題を見極め、適切な形でフリーランスエンジニアを活用することで、さらに高い満足度を得られるのではないでしょうか。
今後もフリーランスエンジニアを活用したいですか?
「今後もフリーランスエンジニアを活用したいですか?」という設問に対して、「活用したい」約73.1%と高い割合の回答結果となりました。
今後も多くの企業がフリーランスエンジニアの活用を前向きに検討していることから、フリーランスの活用は企業の人材戦略における重要な位置を占め続けると考えられます。
一方で、効果的に活用するためには、フリーランスの活用が最も適する場面を見極め、課題解決に向けた工夫が求められるでしょう。
今後も「活用したい」と回答した理由を教えてください(自由回答)
「活用したい」と回答した方に、「理由を教えてください(自由回答)」と質問をすると以下のような結果が出ました。
今後もフリーランスエンジニアの活用を希望する背景の中には、特定分野での高度なスキルを即戦力として得られることができるほか、ITエンジニア不足の中でリソースを柔軟に確保できる点、多様な経験から新たな視点や情報をもたらしてくれることが、今後も活用したい理由の一つになることがわかりました。
IT人材不足を補うための優先度の順位を教えてください
次に、「IT人材不足を補うための優先度の順位を教えてください。※活用していない手段がある方も、優先順位を想定してお答えください」という設問に対して、以下のような結果が出ました。
※活用していない手段がある方も、優先順位を想定した回答
IT人材不足が深刻化する中、企業が優先的に取り組んでいる手段として「中途採用」約49.5%と最も多くの回答を得ています。経験豊富な中途人材の確保は、外部の知見を持って、自社内で教育を担当してもらえるため、最も優先度が高い選択肢となっています。
次に優先されているのが「新卒採用」約27.7%という結果でした。新卒を育成し、長期的に戦力化として育てていくことも、IT人材不足の解決策として重視されているようです。
一方、「派遣スタッフの採用」、「フリーランスの活用」約8.7%、「SIerや開発会社への委託」約5.3%と中途採用や新卒採用と比較するとまだまだ優先度が低いことがわかります。比較的柔軟に即戦力を補える手段としては派遣スタッフやフリーランスを活用されているケースや、専門的な開発やプロジェクトベースの業務においてはSIerや外部ベンダーを活用されてるケースがあるものの、長期的な社内ノウハウの蓄積、内製化によるノウハウの蓄積が難しい点などの理由で、優先順位は下がっていると考えられます。
【企業規模別】IT人材不足を補うための優先度の順位を教えてください
さらに、設立年数の異なる企業、IT人材不足を補うための採用手法として違いがあるのか調査したところ、大きな違いはありませんでしたが、企業の規模や成長段階に応じて、IT人材確保の戦略が少しずつ異なることが明らかになりました。
中途採用が最も優先されている点は共通していますが、若い企業ほどフリーランスや派遣などの即戦力に対する依存度が高く、長く経営している企業では新卒採用により将来の人材育成を見据えた人材確保が進められています。
フリーランスエンジニアに期待することは何ですか?
「フリーランスエンジニアに期待することは何ですか?(任意回答・自由記述)」という設問に対して以下のような回答が出ました。
自由記述の中でも回答の傾向として、「即戦力」「技術力」「コミュニケーション力」「対応力」といった大きく4つに分けることができました。
企業がフリーランスエンジニアに求める要素は、即戦力や技術力に加え、こまめな報連相やチームメンバーとの円滑なコミュニケーション能力、スケジュールや要件変更にも柔軟に適応し迅速に対応できる能力といったスキルに重点が置かれています。これらのスキルを備えたフリーランスエンジニアは、企業の重要な人材として今後もさらに活用が期待されるでしょう。
ここまでは、フリーランスエンジニアを活用してみてどうだったか?という点について見てきました。ここからはフリーランスエンジニアの早期終了や実際に起こったトラブルや防止策について見ていきたいと思います。
フリーランスエンジニアの早期終了(3カ月以内)の経験はありますか?
「フリーランスエンジニアの早期終了(3カ月以内)の経験はありますか?」という設問に対して「ある」と回答した方が約65.3%、「ない」と回答した方が約34.7%と、半数以上が早期終了の経験をしていることがわかりました。
では早期終了の主な理由はどのようなことなのでしょうか?
【企業からの終了申し出の場合】早期終了の主な理由は?
企業からフリーランスエンジニアに早期終了を申し出た場合の回答結果です。
最も多い回答が「性格や価値観、方向性の不一致から衝突が起きた」47.6%、次いで「カルチャーフィットしなかった」39.4%という結果でした。プロジェクトを遂行するためには、スキルだけでなく価値観や目標への共通理解が重要です。また、企業文化やチームの雰囲気にもフィットせず業務を行っていても信頼関係の構築が難しくなり、プロジェクトの進行に悪影響を及ぼすことがあります。そのような事態が起こらないように、密なコミュニケーションを重視することで、少しでも早期終了を防げる可能性があるのではないかと考えます。
【フリーランスエンジニアからの終了申し出の場合】早期終了の主な理由は?
フリーランスエンジニアから企業に早期終了を申し出た場合の回答結果はこちらです。
上位2つの回答は、「企業からフリーランスエンジニアに終了申し出をした場合」の回答と同様の結果となりましたが、ここでは「業務内容のアンマッチが生じた」35.5%、「業務内容に対する報酬不満」15.3%といった回答も見られました。
企業は、フリーランスエンジニアに適切な業務内容やその業務に見合った報酬の設定、そしてカルチャーフィットしているかも重視することで、フリーランスエンジニアと長期的に関係構築ができ、早期終了を防げる可能性があるのではないかと考えます。
フリーランスエンジニアを活用する中で、トラブルが起きた経験はありますか?
「フリーランスエンジニアを活用する中で、トラブルが起きた経験はありますか?」という設問に対して「ある」と回答した方が約60.4%、「ない」と回答した方が約39.6%と、半数が早期終了の経験をしていることがわかりました。
ではトラブルとはどのような内容なのでしょうか?
どのようなトラブル内容でしたか?
「どのようなトラブル内容でしたか?(複数選択可)」という設問に対して最も多い回答は「業務内容のアンマッチや対人関係が上手くいかず、稼働が不安定になった」56.5%というケースでした。次いで「性格や価値観の不一致から衝突が起きた」約32.7%、「音信不通になった」約30.2%というトラブルも多くあるようです。企業はこうしたリスクを認識し、トラブルを防止するために業務内容の綿密なすり合わせや定期的なコミュニケーション、情報セキュリティインシデントに備えたセキュリティ対策の強化も重要です。
トラブル内容を踏まえて、再発防止のためにどのような対策を取り入れましたか?
それではトラブル再発防止のためにどのような対策を講じたら良いのでしょうか?
「トラブル内容を踏まえて、再発防止のためにどのような対策を取り入れましたか?」という設問に対して以下のような回答が出ました。
企業は専門性の高いエージェント経由での契約変更や、参画前のコミュニケーション、定期的な情報共有といった対策を講じています。これらの対策により、トラブルのリスクを低減しフリーランスエンジニアとの関係性を強化できるのではないでしょうか。
ここまでは、フリーランスエンジニアの早期終了や実際に起こったトラブル、防止策について見てきました。次は、実際にフリーランスから自社の正社員登用に至ったケースはあるのかを見ていきたいと思います。
フリーランスから自社の正社員登用に至ったことはありますか?
「フリーランスから自社の正社員登用に至ったことはありますか?」という設問に対して「ある」と回答した方が約55.4%、「ない」と回答した方が約36.6%と半数がフリーランスから正社員登用に至った経験をしていることがわかりました。
フリーランスエンジニアの正社員登用をおすすめするポイントは何ですか?
「フリーランスエンジニアの正社員登用をおすすめするポイントは何ですか?(複数選択可)」という設問に対して以下のような回答が出ました。企業にとってフリーランスエンジニアの正社員登用をおすすめするポイントは、人材確保や社内ノウハウの蓄積に効果的であることがわかりました。
業務委託期間中にスキルやカルチャーフィットを見極められる点、採用候補者が広がる点は、ミスマッチの減少と多様な人材との出会いを生み出す可能性が大いにあります。
まとめ
今回の調査で、フリーランスエンジニア活用をして良かった点・困った点、早期終了やトラブルの内容などの実態について見てきました。
フリーランスエンジニアは、特定分野に精通した高度なスキルを持つケースが多く、即戦力としてプロジェクトに貢献できるのが強みです。
一方で、性格や価値観、業務内容の不一致でやむを得ず早期終了するケースやトラブルに見舞われるケースも少なからず発生することは否定できません。
このようなことが少しでも低減できるように、フリーランスエンジニアとの密なコミュニケーション、業務に関する目線合わせは必要です。初めてフリーランスエンジニアを活用する場合は、弊社のような専門のフリーランスエンジニアエージェントに相談するのも一つの手段です。
昨今のIT需要拡大に伴い、ITエンジニアの正社員採用は困難な状況が続いています。こうした課題を解決するため、フリーランスエンジニアの活用は有効な選択肢の一つのため、今後の採用活動の参考にしていただければ幸いです。
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