ITアーキテクトの平均年収は750万円!年収アップの方法を徹底解説
2024年6月5日
一般的に、ITエンジニアの年収は高いとされています。ITアーキテクトも例外ではありません。
ITアーキテクトとしての収入は魅力的ではあるものの、どのようにして年収の高いITアーキテクトを目指せばよいのでしょうか。
この記事では、ITアーキテクトにおける会社員とフリーランスの年収の比較や、具体的なスキルアップの方法、おすすめの資格などを解説します。
ITアーキテクトとしての年収の実態と、年収を向上させるための実践的な戦略を理解し、将来のキャリア計画に役立ててみてください。
目次
ITアーキテクトの年収は高い
ITアーキテクトの年収は、全体的に高いといえるものの、雇用形態によっても異なります。
先に結論を申し上げますと、会社員の場合の平均年収は750万円、実際の案件をベースとしたフリーランスでは年収1000万円以上も射程圏内です。
会社員、フリーランスの年収の詳細を、それぞれ見ていきましょう。
会社員の平均年収|750万円
求人ボックスのデータによると、会社員としてのITアーキテクトの平均年収は750万円とされています。
この額は、日本全体の平均年収と比較しても高い水準です。技術力の高さや専門性が求められる職種であることが反映されているといえるでしょう。
会社員のITアーキテクトの給与幅は、421万円から1200万円と非常に幅広いです。このことから、会社員であっても、企業の規模や業界、求められる技術の種類や経験の年数によって、年収は大きく異なると考えられます。
とくに大企業や外資系の企業では、高度な技術と豊富なプロジェクト経験を持つITアーキテクトは、高額の報酬となる傾向があるでしょう。
ITアーキテクトは、新しい技術の導入やシステム全体の設計における重要な役割を担うため、その責任の重さが年収にも反映されています。
出典:ITアーキテクトの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)|求人ボックス
フリーランスの年収|1,000万円以上を目指せる
フリーランスとして活動するITアーキテクトの場合、個々のプロジェクトによる単価設定が年収に直結します。
レバテックフリーランスが提供するデータによると、月額の平均単価は約89万円です。これを年収に換算すると約1068万円となり、年収1000万円以上も十分に見込めることが窺えます。
ただしフリーランスの収入は、プロジェクトの数や規模、自身のスキルセットに依存するため、安定性にはバラツキがあります。また、ここでの収入の計算には各種税金や賞与が含まれないため、実際の手取り額としては変動することを考慮しておかなければなりません。
また、フリーランスとして成功するためには、継続して案件を獲得する高い営業力と技術力が求められるため、多岐にわたるを磨くことが収入アップに直結します。
一方で、20代など若手であっても、スキルさえあれば高収入を実現しやすい働き方ともいえます。自由な働き方を追求する上では、魅力的な選択肢となるでしょう。
ITアーキテクトの年収が高い理由
ITアーキテクトが高収入である理由として、役割の重要性と専門性が大きく影響しています。
この章では、技術力、責任の重さ、そして市場での高い需要に焦点を当て、その高年収の背景を見ていきましょう。
55%以上が月額100万円以上!
高いレベルの専門知識や技術力が求められるため
ITアーキテクトは、企業の戦略に沿ってシステム全体を設計し、運用までを見据える重要な職種です。
ITアーキテクトになるためには、プログラミング言語の習得だけではなく、インフラ構築、セキュリティ、データベース管理といった、広範なIT技術に関する高度な専門知識が不可欠です。
また、ビジネスインテリジェンスやデータ分析といった専門スキルも求められることも多く、これらの知識を統合して戦略的に活用できる能力が必要とされます。
さらに、コンサルティングスキルやプロジェクトマネジメントスキルも重要です。複数のプロジェクトを同時に管理し、効率的に進めることが求められます。
以上のことから、ITアーキテクトの役割は非常に専門的で高い技術が要求される職種といえるでしょう。
プロジェクトの中心となる存在であり責任が重いため
ITアーキテクトは、プロジェクト全体の設計から実装、運用に至るまでを指揮する、中心的な役割を担います。
単に技術的な問題を解決するに留まらず、プロジェクトがビジネス目標に沿って進行するよう、戦略的にリードする必要があります。
とくに大規模プロジェクトの場合、その規模と複雑さはプレッシャーを増大させ、長期間にわたる集中力と高い精神力を要求されるでしょう。
さらに、プロジェクトには多くのステークホルダーが関与するため、彼らとの協力や交渉をおこなう上でのコミュニケーション能力が極めて重要です。
大きな責任と高い技術力を要求されるため、ITアーキテクトの位置づけは高く、それが高収入に直結しているのでしょう。
需要が高い職種のため
近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が企業における重要な課題となり、ITアーキテクトの需要は急速に高まっています。なぜなら、Webサービスやクラウドサービスの普及、AIや機械学習の組み込み、大規模なデータの扱い、さらにはM&Aに伴うシステム統合など、多岐にわたる技術的課題が生まれているためです。
上記の課題に企業が効果的に対応するためには、高度な技術力と戦略的な視点を兼ね備えたITアーキテクトが不可欠といえます。
ITアーキテクトの役割は今後もさらに重要性を増し、企業は優秀な人材を確保するために高い報酬を提供する傾向は続くでしょう。
年収の高いITアーキテクトの特徴
年収の高いITアーキテクトは、特定のスキルセットを持っており、業界で成功して高い評価を受けるための基盤を形成しています。
ITアーキテクトが持つべき主要な技術力、ビジネススキル、またリーダーシップ能力について詳しく見ていきましょう。
高い技術力を持っている
高収入のITアーキテクトは、単に機能要件を満たす開発能力だけではなく、より高い技術力を持っています。たとえばシステムの非機能要件(信頼性、保守性)やユーザビリティ、他システムとの連携に関しても高度な配慮をおこなえるでしょう。
基本的に、ITアーキテクトはアーキテクチャ設計、設計技法、標準化、再利用に関する深い知識と技術を有しています。高い技術力があれば、システム全体を総合的に理解し、効率的でわかりやすい設計の提供が可能です。
また、最新の技術動向にも常に敏感でいる必要があるため、新しいテクノロジーを迅速に取り入れることも欠かせません。自己の専門性の向上に積極的に努める必要があります。
幅広いビジネススキルがある
ITアーキテクトにとっては、エンジニアリングスキルと同様、ビジネススキルも非常に重要です。ITアーキテクトは、システム設計において、技術的な要素だけではなくビジネスの要件と目標も十分に理解し、両方の視点を統合する能力が必要となります。
また、プレゼンテーションや文書作成能力、コミュニケーションスキルも欠かせません。
さらには、論理的思考能力を活かし、分析ツールを駆使して、IT業界や関連業界のトレンドとニーズを解析するコンサルティングスキルも重要といえるでしょう。
強いリーダーシップを持っている
ITアーキテクトは、プロジェクト全体の成功を導くため、多岐にわたるステークホルダーと効果的な合意形成をおこなう必要があります。そのためには、強いリーダーシップ力が不可欠です。プロジェクトマネジメントスキルを活かして、適切な人員配置やコスト管理をおこない、タイムリーにプロジェクトを前進させる必要があるでしょう。
また、高度なコミュニケーションスキル、交渉力、課題解決能力を駆使することで、複雑な問題に対応できるようになります。結果として、プロジェクト関係者間の調整と協力を促進できるでしょう。
ITアーキテクトの年収アップにつながる資格
ITアーキテクトとしてのスキルと専門性を証明して、キャリアをさらに発展させるためには、難易度の高い一定の資格取得が有効です。
情報処理技術者試験の中でもとくに高度な試験への挑戦を通じて、その技術力と知識を業界に認められることは、年収アップにつながるでしょう。
ITアーキテクトのキャリアアップにとくに役立つ資格をご紹介します。
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は、システム開発の上流工程を主導する能力を評価するための試験です。
この試験は、情報システムのグランドデザイン設計や完成を導くための、豊富な業務知識と高度な分析力を持つ上級エンジニアを対象としています。
試験は年1回、春期(4月)に実施され、午前から午後にかけて4部構成でおこなわれます。試験は多肢選択式、記述式、論述式でおこなわれ、手数料は7,500円です。
ITストラテジストによる提案を受け、情報システムを利用した開発の要件定義からアーキテクチャ設計、開発の主導までをおこなうスキルが証明できます。
試験では、業務プロセスの専門知識やシステムに関する知識を活用し、適切なシステムを提案できる能力が問われます。情報システム戦略を具体化して、業務効率の最適化や情報セキュリティの確保を図れる能力を有していることが大切です。
参考:システムアーキテクト試験|IPA独立行政法人情報処理推進機構
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験では、システム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクトを成功に導く能力を評価します。
この試験は、プロジェクトを取り巻く環境変化やステークホルダーの多様な要求に柔軟に対応しながら、プロジェクトを確実に管理するスキルを持つマネージャが対象です。
試験は年1回、秋期(10月)に実施され、試験は午前から午後にかけて4部構成でおこなわれます。試験は多肢選択式、記述式、論述式でおこなわれ、手数料は7,500円です。
組織の戦略実現に寄与するシステム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトの目的の実現に向け、プロジェクトマネジメント業務を単独で、またはチームの一員として担える高度IT人材であることを証明できます。
試験内容は、プロジェクトの目標を実現するための計画作成、メンバーやリソースの確保、チーム管理、リスク管理、ステークホルダーとのコミュニケーション、プロジェクトの評価と改善に関わる業務を含み、広範にわたります。
参考:プロジェクトマネージャ試験|IPA独立行政法人情報処理推進機構
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験は、経営戦略に基づいてIT戦略を策定して、ITを活用して事業革新や業務改革を推進する能力を評価するものです。
この試験では、情報技術を駆使してビジネスモデルを高度化し、競争優位を築くための製品やサービスの創出を計画・推進する能力を問われます。CIOやCTO、ITコンサルタントを目指す方にも最適です。
試験は、春期(4月)に年1回実施されます。多肢選択式、記述式、論述式の問題で、午前から午後にかけて4部構成でおこなわれます。手数料は7,500円です。
経営戦略に基づいて全体のシステム化計画を策定し、その実行を管理することで、事業の全体最適化を実現する能力が求められます。試験内容は、事業特性を踏まえた戦略策定、情報システム戦略の具体化、システム化計画の実施と評価などです。
期待される技術水準には、事業環境分析、IT動向分析、ビジネスモデル策定の助言、そしてプロジェクトに影響を与えるリスク管理能力も含まれます。
参考:ITストラテジスト試験|IPA独立行政法人情報処理推進機構
ITアーキテクトとして年収を上げていく方法3つ
ITアーキテクトとして年収を向上させるためには、戦略的にキャリアを構築することが重要です。
この章では、現在の職場でスキルとポジションを向上させる方法、新たな環境への転職、そしてフリーランスとして独立するという、年収を増やすための3つの主要な戦略を深く掘り下げます。
コアとなるスキルを磨き昇格・昇進を目指す
現在の職場で年収を向上させるには、まず自身のコアスキルの向上から始めることが重要です。専門性を深め、より高いポジションや重要なプロジェクトへの参加資格を得るために欠かせません。
コアスキルを磨くことは、単に知識を広げるだけではなく、その知識を実務に活かすための基盤を固めることにつながります。効率よく学ぶためには、すでに身につけている基本スキルの上に新たなスキルを積み上げることが最適です。その過程で、集中的に学習し、専門性を高められます。
また、学んだ知識を実際のシナリオで適用することが、そのスキルが真に身についたかを確認する最良の方法といえるでしょう。たとえば、実務外で新しい技術や方法論を学び、資格取得を通じて体系的に知識を整理できます。
さらに、これらのスキルを仮想環境で試すことや、実際のプロジェクトに積極的に参加することで、学んだことのアウトプットを確実におこなうことが可能です。
副業を通じて異なる業界や技術領域のプロジェクトに関わることも、追加の実務経験を積み、さらにはスキルを拡張するために有効な手段です。新たな視点を職場に持ち込み、自身の価値を高めることができるため、結果的に昇格や昇進、そして年収向上へとつながるでしょう。
大規模案件の実績を作り高収入が見込める大手企業に転職する
現在の職場で年収の大幅な向上が難しいと感じているならば、キャリアの飛躍と収入増を目指して、より大手の企業へ転職を検討することも、1つの有効な選択肢です。とくにSIer、大規模事業会社、ITコンサルティング会社、または外資系企業など、一般的に高い年収を提供する企業に目を向けてみましょう。新たな経済的報酬とプロフェッショナルな成長を経験できる可能性があります。
大手企業への転職を成功させるためには、まず現在の職場で顕著な実績をつくることが重要です。リーダーシップを発揮できるポジションを担う、マネジメントの責任を持つ、または大規模なプロジェクトを成功に導くなど、自身の能力と貢献を明確に示すことが求められます。
とくに大手企業では、プロジェクトの予算や規模感が非常に大きいため、これまでに同様の環境で成功を収めた実績があると、非常に強いアピールポイントとなるでしょう。
転職活動においては、実績を具体的に示せるポートフォリオの準備や、過去のプロジェクトでの成果を詳細に説明できるよう準備を整えることも必要です。また、業界のネットワークを活用した情報収集や、専門的な転職エージェントと連携することも、目指す企業への扉を開くための効果的な手段といえるでしょう。
フリーランスとして独立する
フリーランスとして独立することは、ITアーキテクトにとって大きな年収向上のチャンスとなります。フリーランスのITアーキテクト案件の多くは、プロジェクト単価が非常に高く、年収1000万円以上を実現している例もあります。フリーランスに転身することで、従来の雇用形態に縛られることなく、自分のスキルと時間をより効率的に、かつ柔軟に価値へと変えていくことが可能です。
フリーランスとしてのキャリアをスタートさせる際には、フリーランスエージェントの活用を検討しましょう。とくにエンジニア向けに特化したエージェントサービスは、適切なプロジェクトの紹介や契約交渉、さらにはキャリアアドバイスなど、フリーランスとして成功するためのサポートを提供してくれます。プロジェクトの確保から業務運営までスムーズにおこなえるようになるでしょう。
フリーランスとして完全に独立する前に、副業としてフリーランスの仕事を始めることも、効果的なアプローチです。リスクを最小限に抑えつつ、フリーランスとしての働き方や収入の実態を実際に体験できます。また、副業からスタートすることで、本業とのバランスを取りながら、将来的にフリーランスへの完全移行を見据えた計画的なキャリア移行を図れるでしょう。
ITアーキテクトの年収は今後も上がると考えられる
ITアーキテクトは、専門的な知識と技術力が必要となるため、常に高い価値を持って市場で評価されています。とくに、業務の複雑性と重要性が増すにつれて、ITアーキテクトのスキルを持つ専門家の需要は高まり続けています。
今後も、技術の進化と市場の動向に伴い、ITアーキテクトの年収は上昇することでしょう。
現代のビジネス環境において、Webサービスの拡大や、企業のDXの推進、さらにはAIや機械学習といった先端技術の発展が、ITアーキテクトに新たな機会と挑戦を提供しています。このような技術トレンドは、ビジネスプロセスを改善したり、新しいビジネスモデルを生み出したりする上で、企業に競争上の優位性をもたらします。専門的な技術と戦略的な洞察を持つITアーキテクトの役割は、一層重要となるでしょう。
上記の背景から、ITアーキテクトの専門性とスキルセットに対する需要は増大し続け、それに伴い、年収も上昇傾向にあります。
とくに高度な技術力を持つITアーキテクトは、業界内で重宝され、その価値はさらに高まっていくはずです。今後もテクノロジーが進化し続ける中で、ITアーキテクトはそのキャリアパスと年収の面で明るい展望を望めるでしょう。
まとめ
ITアーキテクトとしてのキャリアは、専門的な知識と技術が求められるだけではなく、その報酬も、業界内で高評価を受けています。高収入を目指すITアーキテクトには、継続的なスキルアップと資格取得が欠かせません。
フリーランスとしての独立や大手企業への転職も、収入増の有効な戦略となり得ます。
テクノロジーの進展と市場ニーズの拡大は、ITアーキテクトにとって明るい未来を約束するものです。
今後も技術力と戦略的な思考を兼ね備えたITアーキテクトが市場で高く評価され、その需要と年収はさらに上昇していくことでしょう。
フリーランスエンジニア専門のエージェント
関連記事