バックエンドエンジニアの将来性は?稼ぎ続けるために必要なスキルや言語を解説
2024年9月24日
「バックエンドエンジニアとして働いているが将来性に不安がある」「このままで大丈夫なのか」など、バックエンドエンジニアとしてのキャリアに漠然と不安を感じていませんか?
AIやクラウドサービスの台頭により、自分の仕事がなくなるのではないかと心配している方もいるでしょう。しかし実際には、バックエンドエンジニアの需要は今後も高まると予想されます。稼ぐためのスキルを身につけていれば、将来性は明るいといえるでしょう。
本記事では、バックエンドエンジニアの将来性や、稼ぎ続けるために必要なスキル、さらには今後需要が高まりそうな言語についても詳しく解説します。将来に備え、今から稼げるバックエンドエンジニアを目指したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
バックエンドエンジニアの将来性は明るい
結論から述べると、バックエンドエンジニアの将来性は、決して暗くありません。
むしろ、デジタル化が進む現代社会において、その重要性はますます高まっています。
その根拠は以下のとおりです。
- バックエンドエンジニアの仕事はWebサービスに不可欠
- 既存のサービスの保守運用業務はこれからも続く
- クラウドサービスやAIによる影響は限定的と考えられる
以下では、バックエンドエンジニアの将来性が明るいといえる具体的な根拠をご紹介します。
バックエンドエンジニアの仕事はWebサービスに不可欠
バックエンドエンジニアの仕事は、Webサービスの根幹を支える重要な役割を担っています。
データベースやサーバーなどのシステム開発、運用、保守はもちろん、Webサイトやアプリの動作を裏で支える機能の実装も、担当する仕事の1つです。データ処理やAPI連携においても中心的役割を果たします。また、セキュリティ問題への対処や、サービス拡張を想定したスケーラブルな設計も担当します。
これらの業務は、Webサービスの品質や安定性、セキュリティを確保する上でも不可欠です。まさにWebサービスに欠かせない仕事といえるでしょう。そのため、今後もバックエンドエンジニアの需要は継続的に高まると予想されます。
既存のサービスの保守運用業務はこれからも続く
Webサービスやシステムは、一度構築したら終わりではありません。
セキュリティアップデートの適用、パフォーマンスの改善、新機能の追加や既存機能の改良など、継続的な保守運用が必要不可欠です。さらに、ユーザー数の増加に伴うスケーリングや新しい技術の導入、プラットフォームへの対応も求められることがあります。
これらの業務は、サービスの安定性や競争力を維持する上での重要性が高いです。サービス全体の業務効率化やコスト削減にも直結します。
更新の必要性から、バックエンドエンジニアは重宝され、長期的に見て安定した需要が期待できる職種といえるでしょう。
クラウドサービスやAIによる影響は限定的と考えられる
クラウドサービスやAIの台頭により、バックエンドエンジニアの仕事がなくなるのではないかと懸念する声もあります。しかし、その影響は限定的と考えられるでしょう。
クラウドサービスの普及によりインフラ構築や管理は容易になりましたが、サービスの設計や最適化にはバックエンドエンジニアの専門知識が必要です。また、AIは一部の自動化に寄与しますが、複雑なロジックの実装や全体的なシステム設計には人間の判断が不可欠です。
新技術の導入により、バックエンドエンジニアの役割は変化しますが、むしろスキル需要は増加する可能性があります。クラウドやAIとの連携を効果的におこなうためには、従来のバックエンド技術の知識が不可欠なのです。
また、生成AIを使いこなせれば、プログラミングの効率化も狙えるため、AIを使いこなせるエンジニアの価値がより向上していくとも考えられます。
バックエンドエンジニアが稼ぎ続けるために必要な知識・スキル
上記で解説したとおり、バックエンドエンジニアの将来性は明るいです。
しかし、バックエンドエンジニアとして長期的にキャリアを築き高い収入を維持するためには、以下のとおり幅広い知識とスキルが求められます。
- プログラミングスキル
- データベーススキル
- サーバー設計スキル
- フレームワークやミドルウェアの知識
- ビジネススキル
稼ぎ続けるためにとくに必要となる5つの知識・スキルについて、詳しく見ていきましょう。
プログラミングスキル
プログラミングスキルは、バックエンドエンジニアの基礎となる能力です。主要なプログラミング言語であるJava、JavaScript(Node.js)、Ruby、Go、PHP、TypeScriptなどの習得は必須といえます。
また、Pythonのような需要の高い言語をマスターしていると市場価値が高まり、キャリアアップを目指す上で有利に働くでしょう。あわせて、オブジェクト指向プログラミングやデザインパターンの深い理解、効率的でスケーラブルなコードを書く能力なども磨くべきです。
プログラミングスキルを磨くことで、さまざまなプロジェクトに柔軟に対応できる能力が身につき、可能性が広がるでしょう。
データベーススキル
データの効率的な設計・管理と活用は、現代のWebサービスにおいて極めて重要です。
リレーショナルデータベース(MySQL、PostgreSQLなど)の深い理解と、NoSQLデータベース(MongoDB、Cassandraなど)の活用能力を身につける必要があるでしょう。
複雑なクエリの構築とパフォーマンスチューニング、データモデリングの技術、大規模データの効率的な処理能力も重要です。これらのスキルにより、データを基盤としたサービスの開発と運用に携われるでしょう。
サーバー設計スキル
安定性と拡張性を兼ね備えたサーバー設計は、サービスの成功に直結します。
Webサーバー(Apache、Nginxなど)やアプリケーションサーバーの設定・運用、クラウドプラットフォーム(AWS、Azure、Google Cloudなど)の活用能力が求められます。
高負荷に耐えられるスケーラブルな設計、セキュリティ対策の実装、信頼性の高いサーバー構築、効率的なサーバー管理ツールの活用ができるスキルも重要です。これらのスキルにより、安定性と性能を両立したシステムの構築が可能となるでしょう。
フレームワークやミドルウェアの知識
効率的な開発と運用のためには、適切なツールの選択と活用が重要です。
人気のバックエンドフレームワーク(Django、Ruby on Rails、Node.js、Spring Bootなど)の活用や、ミドルウェア(Apache、Nginxなど)の実践的な設定と運用能力が求められます。
新しい技術トレンドへの対応能力、フレームワークに依存しない基本概念の理解、プロジェクトに最適なフレームワーク選定の判断力も重要です。これらの知識により、プロジェクトの要件に応じた最適な技術選択が可能となります。
ビジネススキル
これまでにご紹介した技術力だけではなく、ビジネススキルも重要です。
たとえば、チーム内外はもちろん、クライアントとの交渉においてコミュニケーション能力は欠かせません。また、非技術者への説明力が求められる場面もあるため、プレゼンテーションスキルも必要となるでしょう。
管理職になれば、アジャイル手法やスクラムの知識を活用したプロジェクトマネジメントスキルも求められます。リソース配分を含む円滑な進行力や、ビジネス要件や技術的課題を理解した上での提案力も重要です。
これらのスキルがあれば、技術面だけではなくプロジェクト全体の成功に貢献でき、バックエンドエンジニアとしての市場価値は上がるでしょう。
今後も需要が上がっていく可能性の高い言語
バックエンドエンジニアとして長期的なキャリアを築き、稼げるエンジニアとなるためには、需要の高い言語をマスターすることが重要です。
以下では、今後も需要が上がると予想される以下5つの言語について、その特徴と需要が高まると考えられる理由を解説します。
- Python
- Java
- JavaScript
- Ruby
- Go
順に詳しく見ていきましょう。
Python
Pythonは、バックエンドエンジニアにとって重要な言語の1つです。読みやすくメンテナンスしやすいコードや、大規模プロジェクトでの採用実績も魅力です。バックエンド開発に留まらず幅広い分野で活用されているため、今後も需要が高まると考えられます。
また、データ分析やAI開発との高い親和性が高く、機械学習の分野などで今後も需要が高まると予想されます。Django、Flaskなどのフレームワークは抑えておいたほうがよいでしょう。
Java
Javaは、企業システムでの採用実績が多いため、今後も安定した需要が期待できます。大企業や金融機関などで広く使用されており、既存システムの保守運用も含めて長期的な需要が見込まれます。
大規模システム開発での信頼性はもちろん、プラットフォーム非依存性も特徴的です。Webサービスだけではなく、スマホアプリも開発できます。
生産性を上げるため、JSF(Jakarta Server Faces)、Spring Framework、Play Frameworkなどのフレームワークは抑えておきましょう。
JavaScript
JavaScriptは、Node.jsの実行環境下において、フロントエンドとバックエンドの両方で使用できる言語です。JavaScript自体の人気が非常に高いため、需要は今後も高まると予想されます。
また、Webアプリケーション開発において不可欠な言語であるため、今後もその重要性は増していくでしょう。
言語の特徴としては、フルスタック開発の効率化、リアルタイムアプリケーション開発の容易さなどが挙げられます。
フレームワークは、Express.jsやMeteor.jsなどが人気です。
Ruby
Rubyは、開発の速さと汎用性の高さから、とくにスタートアップ企業で人気があります。迅速な開発が求められるプロジェクトで重宝されるため、今後も一定の需要が続くと予想されます。
Webアプリケーション開発での強みや、大手企業での採用実績(エムスリー、DeNA、クックパッドなど)も魅力です。
フレームワークはRuby on Railsが人気で、読みやすくメンテナンスしやすいコードや、活発なコミュニティも特徴的です。
Go
Goは、高いパフォーマンスとスケーラビリティから、大規模サービスやマイクロサービスとの親和性が高く、今後さらに需要が高まると予想されます。クラウドネイティブなアプリケーションの開発でも人気が高まっています。
実行速度や並行処理に優れていること、シンプルな文法、学習の容易さなどが特徴です。
フレームワークは、Echo、Gin、Beegoなどを抑えておくとよいでしょう。
バックエンドエンジニアのキャリアパス
バックエンドエンジニアには、さまざまなキャリアパスが存在します。自身のスキルや興味、目標に応じて、適切な方向へ進むことが重要です。
以下では、主な4つのキャリアパスについて解説します。
- スペシャリスト
- フルスタックエンジニア
- マネジメント職
- フリーランス・起業
順に詳しく見ていきましょう。
スペシャリスト
特定の技術分野に特化したエキスパートになることで、スペシャリストとして活躍できます。
データベースやセキュリティなどの特定分野に専念すれば、深い専門知識を活かしたコンサルティング業務も担当できるようになるでしょう。
キャリアパスとしては、テックリードやアーキテクトなどへのステップアップも有効です。
スペシャリストは、高度な技術力を武器に、難しい課題を解決する役割を担います。オープンソースプロジェクトへの貢献、ほかのエンジニアへの指導やメンター活動、技術ブログの執筆や勉強会などによる知識の共有などを経て、力をつけていきましょう。
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアは、バックエンドからフロントエンドまで幅広い領域をカバーするエンジニアです。
フロントエンド技術の習得、デザインパターンやUX/UIの理解、DevOpsの実践とツールの活用などが求められます。クラウドサービスの総合的な理解力と活用力、多様なプロジェクトへの適応力も重要です。
小規模プロジェクトでは全体を1人で担当できるため、重宝されるでしょう。また、大規模プロジェクトではチーム間の橋渡し役となれるため、いずれにせよ需要は高いです。
マネジメント職
チームリーダー、マネージャーやCTOなどのマネジメント職は、技術力を基盤としつつ、プロジェクトやチームの管理をおこないます。技術的な課題と人的な課題の両方に対処する必要があるでしょう。
チームメンバーの育成や動機づけ、リソースの最適な配分、プロジェクトのスケジュール管理など、多岐にわたる責任を担います。また、上層部と開発チーム、クライアントとの橋渡し役として、ビジネス目標と技術的な実現可能性のバランスを取ることも、重要な役割の1つです。経営戦略に関与してビジネスを理解することも重要といえます。
リーダーポジションの経験を経て、コミュニケーションスキルやリーダーシップスキルを身につけ、要職を目指しましょう。
フリーランス・起業
バックエンドエンジニアとしての経験を積んで知識やスキルが身につけば、独立・起業して、自身のスキルを活かした仕事をすることも可能です。
会社員と比べると収入の安定性は下がりますが、仕事を選べるため、高収入が望めます。自分のアイデアやサービスを具現化し、新しい価値を創造する機会も得られるでしょう。
自由な働き方ができる一方、仕事を獲得するための営業活動や自己ブランディングは欠かせません。フリーランスエージェントなどを活用しつつ、自身の専門性と価値を市場にアピールし続ける必要があります。定期的に仕事を獲得できなければ、生活を続けるのは難しいため、戦略が求められるでしょう。
まとめ
バックエンドエンジニアの将来性は依然として高く、デジタル化が進む現代社会において、その重要性はますます高まっています。しかし、技術の進歩は速く、トレンドも変わるため、常に新しい知識とスキルの習得が必要です。
継続的なスキルアップと最新技術のキャッチアップは、バックエンドエンジニアとして成功するための鍵です。プログラミングスキル、データベーススキル、サーバー設計スキルなどの技術的能力に加え、ビジネススキルやコミュニケーション能力の向上にも注力しましょう。
技術の進歩と共に変化する市場ニーズに柔軟に対応しつつ、自身の強みを活かしたキャリア戦略を立ててみてください。そうすることで、バックエンドエンジニアとして輝かしい未来を築けるはずです。
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