フリーランスと会社員の違いとは?メリット・デメリットや向いている人の特徴についても解説!
「フリーランスに挑戦してみたいが、色々と不安が多い」「フリーランスの実態を知った上で今後の働き方を模索したい」といった課題を抱えている方もいるでしょう。
フリーランスは収入が上げやすいといわれる一方で、不安定さや社会的信用の低さに関して指摘が挙がることもあります。さまざまな情報に振り回され、なかなか踏み出せない方も多いかもしれません。
結論を先に申し上げると、フリーランスとして活躍していけるか否かは適性やスキルによって変わるものです。
本記事では、フリーランスと会社員、それぞれのメリット・デメリットを解説します。加えて、どのような人がフリーランスに向いていて、どのような人が会社員に適しているのかもご紹介しますので、キャリアに悩んでいる方はぜひ最後までお読みください。
目次
フリーランスと会社員の違い
フリーランスと会社員の大きな違いは、以下のとおりです。
- フリーランス:企業と業務委託契約を結ぶ
- 会社員:企業と雇用契約を結ぶ
ここからは、どのような違いがあるのか、より具体的に解説していきます。
契約形態
フリーランスと会社員との根本的な違いは、契約形態にあります。フリーランスは企業と「業務委託契約」を結びますが、会社員は企業と「雇用契約」を結ぶのが基本です。
業務委託契約とは、企業が第三者に特定の業務を委託する際に締結する契約です。業務委託契約にも種類があり、以下の2つに大別できます。
- 委任契約:法律行為事務処理の業務を遂行することで報酬が支払われる
- 準委任契約:非法律行為の処理などの業務を遂行することで報酬が支払われる
- 請負契約:依頼された業務を完成させることで報酬が支払われる
対する雇用契約は、雇う側が「使用者」、雇われる側が「労働者」の関係となる契約形態です。労働者は、労働基準法などの規定に基づき、日々の業務に従事します。正社員だけでなく、非正規社員(パートやアルバイト、派遣社員)も雇用契約の対象です。
参考:業務を委託する「委任契約」とは?間違えやすい準委任・請負契約との違い|契約大臣
働き方
上記の契約形態の違いが、フリーランスと会社員の働き方に大きな違いをもたらします。
会社員は就業規則に定められた勤務時間・勤務場所・勤務ルールに従って働きますが、フリーランスは契約ごとに働き方が異なります。
とくに請負契約では、依頼された業務を期日内に完成させさえすればよいため、場所や時間にとらわれず自由に働きやすいでしょう。
報酬
報酬に関しても、会社員とフリーランスとでは大きな違いがあります。先述のとおり、フリーランスは契約した案件ごとに報酬を得ますが、会社員は基本給+各種手当が支給される形が一般的です。
会社員は、毎月決まった所定の金額が給料日に振り込まれ、その性質から収入面において安定しています。ただし多くのケースでは、設定された給与テーブルに準じて月給が設定されるため、収入を高めていくには長い年月を要するでしょう。年単位で振り込まれる「年俸制」においても同様です。
一方フリーランスの場合は、報酬額は案件ごとに異なり、報酬はさまざまな要因を受けて変動します。自身のスキルや状況次第では、大幅に収入がアップすることもあれば、収入が途絶えることも珍しくありません。
人間関係
フリーランスと会社員とでは、人付き合いにも違いが生まれます。会社員は会社に属しているため、上司や同僚、部下、取引先…と、幅広い相手とのコミュニケーションが必要です。そのため、コミュニケーション能力が欠かせず、複雑な人間関係の中でうまく世渡りしていく能力が求められます。
その点、フリーランスは会社に属さないため、関わる相手が会社員に比べて限定的です。社内政治を気にしなくてよく、必ずしも人付き合いをする必要もありません。ただし、取り引き先と良好な関係を築いていく折衝力は必要です。
詳しくは後述します。
福利厚生
会社員は会社に雇用されているため福利厚生がありますが、フリーランスは個人として働くため、会社からそうしたサービスを受けることができません。
会社員の場合、社会保険や各種手当などが充実しており、基本給とは別の側面で金銭的な援助を受けられることが多いです。
対するフリーランスには福利厚生がありません。そうした点も加味した上で、案件の報酬額や目標年収を設定したり、お金を管理したりする必要があります。
税金
フリーランスは、税務に関してもすべて自身でおこなう必要があります。
会社員の場合、税務関係は会社が代わりに担ってくれます。
具体的には、年末調整や確定申告、経費処理などの税務はすべて社内の経理の仕事です。
フリーランスの場合、それらの税務すべてが自身の業務となります。自身で確定申告をおこなうため、税務に関する知識も必要です。
仕事内容
仕事内容も、フリーランスと会社員で異なります。
フリーランスは案件を自分で選べるため、その内容についてもある程度選択しやすいです。ただしフリーランスは、案件獲得のための営業や税務など、本業以外の業務もすべておこなわなければなりません。
会社員であっても、自身のメイン業務以外にさまざまな雑務を担うことは多いでしょう。しかし、どれだけ業務の幅が広くとも、1人の社員が営業や税務、法務、マーケティングといった事業に必要な全業務を担うことはありません。
そういう意味で、フリーランスは会社員以上に幅広い業務をおこなう必要があり、豊富な知識も要するといえます。
フリーランスのメリット
ここからは、フリーランスならではの魅力をご紹介します。
フリーランスのメリットとして挙げられるのは、以下のような特徴です。
- 好きな時間で働きやすい
- リモートワークがしやすい
- 自分次第で年収を上げやすい
- やりたい内容の仕事を選びやすい
- 人間関係のストレスを受けにくい
それぞれの詳細を見ていきましょう。
好きな時間で働きやすい
フリーランスは就業時間を定められていない場合が多く、自由な時間に働けます。先述のとおり、契約内容は委任契約と請負契約が一般的です。委任契約であれば労働力を適切に提供すればよく、請負契約であれば成果物を納期内に完成させさえすれば仕事が成立します。
こうした契約形態により、フリーランスは自由度高く働けるのです。必ずしも早起きすることはなく、自身の都合に合わせて業務に従事できます。休みの日も選択でき、プライベートに時間を割きやすいのも利点といえるでしょう。
リモートワークがしやすい
職種にも左右されますが、昨今、フリーランスの案件はリモートワークが増加傾向にあります。
リモートワークができる案件であれば、在宅で仕事ができるため、基本的に通勤の必要がありません。打ち合わせなどで外出する機会はあっても、会社員と比べると仕事の用事での外出頻度を減らせるのは、大きなメリットでしょう。
また在宅時間を長くできるため、家事や育児などとの両立もしやすくなります。
自分次第で年収を上げやすい
フリーランスは、案件ごとに契約を結んで報酬を得る働き方であるため、自分次第で年収を上げやすいのもメリットです。「フリーランスの収入は青天井」といわれるように、フリーランス案件の単価は、自分のスキルや経験に比例して高くなります。そのため、実績や経験の豊富な人ほど高収入を得やすいです。
また、即戦力を求められるフリーランスの世界は、実力主義です。年功序列ではないため、若いうちからでも稼ぎやすいのも魅力といえるでしょう。
実際、額面でいえば、フリーランスは会社員よりも収入が高くなる傾向にあります。Relanceの「フリーランスエンジニア白書(2023)」によると、専業フリーランスエンジニアの平均年収は約576万円でした。
出典:【2023年版】フリーランスエンジニア白書|Relance
一方、会社員(正社員)エンジニアの平均年収は509万円です。
出典:システムエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)|求人ボックス
フリーランスは、実力次第では会社員よりも稼ぎやすいといえるでしょう。
やりたい内容の仕事を選びやすい
フリーランスの場合、案件を自分で選ぶことができ、仕事内容を自由に選びやすいこともメリットです。
フリーランスであっても、よい条件で働こうと思うと相応のスキルは必要になりますが、スキルや実績・経験さえしっかりあれば自分の希望条件を通しやすく、理想的な仕事を選択できます。
キャリアアップにつながる案件に参画していきやすいこともあり、理想のキャリアプランを実現しやすいでしょう。
人間関係のストレスを受けにくい
フリーランスは、会社・組織に属さないことから、人間関係で悩む機会が少ないことも魅力といえます。
取り引き先との契約条件にもよりますが、基本的には案件限りの付き合いになることが多く、仕事での人間関係が限定的です。
出世のために上司と無理に付き合う必要がなく、同僚間における人間関係のトラブルにも巻き込まれづらいでしょう。同期との出世レースもないため、落ち着いた精神状態で日々の仕事に取り組めます。
経費を使えるため節税をしやすい
フリーランスは、経費が多ければ多いほど、払う税金を軽減できます。
会社員の場合、給与所得控除が給与額ごとに一定で決まっており、従業員個人で節税をする余地はほとんどありません。
一方でフリーランスは一「事業主」であるため、自身で経費を計上でき、さまざまな節税策を講じられます。
勘定項目ごとに一定の制限や条件はあるものの、パソコン台やネット代、光熱費、会食費などを経費で落とすことができ、所得税の軽減が可能です。
フリーランスのデメリット
ここまでフリーランスの魅力に焦点をあててきましたが、デメリットや注意点もあります。代表的なデメリットとしては、以下が挙げられるでしょう。
- 毎月の収入が不安定になる可能性がある
- クレジットカードや賃貸の審査に通りにくくなる
- 仕事とプライベートの切り替えが難しい
- 営業や税務を自分でする必要がある
- 孤独感を抱きやすい
- 福利厚生がない
事前に注意点をしっかりと押えておくことで、「こんなはずではなかった」といった失敗を防ぎやすくなるでしょう。各問題の対処法については、別の見出しで後述します。
毎月の収入が不安定になる可能性がある
フリーランスは収入の変動が大きくなりやすく、会社員と比べると収入の安定性が低いことには注意が必要です。
フリーランスは案件ごとに契約し、報酬を得ます。会社員のように毎月一定の額が振り込まれることはないため、自身で案件数や報酬を獲得・コントロールしていかなければいけません。
思うように案件を獲得できなければ収入は当然下がりますし、取引先の業績不振によって単価が下がることや契約終了となってしまうこともあります。収入が不安定になると、生活や将来のことについて不安になる機会が増えるため、精神的なストレスも抱えやすいでしょう。
クレジットカードや賃貸の審査に通りにくくなる
フリーランスとして働く際には、社会的な信用の低さについても押さえておきたいところです。
収入が変動しやすく時には無収入になることもあるフリーランスは、一般的に返済能力が低いとみなされます。返済能力に難があり社会的信用力が低いと判断され、クレジットカードや賃貸の与信審査にも通りづらくなってしまいます。
仕事とプライベートの切り替えが難しい
フリーランスは自由度が高いがゆえに、仕事とプライベートの切り替えがなかなかできず、生活や仕事に支障をきたすこともあります。
とくに在宅で仕事をしている場合、会社員のように「仕事は職場」「家は休息」といった区切りを設けづらいため、オンとオフの区別が曖昧になってしまうでしょう。
それにより、働き過ぎる、もしくは仕事をサボってしまう、といった問題が生じやすいです。就労場所や時間に制限のないフリーランスは、自由の代償としてすべてを自身で管理しなければいけない点には、注意が必要です。
営業や税務を自分でする必要がある
仕事の裁量や働き方の自由度といったメリットに注目されがちなフリーランスですが、一事業主として事業に必要な業務をすべて自分がおこなわなければならないというデメリットもあります。
フリーランスは自分で仕事を獲得する必要があるため、本業と併行して営業活動もしなければなりません。さらには日々の帳簿付けや確定申告などの税務も、自身で処理する必要があります。
「会社では雑務を振られて残業になるのが嫌だから、フリーランスが羨ましい」といった願望がある場合は、その点に留意しましょう。
孤独感を抱きやすい
会社員のように人間関係に煩わされないことがフリーランスのメリットですが、裏を返せば人との関わりが少ないことを意味しています。
とくに業務連絡がネットで完結し、フルリモートで働ける場合は、人とのコミュニケーションを取る機会が極端に減りがちです。
そのため、信頼できる仲間・相談相手を見つけづらく、仕事の進め方や働き方などに関する悩みを1人で抱えてしまいやすい傾向にあるでしょう。
フリーランスは孤独感を感じてしまいがちな点には、注意が必要です。
福利厚生がない
福利厚生は、会社が従業員に長く勤続してもらうために提供しているサービスです。そのため、特定の企業との雇用関係がないフリーランスは、基本的に福利厚生を受けられません。
仮に1つの企業と長く契約する場合でも、福利厚生の対象外となる点には、注意が必要です。会社員の場合、育休や有休といった制度が設けられている為休んでいる場合も収入を得られますが、フリーランスにはそうした制度がありません。仕事を休むと、その間は無収入となってしまいます。また、家賃補助や通勤費などの手当も期待できません。
ただし、フリーランス向けに福利厚生を提供している民間のサービスもあります。
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会社員のメリット
フリーランスと会社員とを比較すると、フリーランスの自由な働き方などがメリットとして話題にあがることも多いですが、会社員もさまざまな側面で恵まれています。
以下が、会社員であることの代表的なメリットです。
- 安定した収入が得られる
- 福利厚生が充実している
- 会社が税務をしてくれる
- 仕事に必要なリソースが揃っている
- 社会的信用が高い
それぞれの詳細について解説します。
安定した収入が得られる
収入の安定性が非常に高いことが、会社員の最たるメリットでしょう。
会社員は雇用によって守られており、毎月、もしくは毎年、安定的な収入が得られます。たとえ業績が不振でも、労働基準法やそのほかの法律によって、減給されることはありません。
また会社員は、基本給に加えて各種手当も支給されるため、家賃補助によって家賃支出を抑えられたり、資格取得手当で資格を獲得した際に臨時の収入を得られたりもします。
基本的に、給与が月ごとに変動することはなく、雇用も法律で守られているため、フリーランスに比べて安定性の高さは抜群です。
福利厚生が充実している
先ほどの話にもつながりますが、会社員は会社から福利厚生を受けられるのが魅力です。社会保険料のうち、健康保険料と厚生年金保険料については、会社が50%負担してくれます。
厚生年金は、会社が代わりに半額を積み立ててくれるため、自身で払う金額は少ないながら、将来的にもらえる年金は大きく増えます。国民年金単体のフリーランスと比べて大きな利点といえるでしょう。
家賃補助や交通費といったサポートも十分に受けられ、仕事中に使用するオフィスの賃料やデスク・PC代金、水道光熱費は自身で払う必要もありません。
普段あまり意識する機会はないかもしれませんが、会社から多くの恩恵を受けています。
会社が税務をしてくれる
会社員は、自身で確定申告をしなくてよい点もメリットです。
各従業員の税務は会社の経理や顧問税理士などが担ってくれるため、自身でおこなう必要はありません。
会社では、税金や保険料などがあらかじめ給料から天引きされているため、税金をまとめて納めてくれることをしっかりと意識する機会は少ないでしょう。その有難みを感じることも、あまりないかもしれません。
しかしフリーランスの場合は、多くの時間や手間をかけて、無報酬で税務業務をこなす必要があります。会社員がそうした労力をかけずに済むのは、大きなメリットです。
仕事に必要なリソースが揃っている
仕事に必要なヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源が、入社時点から揃っていることも、会社員の魅力です。会社には各種リソースが整っており、社員は労働力を提供するだけ…といった場合がほとんどでしょう。
ノルマや目標が課されることは多いものの、そうした目標を達成するためのノウハウや環境に関しては、会社ならば当たり前のように整っています。たとえば、上司やベテラン社員からのサポート、各種研修も、リソース(ヒト・情報)の1つです。
フリーランスの場合、それらすべてを自身が築き上げなければならず、会社と同等のリソースを築くのは困難といえます。
社会的信用が高い
会社員の場合、社会的な信用が高いことも大きなメリットといえるでしょう。法律によって雇用が保証されていることから、収入も安定的です。社会的信用が高いと、クレジットカードや各種ローンの与信審査にも通りやすくなります。
仮にフリーランスでローンを組もうとすると、会社員よりもハードルが上がります。年収や売り上げ、継続年数が会社員よりもシビアに精査され、また審査の基準も上がるため、会社員よりもローンが組みづらくなってしまうのです。
会社員のデメリット
ここまで会社員のメリットを重点的にご紹介してきましたが、デメリットは少なからずあります。
具体的には、以下のような点で悩むことがあるようです。
- 収入が上がりにくい
- 働く時間・場所が決められている
- 異動や転勤があり会社都合に左右される
- 煩わしい人間関係が生じる
それぞれの詳細について見ていきましょう。
収入が上がりにくい
会社員の場合、基本給を給料のベースとし、そこに適宜各種手当てやボーナスが支給されるのが一般的です。
日本では未だ年功序列型の企業が多いといわれており、この給与制度下では基本給と年齢が比例します。そのため、たとえ若手が仕事で大きな成果を出しても「よく頑張りました」と会社から評価・表彰される程度に留まることも少なくなく、自身の待遇には影響しないことが多いでしょう。
年功序列型では、成果が給料に反映されず、年齢を重ねることでしか給料は上がりません。その仕組みに納得がいかない場合は、大きなストレスとなるでしょう。
働く時間・場所が決められている
会社員は、就業規則によって働く時間・場所が決められている点もデメリットです。
多くの会社が就業時間を「9:00〜18:00」前後に定めていることが多く、職場までの行き帰りの満員電車や渋滞に悩まされることも少なくありません。車であれば渋滞で長時間待たなければならず、電車であれば人混みの中で我慢しなければいけない…といった問題が生じがちです。
また、一般的に働く場所はオフィスに限定されるため、カフェや在宅でのびのびと仕事に従事したい人にとってはストレスに感じやすいでしょう。
異動や転勤があり会社都合に左右される
会社員は、会社都合で居住地や勤務場所、仕事内容を変えなければいけなくなることもあります。選考過程で配属の希望を聞いてはもらえるものの、実際に希望が通ることはそれほど多くなく、配属後の自己都合での異動も現実的ではありません。
また入社後、一定の期間は好きな仕事ができていても、突然異動を告げられ、別の仕事を強制されることもあるでしょう。さらに、全国展開している会社などでは、遠方への転勤もあります。
やりたい仕事や働きたい場所を選びにくいのは、会社員の大きなデメリットといえるでしょう。
煩わしい人間関係が生じる
人間関係も、会社員につきまとう代表的な問題です。
組織の中には、上司や部下、同僚とさまざまな立場の人がおり、その人達と良好な関係を保ち続ける必要があります。上司には気を遣わなければならず、部下・後輩には育成・管理の務めがあり、同僚とは昇進の争いがあるなど、それぞれの関係において疲弊することもあるでしょう。
ランチや飲み会などの誘いもあり、人間関係の都合で断りづらいことも、ストレスとなってしまいます。
フリーランスに向いている人の特徴
会社員とフリーランスの良い点、悪い点を解説してきましたが、それぞれ長所と短所があることをご理解いただけたかと思います。今後の身の振り方を、会社員かフリーランスかで迷っている方は、より自身に適性のあるほうを選択するのが賢明です。
フリーランスを検討する場合には、以下の特徴に当てはまるかを参考にするとよいでしょう。
- 高い専門スキルがある人
- お金やスケジュールなど自己管理ができる人
- 個人で自由に仕事をしたい人
- 責任感を持って仕事に取り組める人
- 向上心が高く野心家な人
- 変化や刺激を楽しめる人
それぞれの詳細について解説します。
高い専門スキルがある人
フリーランスは企業から即戦力として求められており、スキルによって収入が大きく左右されます。フリーランス案件の単価はスキルレベルに比例するため、高い専門スキルがある人ほど高額な収入を得やすいです。
実際に、Relanceの「フリーランスエンジニア白書2023」においても、フリーランスエンジニアとして活躍していく上で大事なこととして、「エンジニアとしての技術力・経験」という回答が多くを占めていました。
出典:【2023年版】フリーランスエンジニア白書 1000人に聞いた!フリーランスエンジニアの実態調査-2023年1月-|Relance
こうした調査結果から、フリーランスを目指すには「自身の持つスキルの専門性が高いか」を判断することも大切です。
お金やスケジュールなど自己管理ができる人
お金やスケジュールなどの自己管理に長けている人も、フリーランスに向いているでしょう。フリーランスは会社に縛られず自由に働けますが、その分、強制力がない中でも自律し、働いていける能力が必要です。
具体的には、確定申告のための帳簿付けをしっかりとおこなったり、納期の遅延などがないように緻密にスケジュールを管理したりすることが求められます。
個人で自由に仕事をしたい人
フリーランスは個人で自由に働けるため、会社のルールに縛られたくない人にも向いているでしょう。細かく規定された就業規則を守る必要がなく、仕事の方針や方向性、やり方も自由に決定できます。
また、基本的には自分だけで仕事を完結させられます。そのため、他人に業務を任せられない完璧主義な人や、他人の仕事ぶりに不満が溜まってしまいがちな人にも、フリーランスはおすすめです。
責任感を持って仕事に取り組める人
フリーランスは、責任感の高い人でなければ、長期的に事業を営むことが難しいかもしれません。
フリーランスの場合、一事業主として仕事をします。すべての責任が自分にのしかかるため、仕事のミスや失敗を会社員以上に注意しなければなりません。「自分が失敗しても、誰かがカバーしてくれる」といった意識が強い場合は、フリーランスには向いていないでしょう。
任せられた仕事に対して質を妥協せずに完遂できるか、失敗した際の責任を自分で負えるかなどは、フリーランスの適性を判断する上で重要です。
向上心が高く野心家な人
フリーランスはスキルを磨き続ける必要があるため、向上心が高く、野心家な人に向いています。クライアントとの取り引きで指摘された内容を受け止め改善していける人や、業務外で自己投資をして自己研鑽に励める人に適性があるといえるでしょう。
また、スキルが最重視される業務委託契約は、社会トレンドの影響を大きく受けます。たとえ高いスキルを保有していても、そのスキルの需要が下がってしまえば、年収も大きくダウンしてしまうでしょう。
そのため、最新情報をキャッチアップして、世間のニーズに応じて自身をアップデートできるかも大切です。
変化や刺激を楽しめる人
変化や刺激への耐性、柔軟性も、フリーランスの適性を判断する上で役立つでしょう。
フリーランスは、案件ごとに仕事内容や取り引きのレギュレーション、職場(常駐案件の場合)、人間関係も変わります。
変化を楽しめる人のほうが、取り引きを楽しんでいけるはずです。
また、総合的なスキルを評価され、未経験の分野にアサインされることもあります。そうしたケースは仕事の幅を広げる機会ですが、現状維持が好きな人よりも、新しいことに挑戦をすることが好きな人のほうが、多くのチャンスを掴みやすいでしょう。
会社員に向いている人の特徴
上記で挙げたフリーランスの適性に当てはまらない場合は、会社員への適性が高いケースもあります。
会社員が向いている人の特徴としては、以下が挙げられるでしょう。
- 経済的・精神的な安定を求める人
- 自己管理が苦手でサボってしまう人
- 現実主義で物事を割り切れる人
- チームで目標達成を目指すのが好きな人
- 職場でのコミュニケーションが得意な人
それぞれの詳細について解説します。
経済的・精神的な安定を求める人
会社員は、フリーランスに比べて、経済的・精神的に安定しやすいものです。そうした安定性を求める人は、会社員のほうが向いています。
会社員は固定給であるため給料が安定しており、たとえ仕事の調子が悪くても解雇されることはありません。最低限今の生活を維持できることから、そうした側面において精神面でのストレスはほとんどないでしょう。
福利厚生もあるため、さまざまな側面で会社から支援を受けられます。とくに、家庭がありリスクを避けたい人には、雇用や収入の安定性は大きな魅力に感じるはずです。
自己管理が苦手でサボってしまう人
会社員は、就業規則や日々の業務において義務や強制力が強いですが、その反面、自己管理が苦手でも問題なく仕事をやっていけるとも捉えられます。
フリーランスの場合は、自由すぎるが故に、自分で決定すべきこと・管理すべきことが決して少なくありませんす。あまりに自由度の高い働き方が苦手な人は、ルールや働き方、環境が指定・整備されている会社員のほうが働きやすいでしょう。
現実主義で物事を割り切れる人
現実主義で物事を割り切れるかも、フリーランスと会社員にどちらに適性があるかを判断するのに役立ちます。
会社員は組織の一員として働くため、会社の方針やルール、意向が優先されます。理不尽なことや納得のいかないことがあっても、基本的には従わなければなりません。現実をしっかりと受け止めて割り切る力がある人のほうが、会社員としてやっていきやすいでしょう。
チームで目標達成を目指すのが好きな人
会社員という働き方は、チームで目標達成を目指すのが好きな人にも適性があります。
会社ではチームで働くことが多く、各種関係者と協調性をもって仕事を進めることが求められます。そのため、目標達成に向かって、人に教えるスキルや指示を出すスキル、適宜報連相をすることなどが重要です。
「人に教えたり指示を出したりするよりも、自分で何とかしたい」「自分の独断で仕事を進めたい」といったタイプよりも、他者と協力して仕事を進められるタイプのほうが会社員に適性があるといえるでしょう。
職場でのコミュニケーションが得意な人
コミュニケーションが好きな人、得意な人も、会社員に向いているでしょう。社内の関係を良好に保ったり、上司に気に入ってもらったりするには、コミュニケーション力が必要不可欠です。
また会社員の場合、仕事の付き合いで飲み会やランチに付き合わされることも少なくありません。そうした誘いにストレスを感じる人よりも、楽しめる人やあまり負担に感じない人のほうが、会社員として適性があります。
会社員からフリーランスになるまでの流れ
会社員からフリーランスを目指す場合には、以下のフローを歩んでいくとよいでしょう。
STEP1 | 会社員として実務経験を3年以上積むフリーランスは即戦力として求められるためスキルが重要であり、その高低が年収に直結する。会社員として十分な経験を積んでおくのが賢明。 |
STEP2 | フリーランスエージェントに相談するいきなりフリーランスとして活動を始める前に、まずは市況に詳しいプロに自身の市場価値などを想定してもらうと失敗を防ぎやすい。エージェントではスキルにマッチした案件を教えてくれる。営業の手間が省け、安く買いたたかれる心配もリスクも低い。 |
STEP3 | 退職届を出して円満退社するフリーランスとして案件の獲得ができ、生計を立てられる見込みがたった段階で会社を退職する。突然辞めるのではなく、数か月前に退職届を出し、しっかりと仕事の引き継ぎをして辞めるのが理想。 |
STEP4 | 国民健康保険と国民年金に切り替える会社員を退職後、2週間以内におこなう必要がある。任意ではなく必須のため、注意が必要。 |
STEP5 | 開業届と青色申告の手続きをする開業届を出すことで正式に個人事業主として認められ、出さない場合よりも社会的信用が上がる。青色申告の手続きをすることで、節税効果が高まる。 |
STEP6 | エージェントを活用して案件を獲得する本格的にエージェントを活用し、案件を獲得していく。以下の特徴を持つ「Relance」がとくにおすすめ。 月額100万円以上が55%以上と高単価案件が豊富である契約継続率が92%と高いリモート案件が70%である働き方をサポートする福利厚生サービスがついている Relanceは登録者がフリーランスエンジニアとして稼げるようしっかりとサポートしてくれる。 参考:Relance |
参考:会社員からフリーランスになるまでの流れ|Relance
フリーランスになった後に会社員に戻れる?
「フリーランスに興味があるけど、合わなかった場合は取り返しがつかないのでは?」「一度はフリーランスに挑戦してみたいけど、最終的には会社員に戻りたい」という方も中にはいるでしょう。
結論を先に述べると、基本的にはフリーランスからの再就職も可能です。
詳細について解説します。
フリーランスからでも再就職できる
条件や注意点も多々ありますが、フリーランスとしてしばらく活動した後に、会社員として再就職をすることは十分に可能です。
注意点は年齢の壁で、会社員から会社員への転職と同様、一般的に40代以降はフリーランスから会社員への転職が難しくなります。また、組織に属さずに仕事をしてきた経験を「協調性が低いのではないか」とネガティブに捉えられてしまう可能性もあるでしょう。
ただし、再就職の難易度は、人によって大きく変わります。年齢が高くても、フリーランスとしての実績や経験が豊富で、会社員で必要とされる「協調性」「規則を守れる、従える」などの素質を備えていることが選考で伝われば、採用されやする可能性は十分にあるでしょう。
会社員として再就職した場合の待遇
会社員として再就職を考える際には、年収が下がる可能性もあることには留意しましょう。冒頭でご紹介した調査のとおり、フリーランスは会社員よりも平均年収が高い傾向にあります。そのため、減収となるケースも少なくありません。再就職前には、会社員の待遇に納得できそうか、手当や福利厚生の有無などを総合的に比較検討することが大切です。
入社後には、勤務ルールを守ったり、協調性が必要となったりします。そういった働き方についても問題がなさそうか、しっかりと考慮するようにしましょう。
フリーランスを目指す人は会社員のまま副業を始めるのがおすすめ!
ここまで読んできた中で、「フリーランスになるか、やめておくべきか迷う」と悩まれた方も多いのではないでしょうか。フリーランスとしていきなり独立することには、案件獲得や収入の面でリスクが伴うため、まずは副業から始めるのが賢明です。副業で案件の獲得の仕方や自分のスキルレベル、フリーランスの働き方に慣れることが、フリーランス成功への近道となります。
昨今、働き方改革により、政府主導で副業が推奨されています。
会社員にもデメリットはありますが、それ以上に安定性の高さが魅力です。安定した生活を送りながらも経験・実績を着実に積んでいける副業は、大きなメリットをもたらしてくれることでしょう。会社員として生計を立てつつも、仕事終わりや休みの日に副業でフリーランス案件に挑戦してみることで、リスクヘッジができ、フリーランスへの足がかりともなるはずです。
まとめ
本記事では、フリーランスと会社員の違いについて、さまざまな観点から解説してきました。
フリーランスと会社員それぞれにメリット・デメリットがあり、それ故に向いている人も各々異なります。
自身の性格や今後の展望なども加味した上で、後悔のないような選択をしましょう。
その際、本記事が参考となれば幸いです。
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