フリーランス×会社経営~2つの側面で見るプロジェクトを推進できる人材とは~

※左:Relance事業部マネージャー 井出 右:Relance事業部部長 斎藤

Intoroduction

エンジニア目線で案件を分析し、フリーランスエンジニアに適正な価格で「いい案件」を紹介する Relance(リランス)です。
今回はRelanceとパートナーシップを結ぶエンジニア「古井」さん(20代男性)と、弊社Relance事業部長「斎藤」の対談をインタビュー形式で掲載します。

自らもITエンジニアのフリーランスとして就業する一方、2社を起業した経験からエンジニアとしてだけではなく、PdM、ITコンサルタントとしても活躍する古井さん。
参画先の企業様から非常に高い評価を頂いている方です。

今回は……
・フリーランス活動と経営から学んだ、フリーランスとして大切なこと
・フリーランス×PdM について
・エージェントや参画先企業の使い方や今後の展望について

を中心にお話ししていただきました。

古井さん
フリーランス歴 5年
会社経営歴 5年
【経歴】
情報系学部の大学を卒業後、新卒では金融系SIerを1年経験。その後自らの事業を立ち上げ、現在に至るまで経営者として2社を経営。エンジニアとしては、Webアプリケーションにおける上流から幅広く経験し、東南アジアでプレスリリースを配信するプラットフォーム「VRITIMES」を運営。現在も自ら会社を経営しながら、PdM業務を中心に参画先のプロジェクト推進を担っている。

フリーランスエンジニアとしての顔
~結局コミュニケーション能力しか勝たん~

RelanceとしてはPdMとして参画されている方へのインタビューは初めてですし、ご自身で経営もされているとのことですので色々とお話しを聞くのをとても楽しみにしていました!
まずは現在までの経歴をお伺いしても宜しいでしょうか。

古井さん:はい、宜しくお願い致します。経歴をざっくり言うと、情報系の大学を卒業後、金融系のSIerに就職致しました。1年後、職場の先輩とXRの事業の会社を立ち上げて、昨年までの4年間一緒に経営をしていました。現在はそのXR事業を離れたのをきっかけに、大学生の頃インターンとして就業していた会社の先輩にお声がけ頂き、一緒に海外でITサービスを提供する会社のCPOとして勤務しております。フリーランスとしては、独立した際に生計を立てるため働いたのがきっかけで現在まで続けております。

斎藤:情報系の大学だったのでエンジニアリングの基礎部分は大学で学ばれたのかと思いますが、大学と新卒の会社はどういう理由で選ばれたんですか??

古井さん:ずっとスポーツをしてきたので、あまりパソコンやコンピューターとか技術的な興味は無かったのですが、出来る限り汎用的なものを学びたくて情報系の大学に進学しました。
新卒で入った会社のきっかけはインターン先の先輩に、この会社ならハードコミット出来るし成長する機会があるんじゃないか??という風に言われて、その先輩も非常に優秀な方だったので、魅力を感じて入社しました。エンジニアリングに関する部分は、配属先が、若手社員中心に回す20名程度のプロジェクトだったのですが、フロントエンドからバックエンドまで幅広く経験出来たのは今になってもとても活きていますね。

斎藤:そこから独立してフリーランスになったという訳ですね。何かフリーランスになる上で、大変なことや不安なこと等は無かったですか?

古井さん:フリーランスとして、だとあまり感じていないのが正直なところです。
もちろん自分で責任をもって働くことができるのは大前提ですが、自分で自由が利く働き方がしたい方には良い働き方かと思います。確定申告等の煩わしい手続きがあるということをあまり知らなかったのでそういった部分は苦労したところもありますが、、自身で経営を回す方が前途多難だったのでそちらの方が苦労しましたね。システム開発のプロジェクトの案件を5案件以上並行しながら、フリーランスの案件をやる状況の時もありまして、常に頭の切り替えが大変でした(笑)

斎藤:5案件並行、、!私には想像もできないことですが、記憶しておくだけでも大変そうです。当然といえばそうかもしれませんが、古井さんにもご苦労された時代があったんですね。現在は会社経営の一方でフリーランスとしても活躍する古井さんですが、フリーランスエンジニアとして大切なことって何だと思いますか??

古井さん:私は、技術レベルというのは要望にあるレベルを満たしていれば十分かと思っていまして、良いパフォーマンスを出すことも大事ですが、むしろ相手が求めている要望をちゃんと把握出来るコミュニケーション能力の方が大事かなと思います。クライアント側も相手に伝えるのが苦手な方は一定数いらっしゃるので、その際のヒアリング能力も大事ですね。技術力は高いのにコミュニケーションが上手くいかずトラブルになるケースって多々あると思うんです。
相手に伝えたいことが100あるとしたら、1聞いたら100を察することが出来るというコミュニケーション能力は、フリ-ランスとして働くには大事ですね。もちろん経営者の方でも必須なスキルだと思います。極論、結局どこまでいってもフリーランスは外部だと思うので、尖っている部分は先方も求めていないと思うんです。どちらかというと円滑にその社内のメンバーとコミュニケーションが取れていて適材適所に働けるということの方が重要なんじゃないかなと思いますね。

斎藤:そうですね、古井さんの場合ご自身の会社でフリーランスの受け入れ側もやっているからこそその気持ちが分かりますよね。

古井さん:はい、まさに自分が会社の経営をする側でもフリーランスの方と接することがあるのですが、もちろん頂いた意見は参考にさせて頂くのですが、会社の方向性まで曲げてフリーランスの方の意見を取り入れることはほとんどないですね。フリーランスとしては、線引きが大事ですね。

斎藤:なるほど。たしかに強くこうしたい!こうした方がいい!みたいなものがあるのであれば自身で会社をやればいいじゃないか、という話にもなりますね。ちなみに他にフリーランスとして大切にしていることはありますか??

古井さん:そこでいうと、技術的なところは、正直案件に合った技術をキャッチアップすることしかないのですが、自分の場合は、ビジネスドメインのキャッチアップに力を入れています。
特にスタートアップ企業のエンジニアの技術力はかなり高いので、正直技術的な部分はあまりコミュニケーションの相違が生まれにくいので困ることが無いのですが、ビジネスドメイン的な所で知識が足りないと全然会話にならないことは往々にしてあります。なので、自分は案件ごとに、そもそも何をやる業界なのか??みたいな所をしっかり調べますね。そこに一番時間をかけますね。

斎藤:例えば、美容業界の案件に入るのであれば、美容業界はどういう業務フローがあるのかしっかり調査されるんですね。

古井さん:そうですね。でないと、特にビジネスサイドの方とコミュニケーション取る時は、あまりエンジニアリングについて明るくない方もいらっしゃると思うので、どちらかとビジネスドメイン中心にコミュニケーションを取ることを意識しています。

フリーランス×PdMとしての顔~複合的に考える面白さ~

※インタビュー風景

ドメインの知識をしっかりとキャッチアップされているからこそ、現在PdMとして活躍されていると思うのですが、古井さんにとって、PdMの楽しさって何ですか??

古井さん:技術的な面もそうですが、ビジネスドメインを含めて、マーケやCS、セールス等、全ての観点から物事を考えている時が楽しいと思います。複雑性の中に答えを導きだす事に面白さがありますね。
プロダクトが完成した後に、みんなに喜んでもらって、良かったと思うこともやりがいの一つではありますが、PdMとしての面白さは、私は考えるプロセスにあると思います。
代表やCTOクラスの技術的に高いレベルの方ともお話しできますし、CSチームや他のセールス職の方ともコミュニケーションを取れる立ち位置なので、関わる方が多いのもPdMの醍醐味ですし、複合的にコミュニケーションを取ながら課題を潰していけるのは、PdMのならではだと思います。

斎藤:なるほど、プロセスにやりがいを感じられるのですね。逆にPdMにフリーランスという要素が加わると変化することや難しいことってあったりしますか?

古井さん:というと、ここまでの話の総括にはなるとは思うのですが、こだわりが強すぎるとしんどいと思いますね。あくまでCOOの方だったり、CPOないしPdMの方の意向をどう反映させるのかというのがフリーランスのPdMの役割だと思っています。幹の部分は当然社内の方が考える部分だと思っているので、助言をすることはあると思うのですが、方針に関わることは言いたい事もグッとこらえますね。
もちろん、PdMをやっている以上はこういう風にしたいみたいな気持ちもあるので、口出ししづらいもどかしさと葛藤もあるといえばありますが。

斎藤:それはありますよね。フリーランスの方で、実際、色んな経験を持っているから助言してあげなければいけないという使命感から、逆に衝突が起きてしまうケースもあると聞きますしね。

古井さん:そうなんですね。社内の中でお互い話合うべきところは話し合って完成度を高めるというのはあるべき姿なのですが、一見ドライですがそこは割り切って先方の要望を叶えることに注力していますね。私の場合はどうしてもやりたいことは自分の会社で実現するという風にバランスをとっていますね。

ずば抜けた才能はなくとも協働を生み出すPdMの価値とは

フリーランスとして、PdMとしてのお話しを聞いて参りましたが、今後の展望をお聞かせください。

古井さん:正直に話しますと実は具体的にこういうのがやりたいっていうのが無いんですよね。

斎藤:それは驚きですね!

古井さん:そうですね。3年前の今頃は海外向けのITサービスを作る仕事をすることなんて想像も出来てなかったですし、何か頑張っていったら上手くいくんじゃないかなと思っています。自分から能動的にやりたい業界や作りたいプロダクトは特に無いんですよね。

斎藤:とはいえ、共同経営に至るからには何か「想い」みたいなものがあったということですよね?

古井さん:今の会社はシンプルに共同経営者のミッションに共感しております。過去日本が世界で成功した産業の背景に商社という存在があったと思うのですが、ITに関しても商社のようなハブ的な存在があり、日本のエンジニアリングを海外に持っていけたら日本のITは成功するという信念があって、その考えとミッションに共感して参画しているんです。

斎藤:日本のエンジニアリングにはまだまだチャンスがあって、それを拡げたいということなんですね。業界にいる者としては非常に嬉しい話ですね。。話題は少し変わるのですが、休む間もなくお仕事してらっしゃると思うのですが改めて、古井さんのモチベーションが知りたいです。

古井さん:それでいうと優秀な方々と仕事をするっていうのが自分にとっての一番のモチベーションですね。自分はどこまでいってもずば抜けた才能は持っていないというのは自覚しているので、自分一人だけだと世界中で使われるプロダクトを作るのは難しいと思っています。なので、それを実現できるような仲間と一緒に作っていけたら嬉しいなと思っております。なので何か特定なことをやりたいというよりは、ずば抜けた人達と一緒に仕事ができるような自分でいたいなというのがありますね。例えば、所謂会社の代表の中には、一見癖がある方もいますよね。そういう尖った才能があって第一人者を担う方もいると思いますが、自分はそういう人にはなれないと思うんです。
だから、そういう才能ある人たちを上手くサポートできるようになりたいなと思います。

斎藤:なるほど、相手のニーズを確実にキャッチしつつ、思いが強い人を上手くまとめて物事を進めて行くというのは古井さんの得意分野ですし、それがPdMというお仕事にも活かされていますね。
ちなみにPdMかつ経営者という役割を経験して得したことってありますか??

古井さん:そうですね、エンジニアリングの部分で言えば、参画先では、言語的なフレームワークやアーキテクチャは新しいインプットをしやすいですし、プロダクト開発フローとかも企業様によって結構違ったりするので、自分の会社にも活かしつつ、逆に自分の会社で学んだこともフリーランスで活かせるので相乗効果はあると思いますね。情報収集に関しても、スタートアップ系の会社だと社内の方が、ニュースチャンネルを作って下さっていることが多いのでそこから日々のトレンドをキャッチアップさせて頂いております。

斎藤:それは利用しない手は無いですよね。
それでは最後に恒例の質問なんですが、今後フリーランスになる方、続ける予定の方に一言お願いできますか??

古井さん:経営でもフリーランスでもやりたい気持ちがあるのであればやってみるのが良いと思います。とはいえ、どんなリスクがあるかというのが分からない方も多いと思うので、そこをRelanceのように手厚くサポートしてくださるエージェントにサポートしてもらいつつ上手く活用していただければ会社勤めとそんなに変わらないと思います。

斎藤:最後にお褒めの言葉をありがとうございます!!

編集後記

フリーランスと PdM、会社経営という3つの顔を持ちながら、フリーランスとしては、相手の求めるものに対してしっかり返すという徹底したスタンスの古井さんにお話しをお伺いました。

古井さんは参画先の企業様からも、”いつもしっかり練られた上で持ってきてくださる方で、
CSから要件整理もしやすく、非常に頼りになります!”と非常に高い評価を得られております。

フリーランスエンジニア専門のエージェントとして日々を過ごす中で、フリーランスの方のご自身の考えや、やりたい事と企業の求めることにギャップがあるとトラブルに繋がってしまうことも実際にあります。古井さんの場合は自身の役割を理解した上で相手が求めることに対するアウトプットへコミットされていることで信頼を得ていることが今回のインタビューを通してわかりましたが、まずはフリーランス、企業双方で実現したいことや一緒のゴールを見通し、そのためにどんな役割をそれぞれが果たすべきなのかを理解し合えば、本質的なエンジニアリングに近づくことができるのではないかと思いました。

少なくとも、技術に長けた人、コミュニケーションに長けた人、バランスが取れた人、色んな人が集まって、一人では出来ないことを成し遂げるのは間違えないことなので、エージェントとしてもいい橋渡しをし続けないとな、と気が引き締まる時間になりました。
Relanceは今後も海外へ視野を広げ邁進する古井さんを応援して参りたいと思います。

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