個人事業主の節税について
2024年9月2日
はじめに
はじめまして。法人設立をして現在は社長ですが、元フリーランスのエンジニアです。
約1年前に法人設立をしてなんとか1期目を乗り越え2期目に入りました。フリーランスのエンジニアについては本当に優秀な方に記事をお任せして、フリーランスが出来る節税や年金のことをかいていきたいと思います。
執筆者:元フリーランスエンジニア KN
東京のWeb広告代理店にて営業管理職を経験し上場メンバーとしてストックオプションで左団扇。その後、大学時代に情報工学を専攻していた経緯もありITの世界に裸一貫で飛び込む。
2012年に、当時は珍しかったフリーランスに転身。専門はインフラ、ネットワーク、クラウド、BCP策定、ISMS導入、内部統制策定など。現在はPMを行いながら自身の法人を立ち上げ、自社プロダクトを企画・制作中。
税金について
既にWebページなどを見て節税のことを見ている方も多いと思います。検索による情報収集はITエンジニアの得意分野ですから。あくまで個人的な私見ですが、個人事業主は真っ当に納税するのが一番手元にお金が残ります。変な節税なんて考えない方がいいです。
もちろん、テクニック的なものもあるのですがそのあたりは税理士さんと相談しながら、やった方がいいと思います。税法は毎年少しずつ変わるので、これに専業でもない個人事業主が追随するのはまず無理です。個人で確定申告をされている方でマイクロ法人などの法人成りを検討されているエンジニアは、税理士さんを早めに見つけておくといいかもしれません。
時給換算すると税理士さんに頼まない、という選択が無くなるほど安く対応してもらえます。
ちなみに、私は合同会社でほぼ全ての会社経理事務作業を税理士さんに依頼していますが、決算費用もあわせて年額で34万円程です。記帳代行や補助申請、諸々の相談なども含めての金額なのでかなり満足しています。
国民年金 付加年金
よし、何かわからないけれどとりあえず、やっておこう。そんな方は、まず国民年金の付加年金から手を付けるといいでしょう。国民年金の有利・不利についてはここでは記載しませんが、この付加年金に限って言えばやらない手はないです。おそらく、この付加年金だけは誰一人反対する方はいないんじゃないでしょうか。
※付加年金とは:付加年金は老齢基礎年金と合わせて受給できる終身年金です。定額のため、物価スライド(増額・減額)はありません。付加年金|日本年金寄稿
おそらく日本国内の公的なもので最大の効率を発揮できる年金です。詳細については検索して調べていただければと思いますが、とても簡単に書くのであれば、「2年で元が取れる年金」と理解すればよいでしょう。個人事業主になったら最初にやることのリストに入れてもいいかもしれません。ご結婚されている方であれば、パートナーやお子様の分も要チェックです。
国民年金基金
ここからが本格的な節税の話になってきます。国民年金基金という国民年金の上乗せ分になってきます。フリーランスは会社員の厚生年金よりも低い国民年金が支給されるので、それを補う仕組みなのです。この国民年金基金の最大のメリットは、保険料がそのまま控除対象になるという部分です。
例えば、月に1万円(現実的にはこの金額では加入できません)で12ヶ月で、12万円分の控除が発生します。月に2万円で24万円の控除・・と、毎月最大7万円弱まで増やしていけます。
最大まで積み立てた場合、年間80万円弱の控除が発生します。その分、税金が安くなります。
老後に備えて、ということで小口でやっているフリーランスの方を見かけることがあります。
この国民年金基金に加入すると、付加年金からは外されてしまいます。ワリが良いものを二重取りさせてくれるほど、この国は甘くないようです。
貯金ではないので支払って積み立ててきたものがお金で戻ってくることはありません。あくまで老後向けものであることで老後に向けた準備をすることで控除が発生する、と理解しておく必要があります。当然、法人成りした場合、継続して加入することはできません。この国民年金基金のちょっとしたテクニックを書いてみようかなと。
お子さんが大学生になった場合、国民年金基金に大学在学中だけお子さんの分を加入するといったテクニックです。詳しいことは税理士さんとお話してみるといいかもしれません。
お子さんの未来の何年か分をここで積み立てつつ、控除を受けるといった方法になります。
これはWebで検索しても出てこないかなり重箱の隅をつついた方法です。IT業界にいる人間っぽく、仕組みをハックした方法、と書き換えてみます。最低限の小口でやってみるのもいいかもしれません。
少数の人はやっているようですが、かなり仕組みを良く知っている人だけでしょうか。
小規模企業共済
聞いたことがある、もうやっているなんて方が多いのは小規模企業共済になると思います。これも詳しいことはWebで検索してみて調べてみてください。なので、ここでは検索しても出てこないケースについて記述をしてみます。これは個人事業主から法人成りした人しかわからないことかもしれません。
小規模企業共済はマイクロ法人でも加入することができるので、個人事業主で入ったまま法人成りした役員でも引き続き加入することができます。が、ここに落とし穴が存在していて、私はこの落とし穴に落ちかけました。個人事業主から法人成りして役員になると、申請の変更をする必要があるのですが、この申請には、「個人事業主の廃業届」と「会社登記簿」が必要になってきます。つまり、廃業しないと変更申請ができないのですが、廃業してしまうと青色申告届も取り消しを行うので、その年の確定申告が非常に大変なことになります。個人事業主から法人に変更するのか、新しい法人を立ち上げるのかなど、税理士さんときちんと相談して考えないといけません。
小規模企業共済は、20年以上加入すれば得をするしくみではありますが、積み立てた資金内で融資を受けることができたり少し金利が高いといった制限があるものの上手く使い倒せる道があります。仕組み上は、毎月積み立てる金額を柔軟に変更できるのでMAXまで積み立てる月を作ったり必要に応じて減らしたりなんて、細かいこともできそうですが、実際は書類のやり取りが煩雑なうえに書類がかなり往復するので、そこまでは出来ないと思います。
※金額変更は最初の1回だけはとても簡単にすることができます。
節税とは書いたものの
節税を考えないといけない、ということはそれだけ稼いでいることの証明になります。それは自分の能力を具体的に見える形で他人から評価してもらった形になるのかもしれません。あれこれと書いてみましたが、フリーランスエンジニアであれば節税テクニックを駆使するよりも、そもそも報酬額を増やした方が手元に残るお金は増えます。ですので、あれこれ節税を考えるより、貰える報酬額をどう増やしていくのか、に神経を注ぐべきです。
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