インフラエンジニアが上流工程に携わるには?必須スキルやキャリアパスを解説
インフラエンジニアの上流工程の仕事は、開発プロジェクトの中でも重要な役割を持ちます。
上流工程では、計画的にプロジェクトを進める能力や、クライアントとのコミュニケーションスキルなど、高度なスキル・経験・知識が求められるため、高年収を狙うことも可能です。
では、高収入を目指してインフラエンジニアとして上流工程に携わるためには、どのようにすればよいのでしょうか。
本記事では、上流工程になるためのスキルやすべきことなどを解説していきます。また、上流工程に携われるようになったあとのキャリアプランについてもまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
インフラエンジニアの上流工程の仕事はレベルも年収も高い
結論として、インフラエンジニアは上流工程の仕事に携わることで、年収が高くなります。
インフラエンジニアは、ITインフラ環境を構築するために欠かせない職種であり、上流工程と下流工程に大きく分けられます。
中でも上流工程では仕事内容が幅広く、マネジメントやプロジェクトの根幹に関わる仕事をこなさなければなりません。下流工程と比較すると、当然求められるスキルレベルは高くなり、責任も大きくなりますが、その分高い年収に期待できます。
高収入を目指すのなら、上流工程に携わることを目指しましょう。
インフラエンジニアの仕事における上流工程と下流工程の違い
上述したとおり、インフラエンジニアの役割は上流工程と下流工程とに大きく分けられます。
上流工程と下流工程では、具体的にどのように仕事の中身が変わるのでしょうか。
違いは以下のとおりです。
・仕事内容|プロジェクトの根幹に関わる業務かどうか
・責任範囲|プロジェクト全体の責任を負うかどうか
・年収|上流工程は求められるものが多いため金額が高い
仕事内容・責任範囲・年収について、それぞれ比較していきます。
仕事内容|プロジェクトの根幹に関わる業務かどうか
まず、上流工程と下流工程における仕事内容を比較しましょう。
インフラエンジニアが携わる仕事の流れをおおまかに分けると、設計、構築、そして運用という順になります。
その中でも、プロジェクトの全体像を設計するという仕事を担当するのが上流工程です。全体の仕事の流れにおける前半部分に該当し、プロジェクトの企画、要件定義、設計構築といった仕事をおこないます。
一方で下流工程は、上流工程が設計した内容にもとづいて運用することがメインです。具体的には、ITサービスの保守、メンテナンス、監視などの仕事を担当します。
上記のとおり、インフラエンジニアの上流工程と下流工程は、プロジェクト全体で携わる仕事が大きく異なります。上流工程ではプロジェクトの根幹に携わるため、高度なスキルや経験が求められることがわかるでしょう。
責任範囲|プロジェクト全体の責任を負うかどうか
2つ目は、責任範囲の比較です。インフラエンジニアの上流工程と下流工程では、責任の範囲にも大きな違いがあります。
上記の仕事の内容でも解説したとおり、上流工程はプロジェクトの根幹に携わるため、クライアントが求めているものを1から構築・設計・整備しなければなりません。また、問題やトラブルが発生した際に責任を問われることから、重要なポジションであるといえます。
一方で下流工程は、基本的に決められたマニュアルどおりに物事を進めることがメインです。上流工程が設計したマニュアルを運用し、トラブルが発生しないようにメンテナンスや保守するのが主な業務といえます。マニュアルにもとづいて問題なく運用していれば、責任に問われることも少ないでしょう。
少なくとも、プロジェクト全体の責任を負う可能性は低いといえます。
年収|上流工程は求められるものが多いため金額が高い
最後に、上流工程と下流工程の年収の比較です。結論からいうと、 上流工程のほうが求められるものが多いため、下流工程よりも年収が高くなります。
なぜなら上流工程と下流工程では、仕事内容・責任範囲が大きく異なるだけではなく、上流工程は高度なスキルや幅広い経験が必要となるからです。
年収について、インフラエンジニアに求められるスキルのレベル別データをご紹介します。
・レベル1(新人や初級者レベル/仕事に慣れ始めたレベル):平均年収は437.8万円
・レベル2(上位者の指導のもと仕事ができる若手人材レベル):平均年収は499.2万円
・レベル3(独立して仕事ができる中堅人材レベル):平均年収は576.0万円
・レベル4(部下を指導できるようなチームリーダーレベル):平均年収は726.1万円
上記のレベルでいうと、レベル1とレベル2が下流工程に当たります。一方で上流工程が合該当するのはレベル3とレベル4です。
このように、上流工程と下流工程は年収にも大きな差が生じます。
参考:IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果|経済産業省
インフラエンジニアの上流工程の仕事を担うのに必要なスキル
上流工程と下流工程では、求められるスキルや責任の範囲が異なるため、年収が大きく異なることがわかりました。
それでは、インフラエンジニアの上流工程に携わりたい場合には、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
具体的には以下のようなスキルが求められます。
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
- ドキュメンテーションスキル
上流工程として活躍するために求められるスキル3つを、詳しく見ていきましょう。
コミュニケーションスキル
1つ目のスキルとして、コミュニケーションスキルが挙げられます。上流工程では、ITシステムの設計や構築を担当しますが、クライアントからのニーズをしっかりと汲み取らなければなりません。このときに、コミュニケーションスキルが十分ではないと、うまく言語化できず、クライアントとの認識にズレが生じる危険性があります。
また上流工程は、上記の社外対応だけではなく、社内におけるコミュニケーションスキルも必要です。プロジェクトは複数人のチームで実施するため、各メンバーとのやり取りや意思疎通を円滑におこなうスキルが求められます。
マネジメントスキル
上流工程に必要な2つ目のスキルは、マネジメントスキルです。
上流工程ではプロジェクト全体を統括して、チームをまとめ上げるスキルが求められます。プロジェクト全体に関わるからこそ必要なスキルであり、広い視野を持たなければなりません。
とくに、上流工程に携わるにあたっては、プロジェクトを滞りなく進めるためのマネジメントスキルが必要好か結です。仮に、納期遅延やクライアントからの要望に漏れが見つかった場合、信用を失ってしまうことも考えられます。
メンバーのスキルや状況に応じたタスク管理をしながら、納期どおりにプロジェクトを進められるスキルが必要です。
ドキュメンテーションスキル
上流工程に必要な3つ目のスキルは、ドキュメンテーションスキルです。ドキュメンテーションスキルとは「文章作成能力」を意味し、具体的にはプロジェクトにおける提案書や説明資料といった文章を作成するスキルが問われます。
インフラエンジニアの上流工程では、設計におけるクライアントとコミュニケーションをとるため、高度なドキュメンテーションスキルが必要です。また、下流工程がトラブルなくメンテナンス・保守をするためにも、誰もが理解できる、わかりやすい設計書やマニュアルを作成しなければなりません。
指示書を含む文書に間違いや正確に伝わらない内容が含まれていると、プロジェクト全体に影響してしまう危険性もあります。
上流工程の仕事をするためには5年程度の実務経験・知識が必要
インフラエンジニアの上流工程として仕事をするためには、一般的に5年程度の実務経験や知識が必要であるといわれています。ある程度のスキルを備えていても、現場経験が少なければ、上流工程で働くのは難しい可能性が高いです。
5年程度の実務経験という目安が設けられているのは、5年ほどの実務経験で知識・スキルも身についてくることから、上流工程に参画するチャンスが多くなるためです。そして、上流工程になるほど、フリーランスでも高単価の案件が増えてきます。
仕事内容にもよりますが、5年程度の実務経験における単価相場は、月単価80万円〜100万円(週5常駐案件)といわれています。しばらくは実務経験を積む日々ですが、実務経験を積めば、将来的な収入アップに期待できるでしょう。
インフラエンジニアの上流工程に携わるためにすべきこと
インフラエンジニアの上流工程に携わるためには、スキルや知識、実務経験が欠かせません。また、上流工程の募集が常にあるとは限らないことから、チャンスを逃さないことも非常に大切といえます。
上流工程に携わるためにするべきことを、しっかりと押さえておきましょう。
- 下流工程の経験を積み確実に対応できるようになる
- スキル習得や資格取得によって対応できる業務の幅を広げる
- 社内公募の情報を集め上流工程に携わるチャンスを逃さない
順に解説していきます。
下流工程の経験を積み確実に対応できるようになる
まずは下流工程での経験を積んで、確実な対応力をつける必要があります。下流工程で学んだ知識や身につけたスキルは、上流工程でも求められるためです。
上流工程に携わりたいと急ぐあまり、新しい知識やスキルを取り入れようとしてしまうかもしれません。
しかし実際は、今できることを着実に取り組み、経験を積んで確実な対応ができるようになることこそが大切です。
スキル習得や資格取得によって対応できる業務の幅を広げる
スキルの習得や資格取得によって、自身が対応可能な業務の幅を広げましょう。キャリアパスにおける次のステップに備えて、自主的に学んで対応できる業務の幅を広げておくことが大切です。
知識やスキルだけでも身につけておけば、チャンスが来たときにすぐに取り組めます。また、仮想環境を用意するなどして、実際に手を動かしながら学ぶことも大切です。
たとえば、インターネット上の情報やスクールなどを参考に学ぶ、勉強会に参加するなど、自分に合った方法もおすすめです。とくに、AWSやCCNP、Linuxといった需要が高い資格を積極的に取得しましょう。
社内公募の情報を集め上流工程に携わるチャンスを逃さない
最後に、社内公募の情報を集めながら、上流工程に携われるチャンスを逃さないようにしましょう。
スキルや資格をただ持っているだけでは上流工程に携われないため、日頃から上流工程にチャレンジしたい旨を上司にアピールしたり、社内公募の情報を集めておいたりして、チャンスをつかみに行く姿勢が求められます。
知識やスキルが十分にあっても、チャンスをつかめなければ活かすことはできません。自分の目標に向かって、貪欲に進んでいくことが大切です。
上流工程を経験したインフラエンジニアのキャリアパス
上流工程に携わるようになったあとは、どのようなキャリアパスを進んでいくのでしょうか。
インフラエンジニアとして、上流工程を担当したあとのキャリアパスを考えておくことも重要です。
上流工程を経験したインフラエンジニアの今後のキャリアパスとして考えられるのは、以下のようなものです。
- 社内でスペシャリストになる
- 社内でマネージャーになる
- フリーランスに転身する
順に解説していきます。
社内でスペシャリストになる
まず、社内でスペシャリストになるキャリアが挙げられます。
特定の領域に特化しながら高度な業務に対応することで、年収もさらに伸ばせる可能性が高まります。自分の適性に合わせて絞っていき、自分にしかできない業務を増やしましょう。
社内のスペシャリストとなるためには、常に市場ニーズや技術などの最新情報を把握しておく必要があります。社内外で常にアンテナを張りながら、学び続ける姿勢が求められるでしょう。
社内でマネージャーになる
次に、社内でマネージャーとなるキャリアが挙げられます。
これまでの業務で身につけた技術や経験、マネジメント力を活かして、社内におけるマネジメント層への昇進を目指すこともおすすめです。
たとえば、チームリーダーやチームマネージャー、PM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)といったポジションを狙い、活躍の場を広げていくとよいでしょう。もちろん、責任者としてプロジェクトを推進させる役割を担う立場になることで、より求められるものは多くなり、責任も重くなりますが、その分年収アップにも期待できます。
フリーランスに転身する
3つ目のキャリアパスには、社内で活躍したあとに、フリーランスに転身するプランが挙げられます。上流工程で得たスキルや経験を活かすことで、フリーランスでも高単価案件を狙いやすくなるでしょう。
また、フリーランスで高単価案件を獲得したい場合には、高単価案件を豊富に保有するエージェントを利用してみましょう。たとえばRelanceは、月額100万円超の案件の割合が55%以上と、高単価案件が豊富に掲載されています。
Relanceはとくにエンジニア案件が豊富なフリーランスエージェントであり、業界についての深い知見もあるため、自分に合った案件の紹介を受けられる可能性が高いでしょう。
参考:Relance
まとめ
インフラエンジニアが資格を取得すれば、就職・転職時に自身のスキルを証明したり、仕事の幅を広げられたりするチャンスがあります。
また、段階的に資格を取得していくことで、インフラエンジニアとしてのスキルアップにも役立つでしょう。
本記事では、インフラエンジニアにおすすめの資格10選と資格の選び方について解説しました。今後のキャリアパスを決めた上で、どの資格を取得するべきかを考えてみてください。
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