フリーランスになるリスクとは?独立への不安を解消する方法も解説!
社会情勢の大きな変化もあり、働き方を変えたいと考えはじめた方は多いのではないでしょうか。年齢を重ね着実にスキルも身についた上で、フリーランスとして働きたいと考えることは、自然な流れです。一方で、いざ独立となると、不安を感じることもあるでしょう。
そこで本記事では、フリーランスになるリスクについて徹底解説します。独立への不安を解消する方法(リスク対策)もご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
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会社員がフリーランスになるリスク
フリーランスには会社員にない魅力がありますが、同時にリスクもつきものです。未知の世界だからこそ、余計に不安を感じるのではないでしょうか。
まずは、リスクを洗い出してみましょう。
以下では、9つの側面から、フリーランスのリスクについて解説します。
収入が不安定
フリーランスは、会社員とは異なり、収入が不安定といわざるを得ないでしょう。案件が獲得できるかどうかで収入の額が大きく左右されるため、月によっては収入が0になってしまうことも考えられます。自らスキルや経験をアピールして案件を獲得しなければ、収入が得られないのです。
とくにスキルや経験の少ないフリーランス初心者は、案件獲得が難しい場合も多々あります。結果として会社員のときよりも収入が下がってしまう場合もあるでしょう。
実際、株式会社ゼネラルリサーチの調査では、「フリーランスエンジニアになって収入は上がりましたか?」という設問に対して、約8.9%の人が「下がった」と回答しています。
参考サイト:【2023年版】フリーランスエンジニア白書 1000人に聞いた!フリーランスエンジニアの実態調査-2023年1月|Relance
自由な働き方ができない場合もある
フリーランスは自由というイメージがあるかもしれませんが、実際は業務委託として常駐する働き方も少なくありません。業務委託は、コンスタントな収入が望める案件が多く、収入の安定を求める上では魅力的な契約だからです。
業務委託では、より密度の高いコミュニケーションを求められる傾向にあるため、リモートではなく出社を求められる場合も多くあります。
株式会社ゼネラルリサーチの調査によれば、「出社・リモート勤務の配分で当てはまるものを教えてください」という設問において、リモートと出社の割合は約半分ずつという結果が出ています。場所の制限を設けられる可能性があるという意味では、自由な働き方ができない場合もあるでしょう。
参考サイト:【2023年版】フリーランスエンジニア白書 1000人に聞いた!フリーランスエンジニアの実態調査-2023年1月|Relance
社会的信用力が低下する
最初にご紹介した「収入が不安定」というリスクに派生して、フリーランスは会社員に比べると社会的信用力が低いというリスクもあります。案件の獲得方法によっては、今月の収入が30万円でも、来月の収入は10万円……と、波がある場合も多くあるでしょう。そのようなケースで同じ額を定期的に支払い続けることは、現実的に難しいのではないでしょうか。
一般的に、フリーランスは収入が不安定であることを理由に、賃貸やローン、クレジットカードなどの与信審査に通りづらくなるといわれています。会社員のときには感じないリスクだからこそ、フリーランスになっていざ賃貸契約やローン契約を結ぼうとしたときに、認められずに困ってしまうケースがあるのです。
仕事探しや事務作業を自分でする必要がある
フリーランスは、案件探しや仕事探しをすべて自分でおこなわなければなりません。特定の作業におけるスキルや経験があったとしても、あわせて「営業」のスキルもなければ、案件を獲得することは難しいでしょう。自分を売り込むスキルや仕事を見つけるスキルも必要です。
メール対応や請求書発行、会食の調整、確定申告などを含めた事務作業についても、常日頃から対応する必要があります。会社員であれば部署ごとに分かれていた仕事を、全て自分で担当しなければならないのです。本業に直結しない作業に時間を取られてしまうことがあります。経験したことのない業務があれば、どのようにおこなっていくのがよいのかを調べるところから始めなければなりません。
福利厚生がなくなる
福利厚生とは、会社が従業員に対しておこなう「給料や賞与以外」の利益供与のことです。会社によっては、住宅補助やリフレッシュ休暇などの制度を設けていることがあるでしょう。しかしながら、フリーランスになるとこれらの福利厚生がなくなります。給料や賞与に相当する収入は得られたとしても、そのほかの部分で受けていた恩恵は得られなくなるでしょう。
福利厚生のなかでも、法律で定められている「法定福利厚生」がなくなるインパクトは大きいです。具体的には「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」「子ども・子育て拠出金」の6つですが、これらがなくなると、自分で健康保険や年金保険に加入しなければなりません。個人の支出が増えることになってしまいます。
参考サイト:法定福利厚生とは?種類や費用、法定外福利厚生との違いを解説!|マネーフォワード
生活リズムが乱れやすい
自由な働き方ができるようになったとしても、自己管理ができなければ不規則で不健康な生活となってしまいます。定められた出社時間や退社時間がないからといって、夜遅くまで仕事をしたり、働きすぎたりしてしまうと、健康を害してしまうでしょう。だんだん朝起きられなくなって、昼からの活動になってしまう…など、不規則な生活は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
福利厚生がない分、体が資本のフリーランスにおいて、健康を害する事態は避けるべきです。自由な働き方ができるなかでも、自分の心地よい生活リズムを見つけ、健康的な生活を送ることが大切といえます。生活リズムの乱れには注意が必要です。
孤独や不安を感じやすい
精神面での影響としては、孤独や不安を感じやすいことが挙げられます。会社員の場合は上司や同僚、部下もいるため、たとえリモートで働いていても、同じような目線でコミュニケーションをとれる人がいるでしょう。一方フリーランスは、基本的に常に一人です。組織やコミュニティに属しているわけでないため、①人では解決できないトラブルに巻き込まれても、相談できる相手はいません。そのため、孤独感に苛まれることがあります。
自宅で業務をおこなう場合はとくに顕著です。出社することなくずっと1人で作業をしていると、環境もあいまって、孤独や不安を感じやすいといえます。相談をしたりコミュニケーションを取ったりする相手が、自分しかいないからです。
クライアントとのトラブルに遭う可能性がある
フリーランスとして働いていると、報酬の未払い、契約内容と違う仕事を依頼されるなどのトラブルに遭う可能性があります。会社員のときにはあり得ないトラブルが、フリーランスとなって自分で案件を獲得するようになると、起こり得るのです。とくにフリーランスの場合は、契約相手が同じ個人ではなく会社となる可能性が高く、しっかりした法律知識がなければ、相手の都合のよいように契約書を作成されてしまう可能性もあります。
なかでも、報酬の未払いに関してはトラブルが増加しています。実際、第二東京弁護士会が手がける「フリーランス・トラブル110番」への相談で最も多い内容は、支払いの遅延や未払い、一方的な減額など「報酬の支払い」に関するものです。実に、全体の32.8%をも占めています。
参考サイト:フリーランスのトラブル相談が急増 「110番」開始2年で1万件超|朝日新聞デジタル
損害賠償を受ける可能性がある
案件によっては、対応のミスなどが原因で損害賠償を受ける可能性もあります。たとえば、エンジニアが情報セキュリティ不足や品質の低い成果物を提出してしまうことで、個人情報や機密情報の漏洩につながる危険性があるでしょう。瑕疵担保責任の問題もあります。契約内容にもよりますが、フリーランス側の責任問題に発展する可能性は0ではありません。
成果物のクオリティに関わらず、案件に携わることによって知り得た情報を外部に漏らすことも契約違反になる可能性が高いです。単純なミスだけではなく、悪意のない対応であっても責任問題に発展することがあるため、注意しなければなりません。あわせて、契約内容にも注意が必要です。
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フリーランスのリスクへの対策
ここまでは、会社員がフリーランスになる9つのリスクをご紹介してきました。続いて、それらのリスクへの対策について6つご紹介します。リスクへの対策を知り、フリーランスを始めることへの不安を解消しましょう。
複数の案件を持つ
「収入が不安定」というリスクへの対策は、複数の案件を持つことです。複数の案件を受注しておけば、たとえ急に終了する案件が出てしまったとしても、収入が0になる事態は防げます。1件だけではなく、積極的に営業をおこなうのがよいでしょう。
株式会社ゼネラルリサーチの調査では、フリーランスエンジニア対象のアンケートで、「受けている案件数はいくつですか?(1月あたりでお答えください)」という設問から、フリーランスエンジニアの1月の案件が平均2〜3件であることがわかりました。
エンジニアに限ったアンケートではありますが、複数の案件を持つ人が多いのは事実です。リスク対策として、複数の案件を持っておきましょう。
参考サイト:【2023年版】フリーランスエンジニア白書 1000人に聞いた!フリーランスエンジニアの実態調査-2023年1月|Relance
フリーランスエージェントに登録する
「仕事探しや事務作業を自分でする必要がある」というリスクへの対策は、フリーランスエージェントに登録することをおすすめします。フリーランスエージェントとは、フリーランスの案件獲得を代行してくれるサービスです。案件獲得のために使う時間を本業に使えるため、業務に集中できます。
とくにフリーランスエージェント「Relance」は高単価案件・在宅案件が豊富で、フリーランスエンジニアに「今よりいい案件」を紹介してくれます。自分に代わって営業をおこなってくれるため、自分のスキルに合った案件を獲得できるでしょう。業務のサポートや福利厚生もあり、案件獲得以外の面でもサポートしてくれるエージェントです。
参考サイト:フリーランスエンジニアの求人、案件サイト – Relance
コワーキングスペースを利用する
「生活リズムが乱れやすい」というリスクへの対策は、コワーキングスペースを利用することで対応できます。自宅ではない場所や、他の人も仕事をしている環境で作業することで、より仕事に集中できるようになるでしょう。また、コワーキングスペースの営業時間内での利用となるため、規則的な生活が送りやすいと考えられます。
コワーキングスペースであれば、カフェやファミリーレストランなどその他の飲食店よりも集中しやすく、新たにオフィスを借りるよりも安価であるというメリットもあります。他の人も働いている場所なので、息抜きの時間に交流が生まれるなどすれば、ビジネスチャンスにつながる可能性もあるでしょう。
福利厚生サービスを利用する
「福利厚生がなくなる」というリスクへの対策は、福利厚生サービスを利用することが有効です。フリーランス向けの福利厚生サービスに加入したり、損害賠償保険があるサービスに加入したりするとよいでしょう。
たとえばクラウドソーシングサービスの福利厚生では、「クラウドワークス」の会員特典、「ランサーズ」の福利厚生[Lancers クラブオフ]などが挙げられます。保険サービスでは、「フリーランス協会」のベネフィットプラン、ギークスジョブが提供する「フリノベ(ITフリーランス向け福利厚生プログラム)」などがフリーランス向けに福利厚生サービスを提供しています。自分が必要な福利厚生サービスを補うものがあるか、探してみてください。
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フリーランスも福利厚生サービスを活用できる!おすすめのサービスと選び方
コミュニティに入る
「孤独や不安を感じやすい」というリスクへの対策は、コミュニティに入ることがおすすめです。フリーランス向けコミュニティに属せば、案件情報や仕事の情報を手に入れられたり、相談相手が見つかったりするでしょう。
コミュニティの例としてはノマド家、フリーランス協会、新しい働き方Labなどが挙げられます。ノマド家は、フリーランス専門シェアハウスです。Web系のフリーランスを中心に集まっています。
フリーランス協会は、国内最大級のフリーランスネットワークです。イベントや福利厚生が充実しています。
新しい働き方LABの拠点は全国のコワーキングスペースとなっており、「つながり」「気づき」「学び」の場を得られるでしょう。
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フリーランスはコミュニティに入るべき?加入メリットや入るべき人の特徴を紹介
契約書を作成する
「クライアントとのトラブルに遭う可能性がある」「損害賠償を受ける可能性がある」というリスクへの対策は、契約書を作成することで備えましょう。契約書を作成することで報酬や仕事内容について明文化できます。
契約書には確認機能と紛争防止機能と証拠機能があり、書類として残しておくことで後のトラブルを防げます。そのためには、契約書の内容をよく確認した上で契約書を作成するようにしてください。
クライアントから契約書が送られてきた場合も同様です。不利な内容がないかどうかをしっかりと確認した上で、承認するようにしましょう。不明点があれば、ある程度の時間をかけてでも、契約書を交わす前に確認しておくことが大切です。
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フリーランスの契約書は2種類!作成時のチェック項目や注意点を解説
参考サイト:契約書の意義|国税庁
フリーランスとして独立するおすすめのタイミング
ここまで、会社員がフリーランスになるリスクと、リスクへの対策について解説しました。最後に、フリーランスとして独立するおすすめのタイミングと、独立してもよいタイミングについて説明します。
案件獲得できる見通しが立ったとき
フリーランスは、「収入が不安定」というリスクが最も大きな問題ではないでしょうか。そのため、フリーランスとして独立するおすすめのタイミングは、案件獲得できる見通しが立ったときです。継続的に案件を受注できる見通しが立ったら、フリーランスとして無理なく独立できるでしょう。
見通しを立てやすくするコツは、独立する前から副業フリーランスとしてスキルや経験を積みつつ、取り組みを進めておくことです。知人やSNSからの紹介で案件を得る場合もあり、スキルや経験をアピールしておくと仕事につながることが考えられます。最も不安なのは独立後の収入面ですので、会社員をしながら独立準備を始めておくとよいでしょう。
実務経験を積んでスキルが身についたとき
実務経験を積んでスキルが身についたときも、フリーランスとして独立するタイミングにおすすめです。フリーランスのスキルレベルは、収入に直結します。実績や上流工程の経験があれば高単価案件の獲得につながると考えられるため、スキルや経験は積極的に積んでおくべきでしょう。
実際のところ実務経験1年でも独立は可能ですが、2~3年はあるのが望ましいです。実務経験が少ないと案件が限られてしまったり、参入しやすいために競争率が高くなったりしてしまうことがあります。その点、実務経験が豊富な人は貴重なため、高単価案件でも採用される確率が高くなるのです。
資金に余裕ができたとき
フリーランスで独立するタイミングとしては、資金に余裕ができたときもおすすめです。フリーランス初心者は定期的な案件獲得までに苦労する可能性が高いため、収入0の期間が続いてしまう可能性も考えられます。収入が落ち込んでもある程度生活していけるだけの貯金を用意しておくのがよいでしょう。
目安としては半年分の生活費です。
フリーランスとしてある程度収入が得られるようになった後も、いつどのようなトラブルに見舞われるかわかりません。突然働けなくなってしまうかもしれませんし、契約が急に終了してしまう可能性もあります。もしもに備えて、ある程度まとまった金額を揃えておくことをおすすめします。
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まとめ
今回は、会社員がフリーランスになる9つのリスクと、独立への不安を解消する6つの対策をあわせて解説しました。
フリーランスのリスクへの対策は「複数の案件を持つ」「フリーランスエージェントに登録する」「コワーキングスペースを利用する」「福利厚生サービスを利用する」「コミュニティに入る」「契約書を作成する」などが挙げられます。予測される困難への対策をあらかじめとっておけば、ある程度のリスク回避ができるといえるでしょう。
独立するタイミングとしては、「案件獲得できる見通しが立ったとき」「実務経験を積んでスキルが身についたとき」「資金に余裕ができたとき」がおすすめです。
独立を考えたら、ぜひ検討してみてください。
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