ネットワークエンジニアのキャリアパスは?理想のキャリア実現に重要な考え方
2024年5月30日
ネットワークエンジニアとして活動する中で、現場のキャリアに満足していないと感じる場面も少なからずあるのではないでしょうか。より活躍の場を広げたいと考えていても、目標設定が曖昧では、思うように動けなくなってしまいます。
そこで本記事では、ネットワークエンジニアのキャリアパスについて、マネジメント系・スペシャリスト系それぞれの観点から解説します。
ネットワークエンジニアとしてのキャリアの考え方や理想のキャリアを実現する方法もご紹介しているので、現状を変えたいネットワークエンジニアの方は、ぜひ最後までご覧ください。
【】
目次
【マネジメント系】ネットワークエンジニアのキャリアパス
ここでは、マネジメント職に分類される、以下のキャリアパスについて解説します。
ネットワークエンジニアとしてマネジメント系のキャリアを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
- プロジェクトマネージャー
- ITコンサルタント
順にご紹介していきます。
マネジメント職|プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーとは、マネジメント職の1つであり、システム開発やネットワーク構築などのプロジェクトを管理する重要な役割を担っています。
開発の進捗管理やクライアントとのコミュニケーションを通じてプロジェクトを円滑に進めることが、プロジェクトマネージャーの主な業務です。プロジェクトマネージャーには、技術的な知識はもちろん、チームを指揮するディレクション能力や顧客との折衝スキルも求められます。
さらに、プロジェクトの上流から下流まで幅広い経験を有することが、プロジェクトマネージャーの業務をこなす上で非常に重要です。
マネジメント職|ITコンサルタント
ITコンサルタントは、マネジメント職の一環として、クライアントが抱える課題を解決するための専門的アドバイスを提供する職種です。
ITコンサルタントの仕事では、ネットワークエンジニアとしての経験が活かされる場面が多く、その深い知識がクライアントの課題解決へと直結します。
しかし、ネットワークに関する知識だけでは不十分であり、ITの領域全般にわたる広範な知識も欠かせません。また、クライアントとの円滑なコミュニケーションや、時には難しい交渉を遂行するための顧客折衝スキルも必須です。
ITコンサルタントは、技術面だけではなく、コミュニケーション能力や問題解決能力をバランスよく兼ね備えていなければなりません。非常に高いスキルが求められる職種といえるでしょう。
【スペシャリスト系】ネットワークエンジニアのキャリアパス
ネットワークエンジニアとしてのキャリアパスには、スペシャリストを目指すことも挙げられます。
ここでは、スペシャリスト系に分類される以下ネットワークエンジニアの職種について詳しく解説するので、自身のキャリアパスを考案する上での情報源としてお役立てください。
- ネットワークコンサルタント
- ネットワークスペシャリスト
- クラウドエンジニア
- セキュリティエンジニア
- インフラエンジニア
- フルスタックエンジニア
順にご紹介していきます。
スペシャリスト職|ネットワークコンサルタント
ネットワークコンサルタントは、企業のネットワークシステムを専門的に診断し、その結果に基づいて改善策を提案するという重要な役割を担う職種です。
ネットワークコンサルタントは、提案した改善案を自ら管理し、実行に移すケースも少なくありません。そのため、ネットワークエンジニアとしての高度な技術知識は必須であり、さらに上流工程での豊富な経験も求められます。
ネットワークコンサルタントの業務は要件定義から運用保守に至るまで広範にわたり、予算管理、プロジェクトの進捗管理といった管理能力に加え、プレゼンテーションスキルやコミュニケーションスキルも非常に重要です。
これらのスキルをバランスよく持ち合わせることで、クライアント企業のネットワーク環境を最適化し、ビジネスの成功に貢献できます。
スペシャリスト職|ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリストは、ネットワークに関する技術や知識を極めた専門家であり、ネットワークエンジニア以上に深い知見や豊富な経験を持つポジションです。
ネットワークの設計、構築、運用において最先端の技術を駆使し、複雑な問題解決にあたります。そのため、専門知識の継続的な更新と深化が必要不可欠であり、技術面だけではなく、プロジェクトの成功を左右する要素を理解し管理する、高度なスキルが求められます。
主にプロジェクトの上流工程に関わることが多く、マネジメント能力やコミュニケーションスキル、そしてチームやプロジェクトの管理スキルも必須です。ネットワークスペシャリストは、これらの複合的な能力を駆使して、企業のネットワーク環境を最適化し、ビジネス価値の向上に貢献します。
スペシャリスト職|クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、クラウドコンピューティングを利用した開発を専門とするエンジニアです。単にクラウドサービスの知識だけではなく、サーバーやネットワークに関する広範な知識も必要とされます。
近年、多くの企業が従来のオンプレミス環境からクラウド環境へと移行を進めており、この変化に伴い、クラウド技術だけではなくネットワーク技術にも精通したエンジニアの需要が高まっています。
このような背景から、クラウドとネットワークの双方に深い知識を持つハイブリッド型のエンジニアは、現代のIT業界において非常に希少価値が高く、多様なプロジェクトで活躍することが期待されているのです。
クラウドエンジニアは、このニーズに応えるために、常に最新の技術トレンドを追いかけ、幅広いスキルセットを持つことが求められます。
スペシャリスト職|セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、ITシステムのセキュリティを守るために不可欠な役割を果たすエンジニアです。
サイバー攻撃やウイルスからシステムを保護するために、ネットワークだけではなくインフラ全体に関する幅広い知識が求められます。
さらに、潜在的なリスクを評価し、適切なリスクマネジメント戦略を立てる能力も必要とされるため、技術的なスキルだけではなく、戦略的な思考も重要です。
近年、サイバー攻撃の増加に伴い、セキュリティエンジニアの需要は高まる一方です。企業や組織が日々直面する脅威はますます複雑化しており、それに対抗するためには専門的な知識と技術が必要とされます。
セキュリティエンジニアは、これらの脅威からシステムを守り、安全な環境を確保しなければなりません。常に最新のセキュリティ技術や脅威情報に精通し、迅速かつ効果的な対策を講じることが求められます。
スペシャリスト職|インフラエンジニア
インフラエンジニアは、ITインフラの設計や開発に携わる専門家です。セキュリティ、クラウド、サーバーといった幅広い分野の知識を有しています。
ネットワークエンジニアとしての基礎知識を土台としながら、クラウドサービスやセキュリティ対策など、ほかの技術領域に関する知見を深めることで対応可能な領域を広げ、多様なプロジェクトでの活躍を期待されるのが、インフラエンジニアの特徴です。
インフラエンジニアが持つ幅広い技術知識は、企業のITインフラ構築や運用において非常に重要な役割を果たします。とくに、デジタルトランスフォーメーションが進む現代においては、セキュリティの強化やクラウドへの移行など、迅速かつ効果的なインフラの設計と実装が必要です。そのような背景から、インフラエンジニアの役割はますます重要となっています。
スペシャリスト職|フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアは、要件定義から運用保守に至るまで、ソフトウェア開発プロセスの全段階を担う技術者です。
単にコーディング技術だけではなく、要件定義や設計など、開発の上流工程に関わるスキルも必要とされます。フルスタックエンジニアは、ネットワークエンジニアリングの知識を深めることに加えて、ソフトウェアのライフサイクル全体にわたって活動することで、そのキャリアを十分に築けるでしょう。
フルスタックエンジニアとして幅広い知識とスキルを有することで、プロジェクトのあらゆる段階で貢献し、効率的かつ効果的なソリューションの提供が可能です。
さらにフルスタックエンジニアは、プロジェクトの要件を正確に理解し、最適な技術選定から実装、そして保守までを一貫しておこなえるため、プロジェクトチーム内での重要な役割を果たします。
フリーランスとして独立する道もある
高い年収や自由な働き方を目指し、フリーランスのネットワークエンジニアとして独立する道を選ぶことも、1つの選択肢です。独立することで、自身の働き方を自由に設計できるようになりますが、その反面、案件獲得のための営業活動も自分自身でおこなわなければなりません。
フリーランスのネットワークエンジニアとして成功するには、実績やスキルが非常に重要です。案件を獲得するためには、これまでの経験から培った技術力をアピールできるポートフォリオが必要であり、クライアントの信頼を得られるだけの実績を示すことが求められます。
また、継続的に案件を確保するためには、ネットワーキングや市場の動向を理解し、自身のスキルを常にアップデートしていくことも欠かせません。フリーランスとして働くことは、自らのキャリアを自分でコントロールできるため、多くの自由と同時に大きな責任も伴います。しかし、自分の能力を存分に発揮し、高い報酬を目指すことが可能な働き方でもあるのです。
ネットワークエンジニアとしてのキャリアの考え方
ネットワークエンジニアとしてのキャリアパスを考える上では、どのような視点を持つべきなのでしょうか。
ここでは、ネットワークエンジニアとして今後のキャリアを考える上で重要な、以下3つの視点について解説します。
- エンジニアとしての得意分野を考える
- マネジメント・スペシャリストのどっちに進むべきか考える
- 理想の働き方・年収に合わせて考える
順に見ていきましょう。
エンジニアとしての得意分野を考える
ネットワークエンジニアとしてのキャリアを考える際には、自分の得意分野を見極めることが重要です。自身が何に長けているかを明確にすることで、その強みを活かせる職種への道が開けます。
たとえば、特定の技術領域での深い専門知識を持つことが得意な人は、スペシャリストを目指せます。一方で、さまざまな技術に柔軟に対応できる能力がある人は、インフラエンジニアやフルスタックエンジニアとして広い範囲で活躍することが可能です。
また、プロジェクト管理やチームリーダーとしての才能があるなら、プロジェクトマネージャー(PM)の道も考えられるでしょう。
このように、自分の強みを理解し、それに合った職種を選ぶことで、成功する確率が高まり、よりよい待遇や上位のポジションに就く可能性も広がります。
自分の適性と市場の需要とを見極め、自らのキャリアパスを戦略的に築いていくことが、ネットワークエンジニアとして長期的に成功する鍵です。
マネジメント・スペシャリストのどっちに進むべきか考える
ネットワークエンジニアとしてのキャリアパスを考える上では、マネジメントの道とスペシャリストの道のどちらを目指すかを検討することが、1つの大きな分岐点となります。
マネジメントかスペシャリストか、この選択は自分自身の意向や適性、将来のビジョンに深く関係しています。自分が将来どのような仕事をしていきたいのか、どのような専門性や役割を担いたいのかを明確にすることが重要です。
特定の技術や知識に深く没頭し、その分野での専門家としての道を極めたいと考えるなら、スペシャリストとしてのキャリアが適しています。一方で、幅広い知識を持ち、チームやプロジェクトの管理、組織の運営などに興味がある場合は、マネジメントの道を選ぶとよいでしょう。
自分の強みや興味、仕事に対する姿勢をよく理解し、それにマッチしたキャリアパスを選択することで、長期的に満足のいくキャリアを築けます。重要なのは、自分自身が何を望み、どのようなエンジニアとして成長していきたいかを、深く考え、把握することです。
理想の働き方・年収に合わせて考える
ネットワークエンジニアとしてのキャリアを構築するにあたり、理想の働き方や目指す年収を重要な基準として考慮することも必要です。
勤務時間に縛られたくない、または年収を2000万円以上とするなどの高い目標を設定している場合、従来の会社員としての働き方だけではその実現が難しいことがあります。このような場合、フリーランスとして独立する選択肢が考えられるでしょう。
フリーランスであれば、自分の働き方をよりコントロールでき、プロジェクトによっては高い報酬を得ることも可能です。しかしその反面、大規模な開発プロジェクトに参加する際の難易度が上がるなど、さまざまな挑戦が待ち受けていることも覚悟しなければなりません。
※参考:ネットワークエンジニアの平均年収は約500万円!年代別の傾向や年収の上げ方|Relance
ネットワークエンジニアが理想のキャリアパスを実現するためにすべきこと
ネットワークエンジニアとして理想とするキャリアパスの実現には、どのようなことが必要なのでしょうか。
ここでは、ネットワークエンジニアが理想のキャリアパスを実現するためにすべき、以下4つのことについて解説していきます。
- 自分のキャリア目標を定める
- 必要なスキル・経験を着実に身に着ける
- 資格を取得し専門性を向上させる
- 最新情報を素早くキャッチアップし続ける
今後どのように動くべきか模索する上での参考としてください。
自分のキャリア目標を定める
ネットワークエンジニアとして理想のキャリアパスを歩むためには、まず自分自身のキャリア目標を明確に定めることが非常に重要です。具体的な目標がなければ、目指すべき方向性が定まらず、理想を実現するための計画を立てることもできません。
キャリアの選択肢が複数ある場合も、どのような職種やキャリアを目指すのかをはっきりさせることが必要です。さらに、その職種において何を成し遂げたいのか、自分がどのような価値を提供し、どのような成果を出したいのかについても考えることも大切でしょう。
このように、自分のキャリアに対する明確なビジョンを持つことで、目標に向かって効果的なアクションを起こすための指針が得られます。目標を明確にすることは、自己実現のための第一歩であり、ネットワークエンジニアとしての理想のキャリアを構築する上での基盤です。
必要なスキル・経験を着実に身に着ける
ネットワークエンジニアが理想のキャリアパスを実現するためには、現状と目指す理想との間に存在するスキルや経験のギャップを明確に理解し、必要な能力を着実に身につけていくことが重要です。
自分が目指すキャリアに必要なスキルや知識が何であるかを把握し、それをもととして計画的に学習や経験を積むことで、少しずつ理想に近づけます。
たとえば、フルスタックエンジニアを目指しているものの、上流工程の経験がまだない場合は、プロジェクトの企画や要件定義など上流工程に携わるためのスキルや知識を身につけることが先決です。
自分の現状を正確に把握し、理想のキャリアに必要なスキルや経験を計画的に獲得していくことが、ネットワークエンジニアとして理想とするキャリアの実現に向けた確実なステップです。
資格を取得し専門性を向上させる
ネットワークエンジニアが理想とするキャリアパス実現のために実施すべきことには、専門性を証明し向上させるための資格取得も挙げられます。
資格はネットワークエンジニアのスキルや知識レベルを外部に示す手段であり、自身の能力を客観的に証明する役割も果たします。
資格取得の過程では、最新の技術や専門知識を身につけることができ、直接的なスキルアップにつながるのです。
また、資格を取得することで、エンジニアのキャリアアップにも大きく貢献し、理想のキャリア実現に向けた重要なステップとなり得ます。
最新情報を素早くキャッチアップし続ける
最新情報を素早くキャッチアップし続けることも、ネットワークエンジニアがキャリアパスを実現する上で非常に重要です。
IT業界は日々進化しており、新しい技術やトレンドが常に生まれています。そのため、エンジニアとして市場で高い需要を維持するには、最新の知識や技術を常に学び続けることが重要です。
いつまでも過去の情報に留まってしまうと、ほかのエンジニアよりも競争力の面で劣ってしまい、キャリアの発展にも影響を及ぼす可能性があります。
情報感度を高く保ち、常に最新の情報にアンテナを張りましょう。得た知識を自分のものにすることで、ネットワークエンジニアとしての活躍の場を広げられます。
まとめ
本記事では、ネットワークエンジニアが自身の理想とするキャリアパスを実現するための情報をまとめました。
ネットワークエンジニアはマネジメント系とスペシャリスト系に大別され、それぞれ職種が細かく分類されています。職種ごとの傾向を理解し、自身がどのような道に進むべきか、客観的な目線も持ちつつ考えることが重要なのです。
また、得意分野や理想の働き方、年収を考えたりすることも、ネットワークエンジニアとしてのキャリアを見つめ直す上で欠かせません。場合によっては、フリーランスになることが選択肢の1つとなります。ただし、企業に属する場合も、フリーランスの場合も、目標設定やスキル会得、情報のキャッチアップを忘れてはいけません。
55%以上が月額100万円以上!
関連記事