フリーランスのための自己成長の方法とモチベーション管理術
2024年8月16日
目次
はじめに
はじめまして、インフラエンジニアの豊嶋隆之と申します。
RelanceでSREの案件を紹介していただいて、秋田県からフルリモートで参画しています。
エンジニアになって19年目ですが、フリーランスとしては3年ほどになります。
これまでインフラ周りの設計やサーバーの構築、システムの運用保守、社内SEなど、インフラやシステム導入を中心に様々な役割を経験してきましたが、フリーランスになってからは、これまでの経験を活かせる領域ということで、SREの案件にチャレンジしてきました。
地方からでも大規模なサービスの運用や、技術的にチャレンジングな案件に関われるのは、フリーランス、リモートワークの大きなメリットだと実感していて、こうした環境で仕事ができることは大変ありがたいことだと思います。
今回、フリーランスのエンジニア向けに記事を執筆してほしいとお話を頂いた際に、どんなことを書いたらいいか悩みました。
フリーランスになってから3年と、それほど長くはありませんが決して短くない年数を過ごしてきたので、フリーランスにとってあるあるな悩みはそれなりに経験してきました。
せっかく記事を書くなら誰かのお役に立てる記事を書きたいと思い、今回は私が実際に悩んできたことをベースにして、日頃意識しているモチベーションを保つ方法と、スキルアップするために考えていることを紹介したいと思います。
特にモチベーションを維持することや、どう継続してスキルアップしていくかといったことには悩んできました。会社員時代もこれらについてはなんとなく意識していましたが、自分のスキル一本で案件をこなすフリーランスになってからは特に重要なスキルだと考えるようになりました。
この記事が同じような悩みを持つ方にとって、解決のヒントになれば幸いです。
執筆者:フリーランスエンジニア 豊嶋隆之
新卒でSIerに入社後、グループウェア導入の支援プロジェクトに多数参画。
エンジニア向けサポートデスクや社内SEなどを経て、
システムの企画から要件定義、設計、構築、運用まで幅広く経験。
2020年にフリーランスのインフラエンジニアとして独立し、
現在は秋田県からリモートワークでSRE案件に参画中
モチベーションを保つ方法
モチベーションが上がらない理由は人それぞれにあると思いますが、私の場合、疲労が溜まって心にゆとりが無くなってくると、モチベーションを保つのが難しくなることが多いです。
リモートワークで仕事とプライベートが曖昧になっていたり、新しい技術のことや仕事での悩みが頭にあると、なかなかリラックスすることができません。
ON・OFFを切り替えられるようにして、休息をしっかり取ることで、気持ちもリフレッシュできモチベーションを回復できています。
ON・OFFの切り替え
地方に住んでいるので、基本的にはフルリモートで業務できる案件を紹介していただいて参画しています。あいにく自宅では作業できるスペースがないので、自宅から車で20分ほどのところにある、シェアオフィスを借りて毎日そこに出勤しています。
リモートワークの悩みとして、ONとOFFの切り替えが難しいということをよく耳にしますが、幸いにもシェアオフィスに出勤している事がスイッチの切り替えになっています。
自宅で仕事をしていてONとOFFが曖昧になっている場合は、自分の中でスイッチを切り替える儀式を用意しておくのも良い方法です。
例えば、仕事の前にコーヒーを淹れる、ストレッチや散歩をするといったようなONに入るためのルーティンと、仕事を終えるときはPCを出しっぱなしにせずにしまうなどのOFFにするためのルーティンを作っておくといった具合です。
私の場合、出勤がONのスイッチになっていますが、業務を終えてオフィスを出てからも仕事のことを考えていることも多いので、OFFが曖昧になりがちです。
仕事モードから切り替えるために、夕食後にノンカフェインのコーヒーを淹れたりして、気持ちをOFFに切り替えています。
休息のスケジュールとデジタルデトックス
常にPCやスマホを見れる環境にあると、メールやSlackの通知をついチェックしてしまいます。上述したように気持ちをOFFに切り替えるのがあまり上手ではなく、休日に仕事のことを考えてしまうこともしばしばだったので、仕事から完全に離れて自分の時間を作ることは休息のためにとても重要でした。
休み・リフレッシュをスケジュールする
この「つい見てしまう」という状況をなくすために、ミーティングの予定などを管理しているGoogleカレンダーにリフレッシュする日や趣味に打ち込む日の予定を入れておいて、仕事の予定が入り込むことをブロックしています。
持ち歩いているスマホやPCで、いつでもどこでも仕事に関する情報に触れられるので、「しっかり休む」という時間をあえてスケジュールしています。
デジタル機器から離れる
休暇や趣味の予定を入れたら、その間はメールやSlackの通知をオフにしますが、さらに物理的に距離をおいてすぐには触れないようにしています。
例えばスマホやPCを持ち込めないようなジムやサウナに行ったり、喫茶店で読書などをして過ごしています。
PCを普段持ち歩いているのですが、自宅において出かけたりスマホをバッグにしまって、すぐに取り出せないようにしています。はじめのうちは手持ち無沙汰になったようにソワソワしますが、何度か繰り返しているうちに慣れてきます。
自己成長する方法
フリーランスとして案件に参画している方であれば、技術の流行り廃りを意識している方は多いのではないかと思います。
参画している案件で担当している業務を日々こなすことももちろん大事ですが、中長期的にどんなエンジニアになりたいか、というイメージから逆算して新しい技術にチャレンジしていくことも大事にしてきました。
キャリアを逆算する
今でこそAWSやOpenStackをメインのインフラとして使っている案件に参画していますが、もともとはオンプレの物理サーバーやネットワーク機器を使うプロジェクトに参加していた経験のほうが長く、クラウドを使う機会は殆どありませんでした。
地方ではIT企業自体が少なく、案件も首都圏と比べると圧倒的に少ないので、自分が目指したいエンジニア像に至るまでの具体的な道のりをイメージできず、キャリアに行き詰まりを感じることも少なくありませんでした。
地方に住みながらエンジニアを続けていく場合、オンプレの案件ではなくクラウドを使った案件に参画できる方が、リモートワークができる可能性があるので合理的でしたし、将来性もあると思いました。
地方に住むことを前提に、これまでのインフラの設計、構築、運用保守の経験を生かしたキャリアの終着点をイメージしたときに見えてきたのがフリーランスのSREエンジニアでした。
これまでの経験やどんなスキルを持っているかを棚卸しして、自分のイメージするSREエンジニアとのギャップを埋めるためにどんな知識やスキルが必要になってくるかを整理しました。棚卸しはこれまでほとんどしてきていなかったので、1日では整理しきれず1週間以上かかってしまいました。
理想と現状との間にどんなギャップがあるかを考えてみると、AWSの経験やIaCの経験が足りていなかったので、実際にAWSでサーバーを立ててみたり、TerraformやAnsibleといった技術を実際に使ってみたりしました。
自分プロジェクトを作る
なにか新しい技術に触れてみようとするときは、書籍を手に取ることから始めることが多いですが、同時に自分なりに目的を作って自分プロジェクトを立ち上げることもしています。
例えば、Wordpressを使ったブログサイトをTerraformを使ってAWS上に構築するプロジェクトだったり、検証したいと思っていたOSSを動作させる環境を作ってみたりといったことをしていました。
AWSで小さな環境を作るくらいならお金もそれほどかかりませんし、必要なのはPCとネット環境くらいなのですぐに始めることができました。
自分プロジェクトは利害関係者が自分以外にはいないので、納期やコスト(自分のお財布事情と相談になりますが)、品質といったプレッシャーもなく、興味や好奇心のままに進めることができるのでスキルアップしながらモチベーションを上げる役にも立ちました。
ただ、その分締め切りを設定していないと、三日坊主になりがちだったので、プロジェクト管理の練習も兼ねてタスク管理やスケジュール管理をしながらプロジェクトを進めていました。
まとめ
仕事やそれに関連するものから意識して離れると、心身がリフレッシュして心にゆとりを作ることができるので、仕事への意欲やチャレンジする気持ちが湧いてきます。いい仕事をするためにいい休息を取ることが欠かせないことはフリーランスになって特に実感できることでした。
また、技術に対する知的好奇心や興味関心の高さがモチベーションに繋がるエンジニアの方は多いのではないかと思います。
現在関わっている案件とは直接関連しない技術だとしても、興味のある技術に触れてみることもモチベーションを大きく高めることに繋がりますし、スキルのステップアップにもつながると思います。
今回の記事が、エンジニアライフを長く楽しいものにするためのお役に立てたら幸いです。
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