フリーランスエンジニアは儲かるかを知りたい!会社員と比較して検証!
2022年11月13日
エンジニアとして働きたいと思った際に、フリーランスか会社員どちらの形態で働くのか迷ってしまうのではないでしょうか。
高収入のイメージがあるエンジニアですが、フリーランスエンジニアは本当に儲かるのか知りたい人もいることでしょう。
今回の記事では、フリーランスエンジニアは本当に儲かるのか、会社員エンジニアとの違いを比較しつつ、儲かるエンジニアになるための方法について解説します。
目次
フリーランスエンジニアは儲かる?会社員と比較!
専門的な職業のため高収入なイメージのあるエンジニアですが、フリーランスと会社員で年収に差はあるのでしょうか。
フリーランスエンジニアと会社員エンジニアを実際に比較して、具体的に見ていきましょう。
平均年収はフリーランスエンジニアの方が高い
平均年収を比較すると、会社員エンジニアよりフリーランスエンジニアの方が高い傾向にあります。
Relanceが調査した「フリーランスエンジニア白書2023」によると、フリーランスエンジニアの平均年収は約576万円でした。
それに対し、会社員エンジニアの平均年収はdodaによると442万円なので、フリーランスと会社では明確に差があることがわかります。
ちなみに、Relanceの掲載案件から算出した平均年収は1,075万(平均単価89万6,000円/月)となっており、各社平均よりも高い金額になっています。
年収だけで比較するなら、フリーランスエンジニアは儲かると言ってよいでしょう。
ただし、フリーランスには有給休暇やボーナスといった制度がありません。
有給休暇やボーナスを考慮すると、額面ほどはフリーランスと会社員の収入に差はないと判断することもできます。
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フリーランスエンジニアの年収は青天井に上げることができる
会社員エンジニアは基本的に固定給です。安定性はあるものの、個人の力量が反映されることはほとんどないため、場合によってはモチベーションが低下することもあるでしょう。
一方、フリーランスエンジニアは完全出来高制です。案件が獲得できなかった、進捗が悪かったなどの場合は収入が落ちてしまいますが、その反面、自身の力量次第では青天井に上げることも可能です。
安定性には欠けますが、働けば働いた分だけ収入として反映されるのはフリーランスの大きな魅力といえるでしょう。
総支給が同額なら会社員エンジニアの方が手取りが多いこともある
会社員の場合、所得税や住民税は給料から天引きされていますが、フリーランスは自身で支払い手続きをする必要があります。
さらに、フリーランスは所得税や住民税以外にも「個人事業税」も支払わなくてはなりません。
個人事業税は所得が290万円を超えた際に支払い義務が生じるもので、事業区分に応じて3%~5%の税率となります。
エンジニアは基本的に第1種事業の「請負業」に該当するため、税率は5%です。
ただし、業務形態によっては個人事業税を支払わなくてよい場合があります。
フリーランスとして一般的である「納品に対して報酬が支払われる場合」は「請負契約」となるため個人事業税を支払わなくてはなりません。
しかし、稼働時間に応じて時給として報酬が支払われている場合は「準委任契約」となるため請負業に該当しない可能性があるのです。
厳格に定められているわけではないため、個人事業税に関する通知が届いた際は、都道府県事務所に問い合わせてみることをおすすめします。
これらの税金の存在により、総支給が同額なら会社員エンジニアの方が手取りが多くなることがあるのです。
また、フリーランスには給与所得控除もないため、年収で単純比較するとフリーランスの方が明らかに高いものの、税金の支払額はフリーランスの方が多くなってしまいます。
参考サイト:フリーランスエンジニアは儲かるは嘘?実態を現役フリーランスが解説|フリエン生活
フリーランスエンジニアには家賃補助などの福利厚生はない
会社員には家賃補助をはじめとする福利厚生がありますが、フリーランスは組織に所属していないため、基本的に福利厚生を受けることができません。
福利厚生を受けられないのはフリーランスのデメリットといえますが、フリーランス向けの福利厚生がないわけではなく、クラウドソーシングサイトや福利厚生代行業者が福利厚生サービスを提供しています。
特定の条件を満たす必要があったり、手数料や加入料が必要となる場合がありますが、自分に合ったサービスを選び、活用することをおすすめします。
福利厚生サービスに迷った際は、クラウドソーシングサイトを利用しているなら、そのクラウドソーシングサイトのサービスを活用してみましょう。
普段から利用しているなら既に条件を満たしている場合が多いため、すぐにサービスを活用することができるためです。
儲かるフリーランスエンジニアになるには?
先述したようにフリーランスエンジニアは会社員エンジニアより高年収です。
しかし、全てのフリーランスエンジニアが高年収というわけではありません。
儲かるフリーランスエンジニアになるために、以下の3つを意識・実践してみましょう。
・需要の高いモダン言語を習得する
・商流の浅い案件に参画する
・経費計上を怠らず節税をする
それぞれ詳しく解説します。
需要の高いモダン言語を習得する
高収入のフリーランスエンジニアを目指すのであれば、需要の高いモダン言語を習得するとよいでしょう。
モダン言語は「Python」や「Swift」など、比較的新しめのプログラミング言語を指します。
逆に「COBOL」や「Fortan」など、主流でなくなった古めの言語はレガシー言語と呼ばれます。
需要の高いモダン言語は現時点でも人気がありますが、今後の将来性にも期待できる言語がほとんどです。
需要の高いモダン言語を習得することで、他のエンジニアの一歩先を行くことができるでしょう。
特におすすめの言語は先述したPython、Swiftに「Ruby」を加えた3種です。
Pythonは日本だけでなく世界的に人気が高く、人気が高まった要因としては「AI技術の発展」が考えられます。
PythonはAI開発で利用される言語のため、今後AI技術の発展が予想されることから人気が高まっているのです。
初心者でも理解しやすい、わかりやすい言語であることも人気の要因といえるでしょう。
SwiftはiOSやMacのアプリ開発に用いられる言語です。
以前はアプリ開発は「Objective-C」が主流でしたが、Objective-Cよりもわかりやすく、高速であるという点からSwiftの人気が高まっています。
直感的にコードを書くことができるため、初心者でも習得しやすい言語といえるでしょう。
RubyはWEB開発に用いられる言語です。
日本人によって開発された言語で、全体的にコードの記述が短いという特徴があります。
コードの短さは開発期間の短縮につながることから多くの企業に採用されており、人気が高まってきている言語です。
これら需要の高いモダン言語は、総じてわかりやすさを重視しているため、初心者が学ぶのに最適だといえます。
将来的にさらに需要が高まる可能性が高いため、ぜひこれらの言語を習得してみてください。
商流の浅い案件に参画する
なるべく商流の浅い案件に参画するようにしましょう。
自身で案件を獲得する場合は商流の深さを確認するのは困難ですが、エージェント経由で案件を核とする場合はエージェントに聞けば教えてくれる場合がほとんどです。
商流を確認する際に重要な点は、「エンド企業から自分までの流れの中に中間業者がどの程度挟まっているか」です。
中間業者はエンド企業からマージンを得ることになるため、中間企業が多ければ多いほど、つまり商流が深ければ深いほどマージンによって自身の収入が減ってしまいます。
理想は「エンド案件」です。エンド案件はエンド企業からの直請けのため、中間企業が一切挟まっておらず、単価は最も高くなります。
ただし、エンド案件はメリットの大きさゆえに人気も高く、激しい競争に勝たなければ案件を獲得するのは困難です。また、一部の大手企業はフリーランスとの直接契約を行っていない場合もありますので、その時はあえてエージェントを利用することで、条件の良い仕事を見つけることができます。
ライバルに勝つために、実績やスキルを大いにアピールしていきましょう。
経費計上を怠らず節税をする
自身で確定申告しなくてはならないフリーランスにとって、経費計上はとても重要です。
自宅で仕事をしているのなら家賃や光熱費を経費として計上することができます。
これは「家事按分」という仕組みによるもので、光熱費や家賃などプライベートと仕事双方で使用している支出に関しては、仕事して使用している割合を経費として計上できるのです。
また、基礎控除や社会保険料控除などの所得控除も最大限活用しましょう。
主な所得控除は以下の通りです。
・基礎控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除
・雑損控除
・医療費控除
・社会保険料控除
・生命保険控除
・青色申告特別控除
・地震保険料控除
・障がい者控除
所得控除で特に意識しておきたいのは「青色申告特別控除」です。確定申告には白色申告と青色申告の2種類がありますが、青色申告で確定申告すれば青色申告特別控除として最大65万円の控除が受けられます。
青色申告は帳簿の記帳が必須となるなど、白色申告よりも確定申告にかかる手間がやや増えますが、その分節税効果は絶大です。
ある程度の収入が期待できるのなら、なるべく青色申告で確定申告するようにしましょう。
儲からないフリーランスエンジニアの特徴
儲からないフリーランスエンジニアの特徴についても見ていきましょう。
以下のような特徴を持つエンジニアは、高収入でない傾向にあります。
・低単価の案件ばかりに参画している
・実務経験が少なすぎる
・税務処理を適当に行っている
低単価の案件ばかりに参画している
フリーランスの世界では、案件の単価が収入に直結します。
フリーランスとして活動し始めたばかりなら低単価の案件で実績を積むのは効果的ですが、ある程度の実績があるにもかかわらず低単価の案件ばかりに参画するのはよくありません。
自分に自信がない、自分を過小評価している人もいるかもしれませんが、思い切って高単価の案件獲得に動いてみましょう。
需要の高い言語を習得し、十分な実績を積めば高単価の案件を獲得することは十分可能です。
また、低単価の案件であっても長期間継続し、信頼関係が築けているなら単価を交渉することもできます。
自身の市場価値を正しく把握し、力量に合った案件を獲得していきましょう。
市場価値の把握には、診断ツールを活用することをおすすめします。
人材派遣会社などの転職サービスは年収査定などの診断ツールを公開している場合があり、年齢や所持している資格などを入力することで適正年収などを診断してくれます。
会員登録すれば無料で利用できる場合がほとんどのため、複数の診断ツールを利用するとよいでしょう。
実務経験が少なすぎる
フリーランスエンジニアにとって実務経験は何よりも重要です。
未経験はもちろんのこと、実務経験が1年程度だと参画できる案件自体が少なく、単価も低いものばかりになってしまいます。
出来ればフリーランスになる前に3年以上の実務経験を積んでおくとよいでしょう。
実務経験が少ない状態からフリーランスエンジニアになるなら、十分な実績を積むまでは単価の低い案件をこなしていく覚悟が必要です。
また、実務経験が少ないとシステム開発の基本的な流れを把握しきれていないことがあります。
3年以上、できれば5年程度の実務経験があれば、基本的な流れに含まれている工程は一通り経験できるでしょう。
全体の流れを把握して初めて円滑に仕事を進めることができるようになるため、実務経験は重要なのです。
十分な実務経験を積んだらスキルや実務経験をまとめた「ポートフォリオ」を作成してみてください。
ポートフォリオは自身をアピールする材料となるため、案件応募時に提出することで案件を獲得できる確率が高まります。
税務処理を適当に行っている
フリーランスは税務処理を自分で行わなければならないため、税務処理について正しく理解する必要があります。
経費として計上できるものは何なのか、活用できる控除はあるのかなどをしっかり把握することで、大きな節税につながるのです。
実は何を経費とするのかは明確に定められているわけではないため、自分の裁量で決めることができます。
全く仕事と関連しない費用は経費として計上できませんが、少しでも仕事と関わっている費用に関しては経費となる可能性があるため、税務処理について学ぶのは非常に重要なのです。
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