【2023年版】フリーランスエンジニア白書 1000人に聞いた!フリーランスエンジニアの実態調査-2023年1月-
2023年2月1日
Relanceでは、フリーランスエンジニア1000名を対象としたアンケート調査を実施しました。今回の記事では、この調査から明らかになった最新のフリーランスエンジニアの実態をご紹介します。
- 「フリーランスエンジニアになって収入(年収)が増えるのか?」
- 「自由な働き方の実態 どのくらいの案件をこなしているのか?週の稼働時間は?」
- 「フリーランスエンジニアになって満足していること・不満なこと」
これからフリーランスを目指している人にとっても、また現在フリーランスエンジニアとして活躍している人も気になる情報ではないでしょうか?ぜひ、今回の調査、そして考察をご覧いただければ幸いです。
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■調査概要
・調査期間:2022年11月16日(水)~11月18日(金)
・調査対象者:フリーランスエンジニア(20代~40代)
・調査人数:1021人
・調査手法:インターネット調査
・調査元:株式会社ゼネラルリサーチ
■調査データの引用・転載に関して
本調査データを外部メディアなどに引用・転載される場合は下記の利用条件を守ってご利用ください。
≪利用条件≫
1.情報の出典元として、Relance(もしくはリランス)の名称を明記してください。
2.ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、本記事へのリンクを設置してください。
hhtps://relance.jp/blog/fact-finding-survey-of-freelance-engineers-202301
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目次
調査サマリー
- フリーランスエンジニアの平均年商(収入)は約576万円
- フリーランスエンジニアになって54.5%の方が収入が上がっている
- フリーランスエンジニアとしての平均的な働き方は「月3件の案件を持ち、週4日、1日5時間稼働する」という働き方
- フリーランスエンジニアとしてのメリットは
- 働く時間や場所が自由に調整できる
- 自分のエンジニアとしての経験やスキルで収入が増加するといった点
- フリーランスエンジニアとしてのデメリット
- 会社員と異なりフリーランスだからこそ案件獲得のための営業活動や請求や税金などの事務作業などエンジニアリング以外の業務をしなければいけない点
- 社会的な信用や将来の保証など、フリーランスならではの不安定さ
- フリーランスエンジニアとしての働き方を短期・長期で今後も「継続」と約85.6%の方が回答、今のフリーランスエンジニアとしての働き方に満足している
2023年最新フリーランスエンジニアの実態調査!
フリーランスエンジニアとしてどういうポジションで働いているか?
今回約1000人のフリーランスエンジニアの方を対象に調査を実施しました。
「ご自身がかかわっているメインの業務・職種を教えてください(複数選択可)」という設問に対しては、回答数が多いのは「フロントエンドエンジニア」約18.6%、「バックエンドエンジニア」約17.0%となっています。SREや機械学習、自然言語処理など専門性が高いキャリアを持たれてる方は数が少ないことがわかります。
副業?専業?フリーランスエンジニアはどちらが多いのか?
「現在のフリーランスとしての働き方について、専業か副業かあてはまるものを選んでください」という質問に対して、「専業フリーランス」と回答された方が約63.9%、副業フリーランスと回答された方は約36.0%。約2/3の方が専業のフリーランスエンジニアとして働かれているようです。
フリーランスエンジニアの年代×年収!実際の平均年収とは?
ではここから、上記で専業フリーランスエンジニアと答えた方に絞って見ていきたいと思います。「フリーランスエンジニア 年収」は多くの方が気になる疑問なのではないでしょうか?
専業の方のみを対象にした「専業フリーランスエンジニアとしての年商はいくらですか?」という設問に対して回答数が多い回答は「500万円以上800万円未満」約29.1%、「300万円以上500万円未満」約28.0%、「200万円以上300万円未満」約13.9%、「800万円以上1,000万円未満」約12.6%となっています。またフリーランスエンジニアの平均年商(≒平均年収)を計算すると約576万円でした。
しかし、フリーランスエンジニアの年商は年齢や経験、スキルによって大きく差が出ます。ここでは「年代」と掛け合わせ、より詳しく見ていきたいと思います。
年齢でどのくらい収入が変わる?各年代ごとのフリーランスエンジニアの収入とは?
20代、30代、40代それぞれの回答でフリーランスエンジニアとしての年商を分けてみると、年齢が上がりエンジニアとしてのキャリアが上がるほど年商のボリュームゾーンが高くなっていることがわかります。それぞれの年代の平均年商を計算すると…20代約510万円、30代約558万円、40代約620万円となっており、年代が上がるごとに高くなっています。また、「1,000万円以上1,200万円未満」「1,200万円以上」の1000万円以上の2つの回答の割合も20代では約5.98%ですが、30代約8.01%、40代では約12.67%と増加しています。
フリーランスエンジニアになって収入は上がる?
また現在のフリーランスエンジニアとしての年商だけではなく、フリーランスエンジニアになる前と後での収入の変化も気になる部分ではないでしょうか?
「フリーランスエンジニアになって収入は上がりましたか?」という設問に対して「上がった」と回答した方が約54.5%、「変わらない」と回答した方が36.6% 、「下がった」と回答した方は8.9%となっています。90%以上の方がフリーランスエンジニアになる前と比べて同額以上の収入を得ており、半数以上の方はフリーランスエンジニアになって収入が上がっていることがわかります。
ではで上がった方・下がった方はどの程度収入に変化があったのでしょうか?
上記で上がった・下がったと回答されたに方に、「フリーランスエンジニアとして働く以前とどの程度収入が変化しましたか?」と質問するとこのような結果が出ました。
上がった方の中では「〜100万円」という回答が約22.0%、「〜200万円」が約21.7%、「〜300万円」が約14.5%となっています。上がった収入は平均値約193万円・中央値約200万円です。
逆に下がった方の中では「~50万円」という回答が約3.9%、「〜100万円」が約3.4%、「~200万円」が約3.1%となっています。下がった収入は平均値約149万円・中央値約100万円です。
ここまでフリーランスエンジニアになっての収入を見てきました。しかし、フリーランスエンジニアの収入は年齢(エンジニアとしての経験年数やスキル)だけでなく受けている案件の件数や、稼働日数といった働き方によっても変化します。今回の調査の中で「収入が下がった」と回答されている方の中にも稼働日数を少なくし、プライベートを充実させた働き方をされている方もいらっしゃると思います。
では、実際にフリーランスエンジニアとしてどのような働き方をしているのかを見ていきます。
フリーランスエンジニアの働き方の実態とは?
フリーランスエンジニアの受けてる案件数とは?
「フリーランスエンジニアとして受けている案件数はいくつですか?(1月あたりでお答えください)」という設問に対して、「1件」という回答が19.8%、「2件」が27.9%、「3件」が28.5%、「4件」が7.7%、「5件以上」が16.1%となっています。平均値約2.7件・中央値3件であり、フリーランスエンジニアの1月の案件としては2〜3件が平均的であることがわかります。
フリーランスエンジニアの働く時間、日数とは?
次に1週間の稼働日数、1日の平均作業時間を見ていきましょう。
「フリーランスエンジニアとしての週の平均業務日数はどのくらいですか?」という設問に対して「1日」10.48%、「2日」14.99%、「3日」17.83%、「4日」17.04%、「5日」27.13%、「6日」7.35%、「7日」5.19%となっており、最も多いのは「5日」、次いで「3日」「4日」となっています。平均値約3. 8日、中央値4日になります。
さらに、1日当たりの作業時間も見ていきましょう。「フリーランスエンジニアとしての一日の平均業務時間はどのくらいですか?」という設問に対して、「1時間未満」という回答が約5.9%、「1~3時間未満」が約22.1%、「3~5時間未満」が約31.3%、「5~10時間未満」が約33.9%、「10時間以上」約6.8%という結果でした。平均は約5時間、中央値は「3~5時間未満」となります。
つまり、今回の調査からフリーランスエンジニアとして「月2,3件の案件を、週4日・1日5時間稼働する」という働き方が平均的な働き方だということが考えられます。
フリーランスエンジニアはリモートで働いている?
新型コロナウイルスの感染拡大により、働き方が変化しました。2020年からリモートでの働き方が広がっています。フリーランスエンジニアの方が案件を探す際にも「リモート」かどうかは検討のポイントになっているのではないでしょうか。
実際にフリーランスエンジニアの方がクライアント先に出勤しているのか?(常駐)、リモートで作業されているのか調査してみました。
「出社・リモート勤務の配分で当てはまるものを教えてください」という設問に対して、「基本的にクライアント先に出社」という回答が約21.4%、「クライアント企業に出社多め・一部リモート」約31.4%、「リモートでの業務大目・一部出社」が約22.1%、「基本的にリモートワーク」が約25.1%という回答結果でした。「基本的にクライアント先に出社」・「クライアント企業に出社多め・一部リモート」という出社の割合が高い回答は約52.8%、「基本的にリモートワーク」・「リモートでの業務大目・一部出社」というリモートの割合が高い回答は約47.2%という結果であり、リモートと出社の割合は半分づつであることがわかります。しかし、完全に出社というわけではなさそうです。部分的にでもリモートを取り入れている働き方が約78.6%を占めています。
ここまでフリーランスエンジニアの方の働き方について見てきました。
ここから実際にフリーランスエンジニアになって感じている満足・不満足や、フリーランスエンジニアとして重視していることを見ていきたいと思います。
フリーランスエンジニアになって満足?大事にしていることは?
フリーランスエンジニアのメリット・デメリット
実際にフリーランスエンジニアになって感じている満足・不満足かをそれぞれ「実際にフリーランスになって感じたメリット・満足している点を教えてください(3つまで選択)」「フリーランスエンジニアになって感じたデメリット・不満な点を教えてください(3つまで選択可)」という設問で調査しました。
すると、メリット・満足している点の回答の上位は「働く場所に縛られない」約44.6%、「働く時間に縛られない」約38.6%「収入UP」約25.1%「過去の経験を仕事にできる」約25.0%という回答でした。働く時間や場所が自由に調整でき、自分のエンジニアとしての経験やスキルで収入が増加するといった点がフリーランスエンジニアになってのメリットとして感じられていることがわかります。
逆にデメリット・不満な点の回答の上位は「社会的信用が低い(クレジットカードやローンの審査など) 」約33.8%、「案件獲得のための営業リソースが想定よりも多い」27.0%、「将来の社会保障が少ない」約25.1%、「労務や確定申告などの事務作業の手間がかかる」約25.0%という回答でした。フリーランスだからこそ、案件獲得のための営業活動や請求や税金などの事務作業などエンジニアリング以外の業務をしなければいけない点。そして、社会的な信用や将来の保証など、フリーランスならではの不安定さをデメリットとして感じられている方が多いようです。
フリーランスエンジニアとして大事・重要なこととは?
こうしたメリット・デメリットがある中で、フリーランスエンジニアとして働く中で大事なことは何か、実際にフリーランスエンジニアとして働く方に「フリーランスエンジニアとして働く中で大事(重要)なことを教えてください(3つまで選択可)」という設問でえらんでいただくと、上位の回答結果はこのようになりました。「エンジジニアとしての技術力・経験」という回答が最も多くが約40.6%、次いで「絶え間ない向学心・学習意欲」約30.7%、「健康」約27.5%、「自己管理能力・セルフマネジメント」約23.3%、「案件獲得のための営業力・交渉力」約22.3%という回答が上がっています。
やはりフリーランスエンジニアとして働くなかで最も重視されているのが「技術力」であり、常に技術を磨く必要性を感じていることがわかります。さらに、フリーランスだからこそ、病気やけがで休むことができないため自分の健康や、セルフマネジメントも必要不可欠です。
ではこうした、メリットやデメリット、フリーランスエンジニアだからこそ常に意識しなければならないことがある中で、フリーランスエンジニアとして働かれている方は今後どのような将来を考えているのでしょう。
フリーランスエンジニアとしての将来計画は?
今後の将来について「今後もフリーランスエンジニアとして働き続けたいですか?」という設問の回答結果を見ると、「フリーランスエンジニアとして働き続けたい」という回答が約51.6%、「直近はフリーランスエンジニアとして働くが、将来的に正社員になりたい」が約34.2%、「直近で正社員になることを考えている」約7.2%、「わからない」約7.0%という結果でした。「フリーランスエンジニアとして働き続けたい」という長期的にフリーランスエンジニアとして働き続ける方、「直近はフリーランスエンジニアとして働くが、将来的に正社員になりたい」と短期でもこのままフリーランスエンジニアとして働くとされた方をあわせると約85.6%方がフリーランスエンジニアとしての働き方を短期・長期で「継続」と回答されていることを見ると、今のフリーランスエンジニアとしての働き方に満足されていることがわかります。
では最後に、ここまでの設問への回答から多くのフリーランスエンジニアの方はフリーランスエンジニアとしての働き方に満足されているということがわかります。そんなフリーランスエンジニアの方が「もし、今後会社員に戻った場合、行いたいことはありますか?(任意回答・自由記述)」にはどんなことがあるのでしょうか?
自由記述の回答の中でもいくつか傾向があるようです。
- ①フリーランスとしての経験やスキルをもとに、若手のマネジメントや育成をしたい
- ②新規プロジェクトの開拓や立ち上げなどにかかわりやりがいを感じたい
- ③正社員としての収入の安定や社会的な信用
特に①②の回答の割合が高く、自身がフリーランスとして身に着けている豊富な経験や高いスキルを会社員として働く中でも活かしていきたいと考えられていることがわかります。
まとめ
今回の調査では年代別の収入や、働き方、そしてフリーランスエンジニア自信が感じるメリット・デメリット、大事にしていることなどフリーランス実態を見てきました。多くのフリーランスエンジニアの方が収入をフリーランスエンジニア以前以上の収入を得ており、働く場所や時間に縛られず働かれていることがわかります。しかし、収入が下がっている方やフリーランスエンジニアとして働く中にデメリットがあることもわかりました。
将来に関しても、フリーランスエンジニアとして働き続ける方、直近はフリーランスエンジニアとして働くが、将来的には正社員を考えられている方など、実際にフリーランスエンジニアとして働かれている方でも回答が分かれる結果になっています。
正社員として安定した働き方を選択するか、フリーランスとして自由度は高いが不安もある働き方を選ぶかは大きな決断です。正社員からフリーランスエンジニアへの働き方を検討されている方、そして現在フリーランスエンジニアとして働かれている方の今後の選択に、今回の実態調査のアンケート結果が参考になりましたら幸いです。
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