フリーランスになるために必要な実務経験とは?実務経験のアピールポイントについても紹介

フリーランスとして独立を考えた場合に、「どのくらいの実務経験が必要なのか」疑問を持たれる方は多いのではないでしょうか。

フリーランスになると会社員よりも年収が上がるといわれますが、スキルや経験が不十分なまま独立すると、案件が獲得できず、年収も下がってしまうといった悲惨な末路を迎える可能性があります。

この記事では、フリーランスとして活動するために必要な実務経験について、年数別に解説していきます。具体的なスキルレベルが理解でき、独立するときの判断基準を持てるようになるため、ぜひ最後までご覧ください。

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フリーランス案件の募集に書かれている実務経験とは?

フリーランスの募集で目にする実務経験とは仕事をした経験を指しますが、正社員だけに限られているわけではありません。それぞれの内容について解説します。

実務経験とは「仕事をした経験」のこと

実務経験とは、実際にその仕事・業務をおこなった経験を指します。

フリーランスに限らず、即戦力を求める場合、実務経験は最も重視される項目です。募集要項の中には、何年以上の実務経験が必須になっていたり、実績を示すポートフォリオが必要だったりと、実務経験についての条件が設定されているケースが多くあります。案件に応募する際は、求められている実務経験と合致しているかを確認しましょう。

実務経験は正社員に限らない

派遣社員やパート・アルバイト、インターンなど正社員以外の経験も含まれます。

実務経験と聞くと正社員での経験だけと考えてしまうかもしれませんが、正社員以外の経験も含まれるため、履歴書や職務経歴書に載せるようにしましょう。

なお、年数については厳密に何年何か月とカウントしなくても、問題はありません。実務経験が1年8ヶ月であれば2年と捉えてよいでしょう。

フリーランスとして成功するには実務経験が重要!

フリーランスにとって実務経験が重要な理由は、主に次の2つです。

・収入が上がりやすくなる
・参画できる案件数が多くなる

1つずつ見ていきましょう。

収入が上がりやすくなる

フリーランスはスキルが収入に直結し、そのスキルレベルの証明材料となるのが実務経験です。

スキルが高ければ、上流工程の高単価案件に参画できます。PMやEM、テックリードなどの上流案件は需要があり、希少性も高いため案件単価が高くなりやすいです。

上流案件を獲得するには、プログラミングなどの専門スキルに加えて、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルなどの総合的なスキルが求められます。

新規の高単価案件を獲得することに加えて、スキルと実績があれば既存のクライアントに単価交渉をすることもできます。単価アップを実現するには、これまでの案件で成果を出せているかが重要です。

参画できる案件数が多くなる

実務経験があれば、自分の需要が高くなり、参画できる案件の選択肢が多くなります。

案件サイトで案件を探してみると、応募条件として実務経験3年や5年などの基準を設けている案件が多く見つかります。そのため、もし実務経験が足りなければ、獲得できる案件が限られてしまいます。

フリーランスは即戦力として求められているため、確かなスキルがあれば企業から引っ張りだこな人材になるでしょう。

また、自分が獲得できる案件の選択肢が多ければ、自分の思い描くキャリアや希望条件に合った案件を選びやすいです。

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フリーランスエンジニア向け実務経験年数別の報酬の目安

フリーランスエンジニアとして活動する場合の報酬目安について、実務経験年数別にまとめました。

【実務経験年数別・月収目安一覧】

実務経験年数月収目安(カッコ内年収)年収
1年未満〜50万円〜600万円
1年以上50万円~600万円〜
2年以上70万円〜840万円〜
3年以上80万円~960万円〜

求人ボックスによると、正社員の平均年収は約494万円となっており、比較するとフリーランスのほうが高い傾向にあるといえます。なお、対応する言語やプロジェクトによって大きく相場は異なるため、あくまで1つの目安として捉えておくとよいでしょう。

年数を重ねるごとに報酬が上がっているのは、対応できる業務範囲が大きく関係しています。たとえば、プロジェクトの一部を担当する方と全体を管理する方では、当然後者のほうが求められるスキルは高く、報酬も比例して上がるものです。

フリーランスは会社員よりも報酬が上がりやすい傾向にありますが、実務経験年数に応じたスキルが備わっているという前提条件になっている点には留意しておきましょう。

フリーランスエンジニアが実務経験年数ごとに求められるスキルレベルの目安

ここからは、フリーランスエンジニアとして、実務経験年数ごとにどのようなスキルが求められるのかをご紹介します。

前提として、システム開発の場面では、「要件定義」「基本設計」「詳細設計」「プログラミング/開発」「テスト」「保守」などのフェーズがあることを押さえておきましょう。

実務経験年数別にお伝えするので、スキルレベルの目安として参考にしてください。

・実務経験1年
・実務経験3年
・実務経験5年以上

実務経験1年

実務経験1年目は、ITの基礎知識や各フェーズの概要など、基礎を理解した上でプログラミングを自分で書けることが必要です。フリーランスとして案件を受注する場合、クライアントの指示に従い、期待通りの成果をあげることが求められます。

案件によって依頼内容や方法はさまざまですが、オンライン上でのやりとりも多くなるでしょう。オンラインであれば、出社しているときのようには不明点や疑問点をその場で確認できないため、行き詰まりやすくなります。

できるだけ少ないやりとりで案件を前に進めるためには、確認点を洗い出し、自分がどのように解釈しているのかを明確にクライアントへ伝えましょう。

実務経験3年

実務経験3年目では、一連のフェーズの中で特定の工程について自走できるスキルが求められます。つまり、人に訊かなくても自分で業務を完遂できる状態のレベルです。

エンジニアとしてある程度の経験や実績を積んでいる状態が見込まれるため、クライアントからの信頼も獲得しやすいといえます。複数の工程を担当できたり、リーダーとしてチームをまとめたりできれば、評価はより高くなるでしょう。

実務経験5年以上

実務経験5年以上になると、上流工程に参画し、リーダーやマネージャーとしてプロジェクトを主導するスキルが求められます。具体的には、チームリーダーとしてクライアントとコミュニケーションを取ったり、スケジュールを設定し人をマネジメントしたりできる状態です。

目の前のタスクに留まらず、クライアントの潜在ニーズをつかむジェネラリストとしてのスキルを獲得すると、より信頼してもらえるでしょう。具体的には、プロジェクトマネジメントスキルや組織マネジメントスキルなどが挙げられます。

または、複数言語に対応できるスペシャリストとして、専門スキルを身につける方法も考えられます。いずれにしても選択肢が広がるため、理想とするフリーランスエンジニアの姿に近づけている状態といえるでしょう。

フリーランスになれる実務経験年数の目安

フリーランスは、高い収入が見込めたり自由な働き方ができたりと多くのメリットがありますが、すぐに独立するのにはリスクが伴います。

どの程度の実務経験年数が必要なのか目安をお伝えするので、自分の状況との比較材料として活用してみてください。

実務経験1~2年で独立するのはおすすめしない

実務経験1~2年で独立することも、決して不可能ではありません。ただし、案件の選択肢が限られるうえ、希望通りの案件を獲得できる可能性も低いといえます。また、クライアントからの信頼が得られていない状態であれば、スキルアップにつながる上流案件の獲得も厳しいでしょう。

案件を探していると、未経験者歓迎や実務経験1年でも参画できる募集は見かけますが、業界内で炎上案件といわれる条件を提示される可能性があります。実績を積むためにあえて応募する方法もありますが、低単価な案件を数多くこなすとセルフブラック化しやすい点には注意が必要です。

月収は40〜50万円が目安で、一見すると会社員よりも多いように見えますが、フリーランスは税金や保険料の負担が増えます。差し引きしたトータルで比較して同収入の会社員より手取りは少なくなってしまう点を考慮すると、独立はあまりおすすめできません。

実務経験が3年あればフリーランスとして独立できる

実務経験が3年あれば、フリーランスになっても安定して案件を受けられる状態と見込めます。ITスキルやビジネススキルの基本が身についてくる頃であり、特定の工程であれば自走できる状態となっているでしょう。

ただし、自分の希望条件を満たす案件を探すと実務経験5年を求めている場合も多く、フリーランスとして安泰とは言いきれません。

月収は80万円以上が目安となるため、会社員よりも収入面で満足できる可能性があります。これまでの経験をクライアントにアピールするため、ポートフォリオを準備して独立に向けて動き出せるタイミングといえます。

実務経験が5年以上なら年収1000万も目指せる

案件獲得の心配がなくなり、高単価案件に着手できる基準が実務経験5年です。案件の選択肢が格段に増えるため、問題なくフリーランスとして活躍できるでしょう。上流工程に携わる機会も増えるため自ずと収入も上がり、年収1000万円も見えてきます。

比例してクライアントからの期待も大きくなるため、成果を挙げられるだけのスキル向上は必須です。エンジニアの世界は技術が進歩するスピードが速いため、情報収集を絶やさず、スキルアップの努力が常に求められる点はおさえておきたいポイントです。

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募集条件の実務経験年数に満たなくても応募はできる!

実務経験年数は重要視されますが、あくまで目安であり、満たしていなくても参画可能なケースもあります。

企業側は、スキルの定量的な指標として、応募条件に実務経験年数を使っています。つまり、業務をおこなえるだけのスキルを提示できれば受注は可能です。

たとえば、プログラミングスキルを活かしてアプリを開発したり、Webサービスを展開する方法があります。そのほかにも、クラウドソーシングでタスク案件に応募し、実績を積むのも有効です。

クライアントに対して持っているスキルを目に見える形に落とし込めれば、実務経験年数を満たしていなくても認めてもらえる可能性があります。スキルシートやポートフォリオを作成し、いつでも提示できるよう準備しておくことが大切です。

実務経験が足りないフリーランスでも自分のスキルをアピールする方法

実務経験が足りない方や案件獲得のチャンスをつかみたい方は、自分のスキルを相手にわかりやすく伝えることが重要です。スキルをアピールする方法としては、以下の2つの方法があります。

・スキルシートやポートフォリオを充実させる
・資格を取得する

スキルシートやポートフォリオを充実させる

フリーランスエンジニアが自分のスキルや経験をアピールするのに必須なのが、ITエンジニア向けの職務経歴書ともいえる「スキルシート」です。

スキルシートの内容が充実していないと、自分のスキルや経験が十分であっても、そのことがクライアントに上手く伝わらず、案件を獲得できないことがあります。

そのためスキルシートを作成する際には、スキルや経験がわかりやすくなるように、できるだけ具体的に書くことが重要です。ただし契約上、会社名やサービス名についての保守義務も考えられるので、注意してください。

スキルシートを作る際の項目の例は、以下の通りです。

  • 在職期間
  • クライアント名
  • 業務内容
  • 担当・役割
  • プロジェクト規模
  • 使用した環境や言語
  • 活かした経験・知識・技術など
  • 自身の強みを活かした成果や困難を乗り越えた方法など

また、ポートフォリオサイトを作成し、自分の経歴や作品を紹介することも、営業活動において大いに役立ちます。

ポートフォリオサイトを作成しておけば、クライアントと交渉をする場においても事前に成果を確認してもらえますし、技術レベルも正確に伝えられるため、話し合いがスムーズになります。Webサイトが作れる方はぜひ作っておくとよいでしょう。

参考サイト:エンジニアのスキルシートの書き方とテンプレートダウンロード|リクナビnext

資格を取得する

スキルを持っていることを示すのに有効な手段として、資格を取得することも挙げられます。

ただし、ITパスポートや基本情報技術者試験などは、実績をアピールする資格としてはあまり価値がないと考えましょう。なぜなら、ITパスポートや基本情報技術者試験というのは、ITのベースの知識があることは保証されますが、実際の実務で使えるスキルとは結びついていないためです。

一方、実務と結びついている資格を十分に取得している場合には、実務未経験である場合やエンジニア経験が浅い場合であっても、案件を取得できる可能性があります。

実務で使えるスキルと結びついている資格として、以下の4つをご紹介します。

 

  • Linux技術者認定

Linux技術者認定試験はLv1〜3まであり、物理/仮想環境のLinuxサーバーの構築・運用〜Linuxシステム、ネットワークの設計・構築までLinux環境全般を網羅している資格です。Linuxに強みがあるフリーランスエンジニアの人にはぜひ取得してもらいたい資格になります。

  • シスコ技術者認定

シスコ技術者認定とは、ネットワーク関連機器メーカー最大手のシスコシステムズ社が認定するネットワークエンジニア向けの資格です。エントリー〜アーキテクトまで6段階に分かれています。ネットワークエンジニア向けの資格としては世界的に信頼度が高い資格ですので、ネットワークエンジニアを目指す方は取得してもらいたい資格といえます。

  • オラクルマスター

オラクルマスターとは、オラクル社が認定するデータベース関連の資格です。Bronze、Silver、Gold、Platinumの4段階に分かれており、順番に試験を受ける必要があります。OracleDBは世界的に見てもMySQLと並んで1,2位を争うシェアを獲得しており、フリーランスエンジニアになるには避けて通れないスキルでしょう。ぜひ取得しておくことをおすすめします。

  • AWS認定

AWS認定とは、AWS(Amazon Web Services)に関する専門的な知識やスキルを認定する資格です。多くの企業が利用するAWSはAmazon社が提供するクラウドコンピューティングサービスであり、さまざまなITサービスがクラウド上で使えるようになります。資格は「ベーシック」「アソシエイト」「プロフェッショナル」の3つのレベルに分けられており、取得することで就職やキャリアアップにつながるでしょう。また、GCPやMicrosoft Azureなどクラウドサービスの資格は他にも多くありますので、気になる方は調べてみてください。

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まとめ

フリーランスとして独立し収入を上げていくためには、実務経験が重要です。就業形態によらずスキルを活かした経験があれば、自分の強みとしてアピールできます。

実際の案件には実務経験年数が明示されているケースが多くありますが、スキルレベルを図るための目安として設定されている場合がほとんどです。希望する案件の実務経験年数に足りていなくても、持っているスキルを証明できれば、採用される可能性は高まります。

とはいえ、エンジニアの世界は日進月歩で日々変化するため、時代ごとに求められるスキルも変わります。フリーランスとして活躍できるように、情報収集と自己研鑽は継続しましょう。

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