フリーランスは口座を分けないと不便?分けるメリットやおすすめの銀行を紹介
フリーランスや個人事業主になる際に迷うポイントの1つとして、口座を分けるべきかどうかが挙げられます。
口座を分けておくことで、事業収支の管理はしやすくなるでしょう。また、税務対策をしやすくなり、さまざまなメリットも見込めます。
とはいえ、口座の分け方や、事業用に向いている銀行などを知らないフリーランスも多いのではないでしょうか。
この記事では、事業用と個人用の銀行口座を分けるメリットや、口座の分け方、開設方法、おすすめの取引銀行、注意点などを解説します。
ぜひ参考にし、効率的な資金管理を実現してください。
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銀行口座を事業用と個人用を分けているフリーランスは約7割
フリーランスの経営において、事業用と個人用の口座を分けることは、重要な経営判断の一つとなっています。「フリーランス白書2023」の調査によると、実に66.1%のフリーランスが事業用の専用口座を開設していることが明らかになりました。
この高い割合が示すように、事業用口座の開設は、フリーランスにとって重要な経営基盤の一つとなっています。事業用口座を持つことで、収支の管理が明確になり、税務対策も効率的に行えるようになります。さらに、取引先からの信用を得やすくなるという副次的なメリットもあります。
参考サイト:フリーランス白書2023|フリーランス協会
フリーランスが口座を分けないと起こる3つのデメリット
フリーランスとして活動する上で、事業用と個人用の口座を分けることは、想像以上に重要な意味を持ちます。口座を分けずに運営を続けると、以下の3つの重大なデメリットが生じる可能性があります:
- 事業に関わる収支が分かりにくく資金繰りがしづらくなる
- 確定申告時に手間が増える
- 取引先の信用を得られにくいことがある
これらのデメリットは、いずれもビジネスの成長や効率的な運営の妨げとなる可能性があります。それぞれの問題点について、詳しく見ていきましょう。
1.事業に関わる収支が分かりにくく資金繰りがしづらくなる
事業用と個人用の口座を分けていない場合、最も深刻な問題として浮上するのが、収支の把握の難しさです。特に以下の重要な項目の正確な把握が困難になります。
- 売上の実態
- 経費の詳細
- 実質的な利益
これらの数値が曖昧になることで、記帳作業が複雑化し、事業の実態を正確に把握することが困難になります。さらに深刻なのは、プライベートでの支出と事業支出が混在することで、実際の事業資金の残高が不明確になってしまうことです。
最悪の場合、資金不足に気づかないまま事業を継続してしまい、突然の資金ショートに見舞われる可能性もあります。事業の継続性に重大な影響を及ぼす可能性があるため収支は正確に把握できる状態にしておくのが好ましいでしょう。
2.確定申告時に手間が増える
個人の収支と事業の収支が混在している状態で確定申告の時期を迎えると、膨大な作業が待ち受けています。特に、日常的な記帳が適切に行われていない場合、その負担は計り知れません。
すべての取引を一つ一つ確認し、事業関連の収支と個人的な収支を選別していく必要があります。この作業は非常に時間がかかるだけでなく、ミスのリスクも高まります。確定申告の際の修正対応に追われることを避けるためにも、日々の記帳は重要性非常に重要です。
3.取引先の信用を得られにくいことがある
事業用の口座を持っていないと、取引先からの信用獲得にも影響を及ぼす可能性があります。個人名義の口座のみを使用している場合、事業の継続性に対する不安要素として捉えられることがあります。
個人名義の場合、病気やケガ、個人的な経済状況の変化により、事業継続が困難になるリスクが高いと見なされるためです。一方、事業用の口座や法人名義の口座を持つことで、個人資産と事業資産を明確に区分している証となり、より専門的な事業者として認識されます。
また、事業用口座の存在は、適切な事業計画に基づいた経営を行っているという印象を与え、取引の拡大につながる可能性も高まります。さらに、金融機関との関係においても、事業の収支状況が明確になることで、融資を受けやすくなるといったメリットも期待できます。
このように、事業用口座の開設は、経理処理の効率化だけでなく、取引先からの信頼獲得や事業拡大の機会創出にも直結する重要な要素となっています。
フリーランスが口座を分ける際は屋号付き口座の開設がおすすめ
フリーランスが事業用の銀行口座を開設する際、個人名義の口座ではなく、屋号(事業名)を付けた口座を開設することをおすすめします。屋号付き口座を持つことで、取引先からの信用力が高まり、ビジネスがよりスムーズに進むことが期待できます。
例えば、振込先が「山田太郎」という個人名だけの場合と、「デザインスタジオYAMADA 山田太郎」のように屋号が付いている場合では、後者の方が明らかにプロフェッショナルな印象を与えることができます。また、事業収支の管理面でも、通帳やインターネットバンキングの明細を見ただけで事業関連の取引だと判別できるため、経理処理が格段に効率化されます。
ただし、屋号付き口座の開設には、通常の個人口座よりも多くの書類や手続きが必要となります。一般的に必要となる書類には以下のようなものがあります。
- 個人事業の開業届出書の控え
- 屋号の使用を証明する書類
- 事業実態を証明する書類(契約書など)
- 印鑑証明書
手続きに手間はかかりますが、事業の発展を見据えた場合、屋号付き口座の開設は重要な投資といえるでしょう。特に、事業規模の拡大や新規取引先の開拓、将来的な融資の検討を考えているフリーランスにとっては、必須の検討事項となります。
フリーランスの口座開設におすすめの銀行6選
フリーランスの事業用口座として活用できる銀行は数多く存在しますが、手数料体系や利便性、信頼性などの観点から、とくにおすすめの銀行をご紹介します。それぞれの銀行には特徴があり、自身の事業形態や取引内容に合わせて選択することが重要です。
ここでは、数ある銀行の中から、フリーランスの事業用口座として特に評価の高い銀行を厳選してご紹介します。
- PayPay銀行
- 楽天銀行
- 住信SBIネット銀行
- GMOあおぞらネット銀行
- 三井住友銀行
- ゆうちょ銀行
手数料、オンラインバンキングの使いやすさ、ATMの利便性など、実際の使用場面を想定した特徴を詳しく解説していきます。
1.PayPay銀行
PayPay銀行は、デジタル時代のフリーランスのニーズに応える、革新的なサービス体制を構築している金融機関です。24時間365日いつでも取引可能な点が大きな特徴です。とくに注目すべきは、その競争力のある手数料体系です。同行内取引であれば1件あたり55円、他行宛て取引でも160円という低コストの設定は、取引量の多いフリーランスにとって大きなメリットとなります。
また、スマートフォンに特化したUIを採用しており、直感的で使いやすく、移動が多いフリーランスの働き方にマッチしています。振込や残高確認、取引履歴の確認など、基本的な銀行取引がすべてスマートフォン上で完結できる利便性は、とくに事業開始時の最初の口座として高い評価を受けています。
参考:https://www.paypay-bank.co.jp/
2.楽天銀行
楽天銀行は、2010年のイーバンク銀行からの商号変更以降、着実にサービスの拡充を図ってきた実績ある金融機関です。国内最大級のネット銀行としての地位を確立し、その知名度と信頼性は、フリーランスの事業用口座として大きな強みとなっています。24時間365日のサービス提供体制に加え、月間最大7回までのATM手数料無料特典は、現金取引の多い事業者にとって魅力的な特徴です。
また、楽天経済圏との連携により、ポイント還元などの付加価値サービスも充実しています。オンラインバンキングシステムの安定性と使いやすさは、長年の運営実績に裏打ちされており、特に取引先からの信用面で懸念が少ないことも、事業用口座として選択される大きな理由となっています。
参考:https://www.rakuten-bank.co.jp/
3.住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、2007年のサービス開始以来、革新的な金融サービスを提供し続けているネット銀行です。事業者向けのサービスが特に充実しており、利用頻度に応じたランク制度によるATM手数料の優遇や、最大10口座までの資金分別管理機能など、事業の成長に合わせて柔軟に対応できる特徴があります。
特に、複数口座での資金管理機能は、プロジェクトごとの収支管理や、経費の分別管理が必要なフリーランスにとって、非常に有用なツールとなっています。また、証券取引との連携も容易で、事業で得た利益の資産運用まで視野に入れた総合的な金融サービスを提供している点も、成長志向のフリーランスにとって魅力的です。
参考:https://www.netbk.co.jp/contents/
4.GMOあおぞらネット銀行
GMOあおぞらネット銀行は、あおぞら銀行とGMOフィナンシャルホールディングスという、伝統的な金融機関とITの先進企業が協力して設立した新しい形の銀行です。24時間365日の安定したサービス提供に加え、一律145円という競争力のある振込手数料設定は、取引量の多いフリーランスにとって大きなコストメリットとなります。
さらに、取引に応じてGMOポイントまたはPontaポイントが貯まるポイントプログラムは、事業取引のコストを部分的に還元する効果があります。また、GMOグループの他のサービスとの連携も充実しており、特にIT関連のフリーランスにとっては、業務との親和性が高いのが特徴です。セキュリティ面でも最新の技術を採用しており、オンライン取引の安全性も高く評価されています。
5.三井住友銀行
三井住友銀行は、日本を代表するメガバンクの一つとして、高い信頼性と充実したサービス体制を誇ります。とくに事業用口座として使用する場合、取引先からの信用度の高さは大きなアドバンテージとなります。
振込手数料の設定も比較的リーズナブルで、特に同じ銀行内での取引では優遇された手数料体系を利用できます。また、三井住友カードビジネスオーナーズなど、関連サービスとの連携によるポイント還元などの特典も魅力的です。
ただし、口座開設の手続きに関しては、完全オンライン化されていない点に注意が必要です。フリーランスなど個人事業主の場合、一度は支店への来店が必要となります。この点は、時間の制約が厳しい事業者にとっては、検討すべきポイントとなるでしょう。
とはいえ、総合的に見れば、その信頼性と経済性のバランスの良さから、事業用口座として非常に魅力的な選択肢の一つといえます。特に、対面での取引が多い業種や、取引先からの信用を重視する事業者にとっては、最適な選択となるでしょう。
6.ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は、全国に広がる郵便局ネットワークを活用できる点が最大の特徴です。特に、地方在住のフリーランスや、全国各地での取引が多い事業者にとって、この充実した店舗網は大きなメリットとなります。
ATMの利用手数料も比較的リーズナブルで、特に平日の日中であれば、多くの取引を手数料無料で行うことができます。また、インターネットバンキングのシステムも使いやすく、オンラインでの取引管理が容易に行えます。
さらに、国営銀行から民営化された経緯を持つことから、安定性と信頼性の面でも高い評価を得ています。個人事業主の口座としても違和感なく受け入れられ、取引先からの信用も得やすい特徴があります。
このように、ゆうちょ銀行は、特に地方在住のフリーランスや、全国展開を視野に入れた事業者にとって、使い勝手の良い選択肢となっています。
参考:事業用途で個人名義の口座を開設されるお客さまへ|ゆうちょ銀行
フリーランス(個人事業主)が事業用口座を上手に活用する方法
フリーランスは事業用口座を作るべきということでしたが、事業用口座を作りさえすれば良いというわけではありません。とりあえず口座は作ったもののうまく活用できていない、結局プライベート用と混ざってしまっている、といったことも起こりえます。
そこで、事業用口座を上手に活用する方法を解説します。
個人口座への資金移動は決まった額にする
フリーランスが事業用口座を持つ場合、仕事で得た報酬は事業用口座に入金されます。しかし事業用口座はあくまでも事業のための収支に限られるので、支出があるとすれば基本的には経費分のみです。
プライベートの支出を行うためには事業用口座から個人口座、プライベート口座にお金を移動させる必要があるということです。どれだけの額を移動させるかは、フリーランスなので自由です。
たとえば、事業用口座に入金されたお金をすべて個人口座に移動しても問題はありません。個人の自由ではあるのですが、おすすめの方法としては毎月決まった額のみを個人口座に移動することです。
毎月の移動額を決めておくことでお金の動きがシンプルになり、帳簿付けの手間を減らせます。また自分自身もお金の状況を把握しやすいので、不必要な出費も減る可能性が高いでしょう。
経費とプライベートの出費を仕分ける
せっかく事業用口座を持つのであれば、経費とプライベートの出費を仕分けるのは基本事項です。プライベートの出費まで事業用口座から出していると会計ソフトでの自動化が難しくなり、確定申告の手間も増えます。
経費は事業用口座から、プライベートはプライベート口座から引き落とす必要があります。
事業用クレジットカードの利用も検討
事業用のクレジットカードがあると、支払いだけでなく経費計上が楽になります。会計ソフトと連動させることができるので、確定申告も楽です。事業用クレジットカードの引き落とし口座には事業用口座を指定すると良いでしょう。
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フリーランスの口座開設における3つの注意点
フリーランスとして活動を始める際、事業専用の口座開設は基本的な第一歩です。
しかし、口座開設には見落としがちな3つの注意点があります。
- 審査がある銀行の場合は口座開設ができない場合がある
- 口座開設までに時間がかかる場合がある
- 事業用の口座開設ができない金融機関もある
それぞれ確認していきましょう。
1.審査がある銀行の場合は口座開設ができない場合がある
事業用口座の開設には、一般的な個人口座以上に詳細に審査される場合があります。金融機関は、申込者の個人情報や過去の取引履歴などを慎重に確認します。これは通常のプライベート口座でも同様ですが、事業用口座の場合は特に厳密な審査が行われる可能性があります。
具体的な審査基準は各金融機関の企業秘密とされていますが、事業の実在性や継続性が重要な判断材料となります。一般的に、口座開設のみの場合は審査のハードルは高くありませんが、万が一の審査不通過に備えて、複数の金融機関を検討しておくことをおすすめします。
2.口座開設までに時間がかかる場合がある
口座開設は、想像以上に時間がかかる場合があります。審査期間は金融機関によって異なりますが、通常2~3週間程度を要することも珍しくありません。この期間は、提出書類の確認や審査、実地調査などに使用されます。
そのため、取引先との支払い開始時期などを考慮し、必要となる時期よりも前から口座開設の手続きを始めることが重要です。とくに、事業開始直後の重要な取引に備えて、余裕を持った準備を心がけましょう
3.事業用の口座開設ができない金融機関もある
すべての金融機関が事業用口座の開設に対応しているわけではありません。とくに、従来型の個人向け金融機関の中には、事業用口座の開設を受け付けていない場合も少なくありません。
そのため、特定の金融機関での口座開設を希望する場合は、事前に対応可否を確認することが重要です。また、金融機関を決めていない場合は、フリーランス向けのサービスが充実したネット銀行の利用を検討するのも賢明な選択といえます。ネット銀行は一般的に、事業用口座の開設に対して柔軟な対応を取っており、手続きもオンラインで完結できることが多いため、利便性が高いのが特徴です。
まとめ
この記事では、「フリーランスが口座を分けるべき理由」についてお伝えしました。
フリーランスが口座を分けた場合のメリットをおさらいしましょう。
- 事業用口座を作ると会計管理がしやすくなり、確定申告が楽になる
- プライベートと事業用の支出を分けて管理できるため、混同を回避できる
- 事業用口座を作ると税務申告の際に収支を明確にでき、税務署とのトラブルを回避できる
収入と支出を明確に分けることで、お金の流れをコントロールしやすくなります。また、税金や社会保険料の準備もしっかりとできるでしょう。
口座を分ける作業は少し面倒に感じてしまうかもしれません。しかし、口座を分けることは、収支管理や、ひいては事業の安定にも期待できます。
事業用口座と個人口座を分けることで、フリーランス業務のさらなる効率化を目指しましょう。
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