サーバーエンジニアが資格を取れば年収は上がる?おすすめの資格や勉強方法を解説

サーバーエンジニアとは、サーバーの設計や構築、運用、保守などをおこなうエンジニアのことです。特別な資格を取得する必要はないものの、資格を取得することで自身のスキルを証明できるため、さまざまなメリットが得られます。

今回の記事では、サーバーエンジニアが資格を取得することで、どのようなメリットがあるのか、また資格取得に向けた勉強方法についても解説します。合わせて、おすすめの資格も難易度別に5選紹介しているので、どの資格を取得するべきか迷われている方はぜひ参考にしてみてください。

サーバーエンジニアが資格を取るメリット

サーバーエンジニアになるために、資格取得は必須ではありません。

一方で、上流工程に携わりやすくなるほか、社内・転職時の評価、さらには年収アップといったさまざまなメリットが得られます。資格取得のモチベーションを上げていくためにも、どのようなメリットがあるのかをチェックしていきましょう。

・スキルアップすることで上流工程に携われる可能性が上がる
・社内の評価や転職活動時の評価が上がる
・結果的に年収が上がる可能性がある

順に解説していきます。

スキルアップすることで上流工程に携われる可能性が上がる

1つ目のメリットは、スキルアップに伴い上流工程に携われる可能性が高まることです。サーバーエンジニアの業務は、主に設計・構築を担当する上流工程と、保守・運用を担当する下流工程に分類されます。

下流工程で知識やスキルを身につけながら、経験を積み上げていき、最終的に上流工程に携わるのが一般的な流れです。自ら資格を取り、スキルアップすることで対応可能な業務の幅が広がり、上流工程に携われる可能性が高まっていきます。上流工程に携われば、業務の幅が広がるでしょう。

社内の評価や転職活動時の評価が上がる

2つ目のメリットは、社内や転職時の評価につながりやすいことです。サーバーエンジニアの業務に関連した資格があれば、実務経験が少なくとも知識やスキルを有していると認められる可能性が高まります。幅広い知識を身につけることで、エンジニアを含む他職種の人とのコミュニケーションもスムーズに進められ、社内での評価につながるでしょう。

また、実務経験年数を問わず資格を取得したことが評価されれば、即戦力として活躍することも期待できます。社内での評価につながるだけではなく、転職活動時などに、より知識やスキルのアピールとして活かせるでしょう。

結果的に年収が上がる可能性がある

3つ目のメリットは、社内や転職活動時の評価が高まり、結果的に年収が上がる可能性があることです。上述したとおり、上流工程で経験を積み上げていくことで、サーバーエンジニアとしての評価は上がっていきます。

また下流工程よりも上流工程の方が責任範囲が広く業務難易度も高いことから、年収は高くなる傾向にあります。もちろん資格を取得しただけでは、年収がすぐに上がることはありません。しかしながら資格取得によって得た知識やスキルを活かして、周囲へもアピールできれば、収入に還元されていくでしょう。年収アップを目指すなら、上流工程の仕事に携わることを目標におくとよいです。

55%以上が月額100万円以上!

サーバーエンジニアにおすすめの資格|難易度別

サーバーエンジニアとしてスキルアップしていくためには、資格取得は1つの手段です。ここでは、難易度別(初級:難易度1〜中級:難易度2)におすすめの資格5つを、1つずつ丁寧に解説していきます。

難易度1:Linux技術者認定試験(LPICやLinuCなど)
難易度1:MCP(マイクロソフト認定資格)
難易度1:基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
難易度1:ITIL®認定資格(アイティル)
難易度2:シスコ技術者認定(CCNAやCCNPなど)

順に確認していきましょう。

難易度1:Linux技術者認定試験(LPICやLinuCなど)

Linux技術者認定試験とは、Linuxを中心としたシステム構築から運用管理に必要なスキルを証明する資格です。

代表的な資格試験はLPIC(エルピック)とLinuC(リナック)の2種類があります。前者のLPICは世界共通の資格、後者のLinuCは日本市場向けの資格です。

LPICは「LPIC-1」「LPIC-2」「LPIC-3」の3つから構成されており、各種類で難易度も変わります。

  • LPIC-1認定:Linux技術者として経験の浅い入門者向けの資格
  • LPIC-2認定:Linuxのシステム管理やサーバー管理のスキルがある実務経験者が対象の資格
  • LPIC-3認定:セキュリティや、仮想化とハイアベイラビリティなどの高度な知識を持つ経験者が対象の資格

一方のLinuCは「LinuCレベル1」「LinuCレベル2」「LinuCレベル3」の3つで構成されており、レベルが上がるごとに難易度も上がっていきます。

  • LinuCレベル1:Linuxの物理または仮想サーバーの知識を証明する資格
  • LPIC-2認定:Linuxのシステム管理のスキルやネットワークなどに関する知識を証明する資格
  • LPIC-3認定:Linux技術者としての経験や高いスキルを持つエンジニアを対象した資格

実務的な内容が多い試験のため、資格取得によって実践的なLinuxの知識を学べるでしょう。

参考:Summary of LPI Certifications|Linux Professional Institute

難易度1:MCP(マイクロソフト認定資格)

MCP(マイクロソフト認定資格)は、世界的IT企業のMicrosoft社が主催する資格です。Windows Serverに関する知識やスキルを認定します。

MCPは以下のとおり、5つの種類に分類されています。

  • 初級:Azure Fundamentals
  • 中級:Azure Administrator Associate
  • 中級:Azure Developer Associate
  • 上級:Azure DevOps Engineer Expert
  • 上級:Azure Solutions Architect Expert

Windows Serverは企業システムで使用されることが多いサーバーOSのため、関連した資格を持っていると評価を得られるでしょう。

参考:マイクロソフト認定資格|Microsoft 

難易度1:基本情報技術者試験・応用情報技術者試験

基本情報技術者試験・応用情報技術者試験は、どちらもITスキルを証明する国家資格です。国家資格であることから、自身のスキルアップにつながるだけでなく、転職や就職にも有利に働く可能性があります。

また、基本情報技術者試験・応用情報技術者試験の資格取得で手当を出している企業もあるので要チェックです。

  • 基本情報技術者試験:IT全般で基礎的知識が身についていることを証明
  • 応用情報技術者試験:経営管理や応用的スキルが身についていることを証明

なお、応用情報技術者試験の方が、基本情報技術者試験よりも難易度が高いです。

参考:基本情報技術者試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参考:応用情報技術者試験IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

難易度1:ITIL®認定資格(アイティル)

ITIL®認定資格(アイティル)は、イギリス政府作成の書籍「ITIL®」をベースにした認定資格です。ITILはITサービスマネジメントの業界標準とされており、6段階のレベルで試験が受けられます。

  • 初級:ITIL 4 ファンデーション:ITILの主な概念、プロセス、専門用語といった基本知識を有していることを証明
  • 中級:ITIL マネージング・プロフェッショナル:ITプロジェクトやチーム、ワークフローを成功させるための実践的で技術的な知識を提供するスキルを証明
  • 中級:ITIL ストラテジック・リーダー:IT運用に加えて、ITがビジネス戦略に与える影響、またITがいかにビジネス戦略を理解・説明力を証明
  • 中級:ITIL プラクティス・マネージャー:ITの実務に責任を持って携わるにふさわしい実践的な知識・方法論を使いこなせることを証明
  • 中級:ITIL エクステンションズ:ITIL 4の知識体系を拡張する資格でクラウドサービスの活用と運用などをこなせることを証明
  • 上級:ITIL 4 マスター:最新のITILについて総合的かつ実践的な知識を有していることを証明

ITILの資格取得によって、ITサービスの管理や運用など、ITサービス全般に関する知識が身につくでしょう。

参考:ITIL ® 4 資格制度|PeopleCert

難易度2:シスコ技術者認定(CCNAやCCNPなど)

シスコ技術者認定とはアメリカのシスコシステムズ社が認定する、ネットワーク関連の知識やスキルを証明できる資格です。エントリー、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパートの4段階でレベルが分けられています。

  • エントリー:ネットワーキングの専門家としてのキャリアを始める段階の資格
  • アソシエイト:ネットワーキングの基礎レベルを証明
  • プロフェッショナル:ネットワーキングにおける業務で即戦力になれることを証明
  • エキスパート:世界中でネットワーキングの業務に携われることを証明

代表的な資格として、アソシエイトレベルのCCNA(Cisco Certified Network Associate)、プロフェッショナルレベルのCCNP(Cisco Certified Network Professional)が挙げられます。CCNPはCCNAの上位資格のため、取得できればよりハイレベルなスキルの証明になるでしょう。

参考:トレーニング&認定|Cisco

サーバーエンジニアが資格を効率的に勉強する方法

サーバーエンジニアにとって、資格取得は今後のキャリアパスにもつながる重要な要素です。しかし、どの資格も簡単に取得できるわけではないため、しっかりと勉強する必要があります。そこで、ここではサーバーエンジニアが効率的に資格を取得する方法を3つご紹介します。

  • 試験日に合わせて資格取得までのスケジュールを立てる
  • 自分にとって使いやすい教材やサービスを利用して勉強する
  • 仮想環境で実践しながら勉強する

順に解説していきます。

試験日に合わせて資格取得までのスケジュールを立てる

1つ目におすすめの勉強方法は、試験日に合わせてスケジュールを立てることです。試験日から逆算したスケジュールを立てることで、いつまでにどのくらい勉強すべきか明確にできます。

スケジュールを立てる際には、月単位、週単位、日単位といった細かい期間を意識してみてください。スモールステップでの成功体験を重ねていけば、自信やモチベーションの強化にもつながります。ただし、スケジュール通りに進まないことも加味して、多少バッファを作っておくようにしましょう。

自分にとって使いやすい教材やサービスを利用して勉強する

2つ目は、自分にとって使いやすい教材やサービスを利用することです。資格試験に限らず、自分が使いにくい教材やサービスを使っていても、なかなか学習効果が現れない場合があります。

このように、資格取得のための勉強の時間がただつらいだけの時間になると、モチベーションも下がってしまいます。そこで、自分の好みや予算に合わせて、合うものを選んでいくことが大切です。

具体的には書籍、学習サイト、学習アプリ、通信教材、eラーニング、動画コンテンツ、ITスクールなどが挙げられます。ほかにも、時間管理ツールやタスク管理ツールなども並行して使うとより効率的に勉強できます。

仮想環境で実践しながら勉強する

3つ目は、仮想環境で実践しながら、インプットだけではなくアウトプットすることです。インプットとして、サーバーエンジニアに関する学習書や専門書を読んでいるだけでは、知識やスキルが身につかない可能性があります。

そこで、まずはVMware Workstation PlayerやKernel-based Virtual Machine(KVM)といった仮想環境構築ソフトを活用して学習環境を整えましょう。インプットだけでなく、実践しながら勉強することで、現時点での自分の実力やスキルレベルを把握できます。より効率的に学習を進められるでしょう。

参考:VMware Workstation Player
参考:KVM

サーバーエンジニアが資格取得以外にスキルアップを目指す方法

資格取得以外のほかの方法でも、以下の通りスキルアップを目指せます。

  • 書籍やインターネット上の情報を参考に自主的に学ぶ
  • 勉強会に参加するなどしてコミュニケーションを取りながら学ぶ
  • 上司に相談して取り組む業務の幅を広げてもらう

自分に合った方法を見つけて、さらなるスキルアップに役立ててみてください。

書籍やインターネット上の情報を参考に自主的に学ぶ

まずは、書籍やインターネットを活用する方法です。資格取得を目的にしなくても、サーバーエンジニアについて体系的に学習できる環境が整っています。

また、本で学習するのが苦手な場合には、スマートフォンやパソコンからインターネットを介して情報を入手することも可能です。Udemyやドットインストールなどの学習サイトを利用して、手を動かしながら勉強してみましょう。

参考:Udemy
参考:ドットインストール

勉強会に参加するなどしてコミュニケーションを取りながら学ぶ

次に、エンジニアが集まる勉強会に参加して、コミュニケーションを取りながら学ぶことも大切です。知識が身につきやすくなるほか、プロフェッショナルとして働くエンジニアに疑問点を聞くチャンスがあります。

勉強会に参加したい場合には、connpass、こくちーず、ストアカなどが選択肢に挙げられます。コミュニケーションを介しながら疑問を解決しつつ、さらに自身でも勉強を継続することで、効率よくスキルアップが目指せるでしょう。

参考:connpass
参考:こくちーず
参考:ストアカ

上司に相談して取り組む業務の幅を広げてもらう

最後に、本業である現場の上司に相談し、サーバーエンジニアとしてのスキルアップを図りましょう。上司に直接、スキルアップしたい旨を積極的にアピールして、自身が取り組む業務の幅を広げてもらうこともおすすめです。

現場でサーバーエンジニアの業務を実践しながら学習できれば、知識やスキルが身につきやすいでしょう。また、今後のキャリアプランを含め根本的なところから相談してみることも、効率的にスキルアップを目指す1つの方法です。

まとめ

サーバーエンジニアが資格を取得することで、上流工程で働けるチャンスや、さらなる年収アップの可能性が高まります。また、サーバーエンジニアに関する資格は多いため、自身のキャリアプランに応じて、幅広い学習機会が期待できるでしょう。

一方で、ただ単に勉強を進めていくのではなく、効率的な学習が重要です。計画表を作ってスケジュール通りに勉強すること、自分が勉強しやすい環境を整えることなど、学習効果を高められるようにしましょう。

本記事を確認して、サーバーエンジニアとしてのスキルアップに役立ててみてください。

エンジニアのための
良質な案件を獲得しよう。

詳しくはこちら

関連記事

30秒で登録。
エンジニアのための
良質な案件を獲得しよう。

応募する