フリーランスはデメリットばかりで後悔?カバーする方法や成功するコツを紹介
2022.10.03 更新
近年、フレキシブルな働き方が浸透する中で、フリーランスが注目されるようになりました。しかし、フリーランスと聞くと、メリットがある一方で、克服しにくいデメリットも多くあると思われている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、フリーランスにはデメリットも存在しますが、対策をとることでカバーすることも可能です。
そこで本記事では、フリーランスになるメリット・デメリットについて、以下の項目ごとに詳しく解説します。
- 収入編
- 仕事編
- 生活編
今後フリーランスへの道を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
フリーランスのデメリットは対策をすればカバーできる
フリーランスは、自由度の高い働き方や、実力・経験次第で高収入を狙えることがメリットです。しかし、フリーランスになりたての頃は収入が安定しにくく、また会社員ほど福利厚生サービスも整っていないため、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、フリーランスにはデメリットもありますが、しっかりと対策を講じることで改善できます。
まずは、フリーランスにどのようなデメリットがあるのかを、収入・仕事・生活別にご紹介するので、一つひとつ確認していきましょう。
【収入編】フリーランスのデメリット
フリーランスには多くのメリットがある一方、収入が不安定になったり会社からの補助がなくなるなど、お金に関するデメリットもあります。
ここからは、フリーランスのお金に関するデメリットについて見ていきましょう。
- 節税対策を行わないと会社員に比べて税金や保険料が高くなる
- 福利厚生がない
- 会社員に比べて将来もらえる年金が少なくなる
- 毎月の収入が不安定になる可能性がある
1.節税対策を行わないと会社員に比べて税金や保険料が高くなる
フリーランスのお金に関するデメリットの1つ目は、節税対策をおこなわなければ会社員に比べて税金や保険料が高くなることです。
たとえば所得税や住民税、保険料は所得により支払う金額が決定し、経費を上手に使うなどの節税対策を講じなければ金額が高くなってしまう可能性があります。
支払うべき税金の種類も、会社員と比較するとフリーランスのほうが多くなります。また、会社員は保険料を会社と折半して半額の負担でよかったものの、フリーランスは全額自分で負担しなければなりません。
会社員は毎月の給料から税金や保険料、年金などが天引きされて手取りが支払われますが、フリーランスは報酬を全額受け取った後に確定申告を経てまとめて税金を支払う必要があります。そのため、報酬額がそのまま手取りにならないことに注意が必要です。
本業に関する知識やスキルの情報収集も重要ですが、税金まわりの知識なども身につけるようにしましょう。自分で税務をおこなうのが不安な方は、税理士に依頼することをおすすめします。
2.福利厚生がない
フリーランスのお金に関するデメリット2つ目は、福利厚生がないことです。
会社員であれば福利厚生として会社からさまざまなサポートを受けられます。
たとえば、下記の手当やサポートなどがあるでしょう。
- 育児休暇
- 有給休暇
- 家賃補助
- 雇用保険
- 介護保険
- 労災保険
フリーランスになれば、自分のライフスタイルや都合次第で休みを自由に設定できますが、休めば休むほど収入は低くなってしまいます。
またフリーランスの場合、雇用保険や介護保険、労災保険など万が一に備えた保険もありません。会社員は健康保険ですが、フリーランスになると国民健康保険に切り替わり、傷病手当や出産手当などの保障がつかなくなるのも、デメリットの一つです。
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フリーランスも福利厚生サービスを活用できる!おすすめのサービスと選び方
3.会社員に比べて将来もらえる年金が少なくなる
フリーランスのお金に関するデメリットの3つ目は、会社員に比べて将来得られる年金が少なくなることです。
年金制度は国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建てになっていますが、会社員からフリーランスになると、厚生年金から国民年金のみに切り替わります。
つまりフリーランスは、年金の支払い額が会社員より減る分、将来もらえる年金も減ってしまいます。
また、会社員時代は年金額を会社が半分負担してくれますが、フリーランスになったら全額負担しなければなりません。国民年金は月々16,520円(令和5年度現在)です。
さらにフリーランスは、会社員と異なり退職金がもらえない点も、お金の面でのデメリットといえるでしょう。
参考サイト:国民年金保険料|日本年金機構
参考サイト:日本の公的年金は「2階建て」 | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省
4.毎月の収入が不安定になる可能性がある
フリーランスのお金に関するデメリット4つ目は、毎月の収入が不安定になる可能性があることです。
会社員の場合は毎月決まった収入を得られますが、フリーランスは案件ごとに収入を得るため、毎月の収入が大きく異なることがあります。先月は60万円の収入が得られたものの、今月は収入が40万円に下がるというケースもあるでしょう。
また、体調を崩して仕事ができなければ収入がなくなることも、不安材料の一つです。生活リズムを整え体調管理を徹底すると共に、常にスキルアップし、案件を獲得し続けることが重要です。
【仕事編】フリーランスのデメリット
フリーランスは、案件獲得や事務、税務など本業以外のこともすべて、自分でおこなわなければなりません。
ここからは、フリーランスの仕事におけるデメリットについて詳しく解説します。
- 相談相手がおらず自分だけで解決をする必要がある
- 能動的にキャリアアップをしないと市場価値が下がる
- 自分で案件獲得の営業を行わなければならない
- 仕事以外の時間で事務や税務をやる必要がある
1.相談相手がおらず自分だけで解決をする必要がある
フリーランスとして働く場合、同僚や上司などの相談相手がおらず、問題が発生した際には自分だけで解決する必要があります。
仕事の内容や進め方、トラブルへの対応などにおいて疑問を解消しにくくなるのも、フリーランスのデメリットの1つです。
また、1人で仕事をするので、孤独を感じる方もいるでしょう。クライアントとの連絡がメールやチャットを主としている場合、1日誰とも話さずに終わることもあります。
相談相手が欲しい方や孤独が嫌な方は、SNSや交流会などを通して積極的に同業の仲間を探すのがおすすめです。
2.能動的にキャリアアップをしないと市場価値が下がる
フリーランスは、能動的にキャリアアップをしないと、市場価値が下がっていきます。
会社員であれば研修や教育制度などが整っており、また上司や先輩から仕事の仕方を教えてもらえる機会が豊富にあります。
一方でフリーランスの場合は、自らスキルアップや情報収集などをおこなわなければなりません。とくにシステムエンジニアなどのIT業界はトレンドの移り変わりや技術の進歩が速く、ついていけなければ市場価値が下がってしまいます。
また、スキルや知識は、フリーランスの案件獲得や年収に大きな影響を与える要因です。日頃から情報収集を心がけ、キャリアアップし続ける必要があります。
3.自分で案件獲得の営業を行わなければならない
フリーランスである以上、自分で営業をおこない案件を獲得しなければ収入が得られません。
エンジニアで営業経験がない方にとっては大変なことであり、なかなか案件を獲得できないケースも多いです。また、営業活動に労力を取られ、本業のスキルアップや案件をこなす時間が費やせなくなる場合もあります。
最近は、フリーランス向けに案件を紹介してくれるエージェントやクラウドソーシングサイトも充実しているため、上手に活用するのがおすすめです。また、知り合いから案件を紹介してもらえるケースもあるため、セミナーや交流会に参加し人脈づくりをするのもよいでしょう。自己ブランディングのために、TwitterなどのSNSを活用し情報発信するのも有効です。
4.仕事以外の時間で営業や税務をやる必要がある
会社員の場合、営業やエンジニア、経理など職種がわかれており、チームで仕事に取り組むのが一般的です。しかしフリーランスであれば、基本的にすべてを自分1人でおこなう必要があり、営業や事務、税務などの業務も自身でおこなわなければなりません。
会計業務や確定申告では収入や経費の帳簿の作成・手続きなどが求められ、慣れていなければ大きな負担となってしまいます。本業に集中できず、スキルアップや仕事に時間を費やせなくなるケースもあるでしょう。
【生活編】フリーランスのデメリット
フリーランスは、日常生活でもデメリットを感じる場面があります。
一般的な会社員と異なり、信用が得られにくいことや、健康面を含めてすべて自分で管理しなければならない点などは、デメリットです。
収入・仕事以外の部分で、フリーランスにどのようなデメリットが生じる可能性があるのかをご紹介します。
- クレジットカードや賃貸の審査に通りにくくなる
- 保育園の選考が通りにくくなる
- 健康診断の義務がなくなり体調管理をしにくくなる
- すべてを自己管理しなければならない
1.クレジットカードや賃貸の審査に通りにくくなる
フリーランスは収入が不安定であり、社会的な信用が低くなるため、会社員と比べてクレジットカードや賃貸などの審査が通りにくくなる傾向があります。
実際にRelanceの調査では、フリーランスのデメリットとして、「社会的信用が低いこと」が最も多く挙げられています。
前述のとおりフリーランスは案件ごとに収入を得るため、毎月一定の給与が得られる会社員と比べ収入が不安定になりがちです。
クレジットカード会社や不動産業者は、支払能力について審査をします。審査をおこなう際にフリーランスであれば、支払能力に疑念を持たれるケースも少なくありません。
また、本当に事業をおこなっているか、具体的にどのような事業をおこなっているかなど事業の透明性が担保されにくい点も、審査が通りにくくなる1つの要因です。人によっては「フリーランスは、会社で働くのが向いていない人がなるもの」という悪いイメージを持つ方もいます。
そのため、フリーランスになる前に、クレジットカードを作ったり賃貸契約をしたりするのがよいでしょう。
2.保育園の選考が通りにくくなる
フリーランスの場合、保育園の選考が通りにくくなる可能性もあります。共働き世帯の増加や保育士不足などの問題があり、保育園を利用したくとも利用できないケースが存在するのです。「待機児童問題」という言葉を耳にしたこともあるでしょう。
最近は保育園への入園選考があり、両親が共に会社勤務で自宅にいないために子どもを通わせる必要がある方が優先されます。フリーランスは自宅が職場となることが多く自由に働けるケースも多いため、入園の優先度が下がってしまい、保育園に子どもを通わせたいと思っても入園できない可能性があります。
子どもを保育園に通わせる必要があるのなら、事前に近隣の入園倍率を確認したり、子どもを預けられる施設を探したりするのがおすすめです。
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3.健康診断の義務がなくなり体調管理をしにくくなる
フリーランスは、定期的な健康診断が義務づけられていないため、病気や不調の早期発見ができず、リスクが見過ごされてしまう可能性もあるでしょう。
会社員の場合は、労働安全衛生法により、事業者は労働者に対し年1回の健康診断を受けさせる義務があります。
しかし、フリーランスの場合は健康診断を受ける義務がなく、気付かぬうちに健康が侵され、急病を患うケースも珍しくありません。
またフリーランスは、働き方が自由であるがゆえに、生活リズムが乱れやすい特徴もあります。納品の期限が近づくと徹夜が続いたり、プライベートと仕事とのバランスが崩れ休息を取れなかったりする可能性もあるでしょう。
毎日のスケジュールを管理をすることで、生活リズムを整えるのがおすすめです。
参考サイト:健康診断を実施しましょう|厚生労働省
自分の実力が報酬に反映され年収が高まる点は、大きなやりがいを感じる1つのポイントです。
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フリーランスは健康診断を受けるべき?受けるメリットや費用目安を解説
4.すべてを自己管理しなければならない
これまで解説してきたとおり、フリーランスはあらゆることを自分ですべて管理しなければなりません。会社員であれば、収入や仕事のことは会社という組織がコントロールしてくれますが、フリーランスは生活面を含めて自己管理が求められます。
とくに、フリーランスは、生活上での時間配分にも注意しなければなりません。働きすぎるとワークライフバランスが崩れやすくなる一方で、働いている時間が少なすぎると収入に影響を及ぼしてしまいます。必要な毎月の収入を逆算しながら、どれくらいの時間を労働に費やし、どれくらい自由な時間をつくるか、しっかりと計画を立てましょう。
収入編|フリーランスのデメリットをカバーする方法
フリーランスは、収入面でもデメリットを抱えやすいです。
案件を獲得できたとしても、急にプロジェクトが中止になることもあり、収入が安定しにくい点は大きなデメリットといえるでしょう。
では、どのようにして収入面でのデメリットをカバーすればよいのでしょうか。
以下4つの対策方法を解説していきます。
- エージェントを活用して収入の安定した案件を獲得する
- 節税対策には会計ソフトや事業用クレジットカードを活用する
- 各種制度を活用したり貯蓄をしたりするなどして備える
- フリーランスでも加入できる福利厚生サービスを活用する
1.エージェントを活用して収入の安定した案件を獲得する
1つ目の対策方法として挙げられるのは、収入が安定しやすい案件を獲得するために、エージェントを活用することです。
収入が不安定になりやすいというデメリットを抱えるフリーランスですが、高単価の案件が見つかれば、一気に収入を上げるチャンスがあります。
そこで、フリーランス専門のエージェントを活用してみてください。
Relanceのようなエージェントでは、フリーランス向けに比較的高単価の案件を掲載しています。安定した案件が見つかりやすくなるほか、もし1つの案件が終了しても、スキルや経験があれば新しい案件を紹介してもらうことも可能です。契約や単価交渉なども代行してくれるため、業務のみに集中できるのも嬉しいポイントといえるでしょう。信頼性の高いエージェントサイトを活用すれば、報酬の未払い対策にもつながります。
参考:Relance
2.節税対策には会計ソフトや事業用クレジットカードを活用する
確定申告などもすべて自分でおこなうフリーランスには、節税対策が求められます。しかし、実は、節税対策自体はそこまで難しいものではありません。
個人事業主やフリーランス向けの会計ソフトを使ったり、事業用のクレジットカードを使ったりすることで、節税対策にも役立ちます。
ただし、節税対策をおこなうにあたっては、日頃からレシートを保管することや、確定申告用に記帳を続ける必要があります。また、しっかりと節税対策をしたい方や、税金の知識に不安がある方は、専門家への相談に加え、記帳自体を税理士に依頼することも検討してみてください。
3.各種制度を活用したり貯蓄をしたりするなどして備える
フリーランスは、会社員の年金制度とシステムが異なるため、将来給付される年金額が少なくなってしまいます。
そこで、基本的には日々の生活における支出を減らし、貯蓄にまわしていくことが大切です。
老後の生活に備えて年金支給額を増やしたい方は、以下の制度も活用してみてください。
- つみたてNISA:2018年1月より開始された新たな少額投資非課税制度
- iDeCO:公的年金とは別に給付を受けられる私的年金制度
- 個人年金保険:契約時に決めた一定の年齢から年金が受け取れる私的保険
- 国民年金基金:自営業やフリーランスの方のための年金額を増やせる年金制度
- 付加年金:老齢基礎年金と合わせて受給できる終身年金
これらは、将来受け取れる金額が増えるだけでなく、現在の節税対策にも一役買ってくれます。
4.フリーランスでも加入できる福利厚生サービスを活用する
福利厚生を充実させたい方は、フリーランスでも加入できるサービスを活用してみてください。会社員ほど手厚い福利厚生サービスを受けることは難しいですが、フリーランス向けにもさまざまなサービスが提供されています。
たとえば、フリーランスエージェントの「Relance」では、キャリア支援や法律相談、コワーキングスペースの使用などの福利厚生サービスを利用できます。ほかにも、フリーランス協会の「ベネフィットプラン」、GMOの「フリーナンス」といったフリーランス向けの福利厚生を活用してみましょう。
参考:Relance
参考:会員向け 優待おすすめサービス|フリーランス協会
参考:FReeNANCe
仕事編|フリーランスのデメリットをカバーする方法
フリーランスの仕事に関するデメリットをカバーする方法をご紹介します。
最近では、多くのクラウドソーシングサイトが展開されており、フリーランスが気軽に案件を探せるようになりました。
しかし、収入を安定させるためにも、ほかのフリーランスとは異なる方法で案件を探してみたり、スキルアップによって市場価値を高めていったりすることが大切です。仕事の部分で不安を抱えないように、デメリットをカバーしていきましょう。
- エージェントを活用して営業はプロにまかせる
- コミュニティに所属して相談できる仲間をつくる
- 常にスキルアップを意識して市場価値を高める
- 各種ツールやサービスを活用して事務作業をする
1つずつ詳細を確認していきましょう。
方法1.エージェントを活用して営業はプロにまかせる
仕事面のデメリットをカバーするためには、フリーランス向けのエージェントを活用しましょう。フリーランス向けのエージェントを活用することで、本来自分でやるべき営業活動をプロにまかせられます。
とくに、営業を自分でやる時間が確保しにくい方や、自分で営業をかけても案件がなかなか取れない方、高収入の案件を獲得する可能性を高めたいという方におすすめです。
また、1つのエージェントだけでは不安な場合は、複数登録することもおすすめです。
それぞれのエージェントを比較しながら、自分に適したサービスを選びましょう。
方法2.コミュニティに所属して相談できる仲間をつくる
フリーランスが集まるコミュニティに所属することも有効です。コミュニティに所属することで、1人では解決しにくい仕事の課題・悩みも、同じ立場であるフリーランスのアドバイスを聞きながら解決につなげられます。
最近ではSNS上でコミュニティを形成しているフリーランスも多く、いつでもどこでも気軽に同業者に相談したり、連絡をとったりすることが可能になりました。
コミュニティを介して、新しい案件を紹介してもらえる可能性があったり、スキルを伸ばす方法などを共有できたりもします。
フリーランス生活は孤独になりやすいため、気分転換としても活用してみましょう。
方法3.常にスキルアップを意識して市場価値を高める
3つ目の対策方法は、常にスキルアップを意識し、フリーランスとしての市場価値を高めることです。フリーランスとして案件を獲得し続けるには、スキルを一定のまま保つのではなく、向上させていく意識が求められます。
たとえば、休日にスキルアップを目的とした勉強会やセミナーに参加してみたり、別の分野に関するスキルを身につけたりするなど、積極的に市場価値を高めていきましょう。
また、スキルアップにあたっては短期的な目標と中長期的な目標を設定し、段階的に成長する計画を立ててみることもおすすめです。
方法4.各種ツールやサービスを活用して事務作業をする
フリーランスの仕事に関するデメリットを克服するためには、さまざまなツールやサービスを活用することも重要です。
外部ツール・サービスを活用することで、業務の効率化を図れます。
具体的には、現在使用している納品書や請求書をテンプレート化し事務作業に充てる時間を削減したり、確定申告に向けて会計ソフトを活用し記帳の手間を最小限に抑えたりすることなどが挙げられます。
ほかにも、案件獲得に向けた営業活動を外部サービスに委託することや、一部業務をアウトソーシングすることも可能です。
ただし、有料サービスを導入する際には、費用対効果の検証も欠かさずおこなうようにしましょう。
費用ばかりがかかり手間は大して変わらない…となると本末転倒です。
生活編|フリーランスのデメリットをカバーする方法
最後に、普段の生活で生じるデメリットをカバーする方法について、解説していきます。
フリーランスは、会社員と比較して社会的な信用性が低く、金融機関や公的機関における審査に苦戦する可能性は否定できません。
福利厚生サービスも限られており、日々の健康には十分に気をつける必要があります。フリーランスが生活を送る中で、どのようにデメリットをカバーしていけばよいのでしょうか。
- 審査が必要な手続きはタイミングに注意する
- 保育園利用時は認可外保育園などの利用も検討する
- 自治体や福利厚生サービスの補助を活用して健康診断を受ける
- スケジュールやタスク管理ツールを活用して自己管理をする
上記の対策について、1つずつ見ていきましょう。
方法1.審査が必要な手続きはタイミングに注意する
フリーランスは収入が不安定であるため、一般的に金融機関・公的機関での審査に通過しにくいとされています。そこで、会社員時代に審査が必要な各種手続きをおこなうか、フリーランスになってから2〜3年経過してから手続きをおこなうようにしましょう。
会社員時代に手続きをおこなっておけば、企業への信頼性から、各種審査に通りやすくなります。
また、ある程度フリーランスの活動を積み重ねた後ならば、一定の信頼があると見なされるかもしれません。
さらに、フリーランスになってからも、審査に向けての対策を講じましょう。具体的には、開業届や収入証明書など必要な書類を用意することや、賃貸を探している際にはフリーランスに特化した業者を選定するなど、有利に手続きをおこなえるようにすることがおすすめです。
方法2.保育園利用時は認可外保育園などの利用も検討する
子どもを保育園に入園させたい場合には、認可外の保育園を利用することも検討しましょう。認可保育園は点数制で入園審査を設けている一方、認可外の保育園では点数制がなく、フリーランスでも利用しやすいのがメリットです。
また、民間のベビーシッターを活用することもおすすめです。ただし、認可外の保育園やベビーシッターは費用が高額になりやすいため、資金面の計画を立てましょう。
フリーランスになってからでも、認可保育園への入園対策を講じることは可能です。たとえば、保育実績や就業実績をつくることや、開業届や収入証明書といった必要書類を用意しておくことも重要です。子どもを保育園に預けるタイミングで慌ててしまわないように、早めに対策をしておきましょう。
方法3.自治体や福利厚生サービスの補助を活用して健康診断を受ける
フリーランスは、仕事やお金の部分だけでなく、健康面にも注意しなければなりません。
会社を退職すると国民健康保険に加入することになり、フリーランスでも国保の検診を受けることが可能です。また、自治体によって異なりますが、一定条件を満たすことで人間ドッグにかかる費用を補助してくれるところもあります。しかし、会社員のように手厚い福利厚生は用意されていません。また、体調を崩し仕事が途切れてしまえば、その間の収入も途絶えてしまいます。
そのため、会社員以上に体調管理への意識が大切です。
健康により気をつけたいという方は、別途フリーランス向けの福利厚生サービスにも加入をおすすめします。会社員ほどの福利厚生サービスは揃っていませんが、さまざまなサービスを活用可能です。
方法4.スケジュールやタスク管理ツールを活用して自己管理をする
4つ目の対策方法として挙げられるのは、スケジュールやタスク管理を活用することです。先述したように、フリーランスは自由な働き方を実現しやすい一方、会社員のように誰も管理をしてくれないため、自己管理を徹底しなければなりません。これは体調面だけでなく、スケジュール面でも同様です。
たとえば、複数の案件を同時進行している方は、Googleカレンダーやトレロ、notionといったスケジュール管理ツールを活用してみてください。また、コワーキングスペースを利用したり、フリーランスのコミュニティに参加してみたりするなどし、モチベーションの向上や気分転換もおこなうようにしましょう。
フリーランスに向いている人の特徴
フリーランスには向き・不向きがあり、必ずしも全員が成功するとは限りません。では、どのような人がフリーランスに向いているのでしょうか。
メンタル・行動・スキル・モチベーションの4つのカテゴリ別に、フリーランスに向いている人の特徴を挙げていきます。
メンタル編|責任感があり前向きに取り組める
まずは、メンタル編です。
フリーランスに向いている人の特徴として、責任感が強く、前向きに取り組めるような人が挙げられます。というのも、フリーランスは個人での活動であるため、良い結果も悪い結果もすべて1人で受けとめなければなりません。
同時に、フリーランスには、仕事と休暇のオン・オフを切り替えられるメンタルも求められます。たとえ失敗してしまっても、常に前向きに取り組めるような姿勢を維持できる人が、フリーランスに向いているといえるでしょう。
行動編|自己管理ができ継続的に頑張れる
行動編においては、自己管理を継続的におこなえる人がフリーランスに向いています。フリーランスは、収入・仕事・生活と、あらゆる場面で自己管理能力が求められるものです。
また、スキルを伸ばしたり、地道に案件をこなしていったりするような、コツコツと努力する姿勢も必要とされます。最終的な判断も自分自身で下さなくてはならないので、自主性がなければ、フリーランスとして活躍することは難しくなるでしょう。
スキル編|資格や仕事で通用するスキルがある
フリーランスとしての市場価値を高めるためには、専門性の高い資格や、高レベルのスキルが求められます。
加えて、一定レベルのスキルを保つのではなく、スキルを伸ばしていく姿勢も必要です。多くの競合がいる中で、不足しているスキルに対して自己研鑽ができる人、スキルを磨き続けられる人がフリーランスに向いています。
モチベーション編|成果がモチベーションになる
最後に、モチベーション編です。フリーランスは結果がすべてであり、成果がモチベーションに直結する人が向いています。
成果がモチベーションにつながる人であれば、自分の頑張りが収入に反映され、努力を継続しやすいことがその理由です。常に、成果に対して高いモチベーションを維持することで、高収入が期待できます。
成果がモチベーションにつながり、モチベーションが成果を生み出す好循環を生み出せる人ならば、フリーランスとして継続的に活動していけるでしょう。
フリーランスに転身するなら退職前にやっておくべきこと
会社員時代に準備をしっかりとおこなうことで、フリーランスに転身したあともデメリットが生じるリスクを抑えやすくなります。
では、会社を退職する前には、具体的にどのようなことをやっておくべきなのでしょうか。
1.貯金をしておく
会社を退職する前には、貯金をしておきましょう。フリーランスとして独立したあとは、すぐに案件が決まるとも限りません。そのため、生活費に余裕を持たせておくと、安心してフリーランスとしてのスタートをきれます。
フリーランス向けの給付金や補助金もありますが、会社員のように休業補償もないため、ある程度は備えておく必要があります。会社員時代から地道に貯金をし、お金に困らないような状態にしておきましょう。
2.引っ越しやクレジットカード作成が必要な場合は済ませておく
引っ越しやクレジットカードの作成が必要であれば、会社員時代に済ませておきましょう。一般的にフリーランスは社会的な信用を得にくく、金融機関での審査に苦戦することが予想されます。
一方、会社員の場合は組織に属していることで社会的信用を得られるため、クレジットカードもつくりやすいです。
クレジットカードだけでなく、住宅・車のローンを組む予定がある場合は、会社を退職する前におこなうことをおすすめします。
3.利用できる制度や給付の条件を確認しておく
フリーランスに転身したあとのことを想定し、利用可能な制度や給付の条件について確認しておきましょう。通常、フリーランスになると国民健康保険に加入することになりますが、会社員時代に加入していた社会保険に任意継続という形で利用できる場合もあります。
また、フリーランスとして開業することが決まっている場合、失業給付や再就職手当を受け取りたい方は、開業届を提出するタイミングに注意が必要です。フリーランスとして申請可能な給付金・補助金を調べ、使える制度があれば活用しましょう。
4.営業活動を含め開業準備を進めておく
営業活動を含めてフリーランスの開業準備も、会社員時代から少しずつ進めておくと安心です。フリーランスに転身したあと、速やかに開業届・青色申告などの申請手続きをおこなえるよう、準備しましょう。
フリーランスとして案件を探すためにも、会社員時代からコツコツと営業活動を始めることも大切です。たとえば、個人用の名刺作成、フリーランスエージェントへの登録、独立予定であることを取引先に伝えるなど、本業に支障が出ない範囲で進めておきましょう。
まとめ
フリーランスとして独立する方は、デメリットに十分に注意しなければなりません。
収入・仕事・生活といったシーンで、どのようなデメリットが生じる可能性があるのかを把握し、対策を講じていきましょう。
フリーランスで成功するためには、向いている人・向いていない人の特徴や、成功に向けたコツを押さえることも大切です。
フリーランス転身後を想定して、会社員時代から準備を徹底しましょう。
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