アジャイル開発のスクラムの流れは？スクラム開発のメリットや案件探しのポイントも解説！

「アジャイル開発のスクラムの流れとは」

「スクラム開発にはどのようなメリットがあるのか」

アジャイル開発のスクラムについて上記のように疑問を持つ方は多いでしょう。

アジャイル開発のスクラムは、エンジニアの開発現場で広く採用されている手法です。スクラムを活用すれば、開発チームが迅速に反応し、柔軟性のある方法でプロジェクトを管理できます。

今回の記事では、アジャイル開発のスクラムの流れやメリット、辛いと感じる部分などについて解説していきます。アジャイル開発のスクラムに興味を持っている方や、プロジェクトの進行管理に役立てたい方は必見です。

アジャイル開発とは

アジャイル開発とは、ソフトウェアの開発において、プロジェクトを小さなタスクに分割し、要件定義・設計・開発・テスト・評価を早いサイクルで繰り返す手法のことです。

従来用いられてきた手法はウォーターフォール型と呼ばれ、一つ一つの開発工程を順次完了させて進めていくやり方でした。一方で、アジャイル開発では、複雑なプロジェクトを進める上での変化に対して、柔軟に適応できることが大きな特徴です。

また、アジャイル開発ではメンバー間のコミュニケーションや協力を重視しており、プロジェクト全体を迅速かつ効果的に進められます。

スクラムはアジャイル開発で人気のフレームワーク

スクラムは、ラグビーのスクラムが名前の由来になっている、アジャイル開発で人気のフレームワークです。シンプルなフレームワークであるため業界の標準的な規格として使用されており、ガイドブックも定められています。

スクラムでは、週単位のレビューを通じてプロジェクトの進行状況をチーム全体で共有し、進捗状況を把握できます。チームのコミュニケーションを活発化し、タスクの進行状況を明確にすることで、プロジェクトをより迅速かつ効率的に進められます。

スクラムはあくまで開発手法の大枠であり、具体的な適用方法は、開発するプロダクトや現場の状況に応じて適用方法を変えていくことが重要です。

また、スクラムは、経験を基に意思決定するべきという経験主義と、ムダを省き顧客価値を最大化するべきというリーン思考の2つが考え方の基盤になっています。

参考：スクラム | 用語解説 | 野村総合研究所(NRI)

スクラム開発の流れ

スクラム開発の主な流れは下記の通りです。

1. 開発対象のリストアップやスプリントバックログを作成する
2. スプリントプランニングミーティングを実施する
3. 開発業務をおこなう
4. デイリースクラムを実施する
5. スプリントレビューを実施する
6. スプリントレトロスペクティブで振り返る

スクラムでは、最初に顧客の要望などを整理し、プロジェクト参加者全体で認識を揃えた後、スプリントを開始していきます。スクラムでは開発チームが一定のタスクを完了するために必要な期間を「スプリント」と呼び、1週間～1ヶ月程度の期間で1回のスプリントを設定します。日々スプリントの状態を全体で把握しながら開発業務を進められるため、質の高いプロダクト開発やメンバー間での良好なコミュニケーションがメリットです。

1．プロダクトバックログを作成する

スクラムでは、まず開発対象となるプロダクトへの要望機を洗い出して優先順位でリストアップした「プロダクトバックログ」を用意します。

プロダクトバックログは顧客やユーザーの価値がまとめられており、PO（プロダクトオーナー）が定義付けをおこないます。ここでのプロダクトバックログは暫定的なものであり、メンバーや顧客、ユーザーからのフィードバックを受けて状況に応じ、更新されます。

2．スプリント計画のミーティングをする

プロダクトバックログを作成したら、スクラムマスター中心に今回のスプリントの計画を立てるためのミーティングをおこないます。ミーティングでは、プロダクトバックログから優先度の高いものを選択し、スプリント期間中に実施するタスクをリストアップし「スプリントバックログ」を作成します。

今回のスプリントでのゴールを定め、仕様やタスクごとの担当者を決定します。タスクは後ほど詳述するデイリースクラムで確認できる粒度に設定することが重要です。なお、スプリントバックログは顧客には共有せず、開発用で使われます。

3．開発業務をおこなう

スプリントバックログが決定したら、実際の開発作業に移ります。開発チームは、ミーティングで決めた計画に基づき、スプリント期間中にそれぞれ担当の機能を開発します。また、スクラムの場合、ミーティングの時点でそれぞれのタスクの詳細が明確になっているため、開発業務を進めやすいです。

4．デイリースクラムを実施する

スクラム開発では、毎日進捗状況や今日の予定、課題などを共有するデイリースクラムを実施します。デイリースクラムで問題や遅れが見つかった場合、その場で改善策を提案し、全員で課題を解決するために議論をすることが重要です。

デイリースクラムを通じてコミュニケーションが活性化するため、開発チーム内での進捗共有や問題の早期解決が可能となり、スプリント期間中の開発作業をより効率的に進められます。

5．スプリントレビューを実施する

スプリントの最終日に成果物のテストと評価をおこなうスプリントレビューを実施します。スプリントレビューでは、開発チームから顧客やステークホルダーに対して、スプリント中に完成した成果物の検証テストをおこない、評価を受けます。

その後、フィードバックを受け取り、次のスプリントに向けたアイデアを収集していきます。スプリントバックログの要件を満たしているか確認できるため、開発やプロダクトの品質に関わる重要な工程です。

6．スプリントの振り返りをする

スプリント終了後にチーム全員で振り返りのミーティングをおこないます。チームは、今回のスプリント中におこなわれたプロセスや作業内容について、課題や改善点について振り返り、全体で共有します。その後、次のスプリントに向けた改善策を議論し、アクションプランを立てていきます。

スクラムの重要な特徴である柔軟な適応性を実践するために、最後の振り返りは重要になります。そのため、チームメンバー全員の参加とオープンな議論がおこなわれることが重要であり、役職や経験年数などにとらわれずに発言できるチームの雰囲気作りが重要です。

スクラム開発のメリットは4つ

スクラム開発のメリットは主に下記4つです。

スクラムは設計からリリースまでの期間が短いため、PDCAを素早く回すと同時に、高品質なプロダクトを生み出せる可能性が高いです。

また、常にプロダクトバックログなどの内容を更新できるため、仕様変更などが合った場合も迅速に対処できます。また、開発チームのメンバーそれぞれが自分の役割を正確に認識しているため、開発業務が効率良く進められるメリットもあります。

PDCAサイクルを高速で回せる

スクラムを活用して開発業務を進める場合、設計からリリースまでの期間が短いため、PDCAサイクルを短期間で回すことが可能です。

また、スクラムでは、短期間のスプリントで開発を進め、スプリント終了時に顧客からフィードバックを貰えます。フィードバックの内容を次のスプリントに反映し、短期間で開発業務を改善できるため、効率良くプロダクト開発を進められます。

高品質なプロダクトを生み出せる可能性が高い

スクラムでは、最初に顧客の要望を正確にヒアリングし、開発チームのメンバー全員が仕様を理解しているため、顧客が求める高品質なプロダクトを開発できる可能性が高いです。

スクラムの場合、開発者が自律したチームで開発を進めるため、開発者自身が品質に責任を持って取り組みます。また、スプリントの期間でテストや検証を実施し、継続的にフィードバックを得ているため、プロダクトの品質を高めやすいです。

仕様変更に強い

アジャイル開発のスクラムのメリットとして、仕様変更に対して柔軟に対応できる点が挙げられます。スクラムでは、開発チームがスプリントという短い周期でプロダクトの機能をリリースしていくため、仕様変更にも迅速かつ柔軟に対応が可能です。

さらに、開発チーム、プロダクトオーナー、ステークホルダーとの密なコミュニケーションにより、仕様変更が起こった場合でも迅速に対応できます。そのため、開発途中での仕様変更によるコスト増大を抑えることができ、効率的に開発を進められます。

役割が明確になる

スクラム開発では、プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発チームという3つの役割によって、プロジェクトが円滑に進行しやすいです。

プロダクトオーナーは、開発するプロダクトのビジョンや要件を管理し、開発チームとステークホルダーとの橋渡し役を担います。スクラムマスターとは、プロジェクトの進捗状況や問題点を把握し、開発チームをサポートしてプロジェクトのスピードを加速させる役割です。開発チームは、プロダクトの開発に専念し、機能の開発や品質管理をおこないます。

開発に携わる人々の役割が明確になっているため、プロジェクトの進行状況を把握しやすくなり、効率的な開発が期待できます。

スクラム開発を辛いと感じる人もいる

アジャイル開発のスクラムフレームワークは、PDCAサイクルを回し、高品質のプロダクトを生み出すことができるメリットがあります。しかし、スクラム開発は手法の枠組みであるため、適用の仕方がさまざまであり、人によって認識が異なる可能性もあります。

また、スクラム開発を経験したエンジニアの数が少ないと、分からない点があった際に質問しにくく、仕事が辛いと感じることもあるでしょう。さらに、スクラムマスターやプロダクトオーナーなどの役割が明確に定義されているため、プレッシャーを感じやすいです。

一方で、スクラム開発に参加すれば、チームワークや自己改善力を身に付けられ、自身のエンジニアとしての市場価値を高められます。辛いと感じる部分もありますが、スクラム開発に慣れておけば、今後も需要のあるアジャイル開発の現場に参画できるようになります。そのため、スクラム開発の仕事に積極的に挑戦するのがおすすめです。

スクラム開発の案件探しにはエージェントサービスがおすすめ

アジャイル開発のスクラムを用いた開発案件を探す場合、エージェントサービスの活用がおすすめです。

エージェントサービスは、案件紹介や開発者のスキルマッチングなどをおこなっており、多数の案件情報を提供しています。スクラム開発は、プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発者の3つの役割に分かれています。エージェントサービスであれば、自分の経験やスキルに合わせた役割に関するスクラム開発の仕事を探せるため、初めてスクラム開発に挑戦する方には特におすすめです。

Relanceであれば高単価案件が多く、契約継続率も高いため、安心してスクラム開発の案件探しを進められます。

まとめ

今回の記事では、アジャイル開発のスクラムの流れやメリット、辛いと感じる部分などについて解説してきました。

スクラムは、アジャイル開発の中でも最も人気なフレームワークの一つです。スプリントという短期間の開発サイクルを繰り返し、PDCAサイクルを高速で回して高品質なプロダクトを生み出すことが可能です。また、仕様変更に強く、顧客ニーズに合わせた柔軟な開発も可能になるため、ビジネス環境の変化にも迅速に対応できるメリットがあります。

スクラム開発の案件探しには、報酬などが自分の希望条件に合った案件を紹介してもらえる可能性が高いエージェントサービスの活用がおすすめです。高単価案件を多く取り扱っており、契約継続率の高さを誇るRelanceであればエンジニアの大きな助けとなり、初めてスクラム開発の案件探しをおこなう方でも安心して利用できます。まずはお気軽にご相談ください。