フロントエンドエンジニアにもポートフォリオは必要!その理由から作成時のポイント・注意点まで徹底解説

「フリーランスフロントエンドエンジニアの案件獲得にはポートフォリオが有効と聞いたが、どのような内容にすればよいのかわからない」といった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

ポートフォリオは案件獲得に役立つ重要なツールです。一方で適切な内容や構成でなければ、受注の機会を数多く逃してしまう可能性があります。

本記事では、ポートフォリオの基礎知識から、盛り込むべき内容、作成手順まで詳しく解説します。ぜひ最後までお読みください。

目次

ポートフォリオとは自身のスキルや実績をまとめた資料のこと

ポートフォリオとは、自身のスキルや実績を集約した資料であり、いわば「作品集」です。

転職や副業などの採用活動において、自身の制作実績やスキル、こだわりを採用担当者に対して効果的に伝える役割を持ちます。

フロントエンドエンジニアの場合、ポートフォリオはWebサイトの形で制作されることが一般的です。自身の強みを最大限にアピールできるよう、ポートフォリオの内容や構成を工夫することが求められます。

フロントエンドエンジニアにもポートフォリオが必要な理由

フロントエンジニアがポートフォリオを作成すべき理由としては、以下の2つが挙げられます。

  • 自身のスキルを目に見える形で証明できるから
  • スキル以外の強みも伝えやすくなるから

それぞれの詳細について見ていきましょう。

自身のスキルを目に見える形で証明できるから

ポートフォリオが必要である理由の1つは、自身の技術力を目に見える形で証明できることです。

習得している言語やフレームワークを、ポートフォリオとなるサイトのデザインや動きで表現することで、技術レベルをわかりやすく伝えられます。

とくに未経験者や業務実績が乏しい場合、自分の制作物がそのまま実績となるため、ポートフォリオの重要性はより一層高まるでしょう。

スキル以外の強みも伝えやすくなるから

フロントエンドエンジニアにポートフォリオが必要とされるもう1つの理由は、スキル以外の強みも伝えやすくなることです。

ポートフォリオは、単に技術力を示すだけでなく、制作への姿勢やこだわりを表現する役割も持ちます。

ポートフォリオを通して、自分らしさや人間力に近い部分もアピールすることで、採用担当者は、エンジニアのスキルだけでなく人となりも把握しやすくなります。それによって、技術力が多少足りない場合であっても、「この人に案件を依頼したい」と思ってもらいやすくなるでしょう。

また、同等のスキルを持つエンジニアと差をつける際、有利に働きます。

フロントエンドエンジニアのポートフォリオに必要なページ

ポートフォリオを制作する際は、以下の項目を忘れず盛り込むようにしましょう。

  • 自身のプロフィール
  • プロジェクト・職務経歴
  • 制作実績
  • 使用できる言語やフレームワーク

上記項目を過不足なく記載することで、採用担当者の興味を引きやすくなります。

自身のプロフィール

フロントエンドエンジニアのポートフォリオには、自分のプロフィールを含めることが欠かせません。

氏名や年齢、SNSアカウント、経歴といった基本情報に加え、趣味なども盛り込みましょう。人となりをしっかり伝えることによって、採用担当者に技術力だけでなく、人柄も案件依頼の判断材料としてもらえるでしょう。

また、スキルがあっても、連絡が極端に遅かったり納期が守れなかったりするとプロジェクトに支障をきたしてしまいます。採用担当者はそうしたポイントも確認しているため、連絡が可能な時間帯や納期遵守の姿勢を事前に示すことで、好評価を与えられるでしょう。

プロジェクト・職務経歴

これまでのプロジェクトや職務経歴を紹介するページも、フロントエンドエンジニアのポートフォリオに欠かせないページの1つです。単に職務経歴を羅列するだけでなく、プロジェクトごとの詳細な情報も提供しましょう。自身が携わってきた案件の規模感や内容を、採用担当者に対して効果的かつ正確に伝えられます。

また各プロジェクトにおける役割や責任、そして達成した成果を具体的に示して、自身の専門性の高さや能力をアピールしましょう。

制作実績

フロントエンドエンジニアのポートフォリオにおいて、制作実績を紹介するページも重要な要素です。制作実績ページは、自身の技術力や創造力を示す直接的な証拠といえます。

各制作物の特徴や工夫点を明確に伝えて、内容を充実させるようにしましょう。サイト名やURL、スクリーンショット、制作期間、使用した言語やフレームワークなどの基本情報を提供することは欠かせません。

さらに、自身が担当した部分や制作にあたってのコンセプト、制作後に得られた成果なども添えるのがおすすめです。プロジェクトにおける貢献度や携わり方、実力をより効果的にアピールできます。

使用できる言語やフレームワーク

フロントエンドエンジニアのポートフォリオには、使用できる言語やフレームワークを紹介するページも必要です。自身が習得しているスキルセットを抜け漏れなく記載することで、技術の高さを採用担当者にアピールできます。

企業によって求められるスキルや担当範囲は異なるため、対応可能な言語やフレームワークをすべて記載することも欠かせません。具体的に記載することによって、さまざまなプロジェクトに対応できるエンジニアであることを示せるでしょう。

また、各言語やフレームワークについて、習熟度や実務経験の有無なども記載することで、自身のスキルレベルをより具体的に伝えられます。ある言語やフレームワークが案件を受注できるレベルでないのにもかかわらず「得意」などと書いてしまうと、受注後にトラブルにつながりやすいため注意しましょう。正確なレベル感を記載することが重要です。

フロントエンドエンジニアのポートフォリオの作成フロー

実際に、フロントエンドエンジニアがポートフォリオを作成する際は、以下の手順で実施するとよいでしょう。

  1. 参考にしたいサイトを探す
  2. 構成・デザインを決める
  3. コーディングをおこない公開する

上記の要領で順序立てて作成していくことで、効率的にアピール力の高いポートフォリオを作成しやすくなります。

参考にしたいサイトを探す

フロントエンドエンジニアがポートフォリオを作成する際、本業の業務と並行して一からデザインや構成を考えるのは多大な労力や負担を要します。

効率的に進めるために、まずはベンチマークとなるサイトを探し、デザインや構成、使用言語などを参考にしましょう。

自分に合ったサイトを選び、真似をすることで、ポートフォリオ作成を効率化できます。

構成・デザインを決める

ポートフォリオの構成・デザインを決定する際は、どうすれば自分の魅力を最もアピールできるのか、採用担当者が見た際に評価してもらえそうかを常に意識することが重要です。

自分の制作実績や経験を時系列で並べるのか、スキルセットごとにまとめるのかなど、情報の優先順位や並べ方を検討しましょう。相手にとって見やすく理解しやすい構成を目指すことが定石です。

また、UI/UXの観点からサイトの見やすさや導線設計などにも気を配り、ユーザーが快適に閲覧できるデザインを心がけることも必要不可欠といえるでしょう。

コーディングをおこない公開する

ポートフォリオの構成・デザインを決めたら、実際にコーディングを実施して公開しましょう。

ポートフォリオのコーディングにおいては、正確性やコードの可読性が重要です。たとえば、HTML・CSSのセマンティックな記述や、JavaScriptのベストプラクティスに沿ったコーディングを心がけるなど、ほかの開発者が見てもわかりやすいコードを書くように心がけましょう。

公開前には、複数のブラウザやデバイスでレイアウトや動作をチェックし、表示崩れやエラーがないかを確認することも大切です。加えて、文章の校正や画像サイズの最適化など、細部に至るまで入念なチェックをおこないましょう。完成度の高いポートフォリオを公開することが重要です。

フロントエンドエンジニアがポートフォリオを作成する際のポイント

採用担当者の興味を引くうえでは、以下のポイントを意識することも大切です。

  • GitHubのアカウントがあれば載せる
  • 使用可能なバックエンド言語があれば載せる
  • 自分のアピールポイントが伝わるように制作する

それぞれの詳細を見ていきましょう。

GitHubのアカウントがあれば載せる

フロントエンドエンジニアとしてポートフォリオを作成する際は、GitHubのアカウントを共有することが1つのポイントです。

GitHubとは、ネット上に自分のコードを公開できるプラットフォームのことです。ポートフォリオにGitHubアカウントを載せることで、採用担当者はエンジニアのコーディングスタイルやプロジェクトへの取り組み方を直接確認でき、スキルや経験を判断できます。

採用担当者に自分のスキルを、ストレスなく簡単に、また確実に把握してもらえるよう意識しましょう。それによって途中で離脱されるリスクが減り、依頼してもらいやすくなります。

使用可能なバックエンド言語があれば載せる

使用可能なバックエンド言語がある場合には、ポートフォリオにも積極的に載せるようにしましょう。

フロントエンドエンジニアがバックエンド言語のスキルを持っていると、フルスタックエンジニア(複数の技術分野の技術・知識に精通しているエンジニア)としての実力を示せます。大きなアピールポイントとなるでしょう。とくにPHPやRubyなどの人気の高い言語を習得している場合は、企業に重宝されるはずです。

そのため、ポートフォリオにはバックエンド言語のスキルも明記し、具体的な実績や経験を示しましょう。

自分のアピールポイントが伝わるように制作する

自分の強みが明確に伝わるよう、ポートフォリオの構成や文章表現を工夫し、読み手に強いインパクトを与えられるようにすることも大切です。

そもそもポートフォリオの目的は、自身の強みを採用担当者にアピールすることです。そのためには単に制作物を羅列するだけでなく、各プロジェクトにおける自分の役割や貢献、直面した課題とその解決方法などを具体的に示す必要があります。それによって、エンジニアとしての能力の高さや経験の深さをアピールできるでしょう。

また、制作物のコンセプトや狙いを明確に伝え、それをどのようにデザインやコーディングに反映させたのかを説明することも欠かせません。なぜなら、自身のこだわりや制作への姿勢を感じ取ってもらえるため、印象に残りやすくなるからです。

フロントエンドエンジニアがポートフォリオを作成する際の注意点

ポートフォリオを作成する際は、以下の点にも注意しましょう。

  • 作成したポートフォリオが正しく表示されるか確認する
  • レスポンシブ対応は必ずおこなう
  • ユーザビリティにも十分な配慮をする

ポートフォリオは採用担当者に読んでもらうことが重要であるため、問題なく閲覧できたり、ページが読みやすくなっていたりすることは、最も大切な要素です。それぞれの詳細について解説します。

作成したポートフォリオが正しく表示されるか確認する

フロントエンドエンジニアがポートフォリオを作成する際は、作成したポートフォリオが意図したとおりに正しく表示されるかを確認する必要があります。

コーディングの間違いやデザインの不具合により、レイアウトの崩れやリンク切れ、画像の表示問題などが発生すると、せっかくの制作物の魅力が半減してしまいます。また、エンジニアとしての能力を疑われかねません。

そのため、ポートフォリオ作成後は、さまざまな環境で表示確認をおこなうことが不可欠です。具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • 複数のブラウザやデバイスでの動作チェック
  • レスポンシブデザインが正しく機能しているか
  • コンテンツが読みやすいか

フロントエンドエンジニアにとって、ポートフォリオは自分の技術力とデザインセンスをアピールできる貴重なツールです。作成したポートフォリオが正しく表示されるかを入念に確認してください。

レスポンシブ対応は必ずおこなう

ポートフォリオを作成する際、レスポンシブ対応は必須です。PCとスマートフォンの両方で最適化されたデザインになるよう設計しましょう。

一方の画面サイズにのみ合わせると、もう一方では画像やテーブルのレイアウトが崩れてしまう恐れがあります。デバイスに応じた柔軟なデザイン調整により、どの環境でも快適に閲覧してもらえるポートフォリオを作成できるでしょう。

ユーザビリティにも十分な配慮をする

ポートフォリオ制作においては、ユーザビリティにも十分な配慮が必要です。

デザインの視認性や導線、表示速度、反応速度など、訪問者にストレスを与えない工夫は欠かせません。情報が見やすく整理され、目的のページにスムーズに辿り着けるよう、各種設計に気を配りましょう。

ユーザーの立場に立って使いやすさを追求することで、エンジニアとしての実力をより効果的にアピールできるはずです。

参考にできるフロントエンドエンジニアのポートフォリオの実例

フロントエンドエンジニアが実際に制作したポートフォリオを、3つご紹介します。

  • Takumi Hasegawa
  • Yuta Takahashi
  • Hoda’s Portfolio

ポートフォリオの具体的なイメージを掴むうえで参考にしてください。

参考:Takumi Hasegawa

Takumi Hasegawa氏のポートフォリオは、画面に表示される情報量が厳選されており、全体的にシンプルな構成となっています。そのため、見やすく、ストレスを感じにくいデザインになっています。

それでいて、多彩で動きのあるアニメーションが搭載されており、見た人の好奇心をくすぐるサイトといえるでしょう。

このような魅力的なポートフォリオは、案件獲得の場で他者に大きな差をつけられます。

参考:Sho Yamane

Sho Yamane氏のポートフォリオは、白と黒をベースとした、コントラストのあるサイトとなっています。

軽快なアニメーションも組み込まれており、シンプルでありながらも印象的なポートフォリオに仕上がっています。また、自身の強みや沿革などが詳細に記されており、人柄やエンジニアとしてのスキルを把握しやすい構成になっていることも特徴的です。

参考:Hoda’s Portfolio

Hoda’s Portfolio氏の構成は、シンプルでオーソドックスですが、随所にユニークさも感じられるポートフォリオとなっています。

また、メニューをクリックせずとも、ページをスクロールするだけで作品集や自己紹介文を閲覧できるなど、ユーザビリティに優れたポートフォリオになっている点も特徴的です。

フロントエンドエンジニアのポートフォリオを見た担当者が気になること

採用担当者がフロントエンジニアを確認する際は、以下のポイントに注意することが多いです。

  • ポートフォリオのコンセプト
  • 制作期間

それぞれどのような点に気をつければよいか、具体的に解説します。

ポートフォリオのコンセプト

ポートフォリオを作成する際は、自身のスキルや強みを最大限にアピールできるコンセプトを設定することが重要です。単に見栄えのよいデザインにするだけでなく、なぜそのような構成やレイアウトを選んだのか、どのような思想や狙いがあるのかを明確化しましょう。

たとえば、「シンプルでユーザーフレンドリーなデザインを心がけたサイト」「最新のフレームワークを活用した、トレンディなサイト」といったコンセプトを掲げましょう。それに沿ったサイトデザインにしたり、作品集を掲載したりすることがおすすめです。

決して意図を持たずに制作したサイトとならないよう、気をつけなければなりません。実際に案件に入る場合のデザイナーとの齟齬などが、採用担当者に懸念される可能性があります。

実際の案件では、デザイナーや各種メンバーとの協力は必要不可欠ですが、コンセプトを言語化・具現化できれば、意思疎通をスムーズにしやすい印象を与えられます。そのため、コンセプトを明確に伝えられるポートフォリオを作成しましょう。

制作期間

フロントエンドエンジニアのポートフォリオを評価する際、採用担当者は制作期間もポイントに含めることが多いです。高品質な作品を短期間で仕上げられるスキルを持っているかは、実際の案件においても必要とされます。

そのため、ポートフォリオに掲載する各制作物について、どのくらいの期間を要したのかを明示しましょう。企画・設計からコーディング、テストまで、各工程にかかった時間を記録しておけば、制作期間の懸念を払拭できるはずです。

なお、質とスピードはバランスが大切です。どんなに質がよくてもスピードが遅すぎればマイナスの印象を抱かれる可能性があるため、高品質な開発ができるだけでなく、効率的な開発も進められることを伝えましょう。

制作期間については、ポートフォリオ単体だけでなく、日ごろの案件への取り組み方や技術力もかかわってくる部分です。実案件で、質とスピードのバランスを取りながら制作する力も高めていくことをおすすめします。

まとめ

フロントエンドエンジニアとして案件獲得を目指す際、自身のスキルや実績を証明するポートフォリオの作成は欠かせません。ポートフォリオには、プロフィールやプロジェクト・職務経歴、制作実績、使用可能な言語やフレームワークなどを盛り込みましょう。

作成の際は、まず参考にしたいサイトを探し、構成・デザインを決めてからコーディングをおこないます。GitHubアカウントの掲載や使用可能なバックエンド言語の記載など、意識すべきポイントは多岐にわたりますが、本記事でご紹介した内容を参考にするとよいでしょう。フロントエンドエンジニアとしての案件獲得が容易になるはずです。

ぜひ本記事を参考に、ポートフォリオを作成してみてください。

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