フリーランスが知っておきたい納品書の書き方|注意点やテンプレート・ツール紹介

フリーランスとして活動する上で、納品書を作成する必要があります。納品書は、商品やサービス内容、価格、納期などが明記されており、取引先との信頼関係を築く上でも大切です。

この記事では、フリーランスの方が納品書を作成する際の書き方や注意点、テンプレートなどを紹介していきます。

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フリーランスの取引の流れ

フリーランスの仕事は、自由な働き方が魅力的ですが、一般的な取引の流れを理解しておくと、よりスムーズに仕事をおこなうことができます。仕事を受けてから、取引をおこなうまでの流れは次のようになります。

1.取引先への見積書の送付

クライアントから依頼や問い合わせがあった際には、サービスの内容や期間、費用などを記載した見積書を作成します。見積書を書く際のポイントとして、クライアントとの認識違いによるトラブルを未然に防ぐことが大切になるため、費用やその明細、支払いの条件などを詳細に記載しておきましょう。

2.発注書(注文書)と注文請書が取引先から手元に届く

発注書も注文請書も、どちらも商品やサービスを注文する際に利用される書類ですが、その目的や使われる場面が異なります。

見積書はクライアントがフリーランスに送付する書類であるのに対して、注文請書はフリーランスがクライアントに送付する書類になります。

発注書には、注文内容や数量、価格、納期、支払条件などが記載され、注文請書には、取引日やクライアントの事業者名、フリーランスの事業者名、注文内容などが記載されているのが一般的です。

また、発注書(注文書)と注文請書は両方が揃って、契約内容が承諾され成立されたものとなり、クライアントとフリーランスの間で契約の確定をおこないます。発注書(注文書)と注文請書は、クライアント・フリーランス双方で保管しておくのが一般的です。

3.基本契約書と機密保持契約書を締結する

基本契約書は、フリーランスとクライアントとの間で、取引の基本的な事項を定めた書類です。例えば、業務内容や作業期間、報酬額、支払い条件、権利義務などが記載されます。基本契約書があることで、取引のスムーズな進行や、トラブルの防止に役立ちます。

機密保持契約書は、フリーランスがクライアントから取得した機密情報を保護するための契約書です。

例えば、クライアントが開発しているソフトウェアの仕様書や、顧客情報などが該当します。機密保持契約書には、取扱いに関するルールや、秘密情報の利用範囲や取り扱い方法についての定めが記載されます。

このような契約書があることで、クライアントから受け取った機密情報を漏洩させるリスクを最小限に抑えられます。

基本契約書と機密保持契約書は、フリーランスが取引をおこなう際には締結することが望ましいです。契約書を締結することで、トラブルを未然に防ぎ、取引を円滑に進められます。

また、クライアントから受け取った機密情報を適切に保護することも、フリーランスにとって重要な役割の一つです。

4.検収が終了したらクライアントへ請求書を送る

フリーランスが商品やサービスを提供・納品したら、クライアントに検収をしてもらいます。検収は提供・納品したサービスに不備がないかを確認してもらう作業になります。不備がなかった場合には、支払いのための請求書をフリーランスからクライアントへ送ります。

以上が一般的なフリーランスの取引の流れになります。

参考:個人事業主(フリーランス)の見積書の書き方|Money Forwardクラウド請求書

参考:注文請書とは? 作成時に気をつけたい記載項目とよくある質問への回答|GMO

参考:基本契約書とは?書き方や個別契約書との比較を解説|Money Forwardクラウド契約

参考:秘密保持契約書・NDAとは?雛形や作成方法を弁護士が解説|Money Forwardクラウド契約

フリーランスが作成すべき納品書とは?請求書との違い

ここまでで見積書、発注書(注文書)と注文請書、基本契約書、機密保持契約書、請求書と多くの書類が出てきました。さらにフリーランスが作成すべき書類に納品書があります。ここでは、納品書と請求書の違いについて解説をしていきます。

請求書は、提供・納品したサービスや商品に不備がなく、クライアントが納得した場合に支払いをしてもらうためにフリーランスからクライアントに送付する書類になります。

一方で、納品書とはフリーランスがクライアントに商品などを提供・納品する際に作成する書類になります。納品書は、クライアントに無事に商品が届いたことを伝える役割があります。商品やサービスだけでは、納品されたものが全て揃っているのか、契約内容の差異はないかを確認することができず、クライアントを不安にさせてしまいます。

納品書は必ずしも作成する必要はありませんが、作成しておいた方が丁寧な印象を与えることができるでしょう。

フリーランスの納品書の書き方

では、実際にフリーランスが納品書を作成するにあたってどのように書けばいいのでしょうか。ここからは、フリーランスの納品書の書き方について必要な情報や注意事項などについて解説していきます。

納品書に必要な情報とは?

納品書は商品やサービスを提供したことを伝え、商品の引き渡し・支払いに関わる書類になります。発行は義務ではありませんが、納品書を発行することで、クライアントに安心感を与えられるでしょう。

納品書を発行する際には、次のような情報が必要です。

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・フリーランスとクライアントの名前・住所・連絡先
・納品日
・納品物の詳細(品名、数量、単価など)
・合計金額(税込み、税抜きなど)
・支払い条件(支払い期限、支払い方法など)
・備考欄(クライアントからの指示や、その他特記事項など)

参考:請求書等の記載事項や発行のしかた|国税庁

納品書の書式やレイアウトの作成方法とは?

納品書の書式やレイアウトについては決まった書式がないため、以下のポイントに注意して作成するのが良いでしょう。

用紙はA4サイズで、横書きでの作成が一般的です。文字の大きさは、十分に見やすい大きさに設定することが重要になります。また、箇条書きなどを使うことで、納品物の詳細について一目でわかります。全体的なレイアウトを統一感のあるデザインにすることで、クライアントとの取引における信頼性を高められるでしょう。

参考:【見本付き】納品書の書き方とは?注意点も解説|Pasture

納品書に記載するべき注意事項とは?

納品書を発行する際には、クライアントとの信頼関係にもつながるため、納品書の作成にあたっては、次のような事項に注意することが大切です。

・納品書に記載する日付は納品日を記載する
・連絡先は必ず記載する
・電子データでも可能
・押印は必須ではない

納品書が届いた場合には、保管期間が7年間と税法上で定められています。紙媒体の納品書ではかさばってしまうため、電子データでの納品書送付も可能です。

元々、税務に関する書類は紙での保管が義務付けられていましたが、電子帳簿保存法により、条件を満たした書類は電子データでの保管が可能になりました。

また、不備があった際に連絡が取れるように連絡先を必ず記載しておきましょう。

参考:電子帳簿保存法の概要|国税庁

参考:帳簿書類等の保存期間|国税庁

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フリーランスが個人で納品書を作成する際の注意点とは?

フリーランスになりたての方やこれまでに納品書を書かずに取引をしていた方にとって、納品書の作成についてわからないこともあるでしょう。ここからは、フリーランスが個人で納品書を作成する際の注意点について解説していきます。

納品書の記載漏れ

納品書には最低限、次の5項目は記載しておきましょう。特に取引金額は税込か税抜まで明確にしておき、取引相手に不明点がないように作成することが重要です。金銭に関する事項はトラブルの元になりやすいので注意してください。

・納品書の作成者名
・取引年月日
・取引内容
・取引金額(税込もしくは税抜)
・クライアント名

参考:請求書等の記載事項や発行のしかた|国税庁

納品書の書式やレイアウト

納品書の書式やレイアウトは、取引先によっては指定されている場合があるため、納品書の指定があるかを確認しておきましょう。納品書に指定がある場合には、一般的には指定伝票と呼ばれます。指定伝票がない場合には、フリーランス側で必要事項を全て明記して、作成します。

参考:製造・卸売企業における「納品書」と「指定伝票」を詳しく解説|楽一CASIO

納品書における税金について

2023年10月からインボイス制度が始まります。インボイス制度とは、仕入れ税額控除が受けられる制度です。インボイスというのは、売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税額などを伝えるための手段を指します。一定の事項が記載されている請求書や納品書などです。

仕入れ税額控除を受けるためには、納品書に記載する項目の他に、

・適格請求書発行事業者の氏名や名称、登録番号
・税率ごとに合計した商品の額及び適用税率
・消費税額

の記載が必要になります。

参考:インボイス制度の概要|国税庁

納品書送付のタイミング

納品書は商品やサービス提供時に送付するのが一般的です。納品前に納品書が届いてしまうとクライアントは商品やサービスとの確認をおこなえません。また、納品書に記載する日付は納品日を記載するのが一般的なので、納品書作成日などを記載しないように注意が必要です。

納品書保管の期間

納品書だけではなく、発注書や契約書、領収書などといった帳簿関連書類は、7年間の保存が必要とされています。これまでは紙での保管でしたが、令和4年より電子帳簿での保管も可能になりました。

参考:帳簿書類等の保存期間|国税庁

フリーランスが納品書作成で使えるテンプレートやツール

取引先に指定伝票があれば納品書を作成するのも楽におこなえますが、全ての取引先に指定伝票があるわけではありません。また、納品書を作成するのは1度だけではないため、少しでも楽に作成できた方が、時間を有効に使うことができます。

ここからはフリーランスが納品書作成で使えるテンプレートやツールを紹介していきたいと思います。

納品書テンプレート

まず、納品書テンプレートです。納品書のテンプレートとして、Excelを使ったテンプレートがあります。ビジネステンプレートは無料で使うことができ、インボイス制度にも対応しています。他にも「請求管理ロボ」の「納品書」無料Excelテンプレートもあります。

参考:納品書エクセルテンプレート・サンプル(無料)・作成・書き方|ビジネステンプレート

参考:「請求管理ロボ」の「納品書」無料EXCELテンプレート

納品書作成に使える無料ツール

納品書作成に使える無料ツールには、

・Googleスプレッドシート
・クラウド請求書

などがあります。Googleスプレッドシートでも使うことができる納品書のテンプレートは、HubSpotに用意されているので、Googleスプレッドシートを使って納品書を作成しようと考えている方は、参考にしてみてください。

また、クラウド請求書サービスも豊富で、INVOYZoho Invoiceなどがあります。色々試してみて、自分に一番合ったものを見つけてみてください。

納品書作成に使える有料ツール

有料ツールには、pastureMISOCAがあります。Pastureは1ヶ月25,300円(税込)からになりますが、契約パートナー人数によって料金が変わります。詳細は見積もりに出して、最適なプランを相談する必要があります。

また、MISOCAは作成する納品書の数に制限がありません。また、6通以上作成する場合には有料プランの契約が必要ですが、請求書を作成することもできます。納品書の作成のみであれば、無料で利用することが可能です。

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まとめ

この記事では、フリーランスの方が納品書を作成する際の書き方や注意点、テンプレートなどのツールを紹介しました。クライアントと取引をおこなう際に、トラブルの元になるのが金銭面です。見積書や納品書には金額を税金まで含めて明確にしておく必要があるでしょう。

また、今回登場してきた書類は、クライアントと良好な関係を築くためにも重要な書類になります。ぜひ今回の記事を参考に、クライアントとスムーズな取引を実現してください。

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