フリーランスは健康診断を受けるべき?受けるメリットや費用目安を解説

フリーランスとして働く方にとって、健康管理は重要な問題です。

しかし中には、仕事が忙しいために自身の健康状態が二の次となり、健康診断を長く受診していないという方もいるかもしれません。

心身が不健康になると、将来に不安を抱くようになるだけではなく、実質的に生産性が下がったり、失注リスクや無収入となるリスクが高まります。フリーランスとして長く安定して働くためには、健康診断によって継続的な健康管理をおこなうことが大事です。

この記事では、フリーランスは健康診断を受けるべきなのか、また受けるメリットや具体的な費用の目安について詳しく解説します。

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フリーランスは定期的に健康診断を受けたほうがよい

結論から申し上げると、フリーランスこそ定期的に健康診断を受けたほうがよいでしょう。

健康診断は年齢や職業を問わず重要なものであり、定期的に受けることによって自覚症状のない疾病を早期発見できます。疾患の予防や早期発見ができれば、入院や長期的な治療をおこなう必要がなくなるため、結果的に医療費の削減にもつながるでしょう。

職種によって健康リスクとされるものはさまざまですが、フリーランスエンジニアであれば、同じ体勢を続けることによるエコノミー症候群で、首や腰に不調が出る可能性があります。

在宅勤務が続くことで運動不足になれば、生活習慣病や肥満になるリスクもあるため、注意が必要です。

フリーランスが健康診断を受けるメリット

フリーランスが定期的に健康診断を受けることは、さまざまな点でメリットがあります。

ここでは、フリーランスが健康診断を受けることがどのようなメリットにつながるのか、詳しく見ていきましょう。

健康への不安を解消することで安心して働ける

第1のメリットとして挙げられるのは、健康の不安を解消し、安心して働けるようになることです。

健康診断によって自覚症状のない疾病を早期発見できれば、早期に治療や改善をおこなうことでリスク回避ができ、将来にわたって安心感を持ちながら仕事に従事できます。

もし何らかの健康不安を抱えているのであれば、健康診断をきっかけとし不安な部分を改善することで、結果的に生産性の向上にもつながります。

フリーランスの仕事は、心身共に健康であってこそ成り立つものです。健康診断によって良好な健康状態を確保できれば、より難易度や業務負荷の高い案件にもチャレンジできるでしょう。

失注リスク・無収入になるリスクが減る

第2のメリットとして、失注リスクや無収入となるリスクの軽減が挙げられます。

フリーランスの業務の安定は、健康状態にかかっているといっても過言ではありません。健康状態が悪ければ、収入も安定しない状態が続き、突然の降板となればクライアントにも大きな迷惑をかけてしまいます。

健康状態が悪化することで継続案件を受けられなくなれば、失注によって突然無収入になるリスクにもつながってしまうでしょう。

逆にいえば、健康診断によって良好な健康状態を確保できれば、継続案件も安心して受けられるようになり、結果的に業務の安定にもつながると考えられます。

フリーランスが健康診断で受けたほうがよい検査項目

フリーランスが健康診断を受診する場合、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

ここでは、フリーランスが健康診断で受けたほうがよい検査項目について、詳しく見ていきましょう。

会社員と違って指定項目はない

フリーランスの健康診断は、会社員とは異なり、必ず受けなければならない検査項目や指定項目は原則としてありません。

検査する内容や費用、必要性に応じて自由に検査項目を決められるので、自分でとくに検査が必要と感じるものがあれば、積極的に受診するとよいでしょう。

何らかの自覚症状がある場合には、その症状がカバーできそうな項目を選択します。たとえば、生活習慣病が気になるなら血糖値の検査を、胃がんや食道がんなどの疾患が心配なら胃カメラ検査の受診がおすすめです。お酒が好きで毎日飲んでいるという方は肝臓などの影響を把握する「r-GTP」や腹部超音波の検査を受けてみてはいかがでしょうか。

参考:年齢別!人間ドックで受けた方がいい検査のご紹介|検診・ドック|東京都墨田区両国の湘南メディカル記念病院

厚生労働省の定期健康診断の項目を参考にするとよい

健康診断で受けるべき検査項目に指定がないと選びにくい、決めるのが難しい、という方もいるかもしれません。その場合には、厚生労働省の定期健康診断の項目を参考にするのがおすすめです。

厚生労働省の定期健康診断の項目は、労働安全衛生規則第44条によって定められており、具体的には以下の項目が挙げられています。

  1. 既往歴及び業務歴の調査
  2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
  4. 胸部エックス線検査及び喀痰検査
  5. 血圧の測定
  6. 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
  7. 肝機能検査(GOT、GPT、r-GTP)
  8. 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  9. 血糖検査
  10. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
  11. 心電図検査

上記の中から、自身の健康状態に合わせて組み合わせるのもよいでしょう。

参考:労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~|厚生労働省

フリーランスが健康診断を受ける方法と費用目安

医療費が基本的に自己負担となるフリーランスにとって、健康診断の費用はとくに気になるところではないでしょうか。

ここでは、フリーランスが健康診断を受ける方法と費用目安について見ていきましょう。

地方自治体で受ける

フリーランスが健康診断を受ける方法の1つ目は、地方自治体にて受ける方法です。

国民健康保険に加入していれば、地方自治体の健康診断によって費用を抑えられることがあります。

健康診断に関するサービスは、各自治体によってさまざまです。

東京都港区などの自治体では、条件を満たした方を対象に、健康診断を無料で受けられるサービスが提供されています。また、横浜市のように特定健康診査(生活習慣病などの早期発見と改善を目的とする検査)を無料で実施しているところや、人間ドックの補助金・助成金制度を設けている自治体も少なくありません。

具体的にどのようなサービスを受けられるかは、所管の自治体のホームページで調べたり、窓口へ問い合わせたりするとよいでしょう。

参考:令和5年度 各種健康診査(health checkups)について|港区
参考:特定健康診査のご案内|横浜市

国民健康保険組合経由で受ける

フリーランスの業種によっては、国民健康保険組合に加入している方もいるでしょう。

国民健康保険組合に加入できる業種には、医師や歯科医師、薬剤師、建設関係などが挙げられます。

国民健康保険組合経由で健康診断を受診することで、費用を抑えられることがあります。

たとえば、東京都医師国民健康保険組合に加入している40歳~74歳の方であれば、特定健康診査・特定保健指導を無料で受けることが可能です。

また神奈川県建設連合国民健康保険組合に加入していれば、生活習慣病予防のための特定健康診査や国の定めるがん検診を毎年度無料で受診できます。具体的には、肺がん(全ての受診者)、胃がん・大腸がん(40歳以上)、乳がん・子宮頸がん(20歳以上の女性)の5項目です。

国民健康保険組合に加入している場合には、それぞれのホームページなどで確認してみましょう。

参考:特定健康診査・特定保健指導|東京都医師国民健康保険組合
参考:健康診断|神奈川県建設連合国民健康保険組合

会社退職時に任意継続した健康保険を活用して受ける

会社勤務から退職してフリーランスになった場合、条件を満たせば、退職した会社の健康保険に2年間継続加入できます。この場合、任意継続した健康保険を活用することによって、費用を抑えて健康診断を受診できるでしょう。

会社員との兼業フリーランスとして活動しているという方も、勤務先の健康保険を活用できます。

参考:任意継続保険加入の方の健診申込みについて(宮城支部)|全国健康保険協会

病院やクリニックで受ける

費用負担をとくに気にしないのであれば、任意の病院やクリニックへ予約することで健康診断を受けられます。

事務所から近いところ、自宅から近いところなど自身に都合の良い場所を選択し、健康診断を申し込みましょう。検査項目は自由に選択できるため、一般的な健康保険の指定検診よりも幅広い検査を受けられます。

健康に関してとくに不安を感じているなら、より詳しい検査も選択できます。たとえば子宮がんや乳がん、子宮筋腫といった女性特有の疾患の検査、胃や大腸、肺、食道などのがん検診など、さまざまな種類のものがあるので、必要に応じて申し込みましょう。

ただし、この場合の健康診断は全額自己負担となるため費用は高くなる傾向があり、注意が必要です。

忙しいフリーランス向け|健康診断は自宅でも受けられる

「忙しくて健康診断へ行っている暇がない」「近くに健康診断会場がなくて受けられない」というフリーランスの方は、郵送対応してくれる病院やサービスを利用して自宅で健康診断を受けるというのも1つの手です。

対応しているところは限定されますが、血液検査によって生活習慣病や胃がんなどを調べるもの、便検査によって大腸がん検診をおこなうものなど、病院やサービスによってさまざまな検査が提供されています。

自宅での健康診断の受診方法は、申し込み終了後に送付される健診キットを利用して自分で検査を実施し、専用箱に入れて返送するというものです。後日、検査の結果報告書が届くので、結果に対する問い合わせや相談を個別でおこなう流れとなります。

検査費用はサービスによって異なりますが、目安として「恵比寿健診センター」で実施している自宅健診のものを見てみましょう。

  • 生活習慣病予防健診「かんたん健診」(血液検査):6,050円
  • 大腸がん予防健診「便潜血反応検査(2日法)」(便検査):3,080円
  • 胃がんリスク健診「ペプシノゲン検査」(血液検査):3,850円
  • 胃がんリスク健診「ピロリ抗体検査」(血液検査):3,850円
  • 胃がんリスク健診「ABC検査(ペプシノゲン検査+ピロリ抗体検査)」(血液検査):6,920円
  • 前立腺がん予防健診「PSA検査」(血液検査):3,850円
  • 子宮頸がん予防健診HPV(ヒト・パピローマウイルス)検査(細胞診検査):5,060円
  • 子宮頸がん予防健診HPV検査+細胞診検査セット(細胞診検査):7,040円

※金額はいずれも税込み

上記のように、費用は高くなる傾向があります。

参考:恵比寿健診センター

健康診断の費用は経費計上できないが税務上のメリットはある

フリーランスの場合、医療費は基本的に経費計上できません。健康診断の費用はもちろん、病院で支払った診療費や薬の費用、インフルエンザの予防接種費用などは、全額個人負担です。

一方で場合によっては、税務上のメリットが得られることもあります。

ここでは、医療費の面から、健康診断について見ていきましょう。

健康診断の結果によっては費用を医療費控除に当てられる

お伝えしているとおり、フリーランスの健康診断費用は経費として計上できません。

しかし、健康診断や人間ドックを受診した結果として重大な疾患が見つかった場合には、治療や療養、医薬品にかかる費用によって医療費控除を受けられる可能性があります。

具体的には、1年間にかかった医療費が10万円を超える場合(所得金額が200万円未満の人であれば、所得金額の5%を超える医療費がかかった場合)です。

注意すべきことは、医療費控除の対象に健康診断や人間ドックそのものの費用が含まれない点です。対象となるのはあくまでも診察・治療や医薬品の購入代金であり、検査費用が含まれないことは頭に入れておきましょう。

参考:No.1122医療費控除の対象となる医療費|国税庁

健康診断はセルフメディケーション税制の利用条件に当たる

医療費控除の特例として、「セルフメディケーション税制」という制度があります。

これは、OTC医薬品(いわゆる市販薬)の費用が高額になった際に、健康診断を受けているなど一定の条件を満たせば控除を受けられる、という制度です。

具体的には、以下の条件に該当する場合に、セルフメディケーション税制を利用できます。

  • OTC医薬品を1年間に12,000円以上購入した
  • 予防接種や健康診断の受診など健康のための一定の取組みをおこなった
  • 予防接種や健康診断の受診などの領収書や結果通知表を保存している

詳しくは、厚生労働省のHPをご参照ください。

参考:セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について|厚生労働省

フリーランスが健康診断を受けるときに利用したいサービス

医療費をはじめ、さまざまなものを自己負担することが多いフリーランスですが、健康診断を受けるときに利用すると便利なサービスがあります。

さまざまな種類のサービスが提供されているので、条件に該当するなら積極的に活用していきましょう。

ここでは、代表的なサービスを4つご紹介します。

一般財団法人あんしん財団

一般財団法人あんしん財団では、ケガの補償や福利厚生サービス、災害防止サービスを提供しています。中小企業やフリーランスの健全な発展と福祉の増進に寄与することが目的です。月々の会費も2,000円と、比較的リーズナブルといえます。

大手企業も導入のパッケージ型の福利厚生サービス「あんしん財団WELBOX」も利用でき、また人間ドックや定期健康診断の補助も受けられます。

参考:一般財団法人 あんしん財団

プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会は、国内最大級のフリーランス

当事者ネットワークです。

福利厚生やキャリア支援、安心保証、つながり支援、法務税務支援、情報配信・解説などの活動を通じて、フリーランスの働き方をサポートしています。

無料で会員になることもできますが、有料の一般会員になれば、賠償責任保険、弁護士費用保険や健康診断の割引サービスなども受けられます。

参考:プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会

フリーランスエージェントの福利厚生サービス

利用しているフリーランスエージェントがあれば、エージェントの提供する福利厚生サービスの利用をおすすめします。

たとえばテックカンパニーの3-shakeが運営するRelanceは、フリーランスエンジニアに特化したエージェントサービスです。

エンジニア目線で厳選した案件の紹介・サポートはもちろん、さまざまなサービスを提供しています。保険や福利厚生のほか、会計・総務に関するサービス、トラブル補償、法律相談などの特典があるので、興味のある方はぜひご相談ください。

参考:Relance

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事業用クレジットカードの付帯サービス

事業用クレジットカードの中には、健康診断費用を割引できる保険サービスが付帯しているものもあります。例としては、全国の提携優良医療機関の人間ドックを優待料金で利用できるカード、人間ドックやPET検診を優待料金で予約できるカードなどが挙げられます。

クレジットカードをつくる機会がある場合には、付帯サービスの充実したものを選ぶとよいでしょう。

参考:人間ドックサービス|JCBカード
参考:健診ねっと|セゾンカード・UCカード

フリーランスが健康でいるために日頃から意識すべきこと

会社という後ろ盾のないフリーランスにとって、心身の健康維持は仕事の基本です。

フリーランスとして安心して働き続けるために、日頃から健康に対する意識を高めておきましょう。

フリーランスが業務をおこなう上で日ごろから意識したほうがよいこととしては、以下のようなことが挙げられます。

  • 十分な睡眠時間を確保する
  • バランスのよい食生活を送る
  • 適度に規則正しい生活を心掛ける
  • 適度に休憩をとる
  • 適度に運動をする
  • 同じ姿勢をとり続けない(椅子や机などの設備性能を向上させる)
  • ストレスをためこまない

忙しい日々の中で健康を意識することが難しい場面もありますが、自身の将来への担保の1つであると心得て、実践していくことが大切です。

まとめ

フリーランスとして忙しく働く日々の中で、自身の健康に気をつかうのは難しいことかもしれません。しかし、心身の健康を損ねてしまっては、フリーランスとしての業務の継続に支障が出るだけではなく、結果的に生産性が低下して収入の悪化などの悪影響も及ぼすことがあります。

忙しいフリーランスだからこそ、仕事の手をいったん止め、健康診断を受診して自身の健康とも向き合う時間をつくりましょう。

フリーランスエージェントRelanceは、フリーランスが健康的に働き続けられるさまざまなサービスを提供しています。エンジニアのための良質な案件を多数ご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。

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