テックリードの年収や仕事内容!役割やPMとの違い、収入アップのコツを解説
2024年8月30日
技術面でエンジニアチームを率いるリーダーとして活躍する「テックリード」。日本国内でも少しずつテックリードの人材を配置する企業が増えてきました。
テックリードに興味を持ちつつも、まだ馴染みの薄いポジションであるため、「平均年収はどれくらい?」「どのような仕事をしているの?」「高年収のテックリードになるにはどのようなスキルが必要?」といった疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
本記事では、テックリードの平均年収や仕事内容、高年収になるにはどのようなスキルや経験が必要なのかを解説します。あわせて、テックリードと、プロジェクトリーダー(PM)、ITアーキテクト、CTOなど似ている職種との違いについてもまとめました。
この記事を読むことで、テックリードの年収や役割について理解を深めた上で、目指すべきポジションであるかを正しく判断できるようになるでしょう。
目次
テックリードの平均年収
求人専用の検索エンジンである「求人ボックス」が公開する求人統計データによると、正社員として働くテックリードの平均年収は約698万円です。全体の給与幅としては、394〜1,158万円と比較的広く、勤務先やプロジェクトの規模、経験・スキルによって年収に大きな差が生まれています。
なお、日本ではテックリードがまだ定着していないため、行政機関などによる公的統計は公表されていません。
また、テックリードは、個々のスキルや経験、企業規模によって、年収に大きな差が開く職種であることも、明確なデータがない要因の1つだと考えられます。
フリーランステックリードの案件・求人の年収相場
フリーランスエンジニア向けの求人・案件紹介サービス「Relance(リランス)」では、テックリードの案件を豊富に取り揃えています。
2024年7月29日時点で「Relance」が保有するテックリード案件の月単価は、65万円〜100万円が多いです。単純に12ヶ月を掛けると、テックリードの平均年収は、780万円〜1,200万円になります。
前述した正社員として働くテックリードの平均年収より比較的高く設定されていることが分かります。フリーランスであれば、プロジェクトの遂行に必要なスキルを持つ人材を案件単位で採用することが可能です。即戦力となる人材に参画してもらえるため、採用や育成コストを削減できる分、正社員よりも高い報酬を支払える企業も増えるでしょう。
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テックリード(リードエンジニア)とは?主な役割
テックリードとは、エンジニアチームを率いるリーダーとなる人材のことです。技術面でチームを牽引しつつ、社外や他部門との連携を図る窓口の役割も担います。
テックリードは、欧米で広く認知されており、日本でも徐々に広がりを見せています。しかし、現時点ではまだ明確な定義がなく、「リードエンジニア」「技術リーダー」「ミニCTO」など、呼ばれ方もさまざまです。
エンジニアは、個人作業が多い職種ですが、1つのプロジェクトに複数のエンジニアがアサインし、共通のゴールに向かって動いています。そこで、技術的な面でチーム全体を牽引する役割を果たすのがテックリードです。
テックリードとPMといった似ている職種との違い
日本において、テックリードは馴染みが薄い職種であるため「テックリードとPM(プロジェクトマネージャー)は何が違うの?」「ITアーキテクトとテックリードの役割は同じ?」という混同する声も散見されます。
ここでは、テックリードと他職種の違いについて詳しく解説します。この章を読むことで、似ている職種との区別がつき、テックリードへの理解も深まるでしょう。
- CTO・VPoEとの違い
- PM(プロジェクトマネージャー)・EMとの違い
- ITアーキテクトとの違い
- サービスリードとの違い
どの職種(ポジション)を目指したら良いのか迷われている方は、下図にて自分に合うものをチェックしてみてください。
CTO・VPoEとの違い
まず、テックリードとCTOは、ポジション面に大きな違いがあります。
テックリードはチームやプロジェクトなど現場単位でエンジニアチームをリードしていく職種です。一方、CTOは最高技術責任者として、会社全体をリードしていく役割を担います。CTOは、技術戦略の意思決定や、技術経営、エンジニアの採用、教育など業務の幅がテックリードよりも広いことが特徴です。
次にテックリードとVPoEは、経営に関わるかどうかが大きな違いだといえます。VPoEは、技術担当部署のマネジメントを担う責任者であり、必ずしも技術の仕様や仕組みなどに精通している必要はありません。
一方、テックリードは経営自体に関与することはなく、技術面でのリーダーですので、高い技術力や開発経験が重要視されます。
PM(プロジェクトマネージャー)・EMとの違い
テックリードとPM(プロジェクトマネージャー)の大きな違いは、マネジメント業務の範囲だといえます。テックリードは、コードの品質管理といった技術面に特化していますが、PMはプロジェクト全体を管理します。そのため技術力がない人がPMとしてアサインするケースもあるでしょう。
また、テックリードとEMは、採用活動に関与するかどうかが大きな違いとして挙げられます。EMは、エンジニアチームの働きやキャリアなどをマネジメントする役割を担う職種であるのに対し、テックリードは採用面には関与しません。
関連記事:プロジェクトマネージャー(PM)になるには?必要なスキル、キャリアパスも紹介!|Relance
出典:プロジェクトマネージャ(IT) – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
ITアーキテクトとの違い
テックリードとITアーキテクトは、開発への関わりが大きな違いとして挙げられます。テックリードはチームメンバーの一員として、開発に関わるのに対し、ITアーキテクトはシステムの企画や設計がメイン業務です。
プロジェクトによっては、ITアーキテクトが決めた要件・仕様に沿ってテックリードが開発することもあるでしょう。
PL(プロジェクトリーダー)との違い
チームを牽引する点は、テックリードとPL(プロジェクトリーダー)は共通していますが、マネジメントの範囲が異なります。
PLは、主にプロジェクト全体のマネジメントを担うのに対し、テックリードは技術面のリーダーとして品質担保の責任を負います。
テックリードは、チームの成果を最大化するためにメンバーの技術的な課題を解決し、適切な指導・育成を担いますが、PLは技術的なマネジメント業務は基本的に担当しません。
高年収を得られる!テックリードの主な仕事内容
テックリードの仕事内容は、エンジニアチームの技術的なサポートをはじめ、外部との連携や、プロジェクトの進捗管理など多岐にわたります。「テックリードの働きがプロジェクトの成否を大きく左右する」といわれるほど、重要な役割を担う職種ですが、具体的にどのような仕事をこなしているのでしょうか。
ここでは、テックエンジニアの主な仕事内容を下記の5つにわけて解説していきます。
チームメンバーのサポート
ソフトウェアを開発する際には、複数名のエンジニアが集まり、いくつかのチームを構成するのが一般的です。テックリードは、チームのリーダーとして、プロジェクトを円滑に進めるためにメンバーのサポートや相談役を担います。
エンジニア一人ひとりの技術力や成果物のレベルを把握し、業務の采配やフォローをしたり、スキルアップの施策を講じたりすることもテックリードの仕事の1つです。
高品質な成果物を仕上げるために必要に応じてコーチングを行い、エンジニアの技術レベルを底上げすることも重要な業務だといえます。
プロダクトの設計
プロジェクトの要望に応じたプロダクトの設計を行うのもテックリードの仕事です。どのような技術を用いて開発を進めるのかといった設計方針を決定し、チームに方向性を示す役割を担います。具体的には「どの言語を使用するか」「データベースは何を採用するのか」「クラウドを利用するのか」などが挙げられるでしょう。
IT業界は技術の進歩が著しいため、最新の情報を積極的に入手し、豊富な知識・経験をもとに最適な技術を選択して、プロジェクトを成功へと導く必要があります。万が一、トラブルが発生した時に迅速に対応できるように体制を構築したり、業務フローの策定を図ったりするのもテックリードの仕事になります。
プロジェクトの進捗管理
プロジェクトの進捗管理もテックリードの仕事です。チームメンバーのスキルや経験、リソース状況に合わせて、タスクの割り振りをしたり、タスクの優先度を決定したり、進捗を確認しながら柔軟にスケジュールの調整を行います。
計画したスケジュールに沿って進行できるようにプロジェクトの進捗を常に可視化し管理して日々の状況を確認することも重要な業務の1つです。テックリードが細かな状況を把握しておくことで、トラブルの発生やスケジュールの遅延に対してすぐに対処し、リスクを最小限に抑えることができます。
日頃からチームメンバーと良好な関係・相談しやすい環境を構築し、技術的な課題や悩みを抱えてないかを把握しておくこともテックリードの仕事の1つです。
コードの品質管理・向上
テックリードは、チームが作った成果物の最終的な責任を負います。そのため、チームメンバーが書いたコードをチェックし、指示を出したり、テスト計画を立てたりして品質の担保・向上を図ることが重要です。
パフォーマンスを考慮しながら安定して動作するかを確認し、稼働後のメンテナンスなど、様々な視点でコードレビューや品質チェックを行います。
外部との連携
テックリードは、チームのリーダーとして他部署やクライアントとのやり取りを担当します。
チームメンバーが個々でそれぞれの部署やクライアントとの連絡を担当すると、情報共有が上手くいかなくなるリスクがあり、プロジェクト全体に影響が及ぶ恐れもあるでしょう。
外部とのやり取りに多くのリソースを費やし、プロジェクトが計画通りに進まなくなるリスクもあります。
このような事態を避けるためにも、テックリードがチーム全体の窓口として機能し、外部とのやり取りを担当する必要があるのです。
テックリードとして活躍するのに必要なスキル・資質
テックリードは「技術リーダー」「外部との窓口」「マネジメント」の3役を担うため、多様なスキルが求められます。
ここでは、テックリードとして活躍するのに必要なスキル・資質について、下記の5つの視点から解説していきます。
- 設計から実装までできる高い技術力・知識
- 課題の分析力と解決するための判断力
- コミュニケーション能力
- リーダーシップ
- マネジメントスキル
設計から実装までできる高い技術力・知識
テックリードは、エンジニアチームを牽引するほどの高い技術力と豊富な経験、トラブル対応力が求められます。システムの品質担保や技術的な指導を行うためには、高度な専門知識や実務経験が必要となるでしょう。
IT業界は技術の変革が著しいため、常にアンテナを張り巡らせて最新の技術に関する知識や正しい情報もキャッチアップしていかなければなりません。
課題の分析力と解決するための判断力
テックリードは、プロジェクトをスムーズに遂行していくために、生産性や効率性にも考慮する必要があります。
たとえば、「現在の進行方法に課題点はないか」「もっとも効率的かつ生産性を最大化する方法はないか」というように、現状に満足せず、課題の発見→分析→解決といった思考を習慣づけておくと良いでしょう。
また、プロジェクトの進行における課題点だけではなく、メンバーが抱える課題や悩みも迅速に察知し、技術的なサポートを行い、適切なフォローをしなければなりません。
万が一、トラブルが発生した際には、瞬時に状況を把握・分析し、問題解決に向けて的確に判断して指示を出す能力が必要です。
コミュニケーション能力
テックリードは、チームメンバーや他部署、クライアントから信頼を得る必要があるため、優れたコミュニケーション能力が求められます。
メンバーごとのスキルや進捗状況を正確に把握し、的確な指示を出すためには、日頃から円滑なコミュニケーションを図る必要があるでしょう。
プロジェクトによってはチームを超えて、他部署に協力を仰いだり、クライアントに交渉をしたりするケースもあるため、高いコミュニケーション能力が必要です。
リーダーシップ
テックリードは、エンジニアチームのまとめ役であるため、優れたリーダーシップが求められます。リーダーシップ(指導力・統率力)とは、目標達成に向けてチームメンバーの一人ひとりに対して行動を促す力のことです。
エンジニアのお手本となるように、一貫した言動・行動を心がけ、信頼を得ることが重要だといえるでしょう。メンバーからの相談を親身に聞いて、画一的なアドバイスではなく、一人ひとりに寄り添った的確な助言をし、チームの士気を上げるなど、メンターとしての役割を果たす必要もあります。
マネジメントスキル
テックリードには、プロジェクトを成功へと導くために必要な「マネジメントスキル」が求められます。
マネジメントスキルとは、「管理能力」のことを指し、「目標を設定し、伝える力」「目標への進捗を管理する力」「状況を把握する力」などで構成された複合的なスキルです。
プロジェクトの要求に合わせて、採用する開発言語やフレームワークなどを検討したり、進捗状況を把握・管理したり、メンバーが抱える課題を発見し、解決へと導いたりするのもテックリードの仕事になります。
これからの業務を遂行するためには、マネジメントスキルが必要だといえるでしょう。
テックリードが年収アップを目指す方法
テックリードが年収アップを目指すには、より大規模なプロジェクトに参画し、リーダーとしてチームをまとめて成功を収めることが大切です。プロジェクトを成功させることで、組織内での評価が高まり、昇進や給与アップの可能性が広がるでしょう。
また、最新の技術トレンドに対する知識を深め、実力を証明する機会を増やすことで、専門性が認められ、高い役職や報酬を得るチャンスが生まれます。
1つの企業で経験を積み、技術力の向上を図り、業務範囲を広げてCTOを目指すという道もあります。最高技術責任者であるCTOになれば、さらなる年収アップが期待できるでしょう。
十分に経験を積み重ねて独立してフリーランスのテックリードになり、高単価の案件を複数受注できるようになれば、大きな収入を得ることが可能です。
テックリードになるには?3ステップで解説
テックリードになるにはどのような手順を踏むと良いのでしょうか。ここでは、テックリードになる方法を3つのステップに分けて解説します。
- エンジニア職に転職して開発経験を積む
- エンジニアチームでリーダー経験を積む
- キャリアアップまたは転職でテックリードになる
関連記事:テックリードになるには?仕事内容や必要なスキルを徹底解説!|Relance
エンジニア職に転職して開発経験を積む
テックリードは、エンジニアチームを率いるまとめ役となるため、まずは一人の技術者として研磨を積んでいく必要があります。
エンジニアとしてさまざまなプロジェクトに参画し、十分な開発経験を積みながら、技術力の向上を図りましょう。
現在、エンジニア職に就いていない場合は、エンジニア職へ未経験転職を果たす必要があります。あるいは、フリーランスとして「未経験可」の案件へ応募して、実務経験を積み重ねましょう。
さまざまな現場で開発経験を積んでおけば、テックリードになってからトラブルが発生したときにも、過去の経験をもとに解決策を講じることができます。柔軟な対応力を身につけることができるので、幅広い案件への参画を図りましょう。
エンジニアチームでリーダー経験を積む
テックリードになるには、エンジニアチームにおけるリーダーとしての経験を積む必要があります。具体的には、開発チームのプロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)として働くことで、その経験がアピールポイントとなるでしょう。
プロジェクトリーダーは、開発現場の実行責任者であり、品質チェックや進捗管理を担います。プロジェクトマネージャーは、PLの上位ポジションにあたり、全体の責任者としての幅広いマネジメントスキルが求められます。
キャリアアップまたは転職でテックリードになる
テックリードを導入している企業でポジションに空きがあれば、「現職でキャリアアップを図り、テックリードになる」ことを実現できるでしょう。
しかし、日本ではテックリードを採用している企業が少ないので、勤め先の会社にテックリードが存在しないケースも多いです。その場合は、テックリードを配置している企業に転職するのも選択肢の1つです。
また、フリーランスとして独立し、テックリードの案件に応募するのも良いでしょう。
テックリードに年齢は関係ある?年齢制限は?
出典:エンジニア白書2022
テックリードになるにあたって年齢は関係ありません。テックリードは、年齢よりもエンジニアチームを率いる能力の方が重要視されるからです。
エンジニアとしての高い技術力とマネジメント能力が認められると、20代という若い年代でもテックリードとして活躍することが可能です。実際に「エンジニア白書」では、20代でテックリードになった方が一定数いることが見て取れます。
ただし、開発経験やマネジメント経験も重要視されるため、未経験からすぐにテックリードになるのは極めて難しいでしょう。
また、テックリードは年齢制限もないので、40歳〜60歳のミドル・シニアエンジニアも十分に活躍できる職種だといえます。豊富な経験値を活かしてエンジニアチームの技術レベルを底上げできれば、組織内外から高く評価されるでしょう。
フリーランスのテックリードとして活躍するコツ
フリーランスの場合、長期案件に携わり、クライアントやメンバーとの信頼関係を深めることで、テックリードのような責任のあるポジションを任せてもらえるようになります。
ここ数年でテックリードの認知度が拡大し、テックリード案件や求人が増えている傾向にあります。これまでに培ったマネジメント力や技術力をアピールすれば、テックリードとして活躍することができるでしょう。
テックリードは、ほかのエンジニア案件よりも比較的案件数が少ないため、自分で探せる範囲では、選択肢が狭くなってしまうでしょう。
フリーランスエージェントを利用すれば、公開案件のほか、一般公開すると応募者が殺到するような優良案件である「非公開案件」も紹介してもらえる可能性があります。
フリーランスエンジニア向けの案件紹介サイトである「Relance」では、高単価やエンド直結、長期継続案件を豊富に保有しているので、安定的に高収入を獲得したい方におすすめです。
フリーランスエンジニア専門のエージェント
テックリードは未経験からでも目指せる?
テックリードは、エンジニアチームのリーダーですので、高い技術力やマネジメント能力が求められます。IT業界未経験者が、テックリードを目指すには、システムエンジニア(SE)として経験を積むところからスタートする必要があるでしょう。
エンジニアとしてのスキルに加え、円滑にプロジェクトを進行するために、メンバーとコミュニケーションを図ったり、進捗管理をするなど、マネジメント能力も身につける必要があります。
これらのスキルに自信が持てるようになれば、チームリーダー的な役割・ポジションに挑戦してみることをおすすめします。また、システムの設計や品質管理のためのコードレビューなど、エンジニア技術以外に求められるものを意識して身につけることも重要です。
テックリードになるメリット・魅力
テックリードになるとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、テックリードになるメリットや魅力について2つの視点から解説していきます。
- 将来性が高い
- 上位職位が目指せる
将来性が高い
テックリードは将来性が高い職種です。日本では、まだテックリードの地位が確立されていませんが、今後さまざまな企業で採用されていくと考えられています。
IT化が進む中、チーム全体の技術力を底上げし、成果物の品質を向上させることができるテックリードは、多くの企業が求めるようになるでしょう。
あらゆる業界でテックリードの人材を配置する企業が増える一方で、現時点ではテックリードとして活躍する人が少ないので今後、多くのチャンスに恵まれるはずです。
上位職位が目指せる
テックリードとしての経験があれば、ITコンサルタントや、CTO(最高技術責任者)を目指すことも可能です。
チームの技術的なリーダーであり、マネジメント業務もこなせるテックリードは、能力が認められると、上位職種を任される可能性が高いです。
経営スキルを習得すれば、EM(エンジニアリングマネジャー)やITコンサルタント、CTOのような経営に深く関わる役職への昇進や昇給も期待できるでしょう。キャリアパスが豊富ですので、先の目標の通過点としてテックリードを目指す人もいます。
テックリードのキャリアパス3選
キャリアパスが豊富であることもテックリードを目指すメリットの1つとして挙げられます。実際に、CTOやエンジニアリングマネージャーなどの指示を出す立場の方は、テックリードを経験している傾向にあります。
ここでは、テックリードの代表的なキャリアパスとして、下記の3つを挙げて解説するので、ぜひチェックしてみてください。
- CTO(最高技術責任者)
- EM(エンジニアリングマネジャー)
- ITコンサルタント
CTO(最高技術責任者)
テックリードのキャリアパスとして、CTOを目指す人も多いでしょう。
CTOとは、最高技術責任者のことを指し、企業内で技術戦略についての意思決定を担います。技術的な方向性、研究開発を監修するポジションです。
テックリードとして、エンジニアチームの技術力を底上げし、十分な成果を上げて社内で認められたら、企業の中の技術部門のトップであるCTOになれるチャンスが広がります。
ただし、CTOには優れた技術力に加え、経営への意識も求められるので、経営スキルを磨けるような行動を取ると良いでしょう。
EM(エンジニアリングマネジャー)
EM(エンジニアリングマネジャー)とは、エンジニアチームの人材マネジメントを担う職種です。エンジニアの管理・育成を通して、技術面のパフォーマンスを最大化させて、企業の経営課題を解決へと導きます。
おもな仕事内容は、エンジニアの採用や、エンジニアチームの人材配置・工数設定、エンジニアが働く環境の整備などがあげられます。現場における技術面を最前線でリードするテックリードに対し、EMはビジネス視点を持ちながら組織全体をサポートする存在です。
テックリードの上位職がEM(エンジニアリングマネジャー)となっている企業が多い傾向にありますが、中には「専門性が異なるだけであり、双方の職位に差は生じない」と考える組織もあります。
関連記事:エンジニアリングマネージャーとは?仕事内容やなるために必要なスキルを解説!|Relance
ITコンサルタント
ITコンサルタントとは、企業やクライアントに対して、ITの導入や戦略立案をサポートし、企業の課題を解決へと導く職種です。「IT活用を前提とした経営コンサルタント」といわれており、高度な経営スキルが求められます。
ITコンサルタントになるには、テックリードとして培ったITに関するスキルや経験に加え、経営やビジネス関連にも精通する必要があります。
ITコンサルタントになるには、コンサルティングファームへの転職や、フリーランスとしてプロジェクトに参画すれば、道が開かれるでしょう。
関連記事:ITコンサルタント – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
テックリードに関するよくある質問
ここでは、テックリードに関連するよくある質問に対して、Q&A形式で回答していきます。下記の項目の中で気になるものがあればぜひチェックして疑問や不安を解消しましょう。
- テックリードは英語で何という?
- テックリードとシニアエンジニアの違いは?
- 何年でテックリードになれる?
- テックメンバーとは?
- テックリードはチームリーダーと同じ?
テックリードは英語で何という?
テックリードは、英語で「tech lead」といいます。「technical lead(テクニカルリード)」と呼ばれることもあるようです。
日本と同じようにエンジニアチームを技術面で最前線でリードすることがテックリードの主な役割となっています。
テックリードとシニアエンジニアの違いは?
シニアエンジニアとは、高い専門性や技術力を持ち、エンジニアチームの中心として開発を行う人のことを指します。エンジニアエージェントの公式サイトによると、「50歳以上のエンジニア=シニアエンジニア」と定義している傾向にあります。テックリードは年齢に関係がなく、技術力やマネジメントスキルが認められると、何歳からでもなれるのでその点がシニアエンジニアとの大きな違いだといえるでしょう。
何年でテックリードになれる?
テックリードには「エンジニア歴〇年〜」といった明確な決まりはありません。年齢や年数よりも、エンジニアチームのリーダーとしての素質や、マネジメント力・技術力の方が重要視されるからです。実際に20代でテックリードになる人もいます。
一般的には、新卒でシステムエンジニアとして入社した場合、3〜5年目にプロジェクトリーダー(PL)や、テックリードの役割を担うことが多い傾向にあります。ただし、個人のスキルや成長速度、組織の構成などによって異なるので、一概にはいえません。
テックリードはチームリーダーと同じ?
テックリードとチームリーダーは、どちらもエンジニアチームを束ねるリーダーの役職です。 日本ではテックリードがまだ普及していないため、「チームリーダー」という名称で呼ばれることがあります。
いずれもエンジニアチーム内の技術面におけるリーダーですので、高品質な成果物を提出するために、チーム全体をまとめていくのが仕事です。
まとめ
テックリードは、技術的なリーダーとして最前線でエンジニアチームを率いることがもっとも重要な役割だといえます。そのほかにも、進捗管理や品質管理などのマネジメント業務に加え、チーム全体の窓口となって外部と連携を取るのもテックリードの仕事です。
高度な技術力とマネジメント力が求められるテックリードは、一般的なエンジニアよりも高年収を得られます。フリーランスエンジニア向けの案件紹介サイトである「Relance」で取り扱っているテックリードの案件を見ると、平均年収は780万円〜1,200万円前後です。
現在、日本では浸透されていないテックリードですが、これから多くの企業から求められる人材となるはずです。このタイミングでテックリードを目指すことで、需要の高まりに伴い、高年収のテックリードとして活躍できるでしょう。
「Relance」ではテックリードの案件はもちろんのこと、さまざまなエンジニア案件を取り扱っています。高額報酬の案件も豊富ですので、「年収1,000万円を超えたい」「継続案件が欲しい」「フリーランスとして活動したい」というエンジニアの方は、ぜひご登録ください。
フリーランスエンジニア専門のエージェント
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