フリーランスエンジニアとしての末路は悲惨?将来が悲惨にならないために準備するべきこと
フリーランスというと、以前は会社員に向かない集団活動ができないタイプの人や、特殊な能力や飛び抜けたセンスがある人がするものと思われていました。
近年、働き方に対する考え方が多様になり、労働環境の変化もともなって、フリーランスに転身する人が増加しました。
「フリーランスが増えすぎているのではないか」といった意見も出るほど、フリーランス希望者や転身者が増えています。
すでにフリーランスは飽和状態で、これから目指すことは辞めた方がいいのでしょうか。
この記事ではフリーランスエンジニアを目指す人に、フリーランスで働くことで起こる問題や、長く活躍していくための方法などを解説していきます。
目次
フリーランスは増えすぎ?フリーランスが増加傾向にある理由
なぜ、近年フリーランス人口が急激に増えたのでしょうか。
以前からフリーランス人口は先進国で大幅な増加が起きており、さまざまな経済的・社会的変化が起きていると考えられます。
そこへ新型コロナウイルスのパンデミックが起こり、多くの日本人の働き方を変える大きな契機となりました。
すでに終身雇用制度が崩壊し、会社に属するという働き方に疑問を持つ人が増えつつあるという環境も、フリーランスに対する社会全体の意識変化を加速させたといえるでしょう。
働き方が柔軟なため
フリーランスは、時間の管理を個人でコントロールできる労働形態です。
そのため、過酷な長時間労働を余儀なくされていた会社員が、会社に所属するデメリットを感じてフリーランスを選択するケースや、仕事と育児・介護を両立したい人が場所や時間に縛られない働き方を求めてフリーランスになるケースなどがあります。
少子高齢化にともなう労働力不足を解決するという理由から、2018年に政府は「働き方改革」を推進しようとしましたが、「長時間労働の是正」や「雇用形態の変化」は大手企業以外ではそれほど促進されませんでした。
そこへ新型コロナウイルスのパンデミックが起こったため、リモートワークやフレックスなどの新しい働き方の経験や、会社員でいることのデメリットが浮き彫りになり、さらにフリーランスへの評価が高まりました。
依頼する企業側にメリットがある
労働人口の減少により、特に中小企業では人材不足が深刻です。
フリーランスはそんな企業にとって、求める専門的技能をすでに持ち合わせる頼もしい存在となっています。
特にIT関連業界は新しい技術の進化が激しく、スキルアップのための教育をしなくても依頼できるため、フリーランスへの需要は拡大しつつあります。
優れた技能を持つフリーランスには、長期契約などで囲い込みをしたり、企業側にとっても優秀な人材の確保は死活問題になっています。
フリーランスとして働く環境の充実
会社員であればオフィスに出社して、決められた時間や日数で働くことが求められますが、フリーランスはそのような制限はありません。
以前はインターネット環境やパソコンスペックの問題で、労働環境が整った場所でないと作業ができない業種もありました。
しかし近年は、フリーランスが快適に働ける場所が増加し、コワーキングスペースやレンタルスペースも提供されるようになりました。
また、クラウドソーシングサービスが充実したことで、フリーランスが仕事を受注しやすい環境も整ってきたことが、フリーランスが急激に増加した理由でしょう。
フリーランスエンジニアの悲惨な末路とは?よくあるパターン5つ
ここでは、特に増加傾向にあるフリーランスエンジニアの失敗例をご紹介します。
エンジニアは常に人材不足といわれ需要が高い職種ですが、それでもフリーランスという厳しい環境の中で失敗してしまうことがあります。
ここで紹介する末路を参考に、フリーランスエンジニアに転身する上でのデメリットをチェックしておきましょう。
収入が低くなり生活できなくなった
フリーランスは会社員と違って自由に時間を使える反面、自分で仕事を探さなくてはなりませんし、スキルアップも自分でコントロールする必要があります。
そのためフリーランスとして求められているスキルに達していないと、安い案件しか契約できない、継続して受注できるクライアントと契約ができないなどで、収入が会社員時代よりも低くなってしまうケースがあります。
さらにフリーランスは景気の動向に左右されやすく、収入が安定しないデメリットがあります。
不景気になれば会社員も解雇される可能性はありますが、フリーランスエンジニアは真っ先に契約を打ち切られ、収入が大幅に減る不安を常に抱えることになるでしょう。
年齢が高齢になると仕事が少なくなる
フリーランスエンジニアは50歳をすぎると、受注できる案件が減少する傾向があります。
依頼する企業側の多くは、50代よりも若いエンジニアの方が、最新のスキルへの対応力や作業に耐えうる体力があると判断してしまいます。
時代の変化に乗り遅れてしまい、古い技術や古い考え方しか持ち合わせていないエンジニアは仕事がなくなっていくでしょう。
ハードワークにより体調が崩れた
フリーランスエンジニアは基本的に自分ひとりで作業することが多く、仕事量が多くなっても抱え込むことになり、過労で体調を崩してしまう人もいます。
収入を安定させるために多くの案件を受注してしまったり、スケジュールのコントロールができない案件を抱え過ぎてしまうという人は、ハードワークに歯止めがかからず、ひいてはクライアントに迷惑をかけてしまうという悪循環におちいるおそれがあります。
スキルが上がらない
フリーランスエンジニアに求められているのは、最新の技術を使いこなせる即戦力です。
そのためにはスキルアップの時間をつくり、常に向上させるための努力を続けなくてはなりません。
しかし、自己管理がうまくできない人はスキルアップを続けることは難しいでしょう。
フリーランスエンジニアは時間を自由にコントロールできるメリットがありますが、そのためには需要のある人材でいる必要があります。
クライアントの要望に応えられないフリーランスエンジニアは収入が安定せず、契約を続けることが困難になります。
フリーランスエンジニアの案件は実績のある分野で受注していくため、新しい分野の経験が積みづらい環境も影響するでしょう。
求められるスキルには流行もあり、過去に固執せず柔軟にスキルのアップデートを行うことも大切です。
年金や退職金のせいで老後が不安
フリーランスエンジニアは、会社員とくらべると税金や保険料が高くなります。
そのため、会社員時代と同じくらいの収入を得ていても、手取り金額は減少してしまうかもしれません。
さらに退職金もないため、老後の生活費をしっかり管理しておかないと危険です。
お金に関する自己管理能力が低い人は、フリーランスエンジニアに向いていないでしょう。
フリーランスエンジニアが「悲惨な末路」を回避する3つの方法
フリーランスという立場に幻想を持ち、あこがれだけでフリーランスを目指すのはやめましょう。
フリーランスエンジニアは需要の多い職種といえますが、実際は孤独と向き合いながら、コツコツと作業と勉強を続けられる精神力と体力を必要とします。
ここではフリーランスエンジニアになった後も、「悲惨な末路」におちいらないための方法を解説します。
現役フリーランスエンジニアも、これからフリーランスになりたい人も、しっかり考えていくべき問題といえるでしょう。
フリーランスになりたい理由を見つめ直す
フリーランスは場所や時間に縛られずに働ける労働形態ですが、責任を背負う事業主だということを忘れてはなりません。
フリーランスを目指す人は、フリーランスになりたいと思う理由を明確にしましょう。フリーランスとして独立した後、収入が不安定になったり、孤独に悩むこともあるかもしれません。それでもフリーランスとして長く働いていくためには、自分を支える考え方も必要です。フリーランスである目的がはっきりしていると、逆境時の支えとなるでしょう。
「自由な場所で働きたい」という理由であれば、リモートワークでエンジニアを募集している企業に転職するといった選択もあります。
本当にフリーランスとして独立したいのか、現在の働き方に疑問を持っているだけなのかをよく考える必要があります。
迷いがある場合は、フリーランスの理想と現実のギャップに苦しまないよう、しっかりとリサーチすることをおすすめします。
「フリーランスになれば自由な時間が持てる」「収入を大きく増やせるかも」といった安易な気持ちで独立するのではなく、長く仕事を続けられるかを見極めてから、決断するのでも遅くはありません。
自分の許容範囲を知り仕事量をコントロールする
フリーランスエンジニアになると仕事内容やスケジュールを選択できる立場になります。
しかし現実的には、収入のために抱えきれない仕事量を受けてしまったり、現状ではスキル不足の案件まで受注してしまうなど、クライアントに迷惑をかけることも起こりえます。
また、見積もりや請求管理、スケジュール、体調管理など本業以外の雑務の時間もかかるでしょう。
自分が抱えられる仕事量を把握し、徹底的な管理能力をつけていくことも、フリーランスエンジニアとして必要な技術です。
50代・60代になったときの仕事を考えておく
フリーランスエンジニアには定年がありません。
しかし残念ながら50代から受注できる案件数が大幅に激変してしまう事実があります。
スキルのアップグレードができていたとしても、若い世代が優先されてしまう業界だということを認識して、50代以降のキャリアプランを構築していきましょう。
開発案件ではなく、基礎的なプログラミングスキルやコミュニケーションスキル、営業スキルなどを育成する講師やアドバイザーとして活躍する方法もあります。
若い世代にはない経験値を活かして、プロジェクトをまとめるディレクターやプロデューサーなど、エンジニアをまとめる立場の需要もあります。
将来に備えてさまざまな経験を積むことも、キャリアプランに入れて行動しましょう。
柔軟な働き方で自分のスキルに見合った対価を得るならRelance!
フリーランスエンジニアが活躍し続けるために
フリーランスエンジニアにむいている人とは、自己管理能力や旺盛な向上心があって、主体的に仕事を進められる人です。
フリーランスを長く続けていくためには、さらにコミュニケーション能力や人脈づくりのスキルが必要になってきます。
フリーランスエンジニアとして必要な要素を3つ解説します。
スキルの習得、向上
フリーランスエンジニアに立ちはだかる大きな問題に、スキルのアップデートがあります。
常に新しい技術にアンテナをはり、技術力を磨き続けなければフリーランスエンジニアとして需要を保てなくなります。
そのためには本業以外に勉強時間をつくったり、新しい環境に飛び込んだりと、取り組み続けるマインドが必要になるでしょう。
マネジメント技術やコーチング技術なども習得しておくと、将来的に役に立つスキルとして活用できます。
チャレンジをいとわない人がフリーランスエンジニアとして生き残っていけるのです。
人脈のコネクションを意識する
フリーランスエンジニアを続ける中で起こりえる問題に、ひとりで仕事を抱え込むことでおきる孤独感や、キャパシティを超える仕事量による過労があります。
それらを回避するためには、人脈づくりが重要でしょう。
いざというときに相談できる同業者とのつながりや、クライアントとの信頼関係の構築など、人間同士の誠実なお付き合いを積み重ねることが大切です。
ひとりですべてを抱え込まなくてもよい環境づくりも、フリーランスエンジニアとしての重要な仕事です。
フリーランスエージェントの活用
フリーランスエンジニアとして働くとき、ネックとなるのが新規クライアント獲得のための営業活動でしょう。そんな悩みを解決する方法として、フリーランス専門のエージェントに契約するという選択があります。
フリーランスエージェントには希望条件に沿った求人案件を検索できたり、相談できる窓口もあり、個人で活動するフリーランスエンジニアをサポートする機能が満載です。
このようなエージェントを賢く活用することで、営業時間を短縮でき、安定した収入が見込めます。
慢性的な人材不足のIT業界において、フリーランスエンジニアはまだまだ需要が拡大する可能性が高く、きちんと営業活動ができていれば仕事を獲得できるでしょう。
エージェントのサービスを利用すると、苦労していた営業活動を代行してもらい、その時間を使ってスキルアップや人脈づくりなどができるなど、時間を有効活用できるメリットがあるでしょう。
関連記事