フリーランスで税金が払えない…!滞納リスクと今すぐできる対処法を徹底解説
2025年11月28日
フリーランスとして独立すると、会社員時代とは異なり、自分で税金を計算し、納付する責任が生じます。特に独立して間もない方は、確定申告で算出された想像以上の納税額に驚き、「税金が払えない…」と頭を抱えてしまうケースも少なくありません。
もし、あなたが今まさにそのような状況にあるのなら、決して一人で悩まないでください。税金を滞納してしまうことのリスクは大きいですが、誠実に対応すれば、解決の道は必ず見つかります。この記事では、フリーランスの方が税金を払えなくなった場合に起こること、そして今すぐ取るべき具体的な行動や利用できる公的な制度について、分かりやすく解説します。
目次
フリーランスが税金を払えない…まず知るべき滞納のリスク
税金の支払いが期限に間に合わないと、単に支払いが遅れるだけでは済みません。時間経過とともに法的な手続きが進み、ご自身の事業や生活に深刻な影響を及ぼす可能性があります。まずは、どのようなリスクがあるのかを正しく理解しましょう。
納付期限の翌日から「延滞税」が発生する
税金は、定められた納付期限までに支払わなかった場合、その翌日から自動的に「延滞税」というペナルティが加算されます。これは利息のようなもので、納付が完了する日まで日割りで増え続けます。延滞税の税率は、滞納期間によって異なり、納期限の翌日から2ヶ月を経過すると、さらに高い利率が適用されるため、滞納が長引くほど負担は雪だるま式に膨らんでいきます。
税務署から「督促状」が届く
納付期限を過ぎても納税が確認できない場合、税務署から「督促状」という書面が送付されます。これは、「期限までに支払われていない税金があるので、速やかに納付してください」という公的な通知です。法律上、督促状は納付期限から50日以内に発送されることになっています。この督促状が届いたということは、税務署があなたの滞納を正式に把握したという証拠であり、事態が次の段階へ進む警告でもあります。
最悪の場合、財産が「差し押さえ」られる
督促状が発送されてから10日を経過してもなお完納されない場合、法律上、税務署は滞納者の財産を「差し押さえる」ことが可能になります。差し押さえとは、滞納している税金を強制的に徴収するための最終手段です。対象となる財産は、預貯金、売掛金(取引先からの入金)、自動車、不動産など多岐にわたります。ある日突然、銀行口座から預金が引き出せなくなったり、取引先に税務署から連絡が入って売掛金が差し押さえられたりすることで、事業の継続が極めて困難になる可能性があります。
事業の信用を失う可能性も
税金の滞納は、社会的な信用の低下にも直結します。例えば、金融機関から融資を受けようとする際には、「納税証明書」の提出を求められることが一般的です。税金を滞納していると、この納税証明書に未納額が記載されるため、融資の審査に通ることは非常に難しくなります。また、売掛金が差し押さえられる際には、取引先にも税務署から通知がいくため、税金を滞納している事実が知られてしまい、今後の取引に悪影響を及ぼすことも考えられます。
参考:国税庁「国税徴収法基本通達第62条関係差押えの手続及び効力発生時期」
税金が払えない時に、まず取るべき行動とは?
「もう払えない、どうしよう…」とパニックになりそうでも、落ち着いて行動することが重要です。この段階で正しい対応を取れば、差し押さえのような最悪の事態は回避できます。
現状を把握し、納税額を正確に確認する
まずは、自分がどの税金を、いくら、いつまでに支払う必要があるのかを正確に把握しましょう。確定申告書や納税通知書を手元に用意し、金額と納付期限を再確認します。そして、手元にある資金や近いうちに入金が見込める金額を洗い出し、不足額がいくらなのかを明確にすることが、具体的な対策を立てる第一歩となります。
放置は絶対NG!すぐに税務署へ相談する
税金が払えないと分かった時点で、最も重要な行動は「所轄の税務署に相談すること」です。督促状が届く前であれば、なお良いでしょう。「税務署に連絡したら、すぐに取り立てられるのではないか」と不安に思うかもしれませんが、それは誤解です。税務署の目的は、あくまで税金を納めてもらうことであり、事業者を追い詰めることではありません。むしろ、支払いが困難な事情がある人に対しては、相談に乗ってくれる体制が整っています。
税務署へ「納税の意思」を誠実に伝える
税務署に相談へ行く際は、「支払う意思はあるが、現状ではどうしても期限までの納付が難しい」という点を誠実に伝えることが大切です。なぜ支払えないのか(売上が急に減少した、取引先からの入金が遅れているなど)、具体的な理由を正直に説明しましょう。そして、いつ頃なら支払えそうか、分割であればいくらずつ支払えるか、といった見通しを伝えることで、担当者も具体的な解決策を提示しやすくなります。誠実な姿勢で相談することで、後述する猶予制度などの利用につながりやすくなります。
【状況別】税金の支払いを待ってもらうための公的制度
国には、どうしても税金が払えない人のために、支払いを待ってもらったり、負担を軽くしたりするための公的な制度が用意されています。自分の状況に合った制度を利用できないか、税務署に相談してみましょう。
| 制度の種類 | 対象となる状況の例 | 主な内容 |
| 納税の猶予 | 災害、病気、事業の休廃業などで一時的に納税が困難 | 原則1年間、納税が猶予される。延滞税も軽減・免除。 |
| 換価の猶予 | 既に財産が差し押さえられているが、売却されると事業継続が困難 | 差し押さえられた財産の売却(換価)が原則1年間猶予される。 |
| 延納制度 | 所得税を一括で納めるのが難しい | 納期限までに半分以上を納付すれば、残りを5月末まで延長できる。 |
| 振替納税制度 | 納付期限まであと少しだけ時間が欲しい | 口座振替での納付にすると、実際の引き落としが申告期限から約1ヶ月程度後になる。[優内1] |
| 減免制度 | 災害などで甚大な被害を受け、納税自体が極めて困難 | 事情に応じて税額そのものが軽減または免除される。 |
一時的に支払いが困難な場合の「納税の猶予」
災害、盗難、本人や家族の病気、事業の休廃業など、特定の理由によって一時的に国税を納付することができない場合に利用できる制度です。税務署に申請し、承認されると、原則として1年以内の期間に限り納税が猶予されます。猶予期間中は延滞税が大幅に軽減されたり、免除されたりする大きなメリットがあります。
差し押さえられた財産の売却を待ってもらう「換価の猶予」
既に税金を滞納し、財産が差し押さえられてしまったものの、その財産が換価(売却)されると事業の継続や生活の維持が困難になる場合に申請できる制度です。これが認められると、原則1年間、財産の売却を待ってもらうことができます。
所得税を分割で納付できる「延納制度」
所得税の納付に関する制度で、確定申告の期限である3月15日までに納付すべき税額の半分以上を納めれば、残りの納付をその年の5月31日まで延長できるというものです。一括での支払いが厳しい場合に、負担を2回に分散させることができます。ただし、延納期間中は利子税がかかる点に注意が必要です。
約1ヶ月納付が遅らせられる「振替納税制度」
所得税の納付方法として、事前に手続きをしておけば、指定した金融機関の口座から自動で引き落としてもらえる制度です。振替納税を利用する場合、引き落とし日が通常の納付期限(3月15日)よりも約1ヶ月遅い4月中旬頃になります。そのため、実質的に納付期限を延長する効果があり、その間に資金を準備する時間を確保できます。
災害や病気などが理由の場合の「減免制度」
災害によって住宅や家財に甚大な損害を受けた場合や、生活保護を受けるなど、極めて納税が困難な状況に陥った場合に、税額そのものを軽減または免除してもらえる制度です。適用要件は非常に厳しいですが、もし該当する可能性がある場合は、税務署や市区町村の役所に相談してみましょう。
参考:国税庁「No.1902災害減免法による所得税の軽減免除」
フリーランスが支払う主な税金の種類と納付時期
フリーランスが支払う税金は所得税だけではありません。いざという時に慌てないためにも、どのような税金があり、いつ支払う必要があるのかを把握しておくことが大切です。

所得税・復興特別所得税
1年間の事業で得た所得(売上から経費を差し引いたもの)に対して課される国税です。原則として、毎年2月16日から3月15日までの確定申告期間に申告し、3月15日までに納付します。
住民税
前年の所得をもとに計算され、住んでいる都道府県および市区町村に納める地方税です。確定申告をすれば、その情報に基づいて市区町村が税額を計算し、6月頃に納税通知書が送られてきます。支払いは、6月、8月、10月、翌年1月の年4回に分けるのが一般的です。
参考:税務研究会「地方税法第320条普通徴収に係る個人の市町村民税の納期」
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個人事業税
法律で定められた特定の業種(法定業種)を営んでおり、年間の事業所得が290万円を超える場合に課される地方税です。こちらも確定申告の情報に基づき、8月頃に都道府県から納税通知書が送られてきます。支払いは8月と11月の年2回です。
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消費税
前々年の課税売上高が1,000万円を超える場合や、インボイス発行事業者として登録した場合に納税義務が生じる国税です。原則として、翌年の3月31日までに申告・納付します。
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それでも支払いが難しい場合の最終手段
公的な制度を利用しても、どうしても資金のめどが立たない場合、外部からの借り入れを検討する必要が出てくるかもしれません。ただし、これはあくまで最終手段であり、慎重な判断が求められます。
金融機関のビジネスローンを利用する
日本政策金融公庫や民間の銀行、信用金庫などが提供する、事業者向けのローンです。納税資金として利用することも可能ですが、審査には事業計画や資金繰り表の提出が必要となり、時間がかかります。税金を滞納する前に、資金繰りが悪化しそうだと感じた段階で相談するのが賢明です。
カードローンは緊急時の選択肢
消費者金融や銀行が提供するカードローンは、審査が早く、即日融資が可能な場合もあるため、納付期限が迫っている際の緊急的な資金調達手段にはなり得ます。しかし、ビジネスローンに比べて金利が非常に高いという大きなデメリットがあります。一時的に立て替えるだけで、すぐに返済できる明確な見込みがある場合に限り、慎重に利用を検討すべき選択肢です。安易な利用は、新たな負債を生み、状況をさらに悪化させる可能性があることを肝に銘じておきましょう。
今後、税金で困らないための資金管理術
今回のような事態を繰り返さないためには、日頃からの資金管理が何よりも重要です。フリーランスとして長く安定して活動していくために、以下の点を心がけましょう。
【関連記事】フリーランスの税金は高すぎる?高い税金を減らす節税術も紹介! – フリーランスエンジニアの求人、案件サイト – Relance

納税用の口座を分けて資金を確保する
事業用の口座とは別に、「納税専用」の口座を作りましょう。そして、売上が入金されるたびに、その一部(例えば売上の15%〜20%など)を納税用口座に移動させる習慣をつけます。こうすることで、事業の運転資金と納税資金を明確に区別でき、確定申告の時期に「お金がない」という事態を防ぐことができます。
経費を漏れなく計上し、所得を圧縮する
税金は、売上から経費を差し引いた「所得」に対して課税されます。つまり、事業のために使った費用を漏れなく経費として計上することが、正当な節税の基本です。日頃から領収書やレシートをきちんと保管し、会計ソフトなどを活用して正確に記帳する習慣をつけましょう。
小規模企業共済などを活用し節税する
国が用意している節税制度を積極的に活用しましょう。例えば、「小規模企業共済」は、フリーランスの退職金制度のようなもので、掛け金が全額所得控除の対象となるため、高い節税効果があります。他にも「iDeCo(個人型確定拠出年金)」など、将来への備えと節税を両立できる制度があります。
参考:小規模企業共済とは|共済制度|独立行政法人中小企業基盤整備機構
参考:iDeCo公式サイト|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】
【関連記事】【2025年最新】フリーランスが申請できる補助金・助成金・給付金リスト – フリーランスエンジニアの求人、案件サイト – Relance
税理士に相談して専門家のサポートを受ける
「自分でお金の管理をするのはどうしても苦手…」という方は、税理士に相談するのも有効な選択肢です。顧問税理士に依頼すれば、日々の記帳代行から確定申告、効果的な節税対策のアドバイスまで、お金に関する専門的なサポートを受けることができます。コストはかかりますが、それによって得られる安心感や、本業に集中できる時間を考えれば、十分に価値のある投資と言えるでしょう。
まとめ
フリーランスとして活動する上で、税金の問題は避けて通れません。「税金が払えない」という事態は非常に大きなストレスですが、最もいけないのは、問題を放置し、一人で抱え込んでしまうことです。
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