フリーランス向け|確定申告に必要な帳簿の付け方を初心者でもわかりやすく解説!
フリーランスになると必ず確定申告をしなければならず、確定申告書の作成には帳簿付けが必要となります。しかし、今まで帳簿付けをしたことがない方は、どのように帳簿を付けていけばいいのかわからず不安に感じている方もいるでしょう。
そこで今回の記事では、これからフリーランスになろうと考えている方向けに、確定申告に必要な帳簿について、初心者でもわかりやすく1から解説します。確定申告や帳簿付けにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
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目次
そもそもフリーランスに帳簿付けは必要なのか?
帳簿とは、事業の取引などによる日々のお金の動きを記入したものです。収支の金額だけでなく、取引先や取引年月日などもあわせて記録していきます。
フリーランスは毎年、確定申告をおこなう義務があり、確定申告の際は必ず帳簿の作成が必要です。
また、帳簿はお金の管理にも役立つため、日頃から欠かさず帳簿付けをするよう心掛けておきましょう。お金の正確な管理は、フリーランスとして働いていくうえで非常に重要です。
個人事業主を含む全ての事業者が帳簿を付ける義務がある
先述したようにフリーランスは必ず確定申告をしなくてはならず、帳簿付けはフリーランスなどの個人事業主を含む全ての事業者の義務となっています。
確定申告とは、1年間の所得金額と納税額を計算し、申告する手続きのことです。確定申告は個人事業主がおこなう手続きであり、会社員は会社が年末調整をしてくれるため、基本的に確定申告をする必要はありません。
帳簿付けは、確定申告書の作成に必要となります。毎月の収支を記載した帳簿があることで、初めて正確な所得金額と納税額が計算できるようになるためです。
また、作成した帳簿には保存義務があります。保存期間も定められており、確定申告書の提出期限の翌日から5~7年間保存しなければならないため注意しましょう。
参考サイト:帳簿書類等の保存期間|国税庁
フリーランスが帳簿付けする際の注意点
フリーランスが帳簿付けをする際にはいくつかの注意点があります。スムーズに確定申告ができるよう、注意点はしっかりと把握しておきましょう。
フリーランスが帳簿付けする際の注意点は以下の2つです。
・帳簿付けには保存期間があるので注意
・帳簿を付けないとペナルティを受ける可能性がある
それぞれ解説します。
帳簿や領収書には保存期間があるので注意
帳簿や領収書など、確定申告書の作成に必要な帳簿書類には保存期間が定められています。
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、個人事業主には帳簿を保存する義務があるため、どちらの申告方法であっても必ず保存しなければなりません。
帳簿書類の具体的な保存期間は以下の通りです。
青色申告の場合
帳簿書類 | 保存期間 |
仕訳帳、総勘定元帳、固定資産台帳など | 7年 |
決算関係書類(損益計算書、貸借対照表など) | 7年 |
領収書、預金通帳など | 7年 |
その他の書類(請求書、見積書など) | 5年 |
白色申告の場合
帳簿書類 | 保存期間 |
収入や経費を記載した帳簿 | 7年 |
上記以外の帳簿 | 5年 |
その他の書類(棚卸表、請求書、見積書など) | 5年 |
参考サイト:記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁
また、帳簿の保存に関する法律として「電子帳簿保存法」があるため、帳簿書類はデータ保存が可能となっています。
ただし、データ保存するには一定の要件を満たさなければなりません。
「訂正・削除履歴を確認できるシステムを利用すること」「取引年月日や取引金額を検索できること」などが要件として定められているため、データ保存する際は要件を必ず把握しておきましょう。
参考サイト:電子帳簿保存時の要件|国税庁
帳簿を付けないとペナルティを受ける可能性がある
帳簿付けは個人事業主の義務となっているため、帳簿を付けないとペナルティを受ける可能性があります。帳簿は所得税を算出する根拠となっているため、帳簿付けされていないと正しい所得を把握できなくなってしまうためです。
税務調査された場合に帳簿を提示できなければ、推定される計算による課税や青色申告の取り消し、追徴課税を課せられる場合があるでしょう。
税務調査を滞りなく終えられるよう、日頃からしっかり帳簿付けし、いつでも帳簿を提示できるような状態にしておくことを推奨します。
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覚えておきたい帳簿の種類
帳簿は、大きく「主要簿」と「補助簿」の2つに分類されます。主要簿は「総勘定元帳」と「仕訳帳」の2種類を指し、補助簿は「現金出納帳」や「固定資産台帳」などの主要簿を補助する役割のある帳簿です。
青色申告と白色申告とで必要な帳簿は異なるため、確定申告で不備がないよう、帳簿の種類と記載方法は必ず把握しておくようにしましょう。
帳簿の種類
帳簿の種類について、申告方法別に詳しく見ていきましょう。
青色申告の場合、主要簿と補助簿をどちらも作成しなければなりません。また、記帳の際は「複式簿記」と呼ばれる記帳方法である必要があります。
青色申告は控除額などが白色申告より優遇されているため、その分帳簿の種類や記帳方法がやや複雑になっているのです。
白色申告の場合は、主要簿を作成する必要はなく、補助簿のみで問題ありません。記帳方法についても取引内容と収支のみを記載する簡易的な「単式簿記」でよいです。
少しでも確定申告の負担を軽くしたいのであれば白色申告、やや作業が複雑になっても控除額などのメリットを享受したい場合は青色申告を選択することをおすすめします。
【初心者向け】フリーランスにおすすめの帳簿の付けのポイント
帳簿付けにはいくつかおすすめの方法があります。帳簿付けと聞くと難しそうなイメージがありますが、今回紹介する付け方を実践すれば不備のない帳簿を作成できるため、確定申告書をスムーズに作成することが可能となるでしょう。
紹介するおすすめの帳簿の付け方のポイントは、以下の4つです。
・クラウド会計ソフトを活用する
・事業用とプライベート用の口座を分ける
・マメに帳簿を付けるようにする
・事業用のクレジットカードを活用する
それぞれ解説します。
クラウド会計ソフトを活用する
帳簿を作成する際は、クラウド会計ソフトの活用がおすすめです。経理についての知識がなくとも確定申告に必要な書類が作成できるようになっており、ほとんどのソフトには無料トライアルがあるため、誰でも気軽に始められます。確定申告にかかる手間が大幅に軽減されるため、帳簿付けする際はぜひ活用してみてください。
クラウド会計ソフトには多くの種類がありますが、おすすめは「freee」「弥生会計」「マネーフォワード」です。これらの会計ソフトは全て無料トライアルがあり、機能も充実しているため非常に使い勝手の良い会計ソフトとなっています。
インターネット環境さえあれば利用できるため、それぞれの会計ソフトの特徴を確認したうえで比較検討し、自分に合った会計ソフトを選んでみましょう。
事業用とプライベート用の口座を分ける
必須ではありませんが、事業用とプライベート用の口座は基本的に分けたほうがよいでしょう。
口座を開設しなければならないため多少の手間はかかってしまいますが、その分多くのメリットがあります。
口座を分けなかった場合、明細に事業用の支出とプライベート用の支出が混在してしまうため、事業用の資金の正確な把握が困難です。
また、青色申告をする際は複式簿記で全ての取引を記帳しなければならないため、帳簿付けで手間が生じてしまいます。
しかし、口座を分けた場合は資金の管理が簡単になります。また、会計ソフトは口座と連携できるため、事業用の口座と連携しておけば口座情報を会計ソフトに取り込むことができ非常に便利です。
▼関連記事
フリーランスは口座を作成するべき?口座開設におすすめの銀行や注意点について紹介
こまめに帳簿を付けるようにする
フリーランスの中には、帳簿を確定申告時にまとめて付ける方も少なからずいることでしょう。
もちろん、最後に付けたからといって確定申告の手続きに問題が生じるわけではありませんが、帳簿を最後にまとめて付けるのはあまりおすすめできません。
最後にまとめて帳簿付けする場合は、1年間の収支や取引履歴などを改めて全て確認しなければならないため、負担が大きく何らかの不備が発生してしまう可能性も高まります。
一方で、こまめに帳簿を付けておけば、帳簿をもとに必要な書類をすぐに作成可能です。これは会計ソフトを活用している場合は特に顕著なメリットと言えるでしょう。
以上のことから、帳簿付けはできれば日ごと、最低でも月ごとにおこなうことをおすすめします。
※参考:税金等に関する各種の無料シミュレーションはこちら|アカウントエージェント
事業用のクレジットカードを活用する
クレジットカードには事業用のクレジットカードが存在しているため、フリーランスの方は事業用クレジットカードの作成がおすすめです。
事業用のクレジットカードは通常のクレジットカードよりも利用可能額が大きく設定されている場合が多く、事業に役立つサービスが多く付随しています。
会計ソフトとも連携できるため、帳簿付けの手間も軽減されるでしょう。
ただし、フリーランスとしての経験がまだ浅い場合はカードの審査に通らない可能性があります。そのため、事業用のクレジットカードを選ぶ際は、実績が浅くても作成できるものや、年会費があまり高くないものを選択しましょう。
特におすすめの事業用クレジットカードは「三井住友カード ビジネスオーナーズ」「アメリカン・エクスプレス・ビジネス・カード」「楽天ビジネスカード」などです。
これらのカードは年会費がリーズナブルで、サービスも充実しているため、カード選びに迷った際は参考にしてみてください。
▼関連記事
フリーランスはクレジットカードを作れない?審査に通るための方法やおすすめカードも紹介!
フリーランスの帳簿付けを楽にする心構え
フリーランスにとって帳簿付けは必須ですが、帳簿付けは手間がかかるため決して楽なものとは言えません。少しでも日々の帳簿付けを楽にするために、会計や税務についての知識を身につけておくとよいでしょう。
会計ソフトを活用すれば知識がなくとも確定申告に必要な書類を作成できるため、知識を身につける必要はないのではと思われがちですが、収支状況の正確な把握には会計や税務についての知識が欠かせません。収支状況を正確に把握し、現在の自身の状況を理解することで、フリーランスとしての今後の働き方をイメージできるようになるのです。
必要な知識を身につけるには、簿記の勉強や記帳説明会への参加がおすすめです。記帳説明会では記帳制度の概要や記帳方法などの説明を受けることができますが、説明会の対象者は白色申告の方のみとなっているため、注意しましょう。
参考サイト:国税庁 記帳説明会のご案内
帳簿付けを丸投げしたいという場合には税理士への依頼も検討
帳簿付けは手間のかかる作業なため、帳簿付けをやりたくないと感じている方もいることでしょう。
帳簿付けを丸投げしたい場合は、税理士への依頼がおすすめです。税理士は記帳の代行をおこなっているため、依頼することで代わりに帳簿を作成してくれます。
自分で帳簿付けをすると記帳に不備がないか不安に感じる場合も少なくありませんが、記帳代行は専門家が全て作成してくれるため、帳簿の正確性が担保されています。相応の費用は必要ですが、帳簿付けにかかる手間を減らし、少しでも本業に注力したい場合は税理士への依頼を検討するとよいでしょう。
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まとめ
今回の記事では、これからフリーランスになろうと考えている方向けに、確定申告に必要な帳簿の付け方を解説しました。
フリーランスにとって帳簿付けは義務であり、白色申告でも青色申告でも必ず帳簿を作成・保管しなければなりません。
帳簿付けをしていないと税務調査でペナルティを受ける可能性があるため、クラウド会計ソフトを活用してマメに帳簿付けをするようにしましょう。
また、口座を事業用とプライベート用に分け、事業用のクレジットカードも作成しておけばより快適に帳簿付けをおこなうことができます。
帳簿付けが面倒な場合は税理士に依頼することもできるため、自分に合った方法で帳簿を作成し、確定申告に臨みましょう。
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