フリーランスエンジニアになるには?ロードマップや成功するコツなどを解説
2022年11月15日
IT技術の進化やリスキリング、学びなおしなどといった世の中の流れを受け、「フリーランスエンジニアとして独立して働きたい」と考える方は多いでしょう。
収入や働き方の自由度が高いフリーランスエンジニアですが、実際独立するためにはさまざまなことを準備しておかなければなりません。
この記事では、フリーランスエンジニアとして成功できるポイントや、準備しておくことについて、詳しくご紹介します。
フリーランスエンジニアを目指している方は、この記事を読むことで独立の準備を着実に進められるようになるでしょう。
目次
将来性があるフリーランスエンジニアへの転身は選択肢の一つ
フリーランスエンジニアとして活動していく道を選ぶことは、将来性の高い魅力的な選択肢です。ビジネスのDX化などに伴い、IT人材の需要は年々高まっています。
経済産業省の報告によると、「2030年までに最大79万人のIT人材が不足する」ともされており、フリーランスエンジニアとして活躍する道はますます拡がっていくでしょう。
会社員とフリーランスとの間には大きな違いが存在します。
会社員エンジニアは安定した収入や福利厚生が得られる一方で、勤務地や時間、仕事内容などに制約があるのが一般的です。
一方、フリーランスエンジニアは働く場所や時間、内容を自由に選べるものの、固定給や福利厚生がなく、給与計算や事務手続きを自分自身でおこなわなければなりません。
このように、フリーランスエンジニアは自由度が高く、高収入を得られる可能性を持ちながらも、不安定な側面も持ちあわせています。
独立を考える場合には、これらの要因を十分に理解し、自分のライフスタイルやキャリア目標に合わせた慎重な選択や、適切な計画と準備が必要です。
参考:ーIT人材需給に関する調査ー 調査報告書|経済産業省委託事業
フリーランスエンジニアになるまでのロードマップ
フリーランスエンジニアになるためには、具体的にどのような準備が必要なのでしょうか。
フリーランスエンジニアとしてすぐに案件を獲得することは困難なため、事前の準備と計画が欠かせません。フリーランスとして働くためには、法的な手続きも求められます。
案件獲得や法的な手続きを計画的に進めるための方法を確認していきましょう。
会社員エンジニアのうちに行うべき5つのこと
フリーランスエンジニアになるためには、会社員として働いている間に何をしておくべきなのでしょうか。
とくに重要といえるものを、5つご紹介します。
- フリーランスとしてのキャリアプランを考えておく
- 高単価案件を獲得するためにも実務経験を積んでおく
- さまざまなことに挑戦して失敗も経験しておく
- 営業活動に活かすためにスキルシートを作成しておく
- スムーズに案件を獲得できるよう経路を作っておく
それぞれの詳細を見ていきましょう。
1.フリーランスとしてのキャリアプランを考えておく
まず、フリーランスエンジニアとしてのキャリアプランを明確にしておくことが重要です。キャリアプランがなければ、仕事の選択が場当たり的になってしまいます。
その結果、スキルが停滞し、報酬単価の低迷に繋がるリスクも高まってしまうでしょう。
フリーランスとして成功するためには、将来的に必要なスキルを見極め、積極的に磨いていくことが欠かせません。長期的な視点でキャリアを考えることにより、将来の目標に合わせた案件選びやスキルアップを実行できます。
たとえば、特定の技術やツールに関する知識を身につけることで、将来的に高単価の案件が獲得できるチャンスも増えるでしょう。
キャリアプランに基づいてスキルを磨き、案件を選ぶことが、フリーランスエンジニアとしての成功に繋がるのです。
2.高単価案件を獲得するためにも実務経験を積んでおく
フリーランスとして案件を獲得するために、最低1年、できれば3年程度の実務経験を積んでおきましょう。エンジニアを募集している案件の多くは、必須条件として「実務経験1年以上」を挙げており、全くの未経験ではそもそも案件獲得が難しいからです。
高単価案件の場合には実務経験として3年以上を要求されることが多く、経験は長ければ長いほど有利といえます。複数言語の開発経験、プロジェクトマネジメント経験など、幅広い分野における開発経験を持っておくことで、条件のよい高単価案件を獲得できるようになるのです。
フリーランスエンジニアを対象におこなったRelanceのアンケート調査でも、40%以上の人が、「エンジニアとしての技術力・経験」が最も大事であると回答しています。案件の獲得や業務の継続においては、実務経験の有無が大きな分かれ目になることもあるでしょう。
3.さまざまなことに挑戦して失敗も経験しておく
フリーランスエンジニアとして独立する前に、さまざまなことに挑戦をして、成功も失敗も経験しておくことが重要です。
エンジニアとしての専門分野に留まらず、たとえば社内の情報システム管理やホームページ運用など、多岐にわたる業務に携わることで、幅広い知識と経験を得られます。
フリーランスの仕事では特定のスキルが要求されるため、専門分野外の実務を経験することはなかなか難しいでしょう。
会社員時代に得た多岐にわたる業務経験は、フリーランスのキャリアにおいても大きな資産となります。
さまざまな失敗を経験しておくことは、独立後に直面するであろう問題への対処法を学ぶ貴重な機会でもあります。問題解決能力や対応力は、独立後もさまざまな場面で役立つスキルです。
4.営業活動に活かすためにスキルシートを作成しておく
スキルシートとは、エンジニアとしての経験やスキルを可視化した資料であり、いわば職務経歴書のことです。
扱えるプログラミング言語はもちろん、保有している資格、過去に参画したプロジェクトに関する詳細情報などを記載し、案件に応募する際クライアントに提示します。クライアントは、スキルシートに記載されている情報をもとにフリーランスエンジニアの実力を測り、これによって案件の単価なども決定するのです。
フリーランスエンジニアとして持っているスキルや経験をアピールできる重要な書類なので、独立後に案件獲得しやすくするためにも必ず作成しておきましょう。
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スキルシートとは?フリーランスエンジニアが記載するべき項目一覧と書き方のポイント
5.スムーズに案件を獲得できるよう経路を作っておく
フリーランスエンジニアとして独立したら、案件を獲得するために自ら営業をおこなわなければなりません。独立後に案件が途絶えないよう、安定的に案件を獲得できるための経路を作っておくことが大切です。
案件獲得にはさまざまな方法がありますが、独立したばかりの初心者におすすめなのは、フリーランスエージェントを利用することです。
フリーランスエージェントは、フリーランス業の人に代わって営業活動や案件獲得、契約の手続きを代行してくれます。
とくに独立したばかりの時期は、フリーランスの横のつながりやノウハウが少ないため案件獲得に苦労しがちですが、エージェントを利用することで高単価案件も獲得できるようになるでしょう。
「Relance」は、フリーランスエンジニアのためのエージェントです。案件の55%以上が単月報酬100万円以上という実績を持っており、エンジニア目線で「今よりいい案件」の獲得をサポートいたします。利用登録は30秒で完了するので、この機会にぜひ利用をご検討ください。
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フリーランスエンジニアの案件獲得方法|心構えや注意点も紹介
フリーランスになってから行うべき5つのこと
フリーランスになってからは、個人事業主として活動するための手続きが必要です。
また、仕事で使うツールやサービスの準備をして、案件を獲得していきましょう
具体的におこなうべきは、以下の5つです。
- 社会保険に関する手続き|健康保険・年金など
- 独立に関する手続き|開業届の提出
- 税金に関する手続き|青色申告制度を利用するための届出
- 庶務作業|仕事で使うツールやサービスを用意
- 案件獲得|フリーランスエージェントや人脈を活用
1つずつ解説していきます。
1.社会保険に関する手続き|健康保険・年金など
フリーランスへと転身する際には、社会保険について注意が必要です。
会社員からフリーランスになるまでに移行期間がある場合も、社会保険の手続きは迅速におこなわなければなりません。
健康保険については、国民健康保険への加入、または任意継続保険を利用する選択肢もあります。
会社員時代は職場を通じて健康保険が提供されることが多いですが、フリーランスになると、まず保険関係で大きな変化が生じることを留意しておきましょう。
また、年金保険に関しては、厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。
フリーランスになると、会社員時代に享受していた福利厚生サービスも削減されてしまいます。
フリーランスでも利用可能な福利厚生サービスへの加入を検討するとよいでしょう。
▼関連記事
フリーランスの保険はどうする?社会保険や健康保険などパターン別に紹介
参考:国民健康保険加入の届出|世田谷区
参考:健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について|全国健康保険協会
参考:国民年金に加入するための手続き|日本年金機構
参考:国民年金保険料|日本年金機構
2.独立に関する手続き|開業届の提出
独立して事業を始める際には、開業届の提出が必要です。
開業届の提出は、独立後1か月以内におこなうことが推奨されています。
1か月を過ぎたあとでも提出は可能ですが、早期の提出が望ましいです。
開業届は、納税地を管轄する税務署に提出しましょう。
納税地は基本的に住所地となります。
開業届を提出することで得られるメリットは多岐にわたります。
具体的なメリットは、以下のとおりです。
- 確定申告において青色申告が可能になる
- 事業用の銀行口座の開設が可能になる
- 個人事業主としての信用が高まる
- 小規模企業共済への加入が可能になる
- 屋号の決定が可能になる
事業をスムーズに展開し、安定した経営基盤を築くためにも、開業届を提出しましょう。
なお、確定申告で青色申告をおこないたい場合には、開業届と同時に青色申告承認申請書も提出する必要があります。
▼関連記事
フリーランスは開業届を提出する義務がある?そのメリットやタイミングについてもご紹介
参考:A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
参考:所得税法(昭和四十年法律第三十三号)|e-Gov法令検索
参考:A1-9 所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
3.税金に関する手続き|青色申告制度を利用するための届出
フリーランスは、会社員とは異なり、自分で税金に関する手続きをしなければいけません。
前年所得に対する税額を計算し、必要に応じて所得税の納付または還付を受けるため、「確定申告」と呼ばれる手続きをおこなう必要があります。
確定申告では、「青色申告制度」を利用するのがおすすめです。
青色申告制度を利用することにより、高い節税効果を得られます。
最大65万円の特別控除を受けることができ、所得税の負担が大幅に軽減されるのです。
また、経費への計上をより柔軟におこなえるようになったり、赤字の繰越しも認められるようになったりするため、効果的な税金対策につながります。
青色申告制度を利用するためには、申告をおこなう年の3月15日までに「青色申告承認申請書」の提出が必要です。
青色進行承認申請書は、税務署に開業届を提出するタイミングで、同時に提出しましょう。
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【2023年度版】フリーランスの税金対策や節税する方法についてご紹介!
参考:No.2070 青色申告制度|国税庁
参考:No.2072 青色申告特別控除|国税庁
参考:A1-9 所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
4.庶務作業|仕事で使うツールやサービスを用意
庶務作業は、日々の業務を円滑に進める上で重要な要素です。
フリーランスとして安定して働くために、仕事で使うツールやサービスを適宜用意しておきましょう。
まずは、事業用の銀行口座やクレジットカード、メールアドレス、名刺、印鑑などの用意から始めることをおすすめします。
これらは、ビジネスをおこなっていくための基本的なツールです。また、仕事に集中できる環境整備も重要です。
デスクやイス、安定したインターネット環境などを整えることで、作業効率が向上します。確定申告に向けて、クラウド会計ソフトの導入もおこないましょう。
日々の取引の中で大量に発生する領収書やレシートをクラウド会計ソフトに記録しておくことで、確定申告の手間を大きく省くことが可能です。
なお、確定申告の際には各種証明が必要となるため、領収書などは保管しておくクセをつけておきましょう。
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フリーランスこそ時間管理が重要!管理する方法や便利ツール・アプリを紹介
5.案件獲得|フリーランスエージェントや人脈を活用
フリーランスとして独立した直後の案件獲得には、フリーランスエージェントやこれまで培ってきた人脈を活用することが効果的です。
フリーランスエージェントは、営業活動を代行し、適正な報酬単価で案件を探してくれるため、とくに営業が苦手な人には有益といえます。
既存の人脈を活用することで、信頼関係が既に築けている企業や知人からの案件を獲得できることもあるでしょう。元々の知り合いであれば、お互いの人となりもわかっているため、あらゆる面で安心できます。
経験やスキルが不足しているフリーランス初期には、クラウドソーシングサービスを利用することも有効です。
クラウドソーシングサービスでは、単価が低いケースは多いものの、多様な案件に応募できます。
そういった案件をこなしながら、実績を積み、スキルアップを目指すことも1つの手段です。
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フリーランスエンジニアの案件獲得方法|心構えや注意点も紹介
フリーランスエンジニアを目指すなら知っておきたい実態・現実
フリーランスエンジニアは、実際にどのような働き方をしているのでしょうか。
フリーランスエンジニアを目指す上で知っておきたい実態や現実についてご紹介します。
- 年収|平均は約576万円
- 年代|30~50代が約9割
- 稼働時間|平均は週4日・1日5時間稼働
- 独立して感じた不満|社会的信用の低さや営業活動など
年収や年代、稼働時間に加えて、独立後の不満なども紐解いていきます。
年収|平均は約576万円
Relanceの調査によると、フリーランスエンジニアの平均年商(収入)は約576万円です。
年収別の割合を見てみると、「500万円以上800万円未満」が29.10%と最も多く、次いで「300万円以上500万円未満」の28.02%が2位となっています。
一方、求人情報サイトdodaの実施した2022年の調査によると、20歳から65歳までのITエンジニアの平均年収は442万円とされています。dodaの調査対象は、企業に属して働く会社員エンジニアです。
このことからフリーランスエンジニアは、会社員エンジニアと比較して年収が高い傾向にあるといえるでしょう。
▼関連記事
フリーランスエンジニアの年収は?収入の相場と年収アップの方法を解説
参考:フリーランスエンジニア白書2023|Relance
参考:ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説|doda
年代|30~50代が約9割
フリーランス協会が発行している「フリーランス白書2023」の年齢属性を見てみると、最も多いのは「40代」で37.1%です。次いで「50代」が26.0%、「30代」が25.5%となっています。一方で、20代以下が4.4%と非常に少ないです。
つまりフリーランスとして活動している人のコア年齢層は、30~50代であることがわかります。
「フリーランス白書2023」は、エンジニアに留まらずすべてのフリーランスを対象にした調査ではありますが、エンジニア業界においても同様の分布になっていることが予想されます。
稼働時間|平均は週4日・1日5時間稼働
「フリーランス白書2023」によると、「フリーランスエンジニアとしての週の平均業務日数はどのくらいですか?」という設問に対する回答の平均値は約3.8日、中央値は4日と言う結果でした。おおよそ週に3日の休みをとっているようです。
また、「フリーランスエンジニアとしての一日の平均業務時間はどのくらいですか?」という設問に対する回答は、平均値が約5時間、中央値は3〜5時間未満となっています。
以上から、フリーランスは会社員と比較し、勤務時間が短い傾向にあることがわかります。
フリーランスとして働く人の多くは、短い時間で集中的に業務をおこない、効率的に働くことを心がけているようです。
なお、「フリーランス白書2023」はすべてのフリーランスを対象にした調査のため、エンジニア業界においても同様の分布になっていることが予想されます。
参考:【2023年版】フリーランスエンジニア白書 1000人に聞いた!フリーランスエンジニアの実態調査-2023年1月-|Relance
独立して感じた不満|社会的信用の低さや営業活動など
先述の「フリーランス白書2023」には、独立以後に感じる不満についての調査結果も記載されています。
フリーランスが最も多く感じる不満が「社会的信用が低い」ということです。約33.8%のフリーランスがこの不満を感じています。
定期的な収入がないと見なされてしまうことで、クレジットカードやローンの審査が通りづらいことがあるようです。
次いで、「案件獲得のための営業リソースが想定よりも多い」と感じている人は27.0%です。
フリーランスは自分自身で案件を探して営業活動をおこなう必要があり、これが予想以上に時間と労力を要していることがわかります。
また、「将来の社会保障が少ない」という懸念を持つ人も約25.1%います。
フリーランスや独立事業主は、社会保障制度の恩恵を十分に受けにくいことが懸念材料となっているようです。
さらに、約25.0%の人々は「労務や確定申告などの事務作業の手間がかかる」と感じていることがわかりました。
独立することで、多くの事務的な作業を自身でこなさなければならないという点が反映されています。
参考:【2023年版】フリーランスエンジニア白書 1000人に聞いた!フリーランスエンジニアの実態調査-2023年1月-|Relance
エンジニアが独立するのにおすすめなタイミング3選
エンジニアが独立するには、どのようなタイミングがよいのでしょうか。
フリーランスエンジニアとして独立するのに、とくにおすすめなタイミングを3つご紹介します。
- 努力次第で年収を上げやすい20代のうちに
- 案件を獲得しやすいと考えられる「実務経験3年」を過ぎたら
- 収入が不安定でも一定期間暮らせるほどの貯蓄ができたら
上記のタイミングについて、理由も併せて解説していきます。
1.努力次第で年収を上げやすい20代のうちに
努力次第で年収を上げやすい20代のうちに独立を目指すことをおすすめします。
20代は年収を上げるための努力が報われやすい時期ですが、企業に勤めている場合、年収はその企業の評価制度に大きく左右されてしまうのが一般的です。
20代のうちに大幅な年収アップを達成するのが難しいことも十分あり得るでしょう。その点、フリーランスとして独立すると、このような制約から解放されます。
フリーランスは自身の努力や実力が直接的に収入に反映されやすく、早い段階で独立することで生涯年収を大きく上げられる可能性があるのです。
実際に、フリーランスエンジニアに転身して収入が「上がった」と答える人は約55%にものぼり、これは独立の魅力を示すデータといえるでしょう。
参考:【2023年版】フリーランスエンジニア白書 1000人に聞いた!フリーランスエンジニアの実態調査-2023年1月-|Relance
2.案件を獲得しやすいと考えられる「実務経験3年」を過ぎたら
実務経験3年を過ぎたら、独立について考えることをおすすめします。
これは、フリーランスとして安定したキャリアを築くために必要なスキルと経験を身につけるための期間として、実務経験3年以上が1つの目安とされているためです。
フリーランスは案件を獲得できなければ収入を得られません。安定した収入を得るためには、一定以上のスキルや経験が求められる高単価の案件を継続的に受ける必要があります。
一般的に、実務経験が3年を超えると、多くの分野である程度のスキルが身についていると考えられます。
この期間を経ることで、より高単価の案件を獲得しやすくなるといえるでしょう。
実際に、多くのクライアントは、フリーランスに対して一定の経験を求めています。実務経験が3年以上あることは、クライアントにとって信頼性の証となり、案件獲得の際にも有利に働くのです。
3.収入が不安定でも一定期間暮らせるほどの貯蓄ができたら
収入が不安定であっても、一定期間暮らせるほどの貯蓄がある場合には、独立を考えてみましょう。
案件の獲得は常に不確実であり、とくに初期段階では収入が途絶えてしまう可能性もあります。
ある程度の貯蓄がなければ、生活に支障をきたすリスクも高まるでしょう。
しかし、一定期間を生き延びることができるだけの貯蓄があれば、収入が不安定な時期を乗り越えることが可能です。貯蓄があることで、独立後の金銭的なプレッシャーを軽減し、ビジネスに集中することができます。
フリーランスエンジニアに必要な5つのスキル
ここでは、フリーランスエンジニアにとって必要な5つのスキルを、詳しく解説します。
フリーランスエンジニアとして成功するためには、単なる技術的な知識だけでなく、多様なスキルが求められます。
ビジネス運営や人間関係の構築、さらには自己管理と情報収集に至るまで、必要とされるスキルは実にさまざまです。
それぞれのスキルがどのようにフリーランスのキャリアに貢献するのかを理解することで、よりフリーランスエンジニアとして成長することができるでしょう。
参考:フリーランスエンジニアになるには?必要なスキルや未経験でもなれるのか解説|アクシス
1.技術力
最も必要なのは、当然ながら技術力です。会社という後ろ盾がなくてもやっていけるだけの高い技術力がなければ、フリーランスとして仕事を獲得することはできません。高い技術力によって確かな品質の成果を提供し続けることが、クライアントからの信頼につながります。
また、活躍し続けているフリーランスエンジニアは、案件をこなす中で常に情報をアップデートし、新しいスキルの習得を続けています。トレンドの転換が早いITエンジニア業界では、日々新しい情報をキャッチアップしていくことが不可欠です。
2.営業力・交渉力
フリーランスエンジニアに必要な能力として、営業力・交渉力も挙げられます。「エンジニアは技術力さえあればいい」と考えられがちですが、フリーランスは自らの手で案件を獲得しなければなりません。
顧客がどのようなことを求めているのかを円滑なコミュニケーションによって引き出し、提案するスキルが必要です。
顧客価値に寄与する営業や交渉をおこなえるエンジニアは、クライアントから「この人に任せたい」という確固たる信頼を獲得できるようになるでしょう。
3.コミュニケーション能力
エンジニアは個人で作業することが多いですが、フリーランスの案件はチームで開発することがほとんどです。
そのため、技術力が高いだけではなく、周りのエンジニアとスムーズにコミュニケーションが取れるかも重要になります。チームの開発では、お互いの意見を交わし合い方向性を共有することが大切です。
実際にエージェント目線からお伝えしても、エンジニアの方を評価するときに、チームでの開発経験があるかを重視しています。
4.自己管理能力
フリーランスとして活動するためには、自己管理能力も必要です。
すべてのスケジュールを自分の裁量で決められるからこそ、働きすぎや不摂生などによって心身のリズムを崩すことのないよう、注意しなければなりません。体調管理はもちろん、メンタルの管理、スケジュール管理を徹底してうことが大切です。
とくにフリーランスの場合、個人で働いていることから孤独に陥りやすく、メンタルヘルスの不調を訴える人が多い傾向にあります。
厚生労働省のポータルサイトでは、フリーランス向けのストレスチェック調査票や、疲労蓄積度自己診断チェックリストなどが提供されています。このようなサービスを適切に活用し、メンタルヘルスの不調にならないよう心がけましょう。
参考:フリーランスの方のメンタルヘルスケア|働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトこころの耳
5.情報収集力
フリーランスエンジニアとして成功するためには、情報収集力も欠かせません。
基本的に、フリーランスとしての仕事はすべてが自己責任です。
企業に属していると、多くのサポートやリソースが会社から提供されますが、独立後は1人ですべてをおこなう必要があります。
問題に直面した際には、自ら解決策を見つけ出さなければなりません。
また、フリーランスエンジニアとして活躍するためには、常に最新の技術や業界トレンドを把握しておく必要があります。
技術分野は日々進化しており、新しいツールや言語が頻繁に生まれています。変化に迅速に対応するためには、効果的な情報収集が必要不可欠です。
さらに、クライアントの要求に素早く応じるために情報収集のスピードが求められることもあるでしょう。
情報収集力に長けていることで、クライアントからの要求に対して柔軟かつ迅速に対応できるようになります。
フリーランスに必要なスキルについて詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
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フリーランスにはどんなスキルが必要?独立後に成功する人、失敗する人
フリーランスエンジニアとして成功する3つのコツ
フリーランスエンジニアとして成功するための重要なコツを3つご紹介します。
- しっかりと準備をしてから独立する
- いきなり独立するのではなく副業から始めてみる
- 複数の案件を並行する
上記の重要性について掘り下げていきましょう。
独立前にこれらのコツを理解しておくことで、フリーランスエンジニアとしてのキャリアを成功に導くことができます。
1.しっかりと準備をしてから独立する
独立してから成功できるかどうかは、「準備」にかかっているといっても過言ではありません。
見切り発車での独立は予想外の問題に直面するリスクが高まります。計画的な準備を実行することで、独立後の不確実性を減らし、失敗のリスクを低減させられるでしょう。
本記事でご紹介した会社員のうちにおこなうべきことの5つ、「キャリアプランの検討」「実務経験の積み上げ」「さまざまな挑戦」「スキルシートの作成」「案件獲得のための経路設計」を、順を追って計画的におこないましょう。
会計や税金に関する知識も、独立において重要な要素です。フリーランスは、収入管理や税務処理を自身でおこなう必要があります。
これらの知識がないと、税金の計算ミスや財務管理の問題など重要な側面でトラブルに見舞われる可能性があるため、しっかりと身につけておきましょう。
2.いきなり独立するのではなく副業から始めてみる
案件獲得のために実務経験が必要であることはお伝えしたとおりですが、ある程度の実務経験を積んだ段階で、副業として実際に案件を受けてみるのがおすすめです。もちろん必須ではありませんが、実際に独立してからのリアルな働き方を体験できるので、フリーランスエンジニアとしての姿をよりイメージしやすくなるでしょう。
政府では働き方改革の一環として副業を推奨しており、会社員として働いている人が副業・兼業をやりやすいようなルールの整備が進められています。
このような流れを受け、在宅や週2日稼働などの副業向け案件も増加傾向にあります。本業としては経験できないような新しい分野の業務にチャレンジすれば、独立後に獲得できる案件の幅がさらに広がるでしょう。副業としての収入が増えてくれば、確定申告などフリーランスとして必要な手続きも経験できます。
なお、会社が副業を認めていない場合もあるので、副業をおこなう際には就業規則をしっかりと確認することが大切です。
3.複数案件を並行する
フリーランスとして働く場合には、複数案件を同時におこなっていくこととを心がけましょう。
既に受けた案件に集中して取り組むことは大前提です。
高品質の成果を提供することで、クライアントの信頼を得て、将来的な仕事の機会を増やせます。
しかし、1社からの仕事に依存しすぎることにはリスクが伴うのもまた事実です。
たとえば、案件が急に終了し、収入が途絶えてしまう危険性があります。
このようなリスクを避けるためには、複数の案件を同時進行することが賢明です。
複数の案件を持つことには、収入の安定性のほかにもメリットがあります。
さまざまなプロジェクトに携わることで、幅広い経験を積み、スキルを向上させられるでしょう。
異なる複数のクライアントとの関係を築くことで、ネットワークを拡大することも可能です。
市場データによると、多くのフリーランスエンジニアが複数の案件を同時に進行しています。
これは上記のようなメリットを考慮した結果であり、フリーランスとしてのキャリア戦略として有効であることを示しているといえるでしょう。
参考:【2023年版】フリーランスエンジニア白書 1000人に聞いた!フリーランスエンジニアの実態調査-2023年1月-|Relance
長く活躍できるフリーランスエンジニアの特徴4選
市場の変化に迅速に対応し、持続可能なキャリアを築くためには、ただスキルが高いだけでは不十分です。
長く活躍できるフリーランスエンジニアが持つ4つの重要な特徴について、ご紹介します。
- 案件獲得の経路を複数持っている
- 既存のクライアントとの関係を含む人脈を大切にしている
- 自発的に学び続けている
- 心身の健康がキープできている
これらは、市場の変化に迅速に対応し、持続可能なキャリアを築くために必要といえるでしょう。
1.案件獲得の経路を複数持っている
長く活躍できるフリーランスエンジニアの多くは、案件獲得の経路を複数持つという特徴があります。
その利点は、案件が途切れるリスクを最小限に抑え、安定した収入を維持することです。
フリーランスにとって案件を途切れさせないことは、生活を持続していくために欠かせません。
案件獲得の経路を複数持つことにより、1つの経路が閉ざされたとしても、ほかの経路から新たな案件を確保することができます。
フリーランスエンジニアとして成功するためには、忙しい時期であっても営業活動を完全に停止しないようにしましょう。
「もしも」に備えて、常に新規案件獲得のための種まきをおこなっておくべきです。
また、人脈を大切にすることも、営業活動の1つといえます。
2.既存のクライアントとの関係を含む人脈を大切にできる
フリーランスエンジニアとして長く活躍するためには、新規案件の獲得だけでなく、既存のクライアントとの信頼関係の構築が非常に重要です。
クライアントと良好な関係を築くことによって、継続的な仕事の依頼や、より大きな責任を任せてもらえる機会が増えます。取引のあるクライアントから別クライアントの新たな案件の紹介を受けることもあるかもしれません。信頼関係が深まるほど、ビジネスの機会も広がっていくのです。
仮に案件が終了する可能性が出てきたとしても、クライアントはその関係性を重視し、仕事を切りにくいと感じてくれる可能性も生まれるでしょう。
既存のクライアントと良好な関係を結ぶことは、フリーランスエンジニアにとって安定した収入と長期的な仕事の保証をもたらします。
3.自発的に学び続けられる
フリーランスエンジニアとして長く活躍するためには、自発的に学び続ける姿勢が求められます。
技術の進歩は速く、社会やクライアントのニーズは常に変化していきます。
そのような社会で求められる人材であり続けるためには、これらの変化に応じて必要な知識を常にアップデートし、新しい技術を学び続ける姿勢が重要です。
フリーランスエンジニアはすべてが自己責任であり、自己管理のもと働かなければなりません。
業務に直接関わるスキルに限らず、自発的に学び、自身を高める努力をする必要があります。
そうすることで、常に最前線で活躍し、変化する市場の要求に応えることができるようになるでしょう。
自発的に新しい知識や技術を学び続ける能力は、フリーランスエンジニアが長期にわたって業界で活躍し続けるための鍵となります。
4.心身の健康をキープできる
フリーランスエンジニアとして長期にわたって活躍するためには、心身の健康を維持することも非常に重要です。
自己管理の重要性が強調されるフリーランスの働き方では、過度な労働による体調の崩れが一大リスクとなります。
とくにエンジニアは単独で作業することが多く、孤独感やストレスにさらされやすいため、心身共に疲弊してしまうことも多いでしょう。
そのため、定期的にリフレッシュする時間を設ける、休日や労働時間のルールを明確にする、相談できる相手を見つけるなどの対策が必要です。
長期的なキャリアを維持するために、健康管理は欠かせない要素といえます。
心身の健康をキープすることで、フリーランスエンジニアは持続可能な仕事のパフォーマンスを維持し、長期的な成功を収めることができるのです。
未経験でもフリーランスエンジニアへの挑戦はできるが準備が必要
未経験からフリーランスエンジニアを目指すことも、不可能ではありません。
エンジニア不足は深刻で、経済産業省の試算によると、2030年には少なくとも約16万人の不足が予測されています。
このような背景から、未経験者でもチャンスは増えており、クラウドソーシングやエージェントなどを利用して案件を獲得しやすくもなっています。
とはいえ、実際のところ、実務経験が求められるケースが多いため、未経験者が案件を見つけるのは決して簡単ではありません。
そのため、まずは効率的に学習し、受注の可能性がある案件に応募しましょう。未経験OKの案件を見つけ、実務経験を積むことも1つの方法です。
この場合、正社員募集やクラウドソーシングの低単価案件も選択肢に含めるとよいでしょう。
参考:ーIT人材需給に関する調査ー 調査報告書|経済産業省委託事業
まとめ
IT技術の高まりと人材不足を背景として、エンジニアの需要は高まっています。
フリーランスエンジニアは、収入と働き方の自由度が高い一方で、会社員とは異なるさまざまな課題を抱えているのも事実です。
フリーランスとして成功するためには、高単価の案件を獲得し続けていく必要があります。
スキル向上を目指し、経験を積み重ねていきましょう。
また、営業活動や法的な手続きについて準備することも重要です。
フリーランスエンジニアとして独立し高報酬を得たいと考えている方は、本記事を参考に準備を進めていきましょう。
独立後は、フリーランスエージェントを利用した案件獲得がおすすめです。エージェントでどんな案件を紹介してもらえるか気になるという人は、ぜひRelanceへお気軽にご相談ください。
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