【急がば回れ】フリーランスになる前にやるべき準備について徹底解説!
フリーランスとして働いていくために必要な準備とは?具体的な施策を解説します!
フリーランスとして独立するにあたって不安を抱き、何から準備をすればよいかわからず、足踏みしている方も多いことでしょう。
「フリーランスになろうとしているけど、会社員のうちに何か準備をするべき?」
「初めてのことばかりで何から準備すればよいかわからない…」
「フリーランスになってから必要な手続きや準備について知りたい!」
そんな想いを抱えている方は少なくないはずです。
フリーランスとしてスタートすると、経験したことのない状況にも多数直面するため、しっかりと準備しなければ失敗に終わってしまいます。
そこで本記事では、会社員のうちから準備するべきこと、またフリーランスになってから必要な準備について時系列でご紹介していきます。必須な準備と、準備できるとよいことについての優先順位も設けました。
「フリーランスとして成功したい」「フリーランスになって不安に悩まされたくない」という方は、ぜひ本記事を参考にして準備を進めてください。
目次
準備をせずに独立したフリーランスが迎える末路
会社員からフリーランスになる人の中には、「フリーランスになってからのことは会社を辞めてから考えよう」などと楽観的になっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、フリーランスになる前に十分な準備をしておかなければ、初めてでわからないことが多く、フリーランス1年目の時点で失敗する可能性が高いです。せっかく年収アップや自由な働き方を期待してフリーランスになっても、想像したような状況にはなり得ません。「案件が獲得できず収入が安定しない」「案件単価が低いままで収入が上がらない」「仕事を抱え込みすぎて自由がなくなる」などの悲惨な末路を迎えてしまいます。
フリーランスは、会社というしがらみから解放されて自分の好きな働き方を選びやすいという自由がある一方で、すべてが自己責任となります。案件獲得のための営業や事務、さらには税務など、すべてを自身でおこなわなければなりません。そのため、会社員のうちからしっかりと準備を整え、フリーランスになってから必要なことについても把握しておくことが、フリーランスとして成功するためには不可欠です。
会社員の間に必ずやるべきフリーランスになるための準備
フリーランスとして独立するには準備が重要であることを説明しました。
ここからは、具体的にどのような準備をしていけばよいのか、フリーランスになる前と後、また必ずすべき準備とやっておいたほうがよい準備にそれぞれ分けてご紹介していきます。
フリーランスになる前の準備として必ずするべきことは、以下の4つです。
・フリーランスとしてのキャリアプランを考える
・エージェントに登録して自分でも案件が獲得できるか確認する
・退職届を提出して仕事の引継ぎをする
・円満退社をする
これらをおこなわなければフリーランスとして失敗する可能性が高まってしまうため、会社員のうちから準備しておきましょう。
フリーランスとしてのキャリアプランを考える
フリーランスと一口にいっても、キャリアプランは様々です。案件ごとに契約を結び、仕事の選択肢も多いため、キャリアプランが明確になっていないと場当たり的な働き方をすることとなります。
最初のうちは手探りで多数の案件をこなしていても問題なくスキルが身についていきますが、いずれスキルは停滞し、報酬単価も上がらなくなってしまうでしょう。さらにスキルアップをしないまま年齢を重ねると、フリーランスとしての案件受注が難しくなってしまいます。長くフリーランスで活動していくためには、キャリアプランを明確にし、それに必要なスキルを身につけていく必要があります。
キャリアプランに沿ったスキルを身につけるということは、キャリアプランに沿った案件を獲得していくということでもあります。目先の報酬だけでなく、どのようなスキルを習得できるのかも考えて案件を獲得するのがおすすめです。
フリーランスのキャリアプランについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶フリーランスのキャリアアップは必要?理由と方法も徹底解説!
エージェントに登録して自分でも案件が獲得できるか確認する
フリーランスは、エージェント経由で案件を獲得する流れが一般的です。そのため、フリーランスになる前にエージェントサイトに登録し、案件を獲得できるのかどうかを確認しておく必要があります。
フリーランス用のエージェントサイトであっても、会社員という立場の人が登録することも可能です。案件に求められるスキルレベルと報酬水準について把握し、自分が独立した場合にどのくらいの年収を得られそうかについても、シミュレーションしておくとよいでしょう。
自分で案件を見るだけでなく、エージェントに相談もできます。フリーランスに転身したらすぐに獲得できる案件があるかどうかをエージェントに教えてもらうと、より確実です。いざ独立してから思ったように案件を獲得できなかったり、イメージよりも稼げなかったりとなれば、取り返しがつきません。
また、エージェントに前もって退職日などを伝えておけば、フリーランスになってからすぐ案件に参画することもできます。
退職届を提出して仕事の引継ぎをする
フリーランスとして案件を獲得できることがわかり、独立する決心がついたら、会社の退職手続きをおこないましょう。会社の規定では退職の何か月前までに退職の意思を伝えなければならないと決められていることが多いため、前もって伝えておく必要があります。
会社側にも都合があるので、なるべく早めに退職の意思を伝え、仕事の引き継ぎをおこなうことが望ましいです。
円満退社をする
円満退社は、実は大変重要なポイントです。今後フリーランスになった際に仕事関係で付き合うことがあっても、円滑にコミュニケーションが取れ、場合によっては案件獲得につなげることもできます。
会社の人の紹介であれば、自分のスキルや人柄をよく把握しているため、案件のミスマッチも起こりにくいでしょう。
これからフリーランスになるための準備にばかり意識が向いてしまうかもしれませんが、最後まで会社員としての仕事を完遂することも重要です。
フリーランスになる前に準備しておくとよいこと
必ずおこなうべきではないもののフリーランスになる前にしておくとよい準備は、以下の4つです。
・収入が下がったときに備えて生活費半年分の貯金をする
・固定費を見直して無駄な出費をなくす
・案件獲得につながる人脈を築く
・会計や税金の知識を身につける
・クレジットカードの作成
・必要な人は賃貸契約を済ませる
必須ではありませんが、これらの準備をおこなうことで、フリーランスになった後に上手くいきやすくなったり不安を抱きづらくなったりします。
収入が下がったときに備えて生活費半年分の貯金をする
フリーランスは収入が不安定になりやすいため、収入が落ち込んだときに備えて貯金をしておくとよいでしょう。貯金の金額としては、生活費の半年分が目安です。
フリーランスは案件ごとに契約を結んで報酬を得るため、獲得した案件の数と単価に収入が左右されます。先月は月収60万円でも今月は40万円に大きく下がってしまう…といったこともあるでしょう。
とくに駆け出しの頃は、営業活動が初めてであるためにうまくいかず、思ったように案件が獲得できないという可能性も考えられます。また、報酬の支払いは1か月後であったりとラグがあることにも注意が必要です。
さらに、会社員であれば毎月の給与から税金が源泉徴収されて手取りが支払われますが、フリーランスは報酬を全額受け取ってから、確定申告の時期に税金をまとめて支払います。ある程度の現金は担保しておくことが不可欠です。
フリーランスの貯金事情について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶フリーランスは貯金するべき!平均貯金額や貯金するコツも紹介
固定費を見直して無駄な出費をなくす
フリーランスは会社員と異なり毎月の収入が一定ではないため、毎月一定額発生する費用である「固定費」を見直すことが重要です。
フリーランスになりたての方は、思うように案件獲得ができなかったり、事務に追われて案件数をこなすことができなかったりすることもあるでしょう。収入が落ち込んだときに備えて、家計が厳しくならないよう固定費を減らしておくことが大切です。
以下が固定費の代表例です。毎月決まった日に引き落としがある費用が固定費に該当すると考えてみてください。
- 家賃
- 水道光熱費
- 通信費
- 保険料
- サブスク代
これらを見直すだけでも、出費と預金に十分な影響が出るでしょう。
案件獲得につながる人脈を築く
フリーランスが仕事を獲得する流れとしては、エージェントに依頼するほか、知り合いからの紹介もあります。会社員のうちから人脈づくりをすることで、案件の依頼が絶えないフリーランスになることが望めるはずです。
仕事で成果を出したり、親交を深めたりすることで、上司や同僚、取引先との信頼関係を築きましょう。
フリーランスの人脈構築について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶フリーランスに人脈は必要?人脈を広げるメリット・デメリットや人脈を仕事に繋げる方法について紹介
会計や税金の知識を身につける
フリーランスは確定申告を自分でおこなわなければならないため、会計や税金についての知識が必要です。
会計ソフトを利用すれば知識がなくても簡単に確定申告が可能ですが、会計ソフトに入力するのはあくまでも自分でおこなう必要があるため、各勘定項目について知っておくことでミスなくスムーズに手続きができます。
特別控除が受けられる青色申告の場合は複式簿記が求められるので、簿記3級レベルの基礎知識を理解しておくとよいでしょう。
上述のように、フリーランスは報酬をすべて受け取った後にまとめて納税するため、実際の収入と手取りには大きな差が生まれます。前もっていくらぐらい税金がかかるか知っておくことが必要です。
加えて、フリーランスは税金の計算方法が会社員と異なり、人によっては税金の種類が増えることもあるので、経費や控除などの節税策についても事前に学んでおくとよいでしょう。
クレジットカードの作成
会社員のうちに、事業用のクレジットカードを作成しておきましょう。事業用とプライベート用のクレジットカードを分けることで、確定申告に向けて費用の精算がしやすくなります。
フリーランスになりたては会社員より信用力が低くなってしまうため、クレジットカードの審査に通りにくくなってしまいます。上述の通り、フリーランスは案件ごとに報酬を得るため、収入が不安定になりやすいからです。
さらにフリーランスは事業を本当にやっているのか、どのような事業をやっているのかについて透明性が担保されにくく、社会的信用力も低くなってしまいます。
一方、会社員であれば、毎月の給料が安定しており社会的な後ろ盾もしっかりしているため、審査に落ちることは滅多にないでしょう。
フリーランスになる前にクレジットカードを作っておき、不安要素を1つ減らしておくことをおすすめします。
フリーランスのクレジットカード作成事情について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶フリーランスはクレジットカードを作れない?審査に通るための方法やおすすめカードも紹介!
必要な人は賃貸契約を済ませる
引っ越しを検討している方は、会社員のうちに賃貸契約を済ませておきましょう。
賃貸契約の場合も、クレジットカードと同様に、フリーランスになると信用力が低下するため審査に通りにくくなります。
収入が不安定になりやすいために、貸主から家賃を滞納する恐れがあると不安に思われてしまうのです。とくにフリーランス1年目は収入を証明できる書類がないため、審査に通ることは難しいでしょう。
フリーランスで独立するにあたって、自宅兼事務所として住居を新しくしようと考えている方は、フリーランスになる前に手続きをすることを強くおすすめします。
フリーランスの賃貸契約について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶フリーランスは賃貸契約できる?チェックされるポイントや審査を通過するコツを解説!
会社員を辞めてフリーランスになってから2週間以内に必要な準備
会社員を辞めてから2週間~2か月以内に必要となる準備が、以下の4つです。
・国民健康保険に加入する
・国民年金へ切り替える
・開業届を提出する
・青色申告を申請する
なかでも国民健康保険と国民年金は退職後2週間以内と早めに手続きをしなければならないので、必ず押さえておきましょう。
国民健康保険に加入する
会社を辞めてフリーランスになったら、原則として国民健康保険に加入する必要があります。国民健康保険に加入する場合、退職日の翌日から14日以内に国民健康保険への加入手続きを済ませなければなりません。
国民健康保険に加入するには、以下を用意して各市区町村の役所で手続きをおこないます。
- 健康保険の資格喪失日がわかる書類(離職票や退職証明書、退職日が記載された源泉徴収票など)
- 本人確認書類
- マイナンバー(個人番号)が確認できるもの
国民健康保険料として納付する保険料は、前年度の所得や各市町村によって変わってきます。国民健康保険料は確定申告時の所得控除の対象となるため、支払った金額や証明書類を控えておくことが必要です。
ただし例外として、会社員時代の保険をそのまま継続する方法もあります。会社員時代に高額な給料を得ていた場合や扶養家族が多い場合は、任意継続のほうが保険料を安く抑えられることもあるので、検討してみてください。
なお、どちらの場合であっても、フリーランスになれば原則として会社員時代より保険料の負担が大きくなります。会社員であれば社会保険料は会社と折半し半額を負担すればよかったものを、フリーランスは保険料を全額負担する必要があるためです。
フリーランスの保険について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶フリーランスの保険はどうする?社会保険や健康保険などパターン別に紹介
参考サイト:国民健康保険加入の届出 | 世田谷区
参考サイト:健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について | 全国健康保険協会
国民年金へ切り替える
国民年金の加入も、国民健康保険と同様、退職日の翌日から14日以内に手続きが必要です。
会社員の場合は厚生年金に加入していますが、退職すると厚生年金の加入が外れるので国民年金のみに切り替えます。国民年金の加入手続きには、以下のものが必要です。
- 厚生年金保険等の資格喪失日を証明できるもの(離職票、健康保険喪失証明書、退職証明書など)
- 基礎年金番号通知書または年金手帳等の基礎年金番号を明らかにすることができる書類
会社員の場合は国民年金と厚生年金を会社と折半して半額負担で支払いますが、フリーランスの場合は国民年金のみとなり、全額負担しなければなりません。厚生年金分がなくなるため、会社員のときより負担額が減るケースもあります。
しかし、フリーランスは年金として納める金額が減ることになり、老後に得られる年金が会社員と比べて少なくなってしまいます。
参考サイト:国民年金に加入するための手続き|日本年金機構
参考サイト:国民年金保険料|日本年金機構
開業届を提出する
いざ事業を開始して独立したら、1か月以内に開業届を税務署に提出しましょう。開業届を提出することで、フリーランスは「個人事業主」に分類されます。
開業届の提出は罰則が設けられていないものの、所得税法第二百二十九条で義務づけられています。開業届を提出すると以下のようなメリットを受けられるので、自身のためにもおすすめです。
- 青色申告ができるようになる
- 事業用の銀行口座が開設できる
- 個人事業主としての証明になり信用が高まる
- 小規模企業共済に加入できる
開業届を出すにあたっては、屋号を決められます。本名で活動することに抵抗がある方やペンネームを使いたい方は、設定してみてください。
フリーランスの開業届に関して詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶フリーランスは開業届を提出する義務がある?そのメリットやタイミングについてもご紹介
参考サイト:個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
参考サイト:所得税法 | e-Gov法令検索
青色申告を申請する
開業届と同時に「青色申告承認申請書」も税務署に提出しましょう。青色申告の申請は、申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以降の開業なら2か月以内)におこないましょう。
青色申告とは所得税の申告方式の1つで、正式な簿記の記帳が求められる代わりに、最大65万円の青色申告特別控除が受けられる申告方法です。通常の白色申告の場合は10万円の控除であるため、大きな節税効果となります。
例として年収800万(経費率20%)の場合、青色申告・白色申告における所得税・住民税・国民健康保険の負担額の違いは以下の表のとおりです。
所得税 | 住民税(東京都) | 国民健康保険 | 計 | |
青色申告 | 48万円 | 46万円 | 57万円 | 151万円 |
白色申告 | 58万円 | 51万円 | 62万円 | 171万円 |
この条件の場合、青色申告をすることで20万円もの節税ができることがわかります。
青色申告の記帳の仕方としては、収入や費用に関する日々の取引について複式簿記で記録し、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することが必要です。帳簿と作成の証拠となる書類は、原則として7年間保存する義務があります。
青色申告のメリットとしては、損失(赤字)の繰り越しなども挙げられます。
フリーランスの確定申告について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶フリーランスの青色申告のやり方は?初めての方でもわかりやすく解説
参考サイト:青色申告制度|国税庁
参考サイト:青色申告特別控除|国税庁
参考サイト:所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
フリーランスになってから行うべき準備
上記の「フリーランスになってから2週間以内に必要な準備」と並行して、以下5つの準備も進めていきましょう。
・仕事用の銀行口座を開設する
・仕事用のメールアドレスを作成する
・スキルシートやポートフォリオを作成する
・名刺と印鑑を作成する
・フリーランスエージェントに登録する
仕事用の銀行口座を開設する
開業届を提出したら、仕事用の銀行口座を開設しましょう。
クレジットカードの場合と同様に、銀行口座に関しても、仕事用とプライベート用が混在すると仕事の収支を把握しづらくなります。
お金の管理を正確に、加えて簡単におこなうために、銀行口座は仕事用とプライベート用でそれぞれ別のものを使用することが望ましいです。
フリーランスの銀行口座について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶フリーランスは口座を作成するべき?口座開設におすすめの銀行や注意点について紹介
仕事用のメールアドレスを作成する
メールアドレスについても、仕事用に新しく作成するようにしてください。
フリーランスとして活動すると、クライアントとメールでやり取りする機会が頻繁に訪れるでしょう。個人用のメールアドレスをそのまま使っても問題はないのですが、プライベートのメールと仕事のメールとが混同してしまうため、重要なメールを見落としてしまう可能性があります。
取引先への返信が遅れてしまったり、返信に見逃しがあったりすると、クライアントからの信用を失うことにもなりかねません。案件を獲得できない、契約を継続して受注できないといった事態に陥ってしまうでしょう。
取引先と円滑にコミュニケーションを取ったり、信用を高めたりするためにも、メールアドレスはフリードメインではなく独自ドメインを契約し、オリジナルのメールアドレスを作成することがおすすめです。
フリーランスのメールアドレス作成について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶フリーランスの仕事用メールアドレスはどうするべき?決め方のポイントや例を紹介
スキルシートやポートフォリオを作成する
自分のスキルや経験をクライアントにわかりやすく伝えるために、ITエンジニア向けの職務経歴書である「スキルシート」を作成しましょう。
スキルシートの内容が不十分だと、自分のスキルや経験がクライアントに上手く伝わらず、案件を獲得できない可能性があります。
スキルシートを作成する際には、スキルや経験をクライアントが把握しやすいように、できるだけ具体的に書くことが重要です。ただし、契約上、会社名やサービス名についての保守義務がある場合もあるので、注意しましょう。
スキルシートを作る際の項目例は、以下のとおりです。
- 在職期間
- クライアント名
- 業務内容
- 担当・役割
- プロジェクト規模
- 使用した環境や言語
- 活かした経験・知識・技術など
- 自身の強みを活かした成果や困難を乗り越えた方法など
ポートフォリオサイトを作成し、自分の経歴や作品を紹介することも、営業活動において大いに役立つでしょう。ポートフォリオサイトを作成しておけば、クライアントと交渉をする場でも、事前に成果を確認してもらえてスキルレベルも正確に伝えられるため、話し合いがスムーズに進みます。
Webサイトが作れる方は、ぜひ作っておくとよいでしょう。
フリーランスエンジニアのポートフォリオについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶フリーランスエンジニアにポートフォリオは必要?簡単な作り方と注意点を解説
▶スキルシートとは?フリーランスエンジニアが記載するべき項目一覧と書き方のポイント
名刺と印鑑を作成する
案件の営業活動や契約手続きの際には、事業用の名刺と印鑑が必要となります。コロナ禍を経て近年は電子上での契約も普及してきているため、実物と電子の両方を用意するようにしましょう。
名刺は自身の看板となり、営業活動に役立つツールです。名刺を作るときには、自分の強みや経歴がわかりやすく伝わるようにし、形状やデザインで相手に印象づけることがポイントとなります。QRコードを記載し、公式サイトやポートフォリオサイトに誘導するといった工夫を施すのもよいでしょう。
印鑑は主に、契約書や請求書・領収書に必要です。印鑑の種類としては、屋号が入った角印を用意するようにしましょう。丸印は法人用のものなので、フリーランスの場合は必要ありません。
なお、開業届や青色申告承認申請書、確定申告書を提出する際には、印鑑の届出は不要です。銀行口座を開設するときや役所に提出する書類など公的な書類については、個人名の実印を使うようにしてください。
電子手続きにおいては、電子名刺・電子印鑑ともにクラウドサービスを利用すれば、簡単に作成・使用できます。名刺はSansan、電子印鑑であればShachihata Cloudが有名です。
電子印鑑には無料のサービスもありますが、簡単に複製できてしまうというセキュリティ上の不安があるため、おすすめしません。
フリーランスエージェントを活用する
フリーランスになったら、エージェントを活用して手っ取り早く案件を獲得していきましょう。フリーランスエージェントは、営業活動や案件獲得、契約の手続きを代行してくれるサービスです。
エージェントを利用すれば、営業に時間と手間を取られず本業やスキルアップに集中できるようになります。エンジニアの場合、営業活動が未経験で案件獲得に不安を抱く人も少なくありません。交渉に慣れていないと、自分のスキルや実績が十分にクライアントに伝わらないこともあるので、営業を代行してくれるのは非常に心強いでしょう。
フリーランスエージェントのなかでも、Relanceは「リモート案件70%」「案件の55%以上が月額単価100万~」「契約継続率92%」と高単価案件が豊富です。30秒足らずで登録が可能なので、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。
フリーランスになってから準備するとよいこと
上で紹介した「フリーランスになってからおこなうべきこと」に加えて、フリーランスになってから準備するとよいことについて解説していきます。
必須ではありませんが、以下の準備をおこなうことで業務の生産性が上がったり、フリーランスのデメリットをカバーできたりします。
・確定申告に向けて会計ソフトを導入する
・老後のためにiDeCOを活用する
・退職や廃業時に備えて小規模企業共済に加入する
・人脈を築くために交流会やオンラインサロンに参加する
・営業活動や人脈づくりに活かせるようSNSに登録する
確定申告に向けてクラウド会計ソフトを導入する
会計ソフトを使えば、会計や税金の知識がないフリーランスの方でも簡単・正確に帳簿づけと確定申告ができるようになります。
フリーランスは確定申告を自身でおこなわなければいけません。本業以外の事務に時間が取られてしまえば、その分プライベートの時間が削れたり、スキルアップの時間が確保できなくなってしまいます。
また、会計や税務は内容の理解が難しく、申告にミスがないよう正確におこなう必要があります。とくに青色申告の場合は複式簿記などの正式な記帳が求められるので、1から手作業で作成するのは手間を取られてしまうでしょう。また、ミスが起こらないとも限りません。
青色申告では、e-Taxにて電子申告をすることで青色申告特別控除の限度額である65万円の控除が受けられるようになるので、会計ソフトの利用は相性がよいです。
税理士の場合は5~10万円ほどの料金がかかってしまいますが、会計ソフトなら月額980円から利用することができ、コストを抑えられます。
機能とサポートが制限されているので、無料版の利用はおすすめしません。
フリーランスにおすすめのクラウド会計サービスとしては、以下の3つが代表的です。
フリーランスにおすすめの会計ソフトについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
▶【2022年最新】フリーランスにおすすめの会計ソフトを紹介!
老後のためにiDeCOを活用する
iDeCoという私的な年金制度を活用することで、フリーランスでも老後に備えた資産を形成できます。
iDeCoでは毎月の掛金額を自身で決めて運用します。運用益、給付金が非課税となり、掛金は全額所得控除の対象になるため節税ができる、という税制上のメリットがあります。なお、年金制度であるため、原則として60歳になるまで給付は受けられません。
老後2000万円問題がニュースに取り上げられたように、老後のための資金を十分に用意しておくことが必要です。人生100年時代ともいわれ寿命が伸びているなか、老後に必要な金額はさらに膨らむかもしれません。
フリーランスは会社員とは異なり厚生年金を支払わず国民年金のみに加入しているため、老後の受け取る年金額は会社員よりも少なくなってしまいます。そのため、自分で老後の備えを蓄えることは必須といえるでしょう。
参考サイト:iDeCo|国民年金基金連合会
退職や廃業時に備えて小規模企業共済に加入する
フリーランスは退職金がもらえないため、退職時や廃業時のために小規模企業共済に加入し、自身で備えておくことがおすすめです。
小規模企業共済は自分で決めた額を積立する、経営者や個人事業主のための退職金制度です。iDeCoと同様に毎月の掛金は所得控除となるため、節税効果が得られます。
退職時や廃業時に共済金の受け取りが可能となり、一括給付か分割給付かの受け取り方式を選択できるという税制メリットもあります。
参考サイト:小規模企業共済|中小機構
人脈を築くために技術者交流会やオンラインサロンに参加する
仕事仲間と知り合いたい方や、仕事に役立つ業界情報を仕入れたい方には、技術者交流会やオンラインサロンなどのコミュニティに積極的に参加することをおすすめします。
フリーランスは同僚や上司がいないため、孤独に悩まされがちです。疑問を抱いてもすぐに相談できる相手がおらず、仕事で行きづまってしまうこともあるでしょう。その点交流会やオンラインサロンでは、場合によっては案件を紹介してもらえたり、新しいビジネスが生まれたりする可能性もあります。
人気のオンラインサロンとしては、新しい働き方Lab、フリーランス協会、FreelanceNowなどが有名です。オンラインサロンのなかには、賠償責任補償制度や健康診断の割引など福利厚生がついているものもあるので、チェックしてみてください。
営業活動や人脈づくりに生かせるようSNSに登録する
SNSにはジャンルごとにコミュニティが生まれるため、オンラインサロンと同様に案件の依頼が来たり仕事仲間と交流できたりします。
SNSには、業界の最新情報や仕事に関するコツなどが日々数多く発信されており、有益な知見をキャッチアップできるはずです。
また、単にSNSを眺めるだけではなく、自分のブランディングをして、自身も発信していくようにしましょう。自分のスキルや実績をアピールできて認知されれば、SNSから案件の依頼をもらえたり、同業者との人脈が築けたりします。
SNSの種類としては、TwitterやFacebookがおすすめです。ブログを立ち上げてみるのもよいでしょう。
まとめ
本記事では、フリーランスが会社員のうちにするべき準備と、フリーランスになってからするべき準備についてご紹介しました。
「フリーランスになってからのことは退職してから考えよう」と楽観的になるのは非常に危険です。フリーランスは仕事も生活も会社員とは一変するため、初めて経験することばかりになるでしょう。きちんと準備をしておかなければ、せっかくフリーランスになっても失敗に終わってしまいます。
本記事ではフリーランスになるにあたって必要な準備について時系列でご紹介したので、「フリーランスとして成功したい」「フリーランスになって不安に悩まされたくない」という方は、ぜひ上から順に実践してみてください。
とくに、今会社員として働いており、これからフリーランスになろうか悩んでいる方は、まずはフリーランスエージェントに相談することがおすすめです。テックカンパニーが運営するRelanceであれば、過半数の案件で月額単価100万円~で契約継続率92%と高い信頼をいただいています。ぜひお気軽にご相談ください。
関連記事